アグナータの命運

屈辱の儀式

3 レグウルナス(勇敢なる者)達

　下働きの者に促され、裸の方がまだ、いやらしくない。
そう思える程白い、生け贄のような衣服を着けて、ファオンはテントの布を払い、潜る。

中に入った時、ファオンはそこにいる若者らを見て、愕然とした。

同じ北の領地。

幼い頃から、若者は集い、学んだり鍛えたり、遊んだりしていた。

一番年上の、赤い髪の逞しいレオは良く知らなかった。
真っ直ぐの銀髪のファルコンも。

栗毛のセルティスも、子供達の集いには、年上過ぎてとっくにいなかった。
けれど一番優しそうに見えた。

…金髪の爽やかな笑顔のアランはいつも、相談事を聞いてくれていた。
明るくて頼もしくて、女の子達は彼に夢中…。

そして…そして………黒髪のアリオン。

二つ年上で、子供達の集会で、いつも男の子達の憧れ。
男らしいのにとても、綺麗な顔をしていて…。
でも決して女々しく無くて。
いつでも一番勇敢だった。

横のウエーブのかかった銀髪のシーリーン。
凄く綺麗な女顔なのに、つん。としていてクールで。
素っ気無いのにそれが格好良くて。

アリオンと人気を二分していた。

そして…リチャード。
濃い栗毛のくねる髪。
女の子みたいに可愛らしくて綺麗な顔をしていたけど、凄くプライドが高くて意地悪。

ファオンは幼馴染みの顔を見た時、身が震えた。

知っている彼らじゃなく、そこにいたのは…。

勇者。戦う者。
そして…自分を情欲籠もる瞳で見つめ、犯す者達……………。