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二つを兼ねる者 セグナ・アグナータ
84 ファルコンとセルティス
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ファオンは身体に、《化け物》の匂いが付いているのに気づく。
腕を噛まれた時…。
直ぐ身近に迫られ、匂いが付いた…。
その時ファオンは困惑し、《勇敢なる者》、《皆を繋ぐ者》、どちらの湯に浸かり匂いを消すべきかを考えた。
シリルローレルと旅の間。
師はいつも厳しかった。
けれど…彼の望みに応え、動く時…シリルローレルは笑う。
『良くやった』
そんな笑顔で。
彼から貰う笑顔は、勲章。
だから…幾度か訪れる《化け物》の巣。
杖付きを見つけた途端、必死で殺るよう駆けた。
冬で邪魔する《化け物》は少ない。
けどいつも後一歩の所で逃げられ…しょげているとシリルローレルが言う。
「気にするな」
けれど笑顔は無い。
師と共に、杖付きを護る《化け物》は殺せたけど…杖付きにはいつも、逃げられてた。
ずっと…必死だった。
もっと早く…!早く!早く!
初めて一匹の杖付きを殺れた時、シリルローレルは満開の笑顔を見せた…。
特大の勲章だった…。
キリアンといた時。
そして今回も。
杖付きを殺れた。
けれど…。
ファオンは迷った後、《皆を繋ぐ者》の湯へと向かった。
浸かり、籠の中から花を取り…体に擦り込む。
けれど衣服は、被り布を着けず薄衣と腰布を付けたまま…ファルコンのテントへと、向かった。
テントの布を上げる。
中にいたファルコンが、顔を上げる。
《化け物》の匂いを湯で落とし、腰布一枚付けただけで、毛皮の横の椅子に座り、濡れた髪を拭いていた。
銀の真っ直ぐな癖の無い濡れ髪に布を当て、ファオンに視線を向けるファルコンは…顔立ちが整いきって、とても…男らしい美男に見えた。
真っ直ぐの高い鼻。
グレーに近い淡いブルー色の、涼しげな目元。
そして薄いけれど引き締まった口元…。
ファオンはファルコンの肌を目で追う。
ファルコンの、引き締まりきった仄白い肌の逞しい肩や腕。
胸…そして背にも…。
掻き傷のような傷が無数に見える。
ファオンは顔を下げる。
あの傷を付けたのは、自分も同然…。
「…何だ」
そう聞くファルコンの声は掠れていた。
「…僕…」
けれどファルコンは顔を背ける。
「レオが言ったろう?
お前は良くやったと」
「けど…」
「戦闘後の興奮の後だ。
多少色気が出て来たお前は、目の毒だ」
「…でも、僕に口でして貰う…って」
ファルコンは髪を布で拭く手を止め、ファオンを見る。
「…今日の英雄だろう…?
いいから、行け」
ファオンは躊躇い背を向け…けれど振り向く。
自分でも驚く程自然に…ファオンは足をテントの中に進めていた。
そして椅子に座る、ファルコンの開いた股の間に屈む。
「…ファオン…」
ファオンはそっと…ファルコンの腰布を横に退け、覗く男根にそっと唇を近づける。
…怖かった。
最初の時は。
けれど今、ファルコンの巨大な男根は、恐ろしものでも気持ち悪いものでも、無くなっていた。
ファルコンの一部で、彼自身…。
ファルコンの手が、髪に柔らかく触れる。
ファオンが手を添え、口に含むと、一気に固くなる。
ファオンはその反応に、夢中で舌を使う…。
それでも…戦ってくれた。
助ける為に。
これだけの傷を作りながら…。
感謝を示す方法はこれしか…出来ない。
だから…。
ファオンは先端を舐め上げ、手でしごき上げて舌を這わせ続ける…。
「…少し…は巧くなった…な…」
ファルコンが気持ちいいのは、掠れた声で解った。
不思議だった。
ファルコンがいい事が…嬉しかった。
夢中で、彼の男根を唇で舌で、そして手で愛撫する。
体が熱く…ファルコンが快感に浚われる雰囲気を感じると、興奮が伝わってくる。
喉の奥まで咥え込んで、抜き差しする…。
「…っ」
ファルコンの腿が震える。
もっと…気持ち良くなって。
ファオンは自分がされて気持ちいい事を、ファルコンの男根に夢中で施す。
巨大な脈打つ口の中の男根は…大切なファルコンの、大切な場所。
けれどその時、ふいに。
テントの布のすれた音と共に、セルティスが入って来て、背後に来たかと思うと、ファオンを後ろから抱きしめる。
熱い…逞しい体に抱きすくめられ、ファオンは驚く…。
けど口の中のファルコンは高まり始めていたから…。
「んっ…」
ファオンはファルコンの男根に気持ちを戻す。
先端から苦い汁が滴り始めても…ファオンは思った。
もっと…もっとすればファルコンは更に気持ち良くなる…。
奉仕じゃなく。
感謝だった。
気遣ってくれていた。
怒っていたけど…それでも杖付きを殺った事を…ファルコンは認めてくれていた…。
「ん…っ!」
その時後ろから抱きすくめるセルティスの手が、ファオンの内股を伝い、腰布を指先でそっと避け、男根をやんわり握り込む。
ゆっくり先端に指を絡ませながら、しごき始める…。
ファオンは途端、快感に浚(さら)われる。
「ん…っあ…」
セルティスは背後からファオンを抱いたまま、男根を優しく手で愛撫し始める。
ファオンはあまりの気持ちよさに、もう少しでファルコンの男根を口から出しそうになった。
けれど必死で思い止まり、解放へと導く為にファルコンの男根を口に含む。
セルティスの手が導くように動く。
気づくとファオンはファルコンの男根に、セルティスの手がもたらす愛撫と同じような愛撫を、舌で施していた。
後ろら抱きすくめられると、セルティスの熱が伝わって来る。
逞しい体が密着し、彼の若々しい熱情にくらくらし、どうにかなりそうになって来る。
夢中でファルコンの男根を口の中で抜き差しする。
セルティスの手で愛撫され、腰が熱く、熱くなった時………蕾の奥が、疼く。
「…んっ…」
ファオンが恥ずかしげに腿を閉じ、腰をよじる仕草で、セルティスは察したようにファオンの顔に頬を寄せて囁く。
「…どうして欲しい…?」
密着した頬。
掠れた…低い声にファオンは感じたように、身をぞくり…!と震わせる。
「…ん…っ……………。
………欲しい…」
「蕾に?」
ファオンは切なげに眉を寄せながら、頷く。
セルティスは頬を寄せたまま頷くと、ファオンの腰布を尻から滑り落とし、そっと腿でファオンの腿を下から押し、持ち上げる。
ファオンはセルティスの腿に持ち上げられて左膝を立て、右だけ膝を付いた格好で、セルティスがゆっくりと…蕾を割って挿入ってくる感触に、眉をもっと寄せた。
押し入る圧迫感。
熱い…固いセルティスの男根がゆっくりとめり込み、奥まで埋め尽くされる。
高まって行くファルコンの手が、頭を髪をそっと掴む。
ファルコンの息使い…。
その時ついに、ファルコンの腰がくっ!と突き出され、ファオンは口の中で…その巨大な男根が暴れ始める感覚に、身を囚われた。
けれどファルコンは喉奥までは押しつけず、先端辺りを抜き差し始める。
ずぶっ…。
ずぶっ…。
口の中で動くファルコンの男根…。
犯されてる感覚より、彼に囚われた感覚が勝る。
セルティスがゆっくり…なぜるように優しく抜き差し始める。
次第に強く。
だんだん感じて高まるように…。
熱い…。
胸を抱くセルティスの腕。
掻き抱くような…。
熱烈な…。
「ん…っんっ!」
ファルコンの先端から汁が滴り続け…セルティスの腰の動きはだんだん激しくなる。
二人の男の熱が注ぎ込まれるように感じ、ファオンは…今まで一度も感じた事の無い…。
二人の男に愛されてる感覚に溺れた。
ファルコンの男根は激しく口の中を行き来するけど、乱暴さは感じない。
どころか…まるで快感を施しているファオンを労るような…優しさすらあった。
けれどファルコンの男根の迫力は圧倒的で…彼の“雄”に酔ったような気分になる。
セルティスに後ろから逞しい身を密着させられながら、抱きついたまま腰を突き入れられる。
愛しい者を掻き抱くように抱かれ、連続して感じる場所を擦り上げられて、ファオンは身が痺れるほどの快感に包まれて行く。
…そしてセルティスの男根に、抉られるように貫かれた時、ファオンは高まりきってセルティスの手の中で…気づくと解き放ってた。
瞬間ファルコンは男根をファオンの口の中から引き抜くと、頬の横で解き放つ。
ばっ…!
頬にファルコンの熱い液が滴った。
次に腕に掻き抱くセルティスの荒い吐息を聞いた時…ファオンはセルティスの放った液が、蕾から腿に伝うのを、ぼんやり感じた。
はぁ…はぁ…はぁ………。
ファルコンの手が、ファオンの顎を掴み、上げさせる。
そして頬を汚した自分の液を布で拭き取り、顔を屈め覗き込む。
潤むファオンの瞳に…やっぱりファルコンは素晴らしい美男に映った。
ファオンがファルコンに見とれていると、ファルコンの唇が、そっ…と触れる。
それはまるで…感謝を告げるように。
唇が離れた時、後ろから抱くセルティスの手が顎に触れる。
振り向かされ熱烈に口付けられて…ファオンはセルティスの腕の中でその情熱的な口づけに身を震わせた。
「ん…っ」
甘い喘ぎを聞き、満足そうにセルティスは顔を離す。
普段温和な彼は驚くほど男らしく…美しい若者に見えた。
昼の陽差しが彼の逞しい白い肩や腕を浮かび上がらせる。
明るい栗色の巻き毛が、葡萄の房のように彼の白い額に垂れる。
通った鼻筋。
グレーががった青い瞳…。
そして下唇が少し厚い…唇。
ファオンが見とれていると、セルティスはそっ…と唇を近づけ、軽く触れるだけのキスをした。
「…良かったか?」
ファルコンに聞かれ、ファオンは振り向く。
ファルコンは自身の男根を拭き上げ、腰布を戻して男根をしまい、セルティスに布を放り投げる。
セルティスは手を拭き、その後、ファオンの蕾と液が伝い汚れた腿をも、拭き上げた。
ファオンはまだ、二人の男の熱に浮かされたように、ぼうっとしていた。
ファオンはファルコンに視線を戻すと、頷いて言った。
「…とても…良かった」
ファルコンはようやく、頷く。
そして立ち上がる。
「領地に降りれば《勇敢なる者》は、どんな女も断らないほどのいいい男揃い。
お前は幸運なんだ」
ファオンはぼんやり…それを聞きながら、体に満ちる満足感を感じて、頷いた。
ファルコンは、やっと解ったか。
と言う視線をファオンに向けて、テントの入り口の布を払い、出て行った。
ファオンはセルティスに振り向く。
彼にこんな風に…情熱的に抱きすくめられて愛されたら…どんな女性も彼にぽーっとなってしまうに違いない。
少し強引に腕に抱き…けれどとても優しく愛撫し、高めてくれた。
セルティスはファオンの瞳が潤み、男二人の熱に浮かされたように頬が赤くて放心状態で…。
心配そうに、そっ…と覗き込む。
「…すまない。
君に“欲しい”と言われた途端、“雄”になってしまい、その…。
いや君が…ファルコンの股に顔を埋め、嫌そうでなくその…うっとりしながらファルコンを咥えていたのを見た途端…だったかな…?
ともかく………」
ファオンはセルティスを見た。
…いつもの、優しい彼に戻っていた。
けれどさっきの…“雄”になったと言うセルティスを思い返した時、ファオンの心臓はどくん…!と鼓動を早める。
「…あの…でも…凄く優しくて気持ちが良かったから…」
セルティスは、ほっとしたように微笑った。
「不快じゃ無かった?」
ファオンは頷く。
セルティスは少し、困ったように笑う。
「来た時から君は…挿入にも男にも慣れて無くて、泣いてたろう?
…《勇敢なる者》らは大抵、こんな感じで《皆を繋ぐ者》を共有する…」
言い訳のようにセルティスは喋ってる。
けど…たった今味わった、三人で共有する快感に、ファオンはまだ、ぼーっとしていた。
「この先君が《勇敢なる者》だけで無く…時々《皆を繋ぐ者》の役目もしてくれるなら…男達はこんな風に君を共有して愛するけど…」
ファオンはまた、頷く。
そしてセルティスは、うっとりしたようなファオンの様子に、くすり…と笑う。
そして耳元で囁いた。
「慣れて…ファルコンの男根も挿入されて痛くないようなら…彼のはかなり、いいみたいだよ。
《皆を繋ぐ者》に聞くと」
ファオンはぼうっとなりながら、それを聞いた。
「…少し…横になって、いい…?」
セルティスは笑う。
「…ああ…ゆっくり休むといい」
ファオンは横の毛皮の上に横たわると、二人の逞しい男達に抱きすくめられる事を想像した途端、腰が疼いて真っ赤になった。
ようやく…シュティッセンの気持ちが解った。
情熱的に…一時の快楽を分け合う為に…。
男達は《皆を繋ぐ者》を抱く。
快楽を分け合い互いを慰める…。
多分それだけじゃなく、愛を込めて抱いてくれる彼らを、《皆を繋ぐ者》はとても愛おしく感じるから…。
シュティッセンは彼らの全てを、護りたいと思ったんだ…。
ファオンはアリオン。
そしてレオの事を思った。
彼らにも感謝したかったけれど…でもいつの間にか興奮が静まり、熱が引いた安堵に包まれ…ファオンは毛皮に横たわり、寝息を立て始めていた…。
腕を噛まれた時…。
直ぐ身近に迫られ、匂いが付いた…。
その時ファオンは困惑し、《勇敢なる者》、《皆を繋ぐ者》、どちらの湯に浸かり匂いを消すべきかを考えた。
シリルローレルと旅の間。
師はいつも厳しかった。
けれど…彼の望みに応え、動く時…シリルローレルは笑う。
『良くやった』
そんな笑顔で。
彼から貰う笑顔は、勲章。
だから…幾度か訪れる《化け物》の巣。
杖付きを見つけた途端、必死で殺るよう駆けた。
冬で邪魔する《化け物》は少ない。
けどいつも後一歩の所で逃げられ…しょげているとシリルローレルが言う。
「気にするな」
けれど笑顔は無い。
師と共に、杖付きを護る《化け物》は殺せたけど…杖付きにはいつも、逃げられてた。
ずっと…必死だった。
もっと早く…!早く!早く!
初めて一匹の杖付きを殺れた時、シリルローレルは満開の笑顔を見せた…。
特大の勲章だった…。
キリアンといた時。
そして今回も。
杖付きを殺れた。
けれど…。
ファオンは迷った後、《皆を繋ぐ者》の湯へと向かった。
浸かり、籠の中から花を取り…体に擦り込む。
けれど衣服は、被り布を着けず薄衣と腰布を付けたまま…ファルコンのテントへと、向かった。
テントの布を上げる。
中にいたファルコンが、顔を上げる。
《化け物》の匂いを湯で落とし、腰布一枚付けただけで、毛皮の横の椅子に座り、濡れた髪を拭いていた。
銀の真っ直ぐな癖の無い濡れ髪に布を当て、ファオンに視線を向けるファルコンは…顔立ちが整いきって、とても…男らしい美男に見えた。
真っ直ぐの高い鼻。
グレーに近い淡いブルー色の、涼しげな目元。
そして薄いけれど引き締まった口元…。
ファオンはファルコンの肌を目で追う。
ファルコンの、引き締まりきった仄白い肌の逞しい肩や腕。
胸…そして背にも…。
掻き傷のような傷が無数に見える。
ファオンは顔を下げる。
あの傷を付けたのは、自分も同然…。
「…何だ」
そう聞くファルコンの声は掠れていた。
「…僕…」
けれどファルコンは顔を背ける。
「レオが言ったろう?
お前は良くやったと」
「けど…」
「戦闘後の興奮の後だ。
多少色気が出て来たお前は、目の毒だ」
「…でも、僕に口でして貰う…って」
ファルコンは髪を布で拭く手を止め、ファオンを見る。
「…今日の英雄だろう…?
いいから、行け」
ファオンは躊躇い背を向け…けれど振り向く。
自分でも驚く程自然に…ファオンは足をテントの中に進めていた。
そして椅子に座る、ファルコンの開いた股の間に屈む。
「…ファオン…」
ファオンはそっと…ファルコンの腰布を横に退け、覗く男根にそっと唇を近づける。
…怖かった。
最初の時は。
けれど今、ファルコンの巨大な男根は、恐ろしものでも気持ち悪いものでも、無くなっていた。
ファルコンの一部で、彼自身…。
ファルコンの手が、髪に柔らかく触れる。
ファオンが手を添え、口に含むと、一気に固くなる。
ファオンはその反応に、夢中で舌を使う…。
それでも…戦ってくれた。
助ける為に。
これだけの傷を作りながら…。
感謝を示す方法はこれしか…出来ない。
だから…。
ファオンは先端を舐め上げ、手でしごき上げて舌を這わせ続ける…。
「…少し…は巧くなった…な…」
ファルコンが気持ちいいのは、掠れた声で解った。
不思議だった。
ファルコンがいい事が…嬉しかった。
夢中で、彼の男根を唇で舌で、そして手で愛撫する。
体が熱く…ファルコンが快感に浚われる雰囲気を感じると、興奮が伝わってくる。
喉の奥まで咥え込んで、抜き差しする…。
「…っ」
ファルコンの腿が震える。
もっと…気持ち良くなって。
ファオンは自分がされて気持ちいい事を、ファルコンの男根に夢中で施す。
巨大な脈打つ口の中の男根は…大切なファルコンの、大切な場所。
けれどその時、ふいに。
テントの布のすれた音と共に、セルティスが入って来て、背後に来たかと思うと、ファオンを後ろから抱きしめる。
熱い…逞しい体に抱きすくめられ、ファオンは驚く…。
けど口の中のファルコンは高まり始めていたから…。
「んっ…」
ファオンはファルコンの男根に気持ちを戻す。
先端から苦い汁が滴り始めても…ファオンは思った。
もっと…もっとすればファルコンは更に気持ち良くなる…。
奉仕じゃなく。
感謝だった。
気遣ってくれていた。
怒っていたけど…それでも杖付きを殺った事を…ファルコンは認めてくれていた…。
「ん…っ!」
その時後ろから抱きすくめるセルティスの手が、ファオンの内股を伝い、腰布を指先でそっと避け、男根をやんわり握り込む。
ゆっくり先端に指を絡ませながら、しごき始める…。
ファオンは途端、快感に浚(さら)われる。
「ん…っあ…」
セルティスは背後からファオンを抱いたまま、男根を優しく手で愛撫し始める。
ファオンはあまりの気持ちよさに、もう少しでファルコンの男根を口から出しそうになった。
けれど必死で思い止まり、解放へと導く為にファルコンの男根を口に含む。
セルティスの手が導くように動く。
気づくとファオンはファルコンの男根に、セルティスの手がもたらす愛撫と同じような愛撫を、舌で施していた。
後ろら抱きすくめられると、セルティスの熱が伝わって来る。
逞しい体が密着し、彼の若々しい熱情にくらくらし、どうにかなりそうになって来る。
夢中でファルコンの男根を口の中で抜き差しする。
セルティスの手で愛撫され、腰が熱く、熱くなった時………蕾の奥が、疼く。
「…んっ…」
ファオンが恥ずかしげに腿を閉じ、腰をよじる仕草で、セルティスは察したようにファオンの顔に頬を寄せて囁く。
「…どうして欲しい…?」
密着した頬。
掠れた…低い声にファオンは感じたように、身をぞくり…!と震わせる。
「…ん…っ……………。
………欲しい…」
「蕾に?」
ファオンは切なげに眉を寄せながら、頷く。
セルティスは頬を寄せたまま頷くと、ファオンの腰布を尻から滑り落とし、そっと腿でファオンの腿を下から押し、持ち上げる。
ファオンはセルティスの腿に持ち上げられて左膝を立て、右だけ膝を付いた格好で、セルティスがゆっくりと…蕾を割って挿入ってくる感触に、眉をもっと寄せた。
押し入る圧迫感。
熱い…固いセルティスの男根がゆっくりとめり込み、奥まで埋め尽くされる。
高まって行くファルコンの手が、頭を髪をそっと掴む。
ファルコンの息使い…。
その時ついに、ファルコンの腰がくっ!と突き出され、ファオンは口の中で…その巨大な男根が暴れ始める感覚に、身を囚われた。
けれどファルコンは喉奥までは押しつけず、先端辺りを抜き差し始める。
ずぶっ…。
ずぶっ…。
口の中で動くファルコンの男根…。
犯されてる感覚より、彼に囚われた感覚が勝る。
セルティスがゆっくり…なぜるように優しく抜き差し始める。
次第に強く。
だんだん感じて高まるように…。
熱い…。
胸を抱くセルティスの腕。
掻き抱くような…。
熱烈な…。
「ん…っんっ!」
ファルコンの先端から汁が滴り続け…セルティスの腰の動きはだんだん激しくなる。
二人の男の熱が注ぎ込まれるように感じ、ファオンは…今まで一度も感じた事の無い…。
二人の男に愛されてる感覚に溺れた。
ファルコンの男根は激しく口の中を行き来するけど、乱暴さは感じない。
どころか…まるで快感を施しているファオンを労るような…優しさすらあった。
けれどファルコンの男根の迫力は圧倒的で…彼の“雄”に酔ったような気分になる。
セルティスに後ろから逞しい身を密着させられながら、抱きついたまま腰を突き入れられる。
愛しい者を掻き抱くように抱かれ、連続して感じる場所を擦り上げられて、ファオンは身が痺れるほどの快感に包まれて行く。
…そしてセルティスの男根に、抉られるように貫かれた時、ファオンは高まりきってセルティスの手の中で…気づくと解き放ってた。
瞬間ファルコンは男根をファオンの口の中から引き抜くと、頬の横で解き放つ。
ばっ…!
頬にファルコンの熱い液が滴った。
次に腕に掻き抱くセルティスの荒い吐息を聞いた時…ファオンはセルティスの放った液が、蕾から腿に伝うのを、ぼんやり感じた。
はぁ…はぁ…はぁ………。
ファルコンの手が、ファオンの顎を掴み、上げさせる。
そして頬を汚した自分の液を布で拭き取り、顔を屈め覗き込む。
潤むファオンの瞳に…やっぱりファルコンは素晴らしい美男に映った。
ファオンがファルコンに見とれていると、ファルコンの唇が、そっ…と触れる。
それはまるで…感謝を告げるように。
唇が離れた時、後ろから抱くセルティスの手が顎に触れる。
振り向かされ熱烈に口付けられて…ファオンはセルティスの腕の中でその情熱的な口づけに身を震わせた。
「ん…っ」
甘い喘ぎを聞き、満足そうにセルティスは顔を離す。
普段温和な彼は驚くほど男らしく…美しい若者に見えた。
昼の陽差しが彼の逞しい白い肩や腕を浮かび上がらせる。
明るい栗色の巻き毛が、葡萄の房のように彼の白い額に垂れる。
通った鼻筋。
グレーががった青い瞳…。
そして下唇が少し厚い…唇。
ファオンが見とれていると、セルティスはそっ…と唇を近づけ、軽く触れるだけのキスをした。
「…良かったか?」
ファルコンに聞かれ、ファオンは振り向く。
ファルコンは自身の男根を拭き上げ、腰布を戻して男根をしまい、セルティスに布を放り投げる。
セルティスは手を拭き、その後、ファオンの蕾と液が伝い汚れた腿をも、拭き上げた。
ファオンはまだ、二人の男の熱に浮かされたように、ぼうっとしていた。
ファオンはファルコンに視線を戻すと、頷いて言った。
「…とても…良かった」
ファルコンはようやく、頷く。
そして立ち上がる。
「領地に降りれば《勇敢なる者》は、どんな女も断らないほどのいいい男揃い。
お前は幸運なんだ」
ファオンはぼんやり…それを聞きながら、体に満ちる満足感を感じて、頷いた。
ファルコンは、やっと解ったか。
と言う視線をファオンに向けて、テントの入り口の布を払い、出て行った。
ファオンはセルティスに振り向く。
彼にこんな風に…情熱的に抱きすくめられて愛されたら…どんな女性も彼にぽーっとなってしまうに違いない。
少し強引に腕に抱き…けれどとても優しく愛撫し、高めてくれた。
セルティスはファオンの瞳が潤み、男二人の熱に浮かされたように頬が赤くて放心状態で…。
心配そうに、そっ…と覗き込む。
「…すまない。
君に“欲しい”と言われた途端、“雄”になってしまい、その…。
いや君が…ファルコンの股に顔を埋め、嫌そうでなくその…うっとりしながらファルコンを咥えていたのを見た途端…だったかな…?
ともかく………」
ファオンはセルティスを見た。
…いつもの、優しい彼に戻っていた。
けれどさっきの…“雄”になったと言うセルティスを思い返した時、ファオンの心臓はどくん…!と鼓動を早める。
「…あの…でも…凄く優しくて気持ちが良かったから…」
セルティスは、ほっとしたように微笑った。
「不快じゃ無かった?」
ファオンは頷く。
セルティスは少し、困ったように笑う。
「来た時から君は…挿入にも男にも慣れて無くて、泣いてたろう?
…《勇敢なる者》らは大抵、こんな感じで《皆を繋ぐ者》を共有する…」
言い訳のようにセルティスは喋ってる。
けど…たった今味わった、三人で共有する快感に、ファオンはまだ、ぼーっとしていた。
「この先君が《勇敢なる者》だけで無く…時々《皆を繋ぐ者》の役目もしてくれるなら…男達はこんな風に君を共有して愛するけど…」
ファオンはまた、頷く。
そしてセルティスは、うっとりしたようなファオンの様子に、くすり…と笑う。
そして耳元で囁いた。
「慣れて…ファルコンの男根も挿入されて痛くないようなら…彼のはかなり、いいみたいだよ。
《皆を繋ぐ者》に聞くと」
ファオンはぼうっとなりながら、それを聞いた。
「…少し…横になって、いい…?」
セルティスは笑う。
「…ああ…ゆっくり休むといい」
ファオンは横の毛皮の上に横たわると、二人の逞しい男達に抱きすくめられる事を想像した途端、腰が疼いて真っ赤になった。
ようやく…シュティッセンの気持ちが解った。
情熱的に…一時の快楽を分け合う為に…。
男達は《皆を繋ぐ者》を抱く。
快楽を分け合い互いを慰める…。
多分それだけじゃなく、愛を込めて抱いてくれる彼らを、《皆を繋ぐ者》はとても愛おしく感じるから…。
シュティッセンは彼らの全てを、護りたいと思ったんだ…。
ファオンはアリオン。
そしてレオの事を思った。
彼らにも感謝したかったけれど…でもいつの間にか興奮が静まり、熱が引いた安堵に包まれ…ファオンは毛皮に横たわり、寝息を立て始めていた…。
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