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二つを兼ねる者 セグナ・アグナータ
81 今夜の宿(アランの真実)
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食事も終わりがけに、レオが言う。
「今夜はファオン。お前が泊まりたいテントを選べ。
今日の英雄にはつまし過ぎる褒美だが」
突然、両側のシーリーンとアリオンとの視線を感じて、ファオンは困惑した。
レオが途端、声を荒げる。
「対立するくらいなら、二人で抱け!」
レオに言われてアリオンもシーリーンも、目を見開く。
「…だが選択権はファオンにあるんだぞ?!」
セルティスが言った途端、アリオンとシーリーンの間に火花散る。
アランが挟まれて困ってるファオンに囁く。
「誰ともしたくなくて体を休めたいんなら、俺かセルティスの所が安全だ」
アランの言葉に、ファルコンがむっとする。
「俺は安全みたいじゃない言い方だな」
全員が、一斉に無言でファルコンを凝視する。
レオまでもか見るので、ファルコンは言った。
「俺がファオンに襲いかかると、あんたまで思ってるのか?!」
「…思ってる」
レオに言われてファルコンはキースに視線を向ける。
キースは困っていった。
「…だって抱ける相手が横にいて、お前我慢出来ないだろう?!」
ファルコンはぷんぷん怒って背を向ける。
「俺を飢えた《化け物》みたいに言うな!」
皆がテントに戻るファルコンの背を、くすくす笑って見送った。
レオがファオンを、促すように見る。
ファオンは凄く困ったけれど、アランに言った。
「泊めてくれますか?」
アランは直ぐ頷く。
けれどアリオンとシーリーンに、ほぼ同時に睨まれた。
アランが席を立つと直ぐ、アリオンとシーリーンに囲まれ、凄まれる。
アリオンがむすりとして言う。
「…どうして余計な事を申し出る?」
シーリーンも憮然として言った。
「邪魔して楽しいか?!」
けれどアランは自分より少し背の高い、年下男二人に背を向け、ファオンに言った。
「こちらだ。おいで」
ファオンが二人にすまなそうな顔を向け、アランのテントに消えて行くのを、アリオンとシーリーンは怒り顔で見送った。
テントにはランプが灯ってた。
アランはどさり。と毛皮の上に乗る。
「…今日はお前の兄貴に振り回されて、くたくたで限界だ。
ランプ消してくれるか?
横に寝ろ。
俺が毛布一人占めしたら、引っ張って取り戻していい」
そう言って横になる。
ファオンがランプを消してアランの横に寝転がると、もう寝息が聞こえていた。
ファオンはくすっ。と笑って、この尾根に来て初めて、心安らかな眠りを迎えた。
朝だった。
目を開けると背を向けていたアランが、こちらを向いて寝ていた。
ふと気づくと、彼は勃っていたから、ファオンは今までの習慣で、そっ…と手を差し出す。
『…《皆を繋ぐ者》だから…口でした方がいいのかな…?
それとも《勇敢なる者》でもあるから…手?』
結局手に握り込んでそっと愛撫を始める。
アランはうっとりとした表情で囁く。
「…アンレッタ………」
ファオンは手を動かしながら、黄金に輝く金髪のとても素敵な美男のアランが、いつも軽快な軽口を叩きながら、必ず女の子に取り囲まれていた事を思い返す。
「(セルティスも婚約者がいるって言ってたけど…アランの彼女かな?)」
けれど抜き差し始めると、アランは目を閉じたまま顔を上げる。
「…う…ん…ラナロア…」
ファオンは目を見開く。
だんだん早く動かすと
「レッツィア…」
先端から汁が滴り始めた頃に
「オドレア…」
上り詰めると
「あっ!いい…サラフェンタ…!」
そして解き放った後
「…ん…凄く良かったぜ…アリオーナ………」
満足げに仰向いて、その後安らかな寝息を立てている。
「……………………………………………」
ファオンは毛皮の外に置かれてる布で手を拭きながら、数えるとも無しに指を折った。
「…六人…?」
ファオンは暫く呆然と、朝日の中やっぱり黄金色の髪の素敵な美男、アランの寝顔を見守った。
「今夜はファオン。お前が泊まりたいテントを選べ。
今日の英雄にはつまし過ぎる褒美だが」
突然、両側のシーリーンとアリオンとの視線を感じて、ファオンは困惑した。
レオが途端、声を荒げる。
「対立するくらいなら、二人で抱け!」
レオに言われてアリオンもシーリーンも、目を見開く。
「…だが選択権はファオンにあるんだぞ?!」
セルティスが言った途端、アリオンとシーリーンの間に火花散る。
アランが挟まれて困ってるファオンに囁く。
「誰ともしたくなくて体を休めたいんなら、俺かセルティスの所が安全だ」
アランの言葉に、ファルコンがむっとする。
「俺は安全みたいじゃない言い方だな」
全員が、一斉に無言でファルコンを凝視する。
レオまでもか見るので、ファルコンは言った。
「俺がファオンに襲いかかると、あんたまで思ってるのか?!」
「…思ってる」
レオに言われてファルコンはキースに視線を向ける。
キースは困っていった。
「…だって抱ける相手が横にいて、お前我慢出来ないだろう?!」
ファルコンはぷんぷん怒って背を向ける。
「俺を飢えた《化け物》みたいに言うな!」
皆がテントに戻るファルコンの背を、くすくす笑って見送った。
レオがファオンを、促すように見る。
ファオンは凄く困ったけれど、アランに言った。
「泊めてくれますか?」
アランは直ぐ頷く。
けれどアリオンとシーリーンに、ほぼ同時に睨まれた。
アランが席を立つと直ぐ、アリオンとシーリーンに囲まれ、凄まれる。
アリオンがむすりとして言う。
「…どうして余計な事を申し出る?」
シーリーンも憮然として言った。
「邪魔して楽しいか?!」
けれどアランは自分より少し背の高い、年下男二人に背を向け、ファオンに言った。
「こちらだ。おいで」
ファオンが二人にすまなそうな顔を向け、アランのテントに消えて行くのを、アリオンとシーリーンは怒り顔で見送った。
テントにはランプが灯ってた。
アランはどさり。と毛皮の上に乗る。
「…今日はお前の兄貴に振り回されて、くたくたで限界だ。
ランプ消してくれるか?
横に寝ろ。
俺が毛布一人占めしたら、引っ張って取り戻していい」
そう言って横になる。
ファオンがランプを消してアランの横に寝転がると、もう寝息が聞こえていた。
ファオンはくすっ。と笑って、この尾根に来て初めて、心安らかな眠りを迎えた。
朝だった。
目を開けると背を向けていたアランが、こちらを向いて寝ていた。
ふと気づくと、彼は勃っていたから、ファオンは今までの習慣で、そっ…と手を差し出す。
『…《皆を繋ぐ者》だから…口でした方がいいのかな…?
それとも《勇敢なる者》でもあるから…手?』
結局手に握り込んでそっと愛撫を始める。
アランはうっとりとした表情で囁く。
「…アンレッタ………」
ファオンは手を動かしながら、黄金に輝く金髪のとても素敵な美男のアランが、いつも軽快な軽口を叩きながら、必ず女の子に取り囲まれていた事を思い返す。
「(セルティスも婚約者がいるって言ってたけど…アランの彼女かな?)」
けれど抜き差し始めると、アランは目を閉じたまま顔を上げる。
「…う…ん…ラナロア…」
ファオンは目を見開く。
だんだん早く動かすと
「レッツィア…」
先端から汁が滴り始めた頃に
「オドレア…」
上り詰めると
「あっ!いい…サラフェンタ…!」
そして解き放った後
「…ん…凄く良かったぜ…アリオーナ………」
満足げに仰向いて、その後安らかな寝息を立てている。
「……………………………………………」
ファオンは毛皮の外に置かれてる布で手を拭きながら、数えるとも無しに指を折った。
「…六人…?」
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