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夢の中の調教
216 美酒ザルディスの宴
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アリオンとシーリーンは、キースに横たえられて早々再び眠りに付くファオンを見る。
アリオンがレオに言う。
「…変な夢を見ていた。
俺とシーリーンとファオンが一緒の夢を見てる夢だ」
シーリーンがアリオンに振り向く。
「…ロレンツとキリアンとファーレーンも出て来る夢?」
アリオンが頷く。
「ロレンツの二人の、母親違いの兄も出て来てた」
シーリーンが尋ねる。
「…エイモスとジェンス?」
レオとキースが顔を見合わせる。
「…南尾根の…昔の長?
二人が兄弟だとは知っていたが…ロレンツの兄だっけ?」
レオに尋ねられて、キースは頷く。
「…確か聞いた気がする」
セルティスも頷く。
「…そう聞いて、一度ロレンツをまじまじと見てしまった。
ロレンツって割と…華奢だろう?
…あの二人と比べると」
レオは納得した。
と首垂れる。
「…エイモスとジェンスは、ファルコン張りの身長と体格のデカくてゴツい体した男達だもんな」
アリオンとシーリーンが顔を見合わせる。
「…じゃ…本当なんだ」
アリオンが呟くと、キースが頷く。
シーリーンが三人に尋ねる。
「…近くで寝てるせいなのか?
一緒の夢を見る。
なんて」
キースとレオが顔を見合わせる。
そしてキースが二人に振り向いて、言った。
「…こんな《化け物》の繁殖期には滅多に無いが。
けどかなり暇だった時、皆酒飲んで一つのテントで酔いつぶれ…全員で同じ夢見てたな」
セルティスがくすくすと笑い出し、レオが俯く。
キースは笑うセルティスと項垂れるレオを交互に見て、言う。
「…レイデンが西の岩山に囚われて、俺達が助けに行って…レオとハッピーエンドになる夢だった」
セルティスの笑い声が大きくなる。
レオは項垂れたまま、言った。
「起きた時、直ぐ忘れたいと思ったのに…。
全員で同じ夢を見ていて、いつも誰か一人が必ず夢の話を蒸し返す」
キースが笑うセルティスに囁く。
「だが、西の岩場の夢は、ここで皆が集団で良く見る夢だって。
聞いた事あるぞ?」
シーリーンが呟く。
「西…って…《化け物》ですら登らないと言われてる、あの凄く高い絶壁の事?」
キースがシーリーンを見る。
「北領地を延々西に向かって歩くと、西の絶壁に行き当たるだろ?
けど凄い岩道だけど、なんとか登れる場所があって。
登っていくと、岩のかなり上に塔のある古い建物が実はあるって、知ってた?」
アリオンが頷く。
「…そう言えば…大昔、凄い罪人を閉じ込めとく牢獄として使われてたって聞いた事ある」
レオも頷く。
「なぜかあそこにさらわれて閉じ込められた御姫様を助けに行く男達の夢を、皆がここで集団で良く見るんだ」
キースがセルティスを見る。
「確か一度、《皆を繋ぐ者》になりたがってた下働きのランスが囚われて、セルティスと俺達が助けに行って、セルティスとラブラブになってる夢も、集団で見たよな」
レオを笑ってたセルティスが、ぴたり。と口を閉じる。
レオも頷く。
「…ランスはセルティスに抱かれたくて仕方無くて…《皆を繋ぐ者》を羨ましがってたな。
…そのせいであんな夢見たのか?
だが皆ランスが気の毒だと思ったのか…その夢は誰もしつこくその後蒸し返さなかった。
…俺の時と違って」
セルティスとキースがレオを見る。
セルティスがぼそっと言う。
「…だってレイデンは隠しようが無かったし、どう見てもあんたに気持ちを気づいて貰いたそうだったし」
キースはセルティスを見る。
「…確かにレイデン的には、喋っていい雰囲気だった。
が、俺はレオに一度喋った時凄く気まずかったから。
レオが気の毒で二度と、口にしなかった」
セルティスが顔を上げる。
「ランスとレオだと、どう見てもランスの方が繊細でより気の毒に見えないか?」
レオが項垂れる。
が、アリオンに聞いた。
「ファオンが囚われて、お前らが助けに行ったのか?」
シーリーンが言う。
「俺とアリオンがダブル長で尾根を降りる際、なぜかまだ《皆を繋ぐ者》のファオンを、連れて逃げる夢だ」
アリオンが呟く。
「西の岩場じゃないが…位置的には近い場所で一時隠れてたな」
だがその時とうとう美酒ザルディスの酔いが全員に回って、次第に一人。
また一人。と、気絶するような眠りに付いた。
アリオンがレオに言う。
「…変な夢を見ていた。
俺とシーリーンとファオンが一緒の夢を見てる夢だ」
シーリーンがアリオンに振り向く。
「…ロレンツとキリアンとファーレーンも出て来る夢?」
アリオンが頷く。
「ロレンツの二人の、母親違いの兄も出て来てた」
シーリーンが尋ねる。
「…エイモスとジェンス?」
レオとキースが顔を見合わせる。
「…南尾根の…昔の長?
二人が兄弟だとは知っていたが…ロレンツの兄だっけ?」
レオに尋ねられて、キースは頷く。
「…確か聞いた気がする」
セルティスも頷く。
「…そう聞いて、一度ロレンツをまじまじと見てしまった。
ロレンツって割と…華奢だろう?
…あの二人と比べると」
レオは納得した。
と首垂れる。
「…エイモスとジェンスは、ファルコン張りの身長と体格のデカくてゴツい体した男達だもんな」
アリオンとシーリーンが顔を見合わせる。
「…じゃ…本当なんだ」
アリオンが呟くと、キースが頷く。
シーリーンが三人に尋ねる。
「…近くで寝てるせいなのか?
一緒の夢を見る。
なんて」
キースとレオが顔を見合わせる。
そしてキースが二人に振り向いて、言った。
「…こんな《化け物》の繁殖期には滅多に無いが。
けどかなり暇だった時、皆酒飲んで一つのテントで酔いつぶれ…全員で同じ夢見てたな」
セルティスがくすくすと笑い出し、レオが俯く。
キースは笑うセルティスと項垂れるレオを交互に見て、言う。
「…レイデンが西の岩山に囚われて、俺達が助けに行って…レオとハッピーエンドになる夢だった」
セルティスの笑い声が大きくなる。
レオは項垂れたまま、言った。
「起きた時、直ぐ忘れたいと思ったのに…。
全員で同じ夢を見ていて、いつも誰か一人が必ず夢の話を蒸し返す」
キースが笑うセルティスに囁く。
「だが、西の岩場の夢は、ここで皆が集団で良く見る夢だって。
聞いた事あるぞ?」
シーリーンが呟く。
「西…って…《化け物》ですら登らないと言われてる、あの凄く高い絶壁の事?」
キースがシーリーンを見る。
「北領地を延々西に向かって歩くと、西の絶壁に行き当たるだろ?
けど凄い岩道だけど、なんとか登れる場所があって。
登っていくと、岩のかなり上に塔のある古い建物が実はあるって、知ってた?」
アリオンが頷く。
「…そう言えば…大昔、凄い罪人を閉じ込めとく牢獄として使われてたって聞いた事ある」
レオも頷く。
「なぜかあそこにさらわれて閉じ込められた御姫様を助けに行く男達の夢を、皆がここで集団で良く見るんだ」
キースがセルティスを見る。
「確か一度、《皆を繋ぐ者》になりたがってた下働きのランスが囚われて、セルティスと俺達が助けに行って、セルティスとラブラブになってる夢も、集団で見たよな」
レオを笑ってたセルティスが、ぴたり。と口を閉じる。
レオも頷く。
「…ランスはセルティスに抱かれたくて仕方無くて…《皆を繋ぐ者》を羨ましがってたな。
…そのせいであんな夢見たのか?
だが皆ランスが気の毒だと思ったのか…その夢は誰もしつこくその後蒸し返さなかった。
…俺の時と違って」
セルティスとキースがレオを見る。
セルティスがぼそっと言う。
「…だってレイデンは隠しようが無かったし、どう見てもあんたに気持ちを気づいて貰いたそうだったし」
キースはセルティスを見る。
「…確かにレイデン的には、喋っていい雰囲気だった。
が、俺はレオに一度喋った時凄く気まずかったから。
レオが気の毒で二度と、口にしなかった」
セルティスが顔を上げる。
「ランスとレオだと、どう見てもランスの方が繊細でより気の毒に見えないか?」
レオが項垂れる。
が、アリオンに聞いた。
「ファオンが囚われて、お前らが助けに行ったのか?」
シーリーンが言う。
「俺とアリオンがダブル長で尾根を降りる際、なぜかまだ《皆を繋ぐ者》のファオンを、連れて逃げる夢だ」
アリオンが呟く。
「西の岩場じゃないが…位置的には近い場所で一時隠れてたな」
だがその時とうとう美酒ザルディスの酔いが全員に回って、次第に一人。
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