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夢の中の逃避行
195 再び夢の中
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皆が眠りに付き…夢がハッキリし出すと…。
夢ではロレンツが、やっとプリンを手放し、皆に言い放ってた。
「…ともかく、ファオンが逃亡者のままじゃ、マズいだろう?」
ジェンスとアリオンは休戦してソファにどかっ!と二人同時に座る。
シーリーンはファオンを放し、ファオンは慌てて衣服を直してた。
キリアンが横から、ファオンの肩を抱く。
エイモスはまだ、腹を押さえてソファの上で蹲(うずくま)っていた。
シーリーンは横のファオンに優しい眼差しを送る。
アリオンはそれを見て、ふてた様子で告げる。
「俺とシーリーンも逃亡者だぞ」
ジェンスが横のアリオンを見る。
「…だがどっちが連れて逃亡したか、まだ不明だぞ?
だから事情聴取の為、お前らも参考人として探してる」
キリアンも頷く。
「尾根を降りるアリオンとシーリーンが恋しくて、ファオンが単独で逃げた説もある。
逃亡の手助けを身内がしたんじゃないか。
って、多分ファーレーンの所にも、問い合わせが行ってる。
俺も尾根を降りるからって
『ついでに逃亡、手伝ったんじゃないのか?』
といちゃもんつけられたし、疑われた」
ファオンが横のキリアンを見上げ、俯く。
「…ごめん…キリアン」
キリアンはそう言われてファオンを見る。
「…あ、そうか。
今ここに踏み込まれたら、俺もお尋ね者か」
「…鈍い…」
ロレンツに言われ、キリアンはロレンツを睨む。
エイモスが、やっと復活して身を起こす。
「ナンか、取引材料無いのか?」
ロレンツはふ、とファオンを見る。
「…萎びた杖付きの《化け物》殺したら…群れは襲ってこないで逃げたよな?」
エイモスとジェンスがロレンツを見る。
「マジか…」
エイモスが呟くと、ジェンスは問い返す。
「逃げた?
この真冬の腹ペコ時に?」
ロレンツは二人の兄貴に振り向く。
「…俺らが殺した《化け物》の死体、持ってったから…。
奴ら、食料は確保してる」
エイモスがロレンツを真面目に見る。
金髪で緑の瞳で、真面目な顔すると、とっても美男に見えた。
「奴ら、人間の肉が大好物なんじゃ無くて?」
ロレンツは頷く。
アリオンも言う。
「昨夜泊まった山小屋でも襲われた。
が、ファオンが萎びた杖付き殺したら、やっぱり群れは俺達が殺した仲間の死体持って、引いたぞ?」
ロレンツが一番年上の、ジェンスを見る。
栗色巻き毛の、鷲鼻だけどちょっと甘いマスクの美男は、頬杖付くと言う。
「…ナンで剣使えるのに《皆を繋ぐ者》してる?
それともセグナ・アグナータなのか?」
キリアンがぶつぶつ言う。
「毎年、俺もファーレーンも
『せめてセグナ・アグナータにしてくれ』
と委員会に要請出してるのに、無視だ」
エイモスはうっとりした顔を上げる。
「ああ!美麗なファーレーンか…。
どうしてあんな美形が、《勇敢なる者》かな…。
機会があれば押し倒そうとしたのに…。
自重しろと上に言われ続け、やっと長になったら
『長なのに、恥ずかしくないのか』
と年下のレドナンドに、ファーレーン背に庇いながら言われ…」
ジェンスがエイモスを見る。
「…俺は、言わなかったぞ?」
「お前は絶対言わない」
『他の奴か』
とジェンスは顔背ける。
キリアンが、ジロリ。とエイモスを見る。
「話が、逸れてるぞ!」
エイモスはキリアンを見る。
「ファーレーンも手強かったが…。
お前も、すんごく好み。
抵抗されたりきつい目で睨まれると、ぞくぞくする」
「マゾだな」
キリアンがロレンツに言うと、ロレンツは
「お前の時だけな。
他の奴は大抵迫り倒して強姦まがいにモノにしてる、ドSだ」
と素っ気無く言う。
キリアンがエイモスを睨む。
「強姦?
サイテーだな!」
エイモスは肩竦める。
「良く聞けよ。
強姦まがい。
であって、強姦じゃない。
事後は大抵相手は俺に良くされて、メロメロなるから強姦じゃ無い」
「どうしてどんどん話が逸れるかな…」
シーリーンに溜息交じりに言われ…ロレンツもエイモスもが、同時に顔を見合わせた。
夢の続きを見てた三人も
「変な夢」
と言って、顔下げた。
夢ではロレンツが、やっとプリンを手放し、皆に言い放ってた。
「…ともかく、ファオンが逃亡者のままじゃ、マズいだろう?」
ジェンスとアリオンは休戦してソファにどかっ!と二人同時に座る。
シーリーンはファオンを放し、ファオンは慌てて衣服を直してた。
キリアンが横から、ファオンの肩を抱く。
エイモスはまだ、腹を押さえてソファの上で蹲(うずくま)っていた。
シーリーンは横のファオンに優しい眼差しを送る。
アリオンはそれを見て、ふてた様子で告げる。
「俺とシーリーンも逃亡者だぞ」
ジェンスが横のアリオンを見る。
「…だがどっちが連れて逃亡したか、まだ不明だぞ?
だから事情聴取の為、お前らも参考人として探してる」
キリアンも頷く。
「尾根を降りるアリオンとシーリーンが恋しくて、ファオンが単独で逃げた説もある。
逃亡の手助けを身内がしたんじゃないか。
って、多分ファーレーンの所にも、問い合わせが行ってる。
俺も尾根を降りるからって
『ついでに逃亡、手伝ったんじゃないのか?』
といちゃもんつけられたし、疑われた」
ファオンが横のキリアンを見上げ、俯く。
「…ごめん…キリアン」
キリアンはそう言われてファオンを見る。
「…あ、そうか。
今ここに踏み込まれたら、俺もお尋ね者か」
「…鈍い…」
ロレンツに言われ、キリアンはロレンツを睨む。
エイモスが、やっと復活して身を起こす。
「ナンか、取引材料無いのか?」
ロレンツはふ、とファオンを見る。
「…萎びた杖付きの《化け物》殺したら…群れは襲ってこないで逃げたよな?」
エイモスとジェンスがロレンツを見る。
「マジか…」
エイモスが呟くと、ジェンスは問い返す。
「逃げた?
この真冬の腹ペコ時に?」
ロレンツは二人の兄貴に振り向く。
「…俺らが殺した《化け物》の死体、持ってったから…。
奴ら、食料は確保してる」
エイモスがロレンツを真面目に見る。
金髪で緑の瞳で、真面目な顔すると、とっても美男に見えた。
「奴ら、人間の肉が大好物なんじゃ無くて?」
ロレンツは頷く。
アリオンも言う。
「昨夜泊まった山小屋でも襲われた。
が、ファオンが萎びた杖付き殺したら、やっぱり群れは俺達が殺した仲間の死体持って、引いたぞ?」
ロレンツが一番年上の、ジェンスを見る。
栗色巻き毛の、鷲鼻だけどちょっと甘いマスクの美男は、頬杖付くと言う。
「…ナンで剣使えるのに《皆を繋ぐ者》してる?
それともセグナ・アグナータなのか?」
キリアンがぶつぶつ言う。
「毎年、俺もファーレーンも
『せめてセグナ・アグナータにしてくれ』
と委員会に要請出してるのに、無視だ」
エイモスはうっとりした顔を上げる。
「ああ!美麗なファーレーンか…。
どうしてあんな美形が、《勇敢なる者》かな…。
機会があれば押し倒そうとしたのに…。
自重しろと上に言われ続け、やっと長になったら
『長なのに、恥ずかしくないのか』
と年下のレドナンドに、ファーレーン背に庇いながら言われ…」
ジェンスがエイモスを見る。
「…俺は、言わなかったぞ?」
「お前は絶対言わない」
『他の奴か』
とジェンスは顔背ける。
キリアンが、ジロリ。とエイモスを見る。
「話が、逸れてるぞ!」
エイモスはキリアンを見る。
「ファーレーンも手強かったが…。
お前も、すんごく好み。
抵抗されたりきつい目で睨まれると、ぞくぞくする」
「マゾだな」
キリアンがロレンツに言うと、ロレンツは
「お前の時だけな。
他の奴は大抵迫り倒して強姦まがいにモノにしてる、ドSだ」
と素っ気無く言う。
キリアンがエイモスを睨む。
「強姦?
サイテーだな!」
エイモスは肩竦める。
「良く聞けよ。
強姦まがい。
であって、強姦じゃない。
事後は大抵相手は俺に良くされて、メロメロなるから強姦じゃ無い」
「どうしてどんどん話が逸れるかな…」
シーリーンに溜息交じりに言われ…ロレンツもエイモスもが、同時に顔を見合わせた。
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「変な夢」
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