アグナータの命運

屈辱の儀式

5 屈辱の時 ファルコン

 痺れて感覚が、無くなった蕾に、布が当てられ、拭かれる。

その時ようやく、ファオンはレオのものでそこを汚された。と知った。

けれどまた、指が入る。

レオの大きなもので抉られた後で、指は細い棒のようにしか感じなかった。

けれど冷たい。

レオは離れて行きながら、ぼそり。と言った。

「後一人、キースは負傷して当分ここには来ない。
だから…今日は7人だ」

丸でそれが、いい事のように言う。

けれど四肢の痺れが取れないうちに、今度ファルコンの姿が、開かされた股の間に入って来る……。

ファオンはもう、何をされるか解って、首と手足を激しく振る。

「っ！っ！」

右足を掴んでいるのはアリオン。

子供達の集会で、女みたいと虐められてたファオンを、いつも庇っていた黒髪のアリオン。

両腕で足首掴むその顔は、無表情。

左の足を掴むのは、シーリーン。

意地悪は言っても狼藉者が現れると、まだ少年なのに剣を抜いて戦ったプラチナの髪のシーリーン。

ファオンと視線が合うと、顔を背ける。

右腕を掴むのはリチャード。

いつも真っ先に意地悪をして、他の者を先導しファオンを虐めてた栗毛のリチャード。

ファオンが見た時、少し辛そうに視線を下げる。

右腕を掴むのはアラン…。

ファオンは金髪のアランを、縋り付くように見た。

たまにしか会えないけれど、ファオンに話しかけ、気にかけてくれた優しい人…。

その優しいアランにを必死で見つめる。

けれどアランは悲しげに見つめ返すだけ。


銀のまっすぐの髪の、整いきった美男、逞しい上半身を剥き出しにしたファルコンが、両腿を掴み込む。

ずっ！

息つく間も無く、一気に突き刺される。

ぐい！と奥深くを太い男根で貫かれ、ファオンはあまりの苦しさに、喉がひりつき手足をバタつかせた。

目を固く閉じて、唇を噛みしめても無駄。

圧迫されきった固く太く、大きなそれは、容赦無く動き出す。

引き抜くぎりぎりまで引かれ、その後一気に奥深くまで！

「ああああああああっ！」

ファオンは髪を振り乱して叫ぶ。

「あ…あ！いた…い！
止めて!!!
止めてっ!!!」

絶叫を上げても、ファルコンは止めなかった。

四肢を突っ張らせ、必死で耐えるけれど、痛みと苦しさで呼吸が止まりそうになる。

「止め…止め…てお願い…う…ぐっ!!!
う゛っ!!!
ぐ………っ!!!」

レオは激しかった。
でもファルコンの突き刺しは、太く尖ったつららで突き刺されたような。

…まるで拷問。

今度こそ、裂けると思った。
血が滴って。

ズン!!!と激しく突き入れられると痛みと激しい刺激が四肢を駆け巡る。

「嫌!!!くるし…い!!!
放してお願い!!!」

泣き叫んでも…誰も、助けてくれない。

誰、一人として。

ずん!!!

「………っ！っ！っ！」

あまりの裂ける痛みと苦しさに、逃げ出そうと思い切り手足を振る。

力強いレグウルナス(勇敢なる者)らに四肢を掴まれ、出来る筈もない。

ファオンはこの地獄のような時間が、激しく打ち付けられる度終わる事を願った。

ずん！

「ぐっ…う゛っ…う゛う゛う゛う゛………っ!!!」

ずん！

「ん…あ゛っ！」

ずん！

やがてそれは速度を増して行く。

気を失うかと、ファオンは思った。

手足の感覚が痺れて行く。

けれど一番痺れて欲しい場所。

男根への愛撫は皆無。

ファルコンに突き上げられ、激しく擦られ続けるその場所は、突き刺される度手足をびりびりと痺れさす。

ぐい!!!

大きく抉られるように突き刺された時、ファオンは脳天が突き抜けたように感じ、一瞬の間気絶した。

けれど繋がった蕾が濡れているのをぼんやり、感じる。

ずるり…。

ファルコンのものが引き抜かれる。

ああ、終わったんだ。

放心したまま、思う。

けれど汚れた蕾を背後にいたセルティスが、布で拭いている。

指が入ってきて、何かを塗りたくる。

けれどもう、それが触れる感覚までもが無く、完全に痺れていた。