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夢の中の逃避行
192 乱闘
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食事が済むと、全員がだらけきる。
が、金髪の兄がロレンツを押し退け、キリアンに手を差し出す。
「エイモスだ」
キリアンは手を見る。
エイモスはキリアンの手首を握り持ち上げ、強引に握手する。
「…で、君って南尾根の《皆を繋ぐ者》?
逃げてないんだよね?」
キリアンが歯を剥く。
「…だから俺は、南尾根の長だった!」
「冗談は置いといて…」
「ロレンツ!
コイツなんとかしろ!」
エイモス避けてその向こうのロレンツに怒鳴るが…ロレンツはデザートのプリンを美味しそうに食べてて、知らんぷり。
やがて栗毛の兄貴も、キリアン押し退けファオンとの間に割り込む。
「君、《皆を繋ぐ者》だって?
俺、ジェンス。正式名はもっと長ったらしいけど、ジェンスでいいから。
で、君。
男喜ばせる色んな手、知ってるんだよな?!」
ファオンの後ろで、アリオンが一気に睨み付ける。
「俺の前で口説くには根性要るぞ!」
真剣に怒ってるアリオンだったが、ジェンスは笑う。
「どんな風に?」
からかうように言われて、アリオンがファオンの腕を後ろに引き、右拳突然突き出す。
ジェンスは咄嗟顔を後ろに下げ、次にソファを飛び越え、背後の毛皮の上に立つ。
「…やるのか?」
避ける素早さに、流石かつての《勇敢なる者》の長。
とは思ったアリオンだったけど、笑って拳握られ、アリオンはかっか来てソファを飛び越し、ジェンスの目前で拳を振る。
が、着地して直ぐジェンスに拳振られ、咄嗟アリオンも顔を横向け避けた。
ジェンスは嬉しそうに笑う。
「…やるな!」
二人は一気に拳に切り込むと、互いに振り合い、そして振られた拳を避け始めた。
「…俺の事、もしかして口説いてる?」
キリアンに睨まれ、けれどエイモスはにこにこ笑う。
「俺はジェンスと違って、男でも綺麗なら口説く」
「もう一度聞く。
俺、を口説いてる?」
「きっと色っぽいと思うな~!
俺、上手いぜ。
南尾根の《皆を繋ぐ者》にも褒められたしメロメロにした。
絶対気持ち良くさせるから…」
と、肩に腕回して抱き寄せられかけて…キリアンは頭に来てエイモスの腹に拳を突き出す。
エイモスは難なく拳に手を当てて止め、抱き寄せて唇を寄せて来る。
「…じゃじゃ馬。
って大好物…」
横でロレンツはプリンをスプーンで口に運びながら、ぼそり。
「…物好きなヤツ…」
キリアンは今度、間近に迫るエイモスの顔に、拳振る。
が、エイモスはやっぱり咄嗟に手で、キリアンの拳を止めてさらに顔を寄せるから…キリアンはどんどんソファに背を倒しながら、また拳を振る。
ぱしっ!
ぱしっ!
エイモスは次々に顔に振られるキリアンの拳を止めながら、キリアンをソファに押し倒してのし掛かる。
「………………………………」
シーリーンはアリオンがジェンスと戦い始め、暫く助っ人すべきかどうか迷い…気づいた。
「(…ああもう、ダブル長じゃないし…敵も《化け物》じゃない)」
ファオンは後ろで戦うアリオンとジェンス。
そして横で…戦ってるように見えるけど押し倒されていくキリアンを、目を見開いて見ていた。
が、突然横からシーリーンに肩を抱かれる。
顔を寄せられ…甘く口付けられて、ファオンは疲労も伴い、ついうっとりと…シーリーンの腕に、身を預けそうになる。
「シ…ーリーン!
ここ…じゃ駄目…。
キリアンも居るし…」
キリアンはすっかり背をソファに倒しながらも、口づけようとするエイモスに拳を振り続け…ファオンの言葉に気づく。
エイモスは笑いながらキリアンの拳を手で止め、口付ける隙を狙ってた。
キリアンは尚もむかっ腹立って、拳を振り続けながらファオンに怒鳴る。
「…俺は全然構わない。が、嫌な事されたら叫べ!
助けに入ってやる!」
ファオンはシーリーンの腕の中で振り向き…キリアンの状態見て叫ぶ。
「出来るの…?!
あ…ん…っシ…ーリーン」
もう…ガウンをはだけられ、シーリーンの手は腿を伝い、男根の敏感な先端を悪戯に刺激したりするから…。
ファオンは口付けられながら、喉を鳴らす。
アリオンはジェンスが目を見開くので振り向く。
シーリーンが熱烈にファオンを腕に抱いて口づけ、ガウンをはだけてもうファオンの白く色っぽい腿を持ち上げ…挿入しようとしていた。
ジェンスが駆け込み、アリオンは肩と腕を掴み退けて怒鳴る。
「お前は関係無いだろう?!」
「俺だって突っ込みたいから、関係あるぞ!」
アリオンとジェンスは再び睨み合い、相手に決まらない拳を振り始めた。
ロレンツだけは…おばちゃん使用人手作り特性の、絶品プリンを口に運びながら、周囲の騒動なんてどこ吹く風で、舌鼓打って食べ続けていた。
が、金髪の兄がロレンツを押し退け、キリアンに手を差し出す。
「エイモスだ」
キリアンは手を見る。
エイモスはキリアンの手首を握り持ち上げ、強引に握手する。
「…で、君って南尾根の《皆を繋ぐ者》?
逃げてないんだよね?」
キリアンが歯を剥く。
「…だから俺は、南尾根の長だった!」
「冗談は置いといて…」
「ロレンツ!
コイツなんとかしろ!」
エイモス避けてその向こうのロレンツに怒鳴るが…ロレンツはデザートのプリンを美味しそうに食べてて、知らんぷり。
やがて栗毛の兄貴も、キリアン押し退けファオンとの間に割り込む。
「君、《皆を繋ぐ者》だって?
俺、ジェンス。正式名はもっと長ったらしいけど、ジェンスでいいから。
で、君。
男喜ばせる色んな手、知ってるんだよな?!」
ファオンの後ろで、アリオンが一気に睨み付ける。
「俺の前で口説くには根性要るぞ!」
真剣に怒ってるアリオンだったが、ジェンスは笑う。
「どんな風に?」
からかうように言われて、アリオンがファオンの腕を後ろに引き、右拳突然突き出す。
ジェンスは咄嗟顔を後ろに下げ、次にソファを飛び越え、背後の毛皮の上に立つ。
「…やるのか?」
避ける素早さに、流石かつての《勇敢なる者》の長。
とは思ったアリオンだったけど、笑って拳握られ、アリオンはかっか来てソファを飛び越し、ジェンスの目前で拳を振る。
が、着地して直ぐジェンスに拳振られ、咄嗟アリオンも顔を横向け避けた。
ジェンスは嬉しそうに笑う。
「…やるな!」
二人は一気に拳に切り込むと、互いに振り合い、そして振られた拳を避け始めた。
「…俺の事、もしかして口説いてる?」
キリアンに睨まれ、けれどエイモスはにこにこ笑う。
「俺はジェンスと違って、男でも綺麗なら口説く」
「もう一度聞く。
俺、を口説いてる?」
「きっと色っぽいと思うな~!
俺、上手いぜ。
南尾根の《皆を繋ぐ者》にも褒められたしメロメロにした。
絶対気持ち良くさせるから…」
と、肩に腕回して抱き寄せられかけて…キリアンは頭に来てエイモスの腹に拳を突き出す。
エイモスは難なく拳に手を当てて止め、抱き寄せて唇を寄せて来る。
「…じゃじゃ馬。
って大好物…」
横でロレンツはプリンをスプーンで口に運びながら、ぼそり。
「…物好きなヤツ…」
キリアンは今度、間近に迫るエイモスの顔に、拳振る。
が、エイモスはやっぱり咄嗟に手で、キリアンの拳を止めてさらに顔を寄せるから…キリアンはどんどんソファに背を倒しながら、また拳を振る。
ぱしっ!
ぱしっ!
エイモスは次々に顔に振られるキリアンの拳を止めながら、キリアンをソファに押し倒してのし掛かる。
「………………………………」
シーリーンはアリオンがジェンスと戦い始め、暫く助っ人すべきかどうか迷い…気づいた。
「(…ああもう、ダブル長じゃないし…敵も《化け物》じゃない)」
ファオンは後ろで戦うアリオンとジェンス。
そして横で…戦ってるように見えるけど押し倒されていくキリアンを、目を見開いて見ていた。
が、突然横からシーリーンに肩を抱かれる。
顔を寄せられ…甘く口付けられて、ファオンは疲労も伴い、ついうっとりと…シーリーンの腕に、身を預けそうになる。
「シ…ーリーン!
ここ…じゃ駄目…。
キリアンも居るし…」
キリアンはすっかり背をソファに倒しながらも、口づけようとするエイモスに拳を振り続け…ファオンの言葉に気づく。
エイモスは笑いながらキリアンの拳を手で止め、口付ける隙を狙ってた。
キリアンは尚もむかっ腹立って、拳を振り続けながらファオンに怒鳴る。
「…俺は全然構わない。が、嫌な事されたら叫べ!
助けに入ってやる!」
ファオンはシーリーンの腕の中で振り向き…キリアンの状態見て叫ぶ。
「出来るの…?!
あ…ん…っシ…ーリーン」
もう…ガウンをはだけられ、シーリーンの手は腿を伝い、男根の敏感な先端を悪戯に刺激したりするから…。
ファオンは口付けられながら、喉を鳴らす。
アリオンはジェンスが目を見開くので振り向く。
シーリーンが熱烈にファオンを腕に抱いて口づけ、ガウンをはだけてもうファオンの白く色っぽい腿を持ち上げ…挿入しようとしていた。
ジェンスが駆け込み、アリオンは肩と腕を掴み退けて怒鳴る。
「お前は関係無いだろう?!」
「俺だって突っ込みたいから、関係あるぞ!」
アリオンとジェンスは再び睨み合い、相手に決まらない拳を振り始めた。
ロレンツだけは…おばちゃん使用人手作り特性の、絶品プリンを口に運びながら、周囲の騒動なんてどこ吹く風で、舌鼓打って食べ続けていた。
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