アグナータの命運

あーす。

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レグウルナスとなったファオン

165 アラン、リチャード、デュラン

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 ファルコンとレオが消えて、アランが来た時…正直ファオンはくたくたで、体も汚れてた。
だから…アランにそっと言う。

「…僕…お湯に浸かってきていい?」
アランは一言。
「待ってろ」
と入りかけたテントを出て行く。

ファオンは呆けた。

暫くして、木のバケツを持ってアランが来ては…毛皮の上に屈み、布をバケツの湯に浸し、体を拭き始める。

ファオンは真っ赤になった。

「…なんか…凄く恥ずかしい…」

アランはファオンの股の間とかも平気で拭いていて、ファオンは布で擦られて、もぞ…と身をよじる。

「…《皆を繋ぐ者》アグナータを共同で抱く時は良くある事だ」

アランに言われて、ファオンは尋ねる。

「…シュティッセンにも、した?」

アランはファオンの背をごしごし拭きながら呟く。

「ああ…レオだってファルコンですら、したぞ?」

ファオンは俯く。

「…みんな…シュティッセンを愛してるから…。
シュティッセンはされて…」

「感謝してくれる」

「…だね…」

言って、顔を上げる。

「…シュティッセンとだと…みんな、恋人みたい…」

「ああ…」

「僕は?」

アランがふと、顔を上げる。

「………ええと…」

「…だよね」

「まあ…お前って攻められると感じて泣きまくるから。
すんごく、そそられて色っぽい。
虐める気は無くてもつい…その…」

ファオンがもっと、俯く。

そこに、デュランとリチャードが入って来る。

「…ファルコンが…『キースとシーリーンがロマンチック派で俺とレオはハードタイプ』だって」

デュランが言うと、リチャードが俯く。
「…さしずめ俺ら三人は、Sっ気タイプだそうだ……」

アランの、ファオンの体を拭く手が止まる。

そして顔を上げると眉間寄せた。

「…S?
ファルコンが俺にそれを言うか?!」

デュランが肩を竦める。
「ファルコンは“俺はSじゃないが、持ち物でSに成らざるを得ない状況だ"
と言ってた」

「ナニ言い訳してんだか!
どんだけデカいモノ無理矢理入れてても、Sじゃない?!
ふざけ過ぎてる!」

リチャードが、激高するアランにそっと言う。

「…だから…Sっ気って言ってるんじゃ無いのか?
Sとズバリ言わずに」

アランにぎっ!と睨まれ、リチャードは顔を背けた。

デュランが横の、女の子みたいに綺麗で可愛らしい顔立ちの、リチャードを見てぼそり。と言う。
「…あんた…餓鬼の頃ファオン閉じ込めていたぶったんだって?
俺が想像するに、それって…」

リチャードが、デュランを睨む。

「それって?!」

「…百合っぽい…?」
「どこが!」

どこからどう見ても女顔のリチャードと、女の子より綺麗なファオンを見て、アランがとうとう、くすくす笑って言った。

「…違いない」
「どこが!
どっちも男でどうして百合だ!」

デュランは怒鳴り付けるリチャードをそっと見て、囁く。

「…やっぱ女の子に見られたくなくて、いつも高慢で態度が荒い?」
「そうだろうな」
アランがデュランに同調し、リチャードはもっとかっか来た。

「俺は元から、この性格だ!」

デュランは口を閉じず、まだ言った。
「…けどキリアンも、すんごく綺麗な美青年なのに…」
「キリアンと一緒にするな!
あいつと並ぶと、俺だって男っぽい!」

「………………まあ、確かに」

デュランにそう言われ、ようやくリチャードは腕組みして大きく頷く。

けれど拭き終わったアランはもう、さっさとファオンを毛皮の上に、押し倒してた。

「…駄目…もう…?」
組み敷かれて指を蕾に挿入され…ファオンが喘ぐ。

「…もうかなり広がってると思うが…。
あ…ここ、イイ?」

「んっ!」

ぴくん。と仰け反るファオンがあまりに色っぽくて可愛く、デュランとリチャードが、ごくり。
と唾を飲む。

アランはペロリ。と舌で口の端を舐めて身を起こす。

デュランが即座に動くと、ファオンを起き上がらせて背後から抱きしめる。

アランがもう、片腿担ぎ上げて挿入の体勢に入る。

デュランの手が背後から乳首に触れると、ファオンはさんざ弄られた後だったので敏感になりきってて
「あんっ!」
と叫んで身を反らす。

リチャードが呆然。とそれを見ていた。

シュティッセンとは違い…確かに、ファオンはされると虐められて感じてるように見える。

「(俺が閉じ込めて…さんざ好きにしたせいなのか…?)」

無いと思ってた良心が、ズキズキ痛むのを感じた。

アランが挿入する。

彼は…普段爽やかそのものの感じの良い明るい若者…の筈なのに…。

相手がファオンのせいか、攻めまくりやっぱり…Sっぽく見えた。

突かれてファオンは真っ赤な唇を震わせ…。

「あんっ!ああっ!」

と眉を切なげに寄せて、仰け反ってる。

時折デュランに乳首を捻られ…背後から首筋を唇で吸われ、首を横に振って感じてる。

リチャードはぎん!と一気に勃ち上がるのを感じた。

混ざりたいけど、正直どこに入れば良いのか…。

しかもファオンに睨まれまくってる。

「(…やっぱデュランも挿入(い)れた後の、蕩けた所しか無いか…)」

アランに激しく突きまくられ、ファオンはファルコンの凄まじさ。
レオの力強さと違い…急所を一突きするような、一瞬の激しい刺激に仰け反りきってる所を、デュランに乳首をねじり上げられ、喉を晒して背を反らす。

「ああっ!」

リチャードはまた、ごくり…。と唾呑み込む。

「(…されてるファオンっ…て…。
どうしてこんなに色っぽいかな…)」

昔覗いたシーリーンやアリオンとの時…。
二人は熱烈にファオンを抱きしめ…ファオンはすっかり二人に身も心も奪われたように、縋り付いてた。

正直嫉妬の炎がめらめら燃えたし、二人の男の…相手をすっかりソノ気にさせる男らしさにも妬いた。

しかし…この場だと、状況はかなり違う。

「(…アランとデュランだと妬かないな…俺)」

「いやっ!駄目っ…あんっ!あああっ!」

「…男根触らなくても逝けるだろう?」

アランに突きながら言われても、ファオンは返答なんて出来ない。

アランは確かにファルコンと比べると遙かに細くて、普通サイズ。
けど…これだけ急所を狙って激しく突かれると…。

ずぶっ!
「ああああっ!」

ファオンは言われた通り…手も触れられず、アランに挿入されて解き放っていた。

「………男根に触らず…突くだけで…逝かせないと…男として…。
駄目?」

背後でファオンを抱いていたデュランが、俯いて囁く。

アランは汗を滴らせ、相変わらず爽やかに笑う。

「まあ、やって見て…駄目そうなら、手でイカせてやれ」

デュランはもっと、俯く。

「突き始めたら普通、他事無くなりません?」

「それはお前が未熟だから」

アランはすっ。と立ち上がり、場を離れる。

デュランはがっくり…と項垂れる。

が、きっ!と顔を上げて、背後からファオンの腰を抱き上げて浮かす。

「デュ…今…逝ったばかり…」
「知ってる」

「あ…あんっ!」

下から一気に突き刺されて、ファオンは派手に背を反らす。

「ああっ!」

背後から両腿を持ち上げられ…股は開いたまま。

リチャードが正面から見ているのと目が合い、勃ち上がりかける男根を、大股開いて見られてる恥ずかしさで、ファオンは頬も体もピンクに染めて身をくねらす。

アランも思った。が、リチャードも…。

「(…色…っぺー…)」

デュランは必死で、ファオンを抱え上げると真下から、ずぶっ!と貫く。
抱え上げられたファオンの足がその都度、つま先立つ。

「ああっ!」

アランは相変わらず狙って真下から、突き上げるデュランの戦法(?)を見て呟く。

「…あれなら…尻だけで逝けるかもな」

真下から、貫き通すように突き上げられ、浮かされた腰を落とされると…。
一気に深々と飲み込まされ、ファオンは激しく身悶える。

「駄目っ…こんな…の…。
あ…ああっ…!」

一気に激しく貫かれると、身が痺れる。
けれど…何よりこの体勢が犯されてるみたいだし、股は開かされてそそり勃つ男根が人目に曝され…自分の格好が、凄く卑猥な気がして、挿入の刺激だけで無く別の羞恥に、更に感じまくってしまう。

「嫌…デュランっ!
ああっ…んっ」

くねるファオンは色っぽく…デュランの作戦(?)道理、ファオンは恥ずかしい格好を人目に曝され…ついに…手も触れられずに解き放ってしまう。

「うっ…デュランのバカ…。
こんな…の…恥ずかしすぎる………」

デュランは目的達成できて、俯いて荒い息を吐いていたけど…ファオンの言葉を聞いて、顔を上げる。

「だって…それくらいして…感度上げないと…。
尻だけで逝かせられないし…」

リチャードはデュランの言葉を聞いて、横にいるアランに囁く。

「…やっぱ…恥ずかしがると感度って上がる?」
「当然だろう…。
ぞくぞくするんじゃないのか?」

リチャードは躊躇った。

ファオンはまだ、正気が残ってる。

それで…仕方無くファオンの前に立ち、屈む。
「…優しくしたら…やって…いい?」

ファオンは濡れた瞳を上げて、尋ねる。
「酷くしない?」
「しない」

腕に抱きしめると、顔を離し…そして、ゆっくりと顔を傾け…口づける。

「ん…っ」

ファオンはびっくりした…。
だって…リチャードが切なげに甘く、口づけたから。

それで…リチャードが顔を傾け、舌をそっと差し入れて来ても拒めない。

舌で舌を愛撫され、蕩けてる自分にびっくりしながら…。

リチャードがもっと抱き寄せ毛皮の上に押し倒されて、唇を放された時、言った。

「リチャードじゃないみたい…」

リチャードは頷く。

「前技全然して無いけど…もう挿入(い)れていい…?」

ファオンは目を見開く。

「…激しくしないなら…」

リチャードは頷く。
ファオンの足を控えめに開かせ…腰を押しつけて挿入する。

リチャードがファオンの蕾に挿入(い)れた途端、目を閉じ顔を震わすので、デュランがぼそっ。と言った。

「やっぱ、百合っぽい…」
「ぷっ!」
その通りなので、横でアランが吹き出した。

けれどゆっくり突き始めると…リチャードはとうとう、ファオンの両足首を掴み、真上に持ち上げる。

両足首を一括りにして揃え、上で掴む。

アランが仕方無く、ファオンの頭の方へ歩き出し、屈んで肩を上から押さえ、固定した。
顔を被せて、ファオンの頬や鼻…唇にまったりとしたキスをする。

ファオンはアランのキスにうっとりしてしまい…両足真っ直ぐにされて揃えられ、閉じられて…今度は真横から突き刺されて顎を晒す。

「ああっ!」

アランの両腕が、脇から胸を抱き…ファオンは思わず、アランの胸を抱く腕に腕を絡ませ、しがみつく。

足を揃えられて突き刺されると…デュランの時とはまた違った恥ずかしさが上ってきて…必死にアランの腕を掴む。

ずぶっ!と突かれると…ファオンはどうしても身がくねるけど…足首を揃えられて掴まれてるから…拘束されて、犯されてる気持ちになって来る…。

ぐんっ!と思い切りリチャードに突き上げられた時…ファオンは不覚にも一気に解き放ってしまい…。

けれどリチャードはその後、二度突き上げて逝った。

足首を下ろされ…ファオンはやっぱりSが抜けないリチャードが、ほっとした様に荒い息に肩を上下させるのを、恨めしげに見た。

「…え…?
あの俺…虐めて…無いよな………?」

アランはファオンから顔を上げると笑う。

「シュティッセンだと平気だろうが…ファオンは正常位以外は、慣れてないから恥ずかしいんだろうな」

リチャードはちょっとムッとした。

「さっきのデュランの体位は、シュティッセンでも恥ずかしいだろうが…!」

デュランはさらり。と言った。

「けどあんたのやり方もなんか…ファオンのせいか…凄く恥ずかしい体位だった」

リチャードは憮然。と頷く。

「ファオンだからだろう!」

アランとデュランはリチャードから顔を背け、気の毒なリチャードのために、小声でぼそっ。と、声を揃えて言った。

「…まあ…ファオンだから…かな?」
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