31 / 286
二人きりの時間
31 色香増すアグナータ(皆を繋ぐ者)
しおりを挟む
ファオンがテスに腕を引かれ、湯へと歩き行く姿を、セルティスが見つめる。
白っぽい金の髪は乱れ、色白の肌の中、真っ赤な紅を差したような唇はとても目立つ。
青い大きな瞳は潤み、足元は蹌踉めき、なよやかな体がとても色っぽく目に映った。
セルティスは眉を寄せると、《勇敢なる者》らの浸かる湯へと進み行く、ファルコンを呼び止める。
「…強烈な崔淫剤使ったろう?」
「…痛がってたからな。
お前の手渡した薬程度じゃ駄目だ」
「…乱暴に扱ったのか?」
「…つい。オンナに見えなくて」
セルティスは岩の向こうに消えて行くファオンの姿を見送り、囁いた。
「今日、あんたは…」
「下の見回りだ。
一匹でも多く殺す。
が、群れに出くわす可能性もある」
「今夜は俺の番だが、抱かず休ませようと思ってた」
セルティスの言葉にファルコンは肩を竦めた。
「それまでに薬の影響が消えればいいな」
セルティスがそっと尋ねる。
「…消えなければ?」
「抱け」
ファルコンに素っ気無く言われ、セルティスは俯いて溜息を吐いた。
朝食の場で、皆はファオンをじっと見つめる。
ファオンの頬は赤く、唇も赤く、匂い立つような色香に包まれとても扇情的で、レオは眉間を寄せてファルコンを見つめる。
ファルコンは気にする様子無く、食事をしていた。
ファオンは湯に浸かったせいか…ファルコンとして…気持ち良かったせいなのか…。
ぼーっとしていた。
気持ちがふわふわして、目の焦点も合ってない。
それに…ファルコンが挿入(はい)った場所が疼きまくり、どうにかなりそうな気がした。
“した…ばかりなのに…”
けれど体のあちこちが疼き、いつもなら…皆の見つめる視線が恥ずかしいのに、今朝は違う…。
もぞ…と身を捩り、今にも喘ぎ声が出そうで…必死で我慢した。
レオはファルコンを皆から離れた場に呼ぶ。
「どれだけ塗った?」
ファルコンは悪びれずに言う。
「俺が入れて痛まないくらい」
レオは大きな溜息を吐く。
「…見回りの間に戻って、抱いてあいつを慰められるか?」
「それは《化け物》に言ってくれ。
奴らが群れで来なければ、夕食前に出来る」
「…それまで、ファオンは悶々とするだろうな。
第一、あんな色香ある風情でいるだけで…男達は煽られきってる」
ファルコンは視線を、石の椅子に座る皆に向ける。
シーリーンは自分を抑えるように俯いていたし、アリオンも同じ。
リチャードもアランも、新入りのデュランまでもが、今にも自慰を始めそうな気配。
セルティスだけが、溜息交じりに顔を背けていた。
「可哀想だと思うのなら、特例出して手隙な男に抱かせろ」
ファルコンの言葉に、レオが念押しする。
「いいのか?」
「いいも何も、俺は下で化け物を殺しに行くから、選択権は無い。
休んで抱け。と言われても俺は下に行く」
レオは頷いた。
「俺も、休んで抱け。と言わない」
ファルコンは背を向け、自分のテントに戻って行く。
仕度を整え剣を携え、テントから出て来る。
見つめるその目を受けて、セルティスとアランがテントへ仕度に戻って行く。
直ぐ出て来ると、二人は先を歩くファルコンの背を追った。
レオは溜息交じりに、慌てて食事を終えて、テントに仕度の為戻って行く他の男達を眺め、まだ媚薬の効いている、赤い頬をして艶っぽい、ファオンを眺めては…また吐息を吐き出した。
白っぽい金の髪は乱れ、色白の肌の中、真っ赤な紅を差したような唇はとても目立つ。
青い大きな瞳は潤み、足元は蹌踉めき、なよやかな体がとても色っぽく目に映った。
セルティスは眉を寄せると、《勇敢なる者》らの浸かる湯へと進み行く、ファルコンを呼び止める。
「…強烈な崔淫剤使ったろう?」
「…痛がってたからな。
お前の手渡した薬程度じゃ駄目だ」
「…乱暴に扱ったのか?」
「…つい。オンナに見えなくて」
セルティスは岩の向こうに消えて行くファオンの姿を見送り、囁いた。
「今日、あんたは…」
「下の見回りだ。
一匹でも多く殺す。
が、群れに出くわす可能性もある」
「今夜は俺の番だが、抱かず休ませようと思ってた」
セルティスの言葉にファルコンは肩を竦めた。
「それまでに薬の影響が消えればいいな」
セルティスがそっと尋ねる。
「…消えなければ?」
「抱け」
ファルコンに素っ気無く言われ、セルティスは俯いて溜息を吐いた。
朝食の場で、皆はファオンをじっと見つめる。
ファオンの頬は赤く、唇も赤く、匂い立つような色香に包まれとても扇情的で、レオは眉間を寄せてファルコンを見つめる。
ファルコンは気にする様子無く、食事をしていた。
ファオンは湯に浸かったせいか…ファルコンとして…気持ち良かったせいなのか…。
ぼーっとしていた。
気持ちがふわふわして、目の焦点も合ってない。
それに…ファルコンが挿入(はい)った場所が疼きまくり、どうにかなりそうな気がした。
“した…ばかりなのに…”
けれど体のあちこちが疼き、いつもなら…皆の見つめる視線が恥ずかしいのに、今朝は違う…。
もぞ…と身を捩り、今にも喘ぎ声が出そうで…必死で我慢した。
レオはファルコンを皆から離れた場に呼ぶ。
「どれだけ塗った?」
ファルコンは悪びれずに言う。
「俺が入れて痛まないくらい」
レオは大きな溜息を吐く。
「…見回りの間に戻って、抱いてあいつを慰められるか?」
「それは《化け物》に言ってくれ。
奴らが群れで来なければ、夕食前に出来る」
「…それまで、ファオンは悶々とするだろうな。
第一、あんな色香ある風情でいるだけで…男達は煽られきってる」
ファルコンは視線を、石の椅子に座る皆に向ける。
シーリーンは自分を抑えるように俯いていたし、アリオンも同じ。
リチャードもアランも、新入りのデュランまでもが、今にも自慰を始めそうな気配。
セルティスだけが、溜息交じりに顔を背けていた。
「可哀想だと思うのなら、特例出して手隙な男に抱かせろ」
ファルコンの言葉に、レオが念押しする。
「いいのか?」
「いいも何も、俺は下で化け物を殺しに行くから、選択権は無い。
休んで抱け。と言われても俺は下に行く」
レオは頷いた。
「俺も、休んで抱け。と言わない」
ファルコンは背を向け、自分のテントに戻って行く。
仕度を整え剣を携え、テントから出て来る。
見つめるその目を受けて、セルティスとアランがテントへ仕度に戻って行く。
直ぐ出て来ると、二人は先を歩くファルコンの背を追った。
レオは溜息交じりに、慌てて食事を終えて、テントに仕度の為戻って行く他の男達を眺め、まだ媚薬の効いている、赤い頬をして艶っぽい、ファオンを眺めては…また吐息を吐き出した。
1
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる