アグナータの命運

あーす。

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終焉の儀式

157 花祭りコンテスト

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 ファオンはコンテストの事を思い返した。

花祭りの夕方から始まるコンテスト。

女の子達は綺麗なドレスを着て花で飾られ…そして…。
壇上に上がって、男の子達に競り落とされる。

一番高額な金額で競り落とした男の子と、その後ダンスを踊る為に。

競り落としたお金は…貧しい子とかに、送られた。

チャリティのイベントで、女の子達に取っては人気投票…。

だから…男の子の僕を女装させて壇上に上がらせ…恥をかかせようとした。

けれど…アリオンとシーリーンが競って交互に金額を叫び…。

上限まで叫び続けて、競り落としてくれた。

けれどその後、一番綺麗な子を決める投票で、僕が1位に選ばれた時…。

女の子達が叫んだ。

「ファオンは男の子よ!『花の女王』になんて、選ばれる資格無いわ!」

見物に来ていた人達の、驚きの瞳。

あの時、どれ程恥ずかしかったか…。

直ぐ、開催者が集まり協議されて…。

僕の取り消しをするかどうか話合い。

化粧係のアンナ婦人はおろおろし

「気づきませんでしたわ!たくさんいて…。
衣装選びと化粧が大変だったので…」

そう、気の毒な程取り乱してた…。

僕だって…言いかけたけど、世話してた婦人達は皆、出場者でごった返していたから忙しそうで…。
「喋らないで!
口紅が塗れないわ!」

と…怒られた………。

あの…壇上で…。

それまで、一番綺麗な女の子。として僕を見ていた人々の目が…。

「ファオンは男の子!」

その一言で…見世物のような目に、変わった。

もう惨めで恥ずかしくて…。

いたたまれなかった。

でもアリオンもシーリーンも壇上に来てくれて…。

競り落としたお金は取り消し。と言われても二人は言ってくれた。

アリオンが。
「金は払う」

シーリーンも。
「男の子でも構わない」

…それで…その後のダンスは、先に声を上げたアリオンと最初に。
次に、シーリーンと踊った。

化粧とドレスのまま。

二人と踊り始めたとき…。
最初見世物のように見ていた人々の目は、アリオンの堂々とした態度で次第に控えめになり…。

そしてシーリーンの時、微笑に変わり…。

最後に恥ずかしさは、すっかり消えていた………。
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