221 / 286
夢の中の調教
221 リチャードに迫られるシーリーン
しおりを挟む
両手首束ねられて上に吊られ、石牢同然の部屋の中で…。
シーリーンはリチャードの顔が寄り、幾度も唇を寄せられ、顔を背け倒していた。
「寄るな!」
と怒鳴る。
けれどリチャードは幾度顔を寄せても拒絶されるから…とうとう、シーリーンの股間に手を添える。
膝を床に付けていたシーリーンが、一気に素早く足を後ろに引いて回し蹴る。
どさっ!
リチャードは蹴り飛ばされて部屋の隅に…。
リチャードは濃い栗毛を振ってシーリーンに振り向き、石の床に手を付いたまま、濃い青の瞳を潤ませ、訴えかける。
「ひ…どい!
気持ち良くさせてあげようと思ったのに!」
夢見てるみんなが、顔を一斉に下げる。
「あれ…絶対リチャードじゃない…」
キースの言葉に、全員が頷く。
アリオンも言う。
「本物だったら
『何しやがんだ。てめぇ!』
と怒鳴り付けて殴り返してるよな」
セルティスも言う。
「間違っても
『ひどい!』
なんて、死んでも言わない。
あいつ自身が酷いヤツだから」
全員一丸と成って、頷き倒した。
その時、扉を開けてレオが来る。
「どんな様子だ?」
シーリーンは顔を上げてレオを見る。
「頼む…ファオンは何も知らない体なんだ!
俺が大切に大切に、今まで守って来た!
だから…辱めないでくれ!」
レオは必死に叫ぶシーリーンに呟く。
「安心しろ。
調教は、主にキースが楽しんでしてる。
ちゃんと気持ち良くさせながら無理無く挿入出来るように仕上げるから、お前はそれ迄ここにいろ」
レオは素っ気無く言って、部屋を出て行ってしまう。
シーリーンは一瞬呆け…だが扉の閉まる前に、歯を剥いて怒鳴った。
「あのどスケベが調教してて、安心出来る訳ないだろう?!」
だが、レオは戻って来ない。
リチャードは慌てて部屋を出て行き、石造りの廊下で、階段を登ろうとするレオの背後に詰め寄る。
「どうして足も、拘束しない?!」
レオは振り向く。
「必要、あるか?」
「さっき蹴られた!」
「何をして?」
「き…キスしようとしたら」
レオは、ぷっ。と吹き出す。
そしてリチャードに、顔を向けて言った。
「調教はファオンだけだ。
シーリーンにする必要は無い。
蹴られないよう、自分に振り向かせる事が出来ないのか?」
リチャードは、とても悲しげに俯く。
ここでも夢見てる全員が、目を背けた。
「普通、ここで悪態憑くよな?
リチャードなら」
レオが言い、シーリーンも。
「絶対ごりごりに押して自分の意見を主張し倒す。
『足枷は絶対必要だ!』
とこちらがうんざりする程、怒鳴り散らして」
皆、その言葉に同意して頷いた。
シーリーンはリチャードの顔が寄り、幾度も唇を寄せられ、顔を背け倒していた。
「寄るな!」
と怒鳴る。
けれどリチャードは幾度顔を寄せても拒絶されるから…とうとう、シーリーンの股間に手を添える。
膝を床に付けていたシーリーンが、一気に素早く足を後ろに引いて回し蹴る。
どさっ!
リチャードは蹴り飛ばされて部屋の隅に…。
リチャードは濃い栗毛を振ってシーリーンに振り向き、石の床に手を付いたまま、濃い青の瞳を潤ませ、訴えかける。
「ひ…どい!
気持ち良くさせてあげようと思ったのに!」
夢見てるみんなが、顔を一斉に下げる。
「あれ…絶対リチャードじゃない…」
キースの言葉に、全員が頷く。
アリオンも言う。
「本物だったら
『何しやがんだ。てめぇ!』
と怒鳴り付けて殴り返してるよな」
セルティスも言う。
「間違っても
『ひどい!』
なんて、死んでも言わない。
あいつ自身が酷いヤツだから」
全員一丸と成って、頷き倒した。
その時、扉を開けてレオが来る。
「どんな様子だ?」
シーリーンは顔を上げてレオを見る。
「頼む…ファオンは何も知らない体なんだ!
俺が大切に大切に、今まで守って来た!
だから…辱めないでくれ!」
レオは必死に叫ぶシーリーンに呟く。
「安心しろ。
調教は、主にキースが楽しんでしてる。
ちゃんと気持ち良くさせながら無理無く挿入出来るように仕上げるから、お前はそれ迄ここにいろ」
レオは素っ気無く言って、部屋を出て行ってしまう。
シーリーンは一瞬呆け…だが扉の閉まる前に、歯を剥いて怒鳴った。
「あのどスケベが調教してて、安心出来る訳ないだろう?!」
だが、レオは戻って来ない。
リチャードは慌てて部屋を出て行き、石造りの廊下で、階段を登ろうとするレオの背後に詰め寄る。
「どうして足も、拘束しない?!」
レオは振り向く。
「必要、あるか?」
「さっき蹴られた!」
「何をして?」
「き…キスしようとしたら」
レオは、ぷっ。と吹き出す。
そしてリチャードに、顔を向けて言った。
「調教はファオンだけだ。
シーリーンにする必要は無い。
蹴られないよう、自分に振り向かせる事が出来ないのか?」
リチャードは、とても悲しげに俯く。
ここでも夢見てる全員が、目を背けた。
「普通、ここで悪態憑くよな?
リチャードなら」
レオが言い、シーリーンも。
「絶対ごりごりに押して自分の意見を主張し倒す。
『足枷は絶対必要だ!』
とこちらがうんざりする程、怒鳴り散らして」
皆、その言葉に同意して頷いた。
0
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
兄弟ってこれで合ってる!?
ててて
BL
母親が再婚した。
新しいお義父さんは、優しそうな人だった。
その人の連れ子で1歳上のお兄さんも優しそう
ずっと一人っ子だったおれは、兄弟に憧れてた。
しょうもないことで喧嘩したり、他愛もない話をしたり、一緒にお菓子を食べたり、ご飯も1人で食べなくていいし。
楽しみだな…
って、思ってたんだけど!!!
確かに仲のいい兄弟に憧れはあったけど!!!
え、兄弟ってこんなに距離近いの?
一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり??
え、これって普通なの!?
兄弟ってこれで合ってる!?!?
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…
東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で……
だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?!
ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に?
攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!
異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)
藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!?
手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる