アグナータの命運

あーす。

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終焉の儀式

152 “終焉の儀式” シーリーン4 

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 ファオンがきつく、シーリーンの首にしがみつくと、シーリーンもしっかりとファオンの背を抱き返す。


ファオンの背は斜めに傾き、シーリーンはファオンの背を左腕でしっかり抱き寄せると、右手でファオンの腿を引き寄せる。

途端、もっと奥まで貫かれて、ファオンが幼気に首を振る。

「…シ…ーリーン…」

泣き声だった。

恥ずかしいのに耐えるように。
奥の疼く場所を抉られるのが辛いように。

ずっ!

ふいにシーリーンが強引に突き上げると、ファオンはシーリーンの腕の中で仰け反る。

「…っ!」

ずっ!

シーリーンの腰がファオンの双丘に押しつけられ…深く、貫かれてる様子が、ファオンの表情で分かる。

シーリーンが腰を引く。

ファオンの真っ赤な唇が戦慄く。

もう次に、奥深く貫かれる事が解ってるみたいに。

ずっ!
「あんっ!」

甘えたような…けれど耐えるような声色。

「シーリーン…シーリーン!」

ファオンは必死でシーリーンにしがみつく。

これから行く先が、怖くて…けれどシーリーンが導くのだからと…。
それでも耐えるように。

「…シーリーン…!」

名を呼ばれて…シーリーンは愛おしげにファオンに顔を傾け、頬に額に、口付ける。

ファオンは泣き濡れた青い瞳をシーリーンに投げかけ、唇を寄せる。

シーリーンはファオンの真っ赤に染まった唇にそっと口告げ、そして腰を押しつけ、奥深くまで抉る。

「…んっ!」

まるで…貫かれる意地悪に耐える、ご褒美のようにファオンはシーリーンにキスをねだる。

けれどシーリーンが連続して腰を押しつけ、貫くと…ファオンは次第に変貌を遂げる。

全身に、艶を纏って。

「ん…っんんっ…!」

ファオンの耐える表情が次第に…感じ始め、歓喜の表情へと変わり始める。

「あ…っん……っ!」

「…ここが…いいんだろう?」

ずっ!
と突かれて、ファオンは切なげに眉を寄せる。

「…んっ…!」

ファオンは深く抉られる度、髪を振り仰け反り…そして身を戦慄かせ…また唇を、シーリーンに寄せる。

その都度、シーリーンはなだめるように唇を微かにファオンの唇に触れて、労る。

ファオンはシーリーンの唇が触れると、少し安心したように微笑み、けれど突かれると…。
感じたように眉を寄せる。

「…あ…あんっ!」

ファオンの腿を引いていたシーリーンの手が、肩にファオンの足を抱え上げ、その手でそっと、ファオンの男根を握り込む。

ファオンが、くっ!と顔を下げる。

「…気持ちいいか?」

聞かれて、ファオンは目を開ける。
青い、青い瞳を。

「…どうしよう…僕………」

「…?」

シーリーンは尋ねるように、顔を寄せる。

「…感じてたまらない…」

その言葉道理、ファオンは全身を戦慄かせる。

シーリーンが更に深く貫き抉ったとき。

ファオンは
「………っ!」
と吐息を吐いて仰け反り…。

その時、シーリーンの手に握り込まれたファオンの男根の先端が、解き放って濡れる。

シーリーンはもう一度腰を打ち付け、深く抉って…ファオンの中へと、解き放つ。

「…………ん………っ………」

「…ハァ…お前、いっつもワンテンポ逝くの早いよな…」

シーリーンに囁かれて、ファオンは泣いてるような表情でまた、キスをせがむ。

「意地悪…」

そう呟いたとき、シーリーンの唇で唇を塞がれ、ファオンはシーリーンに口づけされて嬉しいみたいに、頭を傾け、甘えたように顔をもっと寄せる。

そして、唇が離れると囁く。

「…もっと…する?」

シーリーンは気づく。

「………お前やっぱ、意識飛んでる?
今、幾つだ?」

ファオンはそう言われて…意識を取り戻すように、周囲を見た。

《勇敢なる者》レグウルナスら、全員に見つめられてる事に気づくと、かぁっ!と頬を染める。

「…ぼく…僕、ちょっとおかしかった?
…なんか…ぼうっとして………。
温室の中に、いるのかと思った………」

シーリーンは“温室”と言われて、思い出す。

最初、ファオンを強引にアリオンから引き戻した(抱いた)場所。

その後も、他の奴らの目を盗んでファオンの腕を引き、連れ込んで…抱いた場所。

シーリーンは溜息を吐く。

「…なんか反応が…昔に戻った。
と思ってたら…本当に意識が昔に、戻ってたんだな………」


「…僕…温室でされるの…恥ずかしかった。
だって…シーリーンので挿入(い)れられると僕…その後、ぼうっ…ってなって。
シーリーンの事意識する度赤くなって…。
みんなの元へ戻るとみんな…僕の事、赤くなって変な奴。
って目で見る………」

シーリーンが小声で呟く。

「ぼんくらな他の奴らが気づくかよ…。
アリオンに、俺が抱いた後だって解れば、それで良かった」

それを聞いてアリオンが、むすっ!として言う。

「自分が抱いたと、キス・マークまで付けて俺に見せつけたろう?!」

シーリーンが直ぐ、怒鳴り返す。

「所有のキス・マーク付けて見せつけたのは、最初お前が!
やったんだぞ?!」

ファオンはそれ聞いて、真っ赤になった。

「…え…?えっ?
シーリーンと…した後、じゃいつもアリオンが不機嫌だったのは……。
ちゃんと…した後だって、解ってたから?」

アリオンが頷き、シーリーンも頷いた。

「僕…どうして…シーリーンとした…って、アリオンに言ってないのに…。
いっつも、“した”って、解ってるみたいに怒ってるのかな。
って思ってた………」

アリオンが、怒って言った。

「シーリーンは俺に毎度解るような事、してたからな!
あれは殆ど、戦線布告だったぞ!」

シーリーンも不機嫌に怒鳴った。

「意識してやってたからな!」


ファオンはおろおろして可哀想なほど狼狽え、アリオンはシーリーンに顎をしゃくり、シーリーンは気づくと、ファオンを両腕で包み込むように、抱きしめた。

ファオンはシーリーンの腕の中にいると、無意識に抱き付き返す。

身を、ぴったり。
と寄せて。

シーリーンはファオンにそんな風に抱きつかれると、とても嬉しいように睫を震わせ、もっと深くファオンを抱きしめる。

ファオンはやっと安心したように、シーリーンの腕に背を抱(いだ)かれて、シーリーンの胸に顔を寄せた。

「…僕に…怒ってる…?」

「怒ってるのはアリオンにだ。
お前じゃない…」

ファオンは安心しきって、シーリーンの胸に顔を突っ伏す。


ファルコンが、側にいるレオとキースに、そっと囁く。

「…どうしてたった10位の年で、相手をあれ程メロメロに出来る?」

レオが
「それは…」
と言いかけ、キースがその後を継いだ。

「シーリーンが天然の垂らしだから」

また、シーリーンはキースを、ぎっ!と睨み、今度はファルコンも頷いた。

「…あいつが睨むのは“その通り”って言ってるのと、同じなんだな?」

キースとレオは、同時に頷いた。
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