109 / 286
キーナンの森
109 森の中の襲撃
しおりを挟む
ファオンが身を乗り出す。
そして、一気に身を沈め、枝を掴み更に下の枝目がけ身を沈めながら、木を下り始めた。
レオの横を通り過ぎ様、小声で叫ぶ。
「この先の道の左側を通る!
先に行って木に登ってます!
ここは通らないから安全です!」
レオはどんどん下に沈んでは枝を掴み、また沈み下に下り行くファオンを、頷いて見送る。
シーリーン、アリオン、ファーレーンが直ぐ、ファオンに習い、下に飛ぶと枝を掴み、降りて行く。
「………………………」
レドナンドが、あっと言う間に遙か下に降りて行くファオンを見送り、固まる。
横のレオを見ると、尋ねた。
「で?
我々はどうする?」
レオはレドナンドに振り向く。
「ここを頼む!」
そう言って、レオが一気にかなり下の枝に飛ぶ。
ざっっっ!
キースは皆が降りて来るのに目を見開く。
捕まってる木の横の枝を、まずファオンが身を落下させ一気に掴み、また落下して下の枝に捕まる。
次にアリオン。
そしてシーリーンが。
とうとう、ファーレーンが飛び降りて来る姿を見て、意を決し、掴んでいた木を押し、下の枝に飛んで着地した。
が。
ずさささささっ!
レオがいきなり上から下の枝に落ちて来るのを見、ぎょっ!とする。
レオはキースを見上げ、言った。
「早さと木登りに自信があるなら、付いて来い!」
キースはままよ!とレオのいた枝に向かって飛ぶ。
がもうレオは、下の枝に飛び移っていた。
ファルコンはファオンが、木から下りてきたと思ったらあっという間に目の前を通り過ぎて行く姿を、無言で見送る。
次にアリオンとシーリーン。そしてファーレーン。
レオは降り様横のファルコンに
「レドナンドの指示に従え!」
と言い残し、走り去る皆の後に続く。
そして、キースが黄金の髪を振って、着地する。
アランが咄嗟、起き上がったキースの腕を掴む。
「どこへ行く!」
「漏れ聞いた話だと、これから襲撃に来る群れの最後尾を木に登って待ち、杖付きを仕留める。
木登りが苦手なら、止めとけ!」
そう言って駆け出す。
「得意だ!」
アランは言い返し、キースの横に並び駆ける。
ファルコンは慌ただしく駆け去る、皆を見送り、言った。
「俺は、苦手だ」
レドナンドが、木から飛び降り、言った。
「この道は通らないらしい。
通るのは…」
木から真っ直ぐ伸びた道の先に、交差する広い道。
坂へと続く道が、真正面のかなり先に見える。
「多分、あそこの道を通る」
「す…凄い数ですか?!」
デュランがどもる。
「多分な」
リチャードが静かに、そう言った。
途中、ファオンは道から逸れて、木々の間をすり抜けて行く。
「(近道か…!)」
けれどファオンは、後に続くアリオンとシーリーンにチラと鋭い視線振る。
アリオンもシーリーンも気づき、周囲に気を配る。
ファーレーンもが、走りながら耳をそばだてた。
レオが気を張り詰める様子に気づいて、背を追いかけるキースとアランも顔を見合わせる。
咄嗟、真横から飛び出す《化け物》に、アランは一瞬足を止める。
《化け物》はそのまま、真横に剣を突き立てたキースへと突っ込み、腹を深々と抉られた。
ずさっ!
「ぎぇっ!」
アランはその瞬間前に出ると、剣に刺ささってる《化け物》の肩を掴んで横に押し退ける。
《化け物》は、剣から引き抜かれて横に、吹っ飛んだ。
どっっっ!
キースが走りながらアランを見る。
「よく、避けたな」
「…あれ、俺が一歩下がらなかったら、俺に刺さってたって、知ってた?」
「…避けると思ってた」
二人は無言で暫くレオの背を追った。
後、アランが言った。
「ホントに?」
そして、一気に身を沈め、枝を掴み更に下の枝目がけ身を沈めながら、木を下り始めた。
レオの横を通り過ぎ様、小声で叫ぶ。
「この先の道の左側を通る!
先に行って木に登ってます!
ここは通らないから安全です!」
レオはどんどん下に沈んでは枝を掴み、また沈み下に下り行くファオンを、頷いて見送る。
シーリーン、アリオン、ファーレーンが直ぐ、ファオンに習い、下に飛ぶと枝を掴み、降りて行く。
「………………………」
レドナンドが、あっと言う間に遙か下に降りて行くファオンを見送り、固まる。
横のレオを見ると、尋ねた。
「で?
我々はどうする?」
レオはレドナンドに振り向く。
「ここを頼む!」
そう言って、レオが一気にかなり下の枝に飛ぶ。
ざっっっ!
キースは皆が降りて来るのに目を見開く。
捕まってる木の横の枝を、まずファオンが身を落下させ一気に掴み、また落下して下の枝に捕まる。
次にアリオン。
そしてシーリーンが。
とうとう、ファーレーンが飛び降りて来る姿を見て、意を決し、掴んでいた木を押し、下の枝に飛んで着地した。
が。
ずさささささっ!
レオがいきなり上から下の枝に落ちて来るのを見、ぎょっ!とする。
レオはキースを見上げ、言った。
「早さと木登りに自信があるなら、付いて来い!」
キースはままよ!とレオのいた枝に向かって飛ぶ。
がもうレオは、下の枝に飛び移っていた。
ファルコンはファオンが、木から下りてきたと思ったらあっという間に目の前を通り過ぎて行く姿を、無言で見送る。
次にアリオンとシーリーン。そしてファーレーン。
レオは降り様横のファルコンに
「レドナンドの指示に従え!」
と言い残し、走り去る皆の後に続く。
そして、キースが黄金の髪を振って、着地する。
アランが咄嗟、起き上がったキースの腕を掴む。
「どこへ行く!」
「漏れ聞いた話だと、これから襲撃に来る群れの最後尾を木に登って待ち、杖付きを仕留める。
木登りが苦手なら、止めとけ!」
そう言って駆け出す。
「得意だ!」
アランは言い返し、キースの横に並び駆ける。
ファルコンは慌ただしく駆け去る、皆を見送り、言った。
「俺は、苦手だ」
レドナンドが、木から飛び降り、言った。
「この道は通らないらしい。
通るのは…」
木から真っ直ぐ伸びた道の先に、交差する広い道。
坂へと続く道が、真正面のかなり先に見える。
「多分、あそこの道を通る」
「す…凄い数ですか?!」
デュランがどもる。
「多分な」
リチャードが静かに、そう言った。
途中、ファオンは道から逸れて、木々の間をすり抜けて行く。
「(近道か…!)」
けれどファオンは、後に続くアリオンとシーリーンにチラと鋭い視線振る。
アリオンもシーリーンも気づき、周囲に気を配る。
ファーレーンもが、走りながら耳をそばだてた。
レオが気を張り詰める様子に気づいて、背を追いかけるキースとアランも顔を見合わせる。
咄嗟、真横から飛び出す《化け物》に、アランは一瞬足を止める。
《化け物》はそのまま、真横に剣を突き立てたキースへと突っ込み、腹を深々と抉られた。
ずさっ!
「ぎぇっ!」
アランはその瞬間前に出ると、剣に刺ささってる《化け物》の肩を掴んで横に押し退ける。
《化け物》は、剣から引き抜かれて横に、吹っ飛んだ。
どっっっ!
キースが走りながらアランを見る。
「よく、避けたな」
「…あれ、俺が一歩下がらなかったら、俺に刺さってたって、知ってた?」
「…避けると思ってた」
二人は無言で暫くレオの背を追った。
後、アランが言った。
「ホントに?」
0
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)
藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!?
手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる