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キーナンの来襲
66 東、そして南尾根の代表者達
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ばさっ!
豪快にテントの入り口の布を払う音。
中の皆は雑談を止めて、一斉に振り向く。
銀に近い縮れ毛を背まで流す、高い額の厳しい表情の美丈夫。
東の尾根の長、レドナンドが姿を現す。
ファルコンよりは低いものの、レオよりは背の高いその明らかに迫力在る体格の良い勇者は、ファーレーン、そして横のアントラン、デュケスに視線を送り、召喚主レオに軽く頷くと、仲間達の真ん中に座る。
うんと年上の従兄弟にあたる、自分とは全然親交の無く、父に良く似た風貌のレドナンドを、ファオンは目を見開いて見つめた。
レドナンドは座って直ぐ、長兄ファーレーンと親しげに言葉を交わしている。
レドナンドがファーレーンと並ぶと、とても美しい一対の男雛、女雛のように見えた。
キースがそっと、妬くような視線を文句なく素晴らしい長、レドナンドに向け、後(のち)に俯くと吐息を吐き出す。
ばさっ!
続いて現れたのは南尾根の《勇敢なる者》ら。
北のレオ。
東のレドナンドと比べると、明らかに見劣りする金髪の巻き毛で茶色の瞳の、ひょろっと背の高い長、シェナン。
彼は、威風と言うより聡明そうに見えはしたが、どちらかと言うと親しみやすく、他を圧する迫力は見られなかった。
が、ファオンが目を釘付けたのは、シェナンの後に続き来る次兄キリアンの姿。
キリアンは無表情で入って来ると、ファオンの自分に向ける視線に気づき、振り向く。
キリアンは一瞬…泣き笑いの表情をして末弟ファオンを見つめ返す。
ファーレーンが直ぐ、キリアンに顔を向けてはっきりと言う。
「先の裁定で、ファオンはレオの一存でセグナ・アグナータに任命された」
キリアンの目が見開かれる。
髪は三兄弟とも同様の、白っぽい金髪。
けれど青い瞳のファーレーンとファオンと違い、キリアンだけは緑がかった、くっきりとした碧緑(あおみどり)色の瞳だった。
表情を歓喜で崩し、ファオンを見つめる。
ファオンは思わず、立ち上がってた。
キリアンに駆け寄ると、キリアンは迎えるように末弟に優しく屈み込む。
「…元気だったか?」
ファオンは背が高くなったキリアンを見上げて、頷く。
キリアンは嬉しそうにファオンの顔を見つめ、呟いた。
「…どうせ北尾根の男らは野獣並みの乱暴者ばかりだから、さぞかし辛かったろうな」
キリアンの辛らつな言葉に、レオがこほん。と咳払う。
「キリアンはどこも怪我してない…?!」
必死で自分を心配する末弟ファオンに、キリアンはきつい碧緑の視線を向けて、笑う。
「俺の心配か?
お前の方こそ、バカでかい一物に壊されてないか?
俺はそっちが心配だ」
皆がキリアンの言葉に一斉にファルコンを見るので、ファルコンは顔を下げてレオに習い、照れ隠しに咳払う。
が皆に見られてるのが不快なのか、とうとう顔を上げてキリアンを見た。
「…相変わらず、顔の割に口がきついな!」
今度は一斉に皆が、ファオンと血統を示すような整いきった女顔の、美麗なキリアンに振り向く。
キリアンは顔を上げると、怖じずに笑う。
「前の《皆を繋ぐ者》が廃されたのは、あんたのデカまらが壊したせいだと。
噂まであるぐらいだからな!」
ファルコンが一気に顔を下げ、南の長、シェナンはくすくすと笑い、東の長のレドナンドまでが
「この勝負あったな」
と横のアントランに囁く。
がファルコンは一気に顔を上げ直し
「本当にそんな噂が立ったのか?!」
と真剣に尋ね、その場の皆は、とうとうくすくすと笑い出した。
顔が揃い、レオが口火を切る。
「集まって貰ったのは、《化け物》退治の方法についてだ」
南の長、シェナンが一気に腰下ろし、キリアンがファオンを見つめる。
ファオンはキリアンに頷いて、アリオンの横へ戻って行く。
キリアンがおもむろに座ると、レオが東、南の長二人を見つめる。
「さっきの戦闘で、杖を付く年取った《化け物》を殺した途端、群れは引いた」
南のシェナンが頷く。
「噂はあったな。
が、群れが押し寄せる中、後方の安全な場所に居る杖付きは、探せない」
レドナンドも唸るように声を発した。
「目前の奴から斬らないと殺られるからな」
シェナンも同意して頷く。
レオは二人を交互に見つめ、口を開く。
「だが戦闘が散会し始めれば、杖付きの姿も見つけられる」
シェナンは俯く。
「こっちが狙ってると。
知られないようにしないと、仕留めるのは無理だな」
レドナンドがシェナンに振り向く。
「そっちにはゴークはいるのか?」
シェナンは俯く。
「居るには居る」
そして顔を上げてレオを見る。
「どう殺った?」
レオはファルコンに視線を振る。
ファルコンは躊躇った後、説明を始めた。
「確かに、散会して戦っていた。
群れの押し寄せる最前線にレオがたった一人で…戦っていたから、助っ人に駆けつけた際、群れから離れた安全な場所にそいつを見つけた。
駆け寄った時…杖付きが杖を振ったら、近くにいた横の若い《化け物》が襲いかかって来た」
「杖で、操ってるのか?」
シェナンの問いに、ファルコンが答える。
「そんな感じだったな。
だが襲いかかる《化け物》を殺って直ぐ、杖付きを殺った」
「動きは鈍いのか?」
レドナンドの問いに、ファルコンは頷く。
「他の《化け物》と比べれば…亀だな」
キリアンが口を挟む。
「あんたにとっての、亀だろう?
俺達の基準で考えれば多分、もっと素早い」
皆がやれやれと溜息を吐く。
シェナンも横に座すキリアンに振り向く。
「彼の言う通りだ。
うんと鈍(のろ)い。
とタカ括ってると逃げられるな」
レドナンドが低く響き渡る声で言葉を発する。
「出来るだけ散会して戦い、油断して杖付きが、のこのこ近くに出て来た際に、殺るんだな?」
レオもシェナンも頷く。
ファーレーンが静かな声で言った。
「だが散会して戦うのは、我々のリスクも高い。
仲間同士、危ない時に助けに入るのが遅れる」
だがその時。
その場に居た《勇敢なる者》らの静かな覚悟に、ファオンは顔を上げた。
「…誰かが一刻も早く、杖付きを殺るのを頼るしか無い」
レドナンドが言い、皆が頷いた。
レドナンドが即座に立ち上がり、ファーレーン、アントランもが長に習って立ち上がる。
デュケスだけが、先輩達の行動に、きょとん。として見上げ途惑っていた。
が、シェナンが囁く。
「で。
群れは逃げて。
操り手を無くした後、どうなる?」
レドナンドがそれを聞き、また座り直す。
ファーレーンとアントランも長に習って同時に座り、デュケスはほっと胸を撫で下ろす。
レオが視線をファオンに向ける。
「…知ってるか?」
ファオンはその場にいる、修羅場に慣れた《勇敢なる者》に気圧されるように、ごくり。と唾を飲み込んで言った。
「…仲間同士、共喰いを始める…」
言った途端にその場の皆に瞳を輝かせて見つめられ、ファオンは内心びっくりした。
シェナンが確認するように問い正す。
「…つまり操り手である杖付きが、『人を襲え』と指令する訳だな?」
ファオンは途惑いながらも、頷いた。
キースが囁く。
「聞いたことがある。
昔、《化け物》の数が少なかった頃、人は襲わなかった。
がそれを聞くと、数が少なかったのは共喰いしてたからだな…」
キリアンが通る声で尋ね返す。
「杖付きが現れ、人を襲えと命じ始め、共喰いしなくなったから…あんなに数が増えたと?」
キースはキリアンを、首を傾け、斜(なな)めから見つめて頷く。
ファオンは師、シリルローレルの言葉を思い出す。
「杖付きを…全て滅(めっ)したら《化け物》を滅(ほろぼ)したも同じ…」
顔を上げると、全員が見つめてるのに気づいて、ファオンはびっくりし、慌てて言葉を足した。
「シリルローレルの言葉です」
北の長レオ、そして東長(ひがとおさ)レドナンド、南長(みなみおさ)シェナンが、しっかりと頷く。
「英雄で賢者の言葉、しかと受け取った!」
さっ!とレドナンドが立ち上がる。
ファーレーン、アントランも同時に立ち、背を向けて退場して行く長の後に続く。
アントランがふと振り向くと、デュケスだけがまだ座り、目をまん丸に見開いて退場していく仲間を見ていた。
「早く来い!」
アントランに言われ、デュケスは慌てて近くにいたキースを、振った手ではたきかねない勢いでヨロめきながら立ち上がり、シーリーンはキースの背に、抱きついて庇いながら怒鳴った。
「怪我を悪化させたらただじゃおかないぞ!」
デュケスは手を頭に添えて頷きながら謝り、入り口できつい目で見てるファーレーンの氷の視線に、慌てて二人の背の後ろを通って駆けつけようとして、どたん!とその巨体で、地響き立てて転んだ。
皆はこっそり顔を下げて笑い、南のシェナンは呆れて見た。
「…使い方の難しい新人だな」
キリアンが横の長にそっと耳打ちする。
「南にはあんなのいないから、大丈夫」
シェナンが頷く。
入り口で待つファーレーンは即座に背を向けて出て行き、その場で待つアントランは心からデュケスが恥ずかしくて顔を下げ、デュケスが起き上がり、やって来るのを待って巨体の背を突き飛ばし、デュケスをテントから出すと、入り口の布をさっ!と払って出て行った。
布が落ちて東の男らが消えると、中の皆は一斉に笑い出した。
豪快にテントの入り口の布を払う音。
中の皆は雑談を止めて、一斉に振り向く。
銀に近い縮れ毛を背まで流す、高い額の厳しい表情の美丈夫。
東の尾根の長、レドナンドが姿を現す。
ファルコンよりは低いものの、レオよりは背の高いその明らかに迫力在る体格の良い勇者は、ファーレーン、そして横のアントラン、デュケスに視線を送り、召喚主レオに軽く頷くと、仲間達の真ん中に座る。
うんと年上の従兄弟にあたる、自分とは全然親交の無く、父に良く似た風貌のレドナンドを、ファオンは目を見開いて見つめた。
レドナンドは座って直ぐ、長兄ファーレーンと親しげに言葉を交わしている。
レドナンドがファーレーンと並ぶと、とても美しい一対の男雛、女雛のように見えた。
キースがそっと、妬くような視線を文句なく素晴らしい長、レドナンドに向け、後(のち)に俯くと吐息を吐き出す。
ばさっ!
続いて現れたのは南尾根の《勇敢なる者》ら。
北のレオ。
東のレドナンドと比べると、明らかに見劣りする金髪の巻き毛で茶色の瞳の、ひょろっと背の高い長、シェナン。
彼は、威風と言うより聡明そうに見えはしたが、どちらかと言うと親しみやすく、他を圧する迫力は見られなかった。
が、ファオンが目を釘付けたのは、シェナンの後に続き来る次兄キリアンの姿。
キリアンは無表情で入って来ると、ファオンの自分に向ける視線に気づき、振り向く。
キリアンは一瞬…泣き笑いの表情をして末弟ファオンを見つめ返す。
ファーレーンが直ぐ、キリアンに顔を向けてはっきりと言う。
「先の裁定で、ファオンはレオの一存でセグナ・アグナータに任命された」
キリアンの目が見開かれる。
髪は三兄弟とも同様の、白っぽい金髪。
けれど青い瞳のファーレーンとファオンと違い、キリアンだけは緑がかった、くっきりとした碧緑(あおみどり)色の瞳だった。
表情を歓喜で崩し、ファオンを見つめる。
ファオンは思わず、立ち上がってた。
キリアンに駆け寄ると、キリアンは迎えるように末弟に優しく屈み込む。
「…元気だったか?」
ファオンは背が高くなったキリアンを見上げて、頷く。
キリアンは嬉しそうにファオンの顔を見つめ、呟いた。
「…どうせ北尾根の男らは野獣並みの乱暴者ばかりだから、さぞかし辛かったろうな」
キリアンの辛らつな言葉に、レオがこほん。と咳払う。
「キリアンはどこも怪我してない…?!」
必死で自分を心配する末弟ファオンに、キリアンはきつい碧緑の視線を向けて、笑う。
「俺の心配か?
お前の方こそ、バカでかい一物に壊されてないか?
俺はそっちが心配だ」
皆がキリアンの言葉に一斉にファルコンを見るので、ファルコンは顔を下げてレオに習い、照れ隠しに咳払う。
が皆に見られてるのが不快なのか、とうとう顔を上げてキリアンを見た。
「…相変わらず、顔の割に口がきついな!」
今度は一斉に皆が、ファオンと血統を示すような整いきった女顔の、美麗なキリアンに振り向く。
キリアンは顔を上げると、怖じずに笑う。
「前の《皆を繋ぐ者》が廃されたのは、あんたのデカまらが壊したせいだと。
噂まであるぐらいだからな!」
ファルコンが一気に顔を下げ、南の長、シェナンはくすくすと笑い、東の長のレドナンドまでが
「この勝負あったな」
と横のアントランに囁く。
がファルコンは一気に顔を上げ直し
「本当にそんな噂が立ったのか?!」
と真剣に尋ね、その場の皆は、とうとうくすくすと笑い出した。
顔が揃い、レオが口火を切る。
「集まって貰ったのは、《化け物》退治の方法についてだ」
南の長、シェナンが一気に腰下ろし、キリアンがファオンを見つめる。
ファオンはキリアンに頷いて、アリオンの横へ戻って行く。
キリアンがおもむろに座ると、レオが東、南の長二人を見つめる。
「さっきの戦闘で、杖を付く年取った《化け物》を殺した途端、群れは引いた」
南のシェナンが頷く。
「噂はあったな。
が、群れが押し寄せる中、後方の安全な場所に居る杖付きは、探せない」
レドナンドも唸るように声を発した。
「目前の奴から斬らないと殺られるからな」
シェナンも同意して頷く。
レオは二人を交互に見つめ、口を開く。
「だが戦闘が散会し始めれば、杖付きの姿も見つけられる」
シェナンは俯く。
「こっちが狙ってると。
知られないようにしないと、仕留めるのは無理だな」
レドナンドがシェナンに振り向く。
「そっちにはゴークはいるのか?」
シェナンは俯く。
「居るには居る」
そして顔を上げてレオを見る。
「どう殺った?」
レオはファルコンに視線を振る。
ファルコンは躊躇った後、説明を始めた。
「確かに、散会して戦っていた。
群れの押し寄せる最前線にレオがたった一人で…戦っていたから、助っ人に駆けつけた際、群れから離れた安全な場所にそいつを見つけた。
駆け寄った時…杖付きが杖を振ったら、近くにいた横の若い《化け物》が襲いかかって来た」
「杖で、操ってるのか?」
シェナンの問いに、ファルコンが答える。
「そんな感じだったな。
だが襲いかかる《化け物》を殺って直ぐ、杖付きを殺った」
「動きは鈍いのか?」
レドナンドの問いに、ファルコンは頷く。
「他の《化け物》と比べれば…亀だな」
キリアンが口を挟む。
「あんたにとっての、亀だろう?
俺達の基準で考えれば多分、もっと素早い」
皆がやれやれと溜息を吐く。
シェナンも横に座すキリアンに振り向く。
「彼の言う通りだ。
うんと鈍(のろ)い。
とタカ括ってると逃げられるな」
レドナンドが低く響き渡る声で言葉を発する。
「出来るだけ散会して戦い、油断して杖付きが、のこのこ近くに出て来た際に、殺るんだな?」
レオもシェナンも頷く。
ファーレーンが静かな声で言った。
「だが散会して戦うのは、我々のリスクも高い。
仲間同士、危ない時に助けに入るのが遅れる」
だがその時。
その場に居た《勇敢なる者》らの静かな覚悟に、ファオンは顔を上げた。
「…誰かが一刻も早く、杖付きを殺るのを頼るしか無い」
レドナンドが言い、皆が頷いた。
レドナンドが即座に立ち上がり、ファーレーン、アントランもが長に習って立ち上がる。
デュケスだけが、先輩達の行動に、きょとん。として見上げ途惑っていた。
が、シェナンが囁く。
「で。
群れは逃げて。
操り手を無くした後、どうなる?」
レドナンドがそれを聞き、また座り直す。
ファーレーンとアントランも長に習って同時に座り、デュケスはほっと胸を撫で下ろす。
レオが視線をファオンに向ける。
「…知ってるか?」
ファオンはその場にいる、修羅場に慣れた《勇敢なる者》に気圧されるように、ごくり。と唾を飲み込んで言った。
「…仲間同士、共喰いを始める…」
言った途端にその場の皆に瞳を輝かせて見つめられ、ファオンは内心びっくりした。
シェナンが確認するように問い正す。
「…つまり操り手である杖付きが、『人を襲え』と指令する訳だな?」
ファオンは途惑いながらも、頷いた。
キースが囁く。
「聞いたことがある。
昔、《化け物》の数が少なかった頃、人は襲わなかった。
がそれを聞くと、数が少なかったのは共喰いしてたからだな…」
キリアンが通る声で尋ね返す。
「杖付きが現れ、人を襲えと命じ始め、共喰いしなくなったから…あんなに数が増えたと?」
キースはキリアンを、首を傾け、斜(なな)めから見つめて頷く。
ファオンは師、シリルローレルの言葉を思い出す。
「杖付きを…全て滅(めっ)したら《化け物》を滅(ほろぼ)したも同じ…」
顔を上げると、全員が見つめてるのに気づいて、ファオンはびっくりし、慌てて言葉を足した。
「シリルローレルの言葉です」
北の長レオ、そして東長(ひがとおさ)レドナンド、南長(みなみおさ)シェナンが、しっかりと頷く。
「英雄で賢者の言葉、しかと受け取った!」
さっ!とレドナンドが立ち上がる。
ファーレーン、アントランも同時に立ち、背を向けて退場して行く長の後に続く。
アントランがふと振り向くと、デュケスだけがまだ座り、目をまん丸に見開いて退場していく仲間を見ていた。
「早く来い!」
アントランに言われ、デュケスは慌てて近くにいたキースを、振った手ではたきかねない勢いでヨロめきながら立ち上がり、シーリーンはキースの背に、抱きついて庇いながら怒鳴った。
「怪我を悪化させたらただじゃおかないぞ!」
デュケスは手を頭に添えて頷きながら謝り、入り口できつい目で見てるファーレーンの氷の視線に、慌てて二人の背の後ろを通って駆けつけようとして、どたん!とその巨体で、地響き立てて転んだ。
皆はこっそり顔を下げて笑い、南のシェナンは呆れて見た。
「…使い方の難しい新人だな」
キリアンが横の長にそっと耳打ちする。
「南にはあんなのいないから、大丈夫」
シェナンが頷く。
入り口で待つファーレーンは即座に背を向けて出て行き、その場で待つアントランは心からデュケスが恥ずかしくて顔を下げ、デュケスが起き上がり、やって来るのを待って巨体の背を突き飛ばし、デュケスをテントから出すと、入り口の布をさっ!と払って出て行った。
布が落ちて東の男らが消えると、中の皆は一斉に笑い出した。
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