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夢の中の逃避行
203 夢の続き 撤収
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ファルコンがロレンツに肩竦める。
「カタ、ついたみたいだな」
ロレンツが頷くと、セルティス、アラン、デュランが洞窟内に入って来て、ぶつくさ言う。
「…こんなに暖かいんなら、もっと早く入って来れば良かった」
アランの声に、デュランも呟く。
「…死体が転がってるって事は…終わったんですか?」
だが、皆は剣鞘に終いながら戻って来て、ボロ布に包まれた杖付きの死体をどさっ!と横に下ろす。
「サボってたんだ。
こいつを南尾根に運ぶ手伝いくらい、しろ」
レオに言われ、アランとデュランが顔を見合わす。
セルティスとファルコンが溜息を吐く。
セルティスがアランに尋ねる。
「で、じゃんけん?」
ファルコンも拳を握る。
「負けた二人が運ぶんだな?」
そして…ファルコンは、自分の背後から、そろり…と抜け出し、ぞろぞろとその場を去ろうとする一行にこそっと紛れようとする、リチャードの襟首掴んで引き戻す。
「拳握れ!」
ファルコンに怒鳴られ、全員がぱーを出す中、出しそびれたリチャードは、ぐーで敗れ去った。
全員リチャードに背を向け、もう一人を決める為じゃんけんを続ける中、リチャードは握った拳を暫く見つめ、無言。
そして振り向き、怒鳴る。
「完全に、アンフェアじゃないか!」
セルティスが冷たく見つめ、言う。
「お前もな!」
アランがちょきを出しながら、鋭く言い返す。
「逃げだそうとした時点で、完全にアンフェアだ!」
デュランが項垂れて、リチャードと共に死体の乗ったボロ布の端を掴む。
「…寒くて、臭く無いのが救いですよね………」
リチャードは残念過ぎて、頷けなかった。
朝の冷え渡る中、陽は雪に反射し、黄金に輝き始める。
「景色は綺麗だが…」
ファルコンが呟く。
「…一日で一番冷え込む」
ロレンツが身震いして言う。
キリアンだけが振り向く。
「で、お前、何してたの?」
「…洞窟内で、暖を取ってた」
ファルコンがその時ようやく気づく。
「お前、じゃんけんの時、いたっけ?」
横を見た時、ロレンツはもうキリアンの横に逃げ込む事に成功していた。
ファオンは両横の、アリオンとシーリーンを交互に見上げ、にこにこ笑って言う。
「二人共、すっごく格好良かった!」
「…見てる間あったの?」
シーリーンが聞くと、アリオンも。
「杖付き目指して飛んでたのに?」
レオとキースとファーレーンは沈黙し…。
ぼそっ。とファーレーンが呟く。
「あんな小さな…《化け物》斬り殺しただけで…全部逃げるのか?」
レオとキースは大きな溜息を吐き、沈黙続けて朝日に照らされる雪原を歩く。
普段、天高く突き出た岩は、雪化粧で全部真っ白。
行きは坂を下っていたが、帰りは坂を上る。
持ち上げる足が雪の重みで、踏み込む度、ずしっ!と下がる。
セルティスが横のアランに尋ねる。
「美女と、暖かいスープが今、目の前にあったら…。
どっち取る?」
アランが真剣に悩み込むのを、全員が横目で見て、呆れた。
背後から来るジェンスとエイモスだけが
「美女!」
と声高に答えていた。
「カタ、ついたみたいだな」
ロレンツが頷くと、セルティス、アラン、デュランが洞窟内に入って来て、ぶつくさ言う。
「…こんなに暖かいんなら、もっと早く入って来れば良かった」
アランの声に、デュランも呟く。
「…死体が転がってるって事は…終わったんですか?」
だが、皆は剣鞘に終いながら戻って来て、ボロ布に包まれた杖付きの死体をどさっ!と横に下ろす。
「サボってたんだ。
こいつを南尾根に運ぶ手伝いくらい、しろ」
レオに言われ、アランとデュランが顔を見合わす。
セルティスとファルコンが溜息を吐く。
セルティスがアランに尋ねる。
「で、じゃんけん?」
ファルコンも拳を握る。
「負けた二人が運ぶんだな?」
そして…ファルコンは、自分の背後から、そろり…と抜け出し、ぞろぞろとその場を去ろうとする一行にこそっと紛れようとする、リチャードの襟首掴んで引き戻す。
「拳握れ!」
ファルコンに怒鳴られ、全員がぱーを出す中、出しそびれたリチャードは、ぐーで敗れ去った。
全員リチャードに背を向け、もう一人を決める為じゃんけんを続ける中、リチャードは握った拳を暫く見つめ、無言。
そして振り向き、怒鳴る。
「完全に、アンフェアじゃないか!」
セルティスが冷たく見つめ、言う。
「お前もな!」
アランがちょきを出しながら、鋭く言い返す。
「逃げだそうとした時点で、完全にアンフェアだ!」
デュランが項垂れて、リチャードと共に死体の乗ったボロ布の端を掴む。
「…寒くて、臭く無いのが救いですよね………」
リチャードは残念過ぎて、頷けなかった。
朝の冷え渡る中、陽は雪に反射し、黄金に輝き始める。
「景色は綺麗だが…」
ファルコンが呟く。
「…一日で一番冷え込む」
ロレンツが身震いして言う。
キリアンだけが振り向く。
「で、お前、何してたの?」
「…洞窟内で、暖を取ってた」
ファルコンがその時ようやく気づく。
「お前、じゃんけんの時、いたっけ?」
横を見た時、ロレンツはもうキリアンの横に逃げ込む事に成功していた。
ファオンは両横の、アリオンとシーリーンを交互に見上げ、にこにこ笑って言う。
「二人共、すっごく格好良かった!」
「…見てる間あったの?」
シーリーンが聞くと、アリオンも。
「杖付き目指して飛んでたのに?」
レオとキースとファーレーンは沈黙し…。
ぼそっ。とファーレーンが呟く。
「あんな小さな…《化け物》斬り殺しただけで…全部逃げるのか?」
レオとキースは大きな溜息を吐き、沈黙続けて朝日に照らされる雪原を歩く。
普段、天高く突き出た岩は、雪化粧で全部真っ白。
行きは坂を下っていたが、帰りは坂を上る。
持ち上げる足が雪の重みで、踏み込む度、ずしっ!と下がる。
セルティスが横のアランに尋ねる。
「美女と、暖かいスープが今、目の前にあったら…。
どっち取る?」
アランが真剣に悩み込むのを、全員が横目で見て、呆れた。
背後から来るジェンスとエイモスだけが
「美女!」
と声高に答えていた。
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