アグナータの命運

あーす。

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レグウルナスとなったファオン

170 シーリーンに自分の意志で初めて…してみるファオン

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 ファオンはアリオンを見る。

いっつも挿入(い)れられてたけど、昨日は咥えてみた。

アリオンよりシーリーンより…リチャードに無理矢理させられた事が一番最初だったから最悪だったけど…。
レオに命じられた時も、辛かったけれど…。

シュティッセンを覗いた時…。

彼は何の違和感も無くしてた。
それに…アリオンやシーリーンもたまにしてくれる。

それで…今回はシーリーンの前に進む。

シーリーンが目を、見開く。

股の間に屈み、横のアリオンを見上げ

「昨日、したもんね」

と言って、シーリーンの腰布をはだける。

「……………俺を襲う気か?」

屈み込むファオンを見下ろし、そう言うシーリーンに、横のアリオンもファオンを見つめながら言った。

「…シュティッセンを見て以来…何か、やる気だよな。
昨日は俺のをした」

シーリーンが、横のアリオンをジロリ。と見る。

「咥えたのか?」

アリオンが頷く。

「…っ!」

横のシーリーンが、ファオンの口の中に含まれ…片目閉じて耐える表情をしているのを見て
「…そうなるよな」
とアリオンが頷く。

ファオンがその言葉に気づいて、顔を上げる。

アリオンが見ると、ファオンはほっそりした指をシーリーンの男根に絡ませ、先端を指の間から覗かせ、顔を上げて尋ねる。

「…いい?」

少し、心配そうに。

シーリーンが言おうとしたが、アリオンが言った。

「凄く、良いみたいだぞ?」

ファオンはにっこり可愛らしく笑う。

「良かった」

アリオンがシーリーンの股の間に顔を埋めるファオンに言う。

「…けど今日、お前違うだろう?
《皆を繋ぐ者》アグナータ役はシュティッセンだ」

シーリーンは言いたかった。
『ファオンが《皆を繋ぐ者》アグナータの日だったら…後ろから、蕾に挿入(い)れる気だったんだろう?』

と。
けれどアリオンの言う通り、細い指で握られ、絡ませられ、更に…先端を小さな舌でちろちろと舐められると…たまらなくて口が聞けない。

「…っ!」

シーリーンが感じて震えてる横で、アリオンが見つめて言う。
「別に声、我慢しなくてもいいぞ?」

ファオンがまた、顔を上げてアリオンを見る。

「…でもアリオンも昨日、声我慢してた」

「…野郎が『あっ!』とか感じて震えたりすると凄く、恥ずかしい。
…いや俺は恥ずかしくないが、見せられた方は目のやり場に困って、恥ずかしいと思う」

シーリーンは
『俺が感じて震えてても…お前別に目のやり場に、困ってないじゃないか!!!
…むしろ、凝視してる!』
と怒鳴りたかった。

が、やっぱりまたファオンが顔を下げて、尿道をペロペロ舐めたりしちゃうので、シーリーンはますます感じて声が出せない。
迂闊に口開くと、アリオンの言う通り
『あっ!』
とか喘ぎそうになる。

ファオンの手が、ゆっくりと上下してしごき上げると、シーリーンはとうとうファオンの髪を握る。

「…ファオン…」

けれどファオンは夢中。
シーリーンは比較的わりと幾度も舐めてくれるし、最初に舐めてくれたのもシーリーン。
最もその時は、両手上に束ねて拘束されていたから…意地悪されてる。
と思ったけど。

アリオンがつい、じっ…。
と感じて震えてるシーリーンの美麗な顔を見る。

「…お前、顔が綺麗系だから、見るに耐えるぞ?」

シーリーンは
『ふざけるな!
お前だって、整ってて綺麗な顔立ちだろう!』
と怒鳴りたかった。

けど…。
「放せファオン…もう…逝く…」
けれどファオンは先端を口に咥え、じゅぼじゅぼと抜き差しするから…もうシーリーンは気持ち良くて手が震えた。

横でアリオンが
「飲む気か?」
と聞くが、ファオンはもうシーリーンがカチカチだったから、抜き差しを止めない。

「ん………っ!」

シーリーンが睫を震わせ仰け反り…ファオンが唇をそっと外すと、どくどくと白濁した液を放つ。

ファオンはシーリーンを見上げる。

「良かった?」

シーリーンはアリオンの目の前で犯された気分がして、少し眉間を寄せていた。
が、言った。

「凄く………」

そして一息付き、咄嗟にアリオンに振り向くと、怒鳴った。

「お前、ファオンの口で逝ったのか?」
「昨日、ファオンは《皆を繋ぐ者》アグナータだったから…途中で止めさせ、挿入(い)れた」

シーリーンは歯ぎしりする。

「それで今日はファオンが《皆を繋ぐ者》アグナータの日じゃ無いから、挿入せず俺の見物か!」

「…別に、好きで見てた訳じゃ無いが…珍しかったから、つい…………」

「ファオン!
次はアリオンにしてやれ!」

「…俺はお前と違って美麗な顔じゃないから、見てると恥ずかしくなるぞ?」
「…つまり俺よりお前の方が男らしい。と、そう言いたいのか?」
「…そう言ってるつもりは無いが…結果的にそうなるかな」
「お前な!」
「…まさか、俺に見られて恥ずかしいのか?」
「…どうしてお前に見せなきゃならない!
初めてファオンに咥えて貰ったのに!!!」

「…つまり俺は邪魔だったってか?」
「当然だろう?!」
「二人きりにしたらファオンが《皆を繋ぐ者》アグナータの日じゃ無いのに挿入したろう?」

シーリーンは、ぐっ。と詰まる。

アリオンは平静な表情でシーリーンに言う。
「…言い返さないのか?」

シーリーンはアリオンを睨み付けたまま、無言。

アリオンは肩を竦めた。

「図星か」

シーリーンはかっか来て、アリオンから思いっきり、顔を背けた。
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