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夢の中の調教
234 妬くキース
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とうとうリチャードが、ぷりぷり怒って部屋を出て行く。
キースもレオも戸口で振り向くリチャードを見る。
が、リチャードは
「デュランを探す!」
と言って扉を閉め、レオとキースはリチャードのお守りをする、デュランを少し…気の毒に思い浮かべた。
が、思い浮かんだ、ちゃらんぽらんで脳天気なデュランが脳裏に現れると
『同情は必要無いな』
とレオとキース、二人共が思った。
入れ替わるように、セルティスが戸口から覗く。
レオはセルティスが自分を見つめてるのに気づき、腰を微かにすり寄せる発情しきった色っぽいファオンを、残念そうに見つめ、立ち上がった。
「ここを、頼む」
キースは直ぐ、レオのいた位置に屈む。
「…もうすっかり…欲しい?」
キースに甘やかすように背後から抱きつかれて囁かれると、ファオンはもうすっかり囚われたように瞳を潤ませて頷く。
「お…願い…」
真っ白な肌の、頬やそこかしこをピンクに染めてそう言うファオンはたまらなく色っぽく見えて、レオは扉を閉めると、セルティスに少しむくれた顔で聞く。
「どうした?」
レオはファーレーンの石牢部屋の扉を開ける。
「本気か?!」
ファーレーンは直ぐ、さっきの話だ。と気づき…途端、レオを男としてやたら意識すると、頬を染めて俯く。
「…本気だ」
レオは俯くファーレーンと、さっき挿入(い)れて欲しそうに腰を捩っていたファオンとが…重なり、目を見開く。
「………………………(本当はここで、ファーレーンが本気かどうか。
感じる部分を少し触ったりして確かめるんだが…。
迂闊なことすると、後でキースに恨まれるな………)」
レオはファーレーンに意識され、すごく気まずそうに顔を下げて言った。
「本気かどうか、確かめてみたかっただけだ」
ファーレーンも、レオを意識して赤く成り、俯き加減で囁く。
「…そうか」
レオはそそくさと扉を閉めて、撤退した。
戸を閉めるとほっとして、溜息を吐く。
夢見てるレオはキースに振り向く。
「良かった。
あいつ(夢の中の自分)、ちょっかい出さないか冷や冷やした」
セルティスも言う。
「出してたら、“あいつと俺は別人格”と言い訳るつもりで?」
レオは頷きかけた。が、キースが睨む。
シーリーンがレオを睨むキースに問う。
「夢の中のレオは、手出さなかったぜ?!」
キースは恨めしそうに呻く。
「…普段から…ファーレーンってあんたの男らしい迫力にタマに、見とれたりするよな?」
アリオンが溜息を吐く。
レオは内心、凄く焦った。
が焦りを隠して言う。
「…だろうが俺の知った事じゃ無い。
ファーレーン自身の問題だ」
キースは俯く。
「…ファーレーンって…俺とかシーリーンの甘々タイプじゃなく、レオとかアリオン系の、男らしいヤツがタイプなのか?」
レオはキースを見る。
「…俺は、レドナンドとかセルティス系の、普段穏やかで体格いい、いざと言う時男らしいのが、タイプだと思ってた」
セルティスはレオを恨んだ。
なぜならキースが顔を上げて視線を自分に向け
「そう言えば…」
と恋仇みたいに睨むから。
「夢の中の俺も言ってたが…ファーレーンみたいに顔は美麗でも、そこそこ体格のいい引き締まりきった体付きの男は、抱こうとしても勃たない」
レオが言い訳るセルティスに、気の毒そうに言った。
「キースが引っかかってるのはそこじゃない」
シーリーンもやっぱりセルティスを気の毒そうに見て、言った。
「…ファーレーンが、タイプかどうかだ」
セルティスががっくり首を垂れ
「…どうして、勃たない相手に好かれて妬かれる?」
と呟く。
アリオンも同調して頷きながら、キースを指して言った。
「恋は盲目」
皆、深い溜息を吐き出す中、キースだけはセルティスとレオ、どっちを睨もうか、二人に交互に視線を彷徨わせていた。
キースもレオも戸口で振り向くリチャードを見る。
が、リチャードは
「デュランを探す!」
と言って扉を閉め、レオとキースはリチャードのお守りをする、デュランを少し…気の毒に思い浮かべた。
が、思い浮かんだ、ちゃらんぽらんで脳天気なデュランが脳裏に現れると
『同情は必要無いな』
とレオとキース、二人共が思った。
入れ替わるように、セルティスが戸口から覗く。
レオはセルティスが自分を見つめてるのに気づき、腰を微かにすり寄せる発情しきった色っぽいファオンを、残念そうに見つめ、立ち上がった。
「ここを、頼む」
キースは直ぐ、レオのいた位置に屈む。
「…もうすっかり…欲しい?」
キースに甘やかすように背後から抱きつかれて囁かれると、ファオンはもうすっかり囚われたように瞳を潤ませて頷く。
「お…願い…」
真っ白な肌の、頬やそこかしこをピンクに染めてそう言うファオンはたまらなく色っぽく見えて、レオは扉を閉めると、セルティスに少しむくれた顔で聞く。
「どうした?」
レオはファーレーンの石牢部屋の扉を開ける。
「本気か?!」
ファーレーンは直ぐ、さっきの話だ。と気づき…途端、レオを男としてやたら意識すると、頬を染めて俯く。
「…本気だ」
レオは俯くファーレーンと、さっき挿入(い)れて欲しそうに腰を捩っていたファオンとが…重なり、目を見開く。
「………………………(本当はここで、ファーレーンが本気かどうか。
感じる部分を少し触ったりして確かめるんだが…。
迂闊なことすると、後でキースに恨まれるな………)」
レオはファーレーンに意識され、すごく気まずそうに顔を下げて言った。
「本気かどうか、確かめてみたかっただけだ」
ファーレーンも、レオを意識して赤く成り、俯き加減で囁く。
「…そうか」
レオはそそくさと扉を閉めて、撤退した。
戸を閉めるとほっとして、溜息を吐く。
夢見てるレオはキースに振り向く。
「良かった。
あいつ(夢の中の自分)、ちょっかい出さないか冷や冷やした」
セルティスも言う。
「出してたら、“あいつと俺は別人格”と言い訳るつもりで?」
レオは頷きかけた。が、キースが睨む。
シーリーンがレオを睨むキースに問う。
「夢の中のレオは、手出さなかったぜ?!」
キースは恨めしそうに呻く。
「…普段から…ファーレーンってあんたの男らしい迫力にタマに、見とれたりするよな?」
アリオンが溜息を吐く。
レオは内心、凄く焦った。
が焦りを隠して言う。
「…だろうが俺の知った事じゃ無い。
ファーレーン自身の問題だ」
キースは俯く。
「…ファーレーンって…俺とかシーリーンの甘々タイプじゃなく、レオとかアリオン系の、男らしいヤツがタイプなのか?」
レオはキースを見る。
「…俺は、レドナンドとかセルティス系の、普段穏やかで体格いい、いざと言う時男らしいのが、タイプだと思ってた」
セルティスはレオを恨んだ。
なぜならキースが顔を上げて視線を自分に向け
「そう言えば…」
と恋仇みたいに睨むから。
「夢の中の俺も言ってたが…ファーレーンみたいに顔は美麗でも、そこそこ体格のいい引き締まりきった体付きの男は、抱こうとしても勃たない」
レオが言い訳るセルティスに、気の毒そうに言った。
「キースが引っかかってるのはそこじゃない」
シーリーンもやっぱりセルティスを気の毒そうに見て、言った。
「…ファーレーンが、タイプかどうかだ」
セルティスががっくり首を垂れ
「…どうして、勃たない相手に好かれて妬かれる?」
と呟く。
アリオンも同調して頷きながら、キースを指して言った。
「恋は盲目」
皆、深い溜息を吐き出す中、キースだけはセルティスとレオ、どっちを睨もうか、二人に交互に視線を彷徨わせていた。
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