アグナータの命運

あーす。

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終焉の儀式

147 “終焉の儀式” セルティス

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 ファルコンとキースに揃って見つめられ、セルティスは溜息を吐いて立ち上がる。

デュランは思わず隣のアランに囁く。

「…どんどん我慢出来ないほど、ぎんぎんですけど…。
後になる程プレッシャーキツイですよね」

「最後はお前だ。
途中、逝かないよう気をつけろ」

デュランは一瞬で、青ざめた。



ファオンはまだ、毛皮の上に座り込んで、ぼーっとしていた。
セルティスに横からコップを手渡され、自然と口に運び、飲み込む。

ふ…と横のセルティスに気づくと、頬を染めて俯く。
「あの…ありがとう………」

セルティスがファオンの手から、コップを受け取る。
「もっと?」
気さくに…優しくそう尋ねられ、ファオンはセルティスの、穏やかだけどとても男らしく整いきった彫りの深い顔立ちを見つめ返す。

栗色の巻き毛も優しく輝くブルーの瞳も…セルティスをとても好ましくて美しい青年に見せている。

ファオンは首を横に振る。

上半身裸のセルティスの、体を意識した様に、顔を下げる。

「…ええと…君の体を一度、拭いていい?」

セルティスに聞かれ、ファオンは自分の姿を見る。

来ていた衣服は乱れきっていたけれど…ちゃんと着ていた。
「(この衣服って…するのに全然脱がなくても出来るようになってるんだ…)」

ファオンは俯く。

そしてセルティスが布を、陶器の深い大きな皿に入った湯に浸し、絞り上げて…体を拭かれてる間、じっ…としていた。

けれど…乳首やら男根…そして…双丘とその奥の蕾を拭き上げられる度に、ファオンの頬が羞恥で染まる。

セルティスが、困ったように言う。
「…なんか…俺が、悪戯してるみたいに見える」

「…いっぱい…触られたし…セルティス…ちょっと“雄”になってる?」

ファオンに小声で囁かれ、セルティスは囁き返す。

「…ちょっとじゃなくて、だいぶ。
さっきから凄くエロいところ、見せつけられてるから」

ファオンは気づいて、一辺に我に帰ったみたいに周囲の男らを見回す。

終わった男らは平然としていたけれど…。

アリオンもシーリーンも顔を俯け、アランは修行僧のような気分らしく、ひたすら我慢。

デュランも顔を、下げきっていたし、リチャードは目を合わせない。


ファオンは真っ赤になって俯いた。

「君のそう言う所、凄く可愛いし」

セルティスに言われて、ファオンはますます頬を染める。

「ちょっと…さっぱりした?」

セルティスに言われ、ファオンは頷く。

次にセルティスに腕を引かれ、胸元に抱き寄せられると…ファオンはまた、どきどきした。

セルティスの、顔や態度は柔和なのに、逞しい胸元はなんか凄いギャップを感じて、一気に鼓動が跳ね上がる。

彼の逞しい腕に抱きすくめられると…草原の香りだとか青空の爽やかな感じがして、懐かしくて同時に、安心した。

レオ、ファルコン、キースのような、強烈な存在感は無いけれど…けれどとても安心出来て…けれどそうしてるとフイに、裏切られるように青年っぽさが顔を出し、少し強引にされるだけで、どきどきする程男っぽく感じて、頬が染まる。

セルティスは彫刻のように整いきった彫りの深い顔と美しい体を持っていて、ファオンを腕に抱いていたりすると、傍目からは絵のように完璧に見えた。

セルティスの唇が、ファオンの唇に触れる。

ファオンはくすぐったいような感覚に襲われ…同時にその奥にある熱が表面に出て来て、舌が情熱的に舌に絡みついた時。
ファオンはのぼせ上がったようにセルティスに囚われた。

腕に抱かれて口づけされてるだけなのに、もう奥が疼く。

唇を放された時、ファオンは泣いていた。

「…どうしよう………」

セルティスはそっ…とファオンの股の辺りに手を触れて囁く。

「もう…勃ってる?」

ファオンが、こくん。と頷く。

「…みんなにされて…敏感になってるから?」
セルティスにそう聞かれて、ファオンは俯く。

「それもあるけど…セルティス、今“雄”になってるから…。
口づけされただけで、熱い…」

傍目から見ても、皆に解った。

そう言われてセルティスが、一気に煽られてその気になったのが。

けれどセルティスは腕を回して泣くファオンを抱きしめ、顔をせがむように寄せて、口付ける。

ファオンはセルティスの腕の中で口づけされ…ひっきりなしに身を、小刻みに震わせていた。

セルティスは尚一層深く、腕に抱いて口付ける。

熱烈な恋人同士がしてるように、端からは見えた。

「…セルティス………」

「もう…?」

「…駄目…?
だって僕…」

「ここ…は?
愛されたくない?」

ファオンは男根にやんわり触れられて、びくり!と身を震わす。

「あ…あっ………」
「気持ちいい?」

聞かれて、ファオンは恥ずかしげに顔をセルティスの、肩に埋める。

「…うん…凄く………けど…」
「触られると、直ぐ逝っちゃう?」

ファオンは頷くとセルティスの肩に、甘えきって顔を埋める。

セルティスは肩に顔を伏せるファオンの、その触れた感触に、眉を寄せて感じたように震える。

「…って………僕が直ぐ逝くと感度が落ちるから…輪で縛られてるんでしょう…?」

ファオンに聞かれ、セルティスは少し笑う。

「縛られてなかったら…もう、逝ってた?」

ファオンは頷く。

「セルティスの手で触られただけで…。
僕…変…。
でもセルティスが“雄”になる事…滅多に無いから………」

「だから余計に、感じるの?」

ファオンは頷く。

セルティスはファオンを一層深く、抱きしめる。

二人は膝立ちしたまま深く抱き合い…セルティスはまた、顔を傾けファオンの唇に倒れ込む。

本当に、恋人達を見てるようだった。

深く舌を深く差し入れ、ファオンも同様舌を絡ませ…情熱的に抱き合って、口づけてる。

やがてそっとセルティスが膝を立てる。

ファオンがその膝の上に、自分の膝を乗せて上げる。

とても自然な行為で、セルティスが腰布を避けて男根を取り出すと、ファオンは腰をセルティスの腹に密着させ…セルティスが挿入(い)れる蕾を探ると、ファオンも腰をそっと落とす。

セルティスが腰を突き上げると同時にファオンも引き下げ、ファオンも唇を噛んだけど、セルティスも睫を震わせた。

耳元でセルティスが、狂おしく囁く。
「辛く…無い?」

ファオンは幼気に首を横に、振る。

「…平気…」

セルティスは愛おしげにファオンを抱きしめると、ゆっくりと自分の膝の上に乗った、ファオンの腿を肘を曲げて持ち上げ、同時に深くファオンの奥へと突き刺す。

「あっ…んっ!」

そう喘ぎ首を振るファオンは、まろやかな表情を見せる。

真っ赤な唇は、セルティスにゆっくり突かれる度に、甘やかな喘ぎを紡ぎ出す。

明らかに、気持ちよさげに。

「あっ…あ………ぅんっ…。
どう…しよう…僕…凄く…い…い………」

セルティスは顔を下げ、睫を震わせて囁く。
「俺も…。
めちゃくちゃ良い…」
「…ホント?」

ファオンに聞かれ、セルティスは目を閉じたまま頷き、ゆっくり目を開ける。

ファオンは開かれたセルティスのブルーの瞳に囚われたように、顔を震わせて抱きつく。
同時にセルティスの腕もファオンの背に回り抱き寄せる。


「…どう…見ても恋人みたいですよね…」

デュランが言うと、アリオンとシーリーンに同時に振り向かれ、睨まれた。

アランがこっそり囁く。

「セルティスの人柄で…あいつが《皆を繋ぐ者》アグナータを抱くと、みんなああなる」

デュランはそう言われて目を見開き、一瞬言葉を飲み込み、ごくり。と喉ならした。


二人は熱烈に抱き合ったまま…セルティスは下から突き上げ、ファオンは腰を捻り…うっとりと…目を閉じて、二人して上り詰めていくみたいに見えた。

「…気持ちいい…」
ファオンが掠れた声で囁く。
「僕…お尻だけでこんな気持ちになるの、初めて…」


真っ赤な唇を戦慄かせるファオンを見て、デュランが思わず思い出す。
「(ファオンって…そう言えば男だっけ…)」


「…本当?
俺も…こんな風にぴったり密着して挿入するとたまらなく感じる」

セルティスに一層抱きしめられ、ファオンがうわずったように頬を染める。

「…あ…っん…っ…気持ちが良い」

「もう少し…突き上げてもいい?」

セルティスに問われて、ファオンはいっそう深く、セルティスに身をぴったり寄せて抱き付き、囁く。

「うん…。
もっと突いて」

セルティスの、腰の動きがだんだん激しくなる。

ファオンはセルティスが突き入れる度に少し腰を下げて捻る。

「やっ…!い…い…!」
「ああ…俺も…凄く良い…」

二人は快感を夢中で追い求めるみたいに、二人とも同時に腰を動かしながら、恍惚とした表情で上り詰めていく。

まるで姿の美しい恋人同士の愛の絵図のようで、デュランはつい、アリオンとシーリーンを盗み見したが、二人は眉間を寄せまくっていた。


「あんっ!
あんっ…あ…あっ…ああっ!」

ファオンの身がセルティスの腕の中でくねり始める。
首を振り真っ赤な唇を戦慄かせると、セルティスは愛おしげに腰を突き入れる。

「ああっ…!」

明らかに、ファオンはセルティスにもたらされる快感に、溺れてるように見えた。

「ああっ…あっ…あっ…あ…………………っ!」

ファオンはセルティスの腕の中でびくん!と大きく身を揺すり、セルティスもはぁ…はぁ…と吐息を吐くと、ファオンの頭の髪の中に顔を埋めて抱き止める。

ファオンはぐったりとセルティスの胸にしなだれかかり、二人はそのまま、じっ…として、荒い息を整えていた。


セルティスが身を起こすとほぼ同時。

ファオンは顔を上げて、セルティスを見上げる。

セルティスはファオンを顔を下げて見つめ、微笑みと共に、軽いキスをファオンの唇に降らせた。

そして優しく囁く。

「他全然触ってないけど…大丈夫?」

ファオンは掠れた声で囁き返す。

「他を触られてたら…多分、逝っちゃってた…」

そして顔を上げる。

「セルティスは…?
どこか触りたかった?」

セルティスは目を見開き、笑う。
「君がいいんなら…大丈夫」


周囲から、溜息が洩れた。

「あいつの恋人って、絶対幸せだろうな」
「同感」


セルティスがその声に振り向く。
喋ってたのは、キースとレオだった。
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