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夢の中の調教
239 助け出される(予定の)シーリーン
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レドナンドら一行がやっと建物の見える岩の坂の上に辿り着く。
両側を岩で囲まれたその場所から、石造りの建物へと進む。
レドナンドが建物からやって来る歩哨を見つけ、咄嗟岩陰に隠れる。
シェナンも直ぐ隠れ…アントラン、そしてロレンツも隠れた。
が、アリオンだけはだかだか進むと、呆けてる歩哨の横を通り過ぎ、歩哨が
「あの…」と呼び止めた途端、がつん!
と拳を振って殴り倒した。
シェナンもレドナンドも岩陰から立ち上がり、顔を見合わせる。
アリオンは、だかだかとそのまま建物の扉を開けて中へ。
レドナンドとシェナンは顔を見合わせ、倒れて気絶してる歩哨の横を通って、アリオンの開けた扉を潜った。
アントランとロレンツも倒れる歩哨の横を通る。
「…煮詰まってんな」
アントランが言い、ロレンツも頷いた。
「あいつ、俺と違って自分の指で、岩に張り付いてたから」
中はあちこちに石の廊下や階段があり、どっちに行こうか。
アリオンが首を振っていた。
シェナンが廊下の先に下る階段を見つけ、降りて行く。
皆、後をぞろぞろと続く。
降りきった先にまた、登る階段。
その向こうに廊下を挟み、二つの扉。
シェナンが一つの扉を、開けたかと思うと直ぐ、閉める。
「………………………………………」
背後の皆が、シェナンの理解不能の行動に、目を見開き無言。
シェナンは軽やかに言う。
「見なかったことにしよう」
「何を?!」
即座にアントランに突っ込まれ、シェナンは俯く。
「…シーリーンが、いた」
アリオンがすっ。とシェナンに近寄る。
シェナンが止める間もなく、アリオンが扉を開ける。
そして…シェナンがしたように、直ぐ閉める。
そして、俯く。
「…どうした?」
レドナンドに聞かれ、アリオンは俯いたまま、言う。
「…キリアンが、いた」
ロレンツが肩竦める。
「一挙に二人救助か」
「それが…」
アリオンが言い、横のシェナンと顔を見合わせる。
シェナンがにっこり笑う。
「繋がってる最中で、もう少しで逝きそうな感じだから。
邪魔すると男として、気の毒だ」
「…………………」
レドナンドとロレンツが意味不明で首を捻る中、アントランだけが、ずかずかと進み、扉を開けた。
途端
「てめぇ!
俺のシーリーンに、何してやがる!」
と怒鳴って姿を消す。
シェナンとロレンツが見つめ合う。
「俺、見ない方が良い?」
ロレンツがシェナンに聞くと、シェナンは俯き加減で、頷いた。
アリオンが、アントランが開けっ放しにした扉を、チラと見る。
そして横のシェナンに、俯き加減で振り向く。
「…凄く、閉めたい」
シェナンが俯いたまま、アリオンに振り向く。
「閉めちゃえば?」
レドナンドが少し横に顔をズラし、中が見えて絶句。
アントランが、両腕吊られたシーリーンの股の間に抱きついて乗っているキリアンの肩を掴み、どかせようと争っていた。
「………………閉めた方が、いいかもな…」
レドナンドの了承を得て、アリオンは見ないまま、後ろ手で扉を掴むと、やっぱり見ないまま、閉じた。
夢見てる皆は無言。
シーリーンだけが、ぷんぷん怒った。
「薄情な奴らだ!」
けれど、レオとセルティスが俯きながらこそこそと語り合う。
「気持ちは解る」
レオが言うとセルティスも
「凄く」
と言って、シーリーンをもっと、怒らせた。
「アリオン!
夢のお前って最低!」
シーリーンにそう言われたけれど、アリオンはキースにそっと言う。
「…あんたでも、ああした?」
「流石に。
扉を閉めるのが賢い選択だと、俺でも思う」
二人が頷き合ってて、シーリーンはもっと憤慨した。
両側を岩で囲まれたその場所から、石造りの建物へと進む。
レドナンドが建物からやって来る歩哨を見つけ、咄嗟岩陰に隠れる。
シェナンも直ぐ隠れ…アントラン、そしてロレンツも隠れた。
が、アリオンだけはだかだか進むと、呆けてる歩哨の横を通り過ぎ、歩哨が
「あの…」と呼び止めた途端、がつん!
と拳を振って殴り倒した。
シェナンもレドナンドも岩陰から立ち上がり、顔を見合わせる。
アリオンは、だかだかとそのまま建物の扉を開けて中へ。
レドナンドとシェナンは顔を見合わせ、倒れて気絶してる歩哨の横を通って、アリオンの開けた扉を潜った。
アントランとロレンツも倒れる歩哨の横を通る。
「…煮詰まってんな」
アントランが言い、ロレンツも頷いた。
「あいつ、俺と違って自分の指で、岩に張り付いてたから」
中はあちこちに石の廊下や階段があり、どっちに行こうか。
アリオンが首を振っていた。
シェナンが廊下の先に下る階段を見つけ、降りて行く。
皆、後をぞろぞろと続く。
降りきった先にまた、登る階段。
その向こうに廊下を挟み、二つの扉。
シェナンが一つの扉を、開けたかと思うと直ぐ、閉める。
「………………………………………」
背後の皆が、シェナンの理解不能の行動に、目を見開き無言。
シェナンは軽やかに言う。
「見なかったことにしよう」
「何を?!」
即座にアントランに突っ込まれ、シェナンは俯く。
「…シーリーンが、いた」
アリオンがすっ。とシェナンに近寄る。
シェナンが止める間もなく、アリオンが扉を開ける。
そして…シェナンがしたように、直ぐ閉める。
そして、俯く。
「…どうした?」
レドナンドに聞かれ、アリオンは俯いたまま、言う。
「…キリアンが、いた」
ロレンツが肩竦める。
「一挙に二人救助か」
「それが…」
アリオンが言い、横のシェナンと顔を見合わせる。
シェナンがにっこり笑う。
「繋がってる最中で、もう少しで逝きそうな感じだから。
邪魔すると男として、気の毒だ」
「…………………」
レドナンドとロレンツが意味不明で首を捻る中、アントランだけが、ずかずかと進み、扉を開けた。
途端
「てめぇ!
俺のシーリーンに、何してやがる!」
と怒鳴って姿を消す。
シェナンとロレンツが見つめ合う。
「俺、見ない方が良い?」
ロレンツがシェナンに聞くと、シェナンは俯き加減で、頷いた。
アリオンが、アントランが開けっ放しにした扉を、チラと見る。
そして横のシェナンに、俯き加減で振り向く。
「…凄く、閉めたい」
シェナンが俯いたまま、アリオンに振り向く。
「閉めちゃえば?」
レドナンドが少し横に顔をズラし、中が見えて絶句。
アントランが、両腕吊られたシーリーンの股の間に抱きついて乗っているキリアンの肩を掴み、どかせようと争っていた。
「………………閉めた方が、いいかもな…」
レドナンドの了承を得て、アリオンは見ないまま、後ろ手で扉を掴むと、やっぱり見ないまま、閉じた。
夢見てる皆は無言。
シーリーンだけが、ぷんぷん怒った。
「薄情な奴らだ!」
けれど、レオとセルティスが俯きながらこそこそと語り合う。
「気持ちは解る」
レオが言うとセルティスも
「凄く」
と言って、シーリーンをもっと、怒らせた。
「アリオン!
夢のお前って最低!」
シーリーンにそう言われたけれど、アリオンはキースにそっと言う。
「…あんたでも、ああした?」
「流石に。
扉を閉めるのが賢い選択だと、俺でも思う」
二人が頷き合ってて、シーリーンはもっと憤慨した。
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