アグナータの命運

あーす。

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二つを兼ねる者 セグナ・アグナータ

85 アリオンとシーリーン

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 ファオンが目を覚ます。

「…やあ」

テントに透けて差す陽の中、目前でアリオンが微笑んでいた。

真っ直ぐに近い長い黒髪。
男らしく整いきった綺麗な顔立ち。
意志の強い、深い青の瞳…。

衣服を着けてない、剥き出しの上半身。
昔見た時より、首も太く肩も盛り上がっていて、胸板も厚かった。

あちこちに浅い掻き傷は見えるけど…かつて負った腕の傷は、いびつな傷が残り肉が引き吊っていたけれど、すっかり傷口は塞がり、瘡蓋(かさぶた)が出来ていた…。

ファオンは聞きたかった。
アリオンがどこか、ひどく傷付いてないか。

けど頭が何かの上に乗っていて…振り向くと、シーリーンが膝枕をしてくれていて、陽に顔の半分に陰を作り、微笑んでる。

プラチナの柔らかな髪。
陽に透けたブルー・グレーのきらりと光る綺麗な瞳。
真っ直ぐの鼻筋。
少し開いた、艶のある唇…。

「挫いた足…は?」

思わずそう尋ねると、シーリーンはうっとりするような美麗な微笑みを浮かべ、顔を倒し込んで答える。

「…もう…すっかりいい」

両脇に腕を入れられ上に引き上げられて、シーリーンに背後から抱きしめられた時、ファオンは背に感じるシーリーンの逞しい躯の感触に、どきっ!として身が微かに震う。

シーリーンの唇が、左の首筋に倒れ込んで来る。
熱い唇が這う。

前からアリオンが顔を倒し込んで来て…唇にそっと触れて口づける。

「ん…っ」

アリオンの男らしく…熱い唇の感触を唇に感じた時、ファオンはぼんやりした微睡(まどろ)みから一気に覚醒して、心臓がどくん…。
と跳ね上がるのを感じた。

唇が離れただけでうわずった気分になったけど、ファルコンとセルティスとのさっきの事が脳裏に蘇り、再び顔を傾けてくるアリオンに慌てて訴える。

「…僕…僕、湯浴びしないと…!
さっきファルコンの…」

「待てない」
アリオンの唇が再び唇に重なる。

「んっ……あ…駄目…」

シーリーンの手が背後からもう、男根にそっと触れて握り込む。
ファオンはアリオンに口付けられながら、身を捩る。

「んっ!」

アリオンの手が顎に触れて抑え、唇が深く、重なって来る…。

「…んん…っ」

アリオンに口づけられるといつも体が火照ったけど、シーリーンに背後から抱かれ男根をシーリーンの手で握り込まれたりすると、くすぐったいような羞恥に襲われ、身体の熱が一気に上がる。

「ん…っんっ…」

アリオンが唇を離し、男らしく整いきった顔で、赤く柔らかなファオンの唇を見つめる。

シーリーンが耳たぶに唇を触れて軽く噛みながら、囁く。

「…気持ちいいのか…?
…もう…固くなってる」
握ったファオンの男根の、先端に軽く指を触れてシーリーンがそう言う。

ファオンは、かっ!と頬を染める。

アリオンの手が右の乳首を手の平でなぜ、シーリーンの指が左の乳首を摘まみ上げる。

敏感な先端が疼いて、ファオンは喉を晒す。

「あんっ…!」

幼気に首を振るファオンの艶っぽい姿を、アリオンが見惚れたように見つめる。

「…相変わらず…可愛いな…。
散々はらはらさせられたんだ。
少し…可愛がらせて貰う…」

アリオンが顔を下げて傾け、右の乳首にそっと唇を触れる。

「あ…あっ…!」

更にシーリーンの手で男根を握り込まれ、感じる先端部分をさんざん指の腹でなぜられると、たまらなくなって腰がくねり始める。

左の乳首をシーリーンの指で摘ままれ、敏感になりきった先端をこねくりまわされて、ファオンは首を振って仰け反った。

「あっ!あっ…あ…んっ…!」

アリオンが唇を離し、囁く。
「もっと…?」
その吐息が敏感になった乳首の先端にかかり、ふいの熱い吐息に、びくん!とファオンは身を震わせた。

「…敏感だな…。
セルティスにここを虐められた…?
それともファルコン…?」

アリオンの唇がまた、乳首に触れて吸い付く。

「あんっ…!」

シーリーンが背後から、唇を頬に擦りつける。
「…いいか…?」

ファオンはシーリーンの声に、ぞくり…と身を震わせた。

つい再び蕾の奥に火が灯り、ファオンは恥ずかしげに腰を捻る。

“…どうして…こんな風にされると…挿入(いれ)て欲しくなるんだろう…?”

アリオンが顔を上げる。
ファオンの右の首筋に顔を傾け、唇を擦りつけながら双丘を探り、指を蕾へと伸ばしながら囁く。

「ああ…こっちが…良かったか?」

指がゆっくりと差し入れられて、ファオンは後ろから乳首を愛撫するシーリーンの腕にしがみつき、身を反り返す。

「あんっ…」

シーリーンのうわずった声が耳元で聞こえる。

「触れられただけで…もう挿入(い)て欲しいんだろう…?」

そう聞かれ、ファオンは恥ずかしげに顔を俯け、力の抜けた腕で、まだ左の乳首を軽く抓るシーリーンの腕に縋り付くように掴まり、前から首筋に倒れ込む、アリオンの胸に手を添える。

腰布を付けただけの、ほぼ裸のアリオンが前から倒れ込んでくる…。
…背に触れるシーリーンも裸…。

ファオンは二人の逞しい男に挟まれて、敏感な場所を次々触れられ愛撫され、首を振って身もがく。

「…駄目…そんなにされたら…」

アリオンの指が、彼が良く知ってるファオンの蕾の奥の、男根で突かれると悦ぶ敏感な場所を擦り上げる。

「ああっ!…ん…っ」

甘やかな喘ぎを発し仰け反るファオンを見つめながら、アリオンは右手で指で蕾の奥深くを抜き差しし、左の指でファオンの右の乳首を抓り上げる。

「あんっ!」

左の乳首を摘まむシーリーンは、やんわりと触れて転がした後、一気に摘まみ上げて抓るを繰り返し、アリオンの指は右の乳首をきつく摘まみ上げながら先端を引っ張り、爪の先できつく潰す。

「あ…んっ…あっ…んんっ!」

二人の違った刺激を連続して加えられ、シーリーンにやんわりしごかれた男根はすっかり張り詰めていく。

それに…アリオンに指で蕾の奥をやんわり擦り上げられる度、かっ!と身が火照って、つい腰を振ってしまう…。

「んん…っあ…」

ファオンは裸のアリオンとやはり素肌のシーリーンの間に挟まれて、喘ぎながら仰け反る。

シーリーンが一瞬、顔を上げる。
アリオンはシーリーンのブルーグレーの瞳を見つめ返し、微かに頷く。
シーリーンは咄嗟アリオンのくっきりとした深いブルーの瞳を真っ直ぐ見つめ、頷き返す。

シーリーンの頬がファオンの左頬に密着する。
腿を持ち上げられて足を開かされ、シーリーンの腰の上に引き上げられた時、ファオンはシーリーンの…いつもの秘やかで男らしく、たくましく成長した体が背に密着して震えた。

「…あ………」

シーリーンが手放したファオンの男根を、今度はアリオンが前から握り込む。

「…っ!」

シーリーンとは違う…強く熱いアリオンの手に握られた途端、ファオンは感じて身を震わす。

シーリーンの男根の先端が蕾をなぜた時、ファオンは思わず仰け反った。

「あんっ…」

シーリーンは背後から胸を抱き抱えながら耳元で囁く。
「これだけで…感じるのか?
挿入たら…?」

「駄目…シーリーンこんな…の…。
一人ずつだって僕…おかしくなるのに…」

アリオンがファオンの男根の敏感な先端を指の腹で擦り上げる。

「…あんっ!」

けどその間に、シーリーンがファオンの腰を、下へと沈め込む。

ずっ…。

「あんっ!」
めり込み一気に貫かれ、ファオンはかっ!と頬を火照らせる。

「あ…あ…あっ…んっ」

もうすっかりシーリーンの男根を蕾に奥まで咥え込まされ、ファオンは小刻みに身を戦慄かせる。

シーリーンはじっとしていたけれど…さっきアリオンが指で触れた蕾の奥の敏感な部分に当たっていて…。

ファオンは身動きできず、背後からシーリーンに抱きすくめられて目を閉じ、頬を真っ赤に染めて顎を晒す。

長い白っぽい金髪が胸元で揺れる。
戦慄く唇は真っ赤で可憐…。

けれどファオンは目を開けてアリオンを見つめると、そっ…と前から被さっているアリオンの男根を、両手で握り込んだ。

「っ!」
アリオンはファオンに握られ、一瞬感じたように眉を寄せて、首を横に振る。

ファオンはアリオンの…今まであまり触れたことの無い男根を握り込んで掠れた声で囁く。

「…いつも…僕、して貰うばかりだし…。
でも……もし…口が良ければ…」

けど返事をしたのは、背後にいたシーリーンの方…。
「口を使えるようになったのか…?」

シーリーンの声は低く掠れていて、ファオンはぞくっ!と身を震わせる。

「すこ…しは…。
シーリーンが…教え…て…くれたし…あんっ!」

ファオンは必死にアリオンの男根を両手で挟み込んで、彼がいいように…手でしごき上げていたけれど、シーリーンが下から腰を突き上げ、内壁を擦れ上げられて背を反り返して仰け反る。

アリオンがファオンに被さり、倒れ込んでくる。

「…いいから…そのまま両手で握ってろ」

左頬にシーリーンが頬を密着させ、右頬にアリオンが頬を寄せて倒れ込む。

シーリーンが下から突き上げると、ファオンは仰け反ってアリオンの胸板に密着する。
その時、反動で手に握り込むアリオンの男根までもが擦り上げられる。

手に握るアリオンのものは熱く…固く、脈打っていて…。
今まで…これで蕾の奥を貫かれたのだと、つぶさに解って、ファオンは心臓が更にどくん!と跳ねるのを感じた。

途端下からシーリーンのもので貫かれると、蕾の中で脈打つシーリーンの固い男根を意識し、身が灼熱のように熱い。

アリオンの手に男根をきつく握られ、シーリーンが突き上げて来る毎に、きつく擦り上げられ、ファオンはあまりの熱さと押し寄せる快感に喉を晒す。

「あああ…っ…………。
どう…………にかな…っちゃ……う…あんっ!」

背後から抱くシーリーンの逞しい体が密着するだけで…身が火照るのに、仰け反る度にアリオンの厚い胸板に密着し、アリオンの手に握られた男根は灼熱のように熱くなる…。

アリオンの固く太い男根は両手の中で熱く脈打ち、シーリーンの男根に背後から蕾の奥まで刺し貫かれて、ファオンはあまりの熱さに意識が霞んで来る…。

「駄目…おかしく…なる…あんっ!
………あ…あっ…あああっ!」

シーリーンとアリオンの唇が…両側から頬に擦りつけられ、耳たぶに触れ…ファオンは逞しく秘やかで男らしい二人に密着して挟み込まれ、どんどん意識が薄れ始める。

「駄目…駄目…っ…あ…っ!」

シーリーンが下から、激しく抉るように連続して突き上げる。

二人の厚い胸板に挟まれ、幾度も下から貫かれると、身体が反り返って気が狂いそうに感じる…。

「あっ…あ…あっ…。
んんっ…う…ん…っ」

「いいか…?」
耳元でシーリーンのうわずる声…。

右側に顔を倒し込むアリオンの熱い吐息が頬にかかる。

「…どう…にかなり…そ………あ…あっ!」

次の瞬間、深く奥まで抉り込まれた時、アリオンの熱くごつい手に握られた男根の先端に例えようの無い快感が押し寄せて来る。

「…駄目…っ!」

ファオンはびくびくっ!と身を痙攣させた。

はぁ…はぁ…はぁ……。

アリオンの荒い吐息…シーリーンの息も弾んでる。

解き放ったのに二人に挟まれてまだ、身体が熱い…。

気づくと両手は、アリオンの放った液が滴り…蕾はシーリーンの放った液が、双丘の間に滴っていた。
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