アグナータの命運

あーす。

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夢の中の調教

217 またまた夢の中のお話

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 アリオンは夢の中で、必死に西の岩場を登っていた。

ファオンを捕らえたのは当代でも、抱かれたい男達。
と女共が口を揃えて言う、レオ、キース、セルティスだ。

シーリーンが先走って、《皆を繋ぐ者》アグナータとしてのファオンを見ていられず、逃したところを捕まった。
シーリーンも今や、塔に繋がれてる。

更に逃げた《皆を繋ぐ者》アグナータは、塔で…男達に抱かれて調教し直される。
…無垢なファオンは完全に失われてしまう…。

アリオンはきっ!と岩山を睨むと、登る歩を早めた。


シーリーンは石で積まれた牢獄で、両腕を上に、左右の手首を一つに束ねられて木板に挟まれ、吊られて膝を付いて囚われていた。

だが自分の身より、囚われたファオンが気になって仕方無い。
ファオンはきっと…三人の男らに陵辱の限りを尽くされ…《皆を繋ぐ者》アグナータとして、男を喜々として受け入れる体に調教されてしまう…。

ぎり…。
と歯を擦り合わせ…人が来て、逃げる機会が訪れる事を熱望した。


レオとキースとセルティスは三人共、一番上の部屋で互いを見る。

「…誰が行く?」
レオの問いに、セルティスが立ち上がる。

そして、隣部屋に続く扉を開けるとそこには…。

2メートル程の間を置いて鉄の棒が石の床に埋め込まれ、その二本の鉄の棒に左右の手首を縛り付けられ、膝をついて項垂れる、ファオンがいた。

ファオンは顔を上げて、セルティスに懇願する。
「お願いです…!
私が《皆を繋ぐ者》アグナータになるだなんて…絶対間違いです!
逃がして…お願い」

けれどセルティスは顔を上げるファオンの前に屈むと、栗色の巻き毛を揺らし、整いきった顔を向けて囁く。
「間違いなら、捕らえたりしない。
お前にこれから、男を喜ばせるやり方をその体にたっぷり、教え込んでやるからな」

ファオンは幼気に首を横に振る。
「…嫌です!
僕…そんな…男性に一度だってされた事が無いのに…《皆を繋ぐ者》アグナータなんて絶対、無理…」



夢を見てるレオが囁く。
「…囚われてるけど…御姫様って感じじゃ無いな」
キースも言う。
「逃げた《皆を繋ぐ者》アグナータの調教って…大昔の実話?」
セルティスが項垂れる。
「ファオンがなんか…設定違ってますよね。
確かアリオンともシーリーンとも…リチャードともやってるんでしょ?」
キースが囁く。
「…ファオンがバージン設定?
…なんか、萌える…。
でもなんでファオン?
ファーレーンだったらもっと嬉しいのに」

夢に喜ぶ積極的なキースを、夢見てるレオとセルティスは揃って呆れて見た。

その夢を見て、アリオンとシーリーンは項垂れきる。

「…俺達…なんか悪い事した?」
尋ねるシーリーンに、アリオンは俯ききる。

「…前の夢のが、まだマシだったよな」
「…ロレンツ操る、揺れまくる暴走馬車の中で…お前と唇がぶつかってキスするのに?」

アリオンは返答出来ず、シーリーンに背を向けた。
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