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あーす。

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かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 8 ファントレイユ

かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース 8 ファントレイユ 19

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 でもその後。
って…延々その部屋で、待ってる・ダケ。
豪華な食べ物と飲み物出されたから。
ひたすら食べて、飲んでると。

突然扉が開いて、マントレンが駆け込んで来るっ!

俺。
その時、チキン・フライ口に詰め込んでて。
口に入れたまま顔、上げて。
マントレンと目が合う。

「…直ぐ、こっちに着替えて!」
って…上着渡されて。

俺、大慌てで上着脱いで。
豪華なフリルだらけのシャツも脱いで。
脱いだ拍子に落ちた、宝石付きペンダントとか。
美男の護衛に拾われて。

けど。
俺に相応しい、それなりに舞踏会用な、お洒落な緑色の上着に着替えると。
なんか、落ち着く~。

マントレンが
「ここで待ってて」
って言うから。
俺、頷いて…。
待つ事、数十分。

直ぐ、扉が開いて。
宮廷護衛に、王子が両側を護られながら入って来て。
その後から、アドルフェスとその手下?らが、後ろ手で縛られ、捕まって。
部屋に、突き入れられてるっ!

俺。
ちょっときつい目をして部屋に入って来て。
アドルフェスと手下四名を、睨み付けてるソルジェニーに、思わず駆け寄る。
抱きついて、耳元で聞く。
「大丈夫だった?!」
ソルジェニー、俺の事、静かに抱き返してくれて、言ってる。
「…ちょっと恥ずかしい事、されたけど。
凄く小さな短剣、ベルトに隠し持ってたから。
…君…もっと嫌な事、されたんだよね?!」
って。
きっつい声で言うから。
つい、抱きついた腕、緩めて。
ソルジェニーの顔、覗き込んだ。

…なんかすっごく…怒ってる?!

「…いっぱい卑猥な事も、言われた!
ヤンフェスや護衛が飛び込んで来なかったら!
こいつら私に…言ったこと、する気だった!!!
その後も八つ裂きにして殺すなんて!!!
縛り首じゃなく私がこの手で!!!
剣で嬲り殺してやる!!!」

俺、ついソルジェニーが睨んでる、アドルフェスに振り向く。
背の高いアドルフェス、俯いて…顔が、真っ青。

…さすがマントレンの作戦………。

ソルジェニー、直ぐ大声で叫んでる。
「アドフェルネス公をここへ呼べ!!!
今直ぐ!
自分が後ろ盾してる、甥の大失態を糾弾してやる!!!」

あの儚い感じだったソルジェニーが。
人が変わったみたいに威厳に満ちてる…。
「(ダテに王子は、してないのね………)」

マントレンがソルジェニーの横に付いてるのを、アドルフェスが見て。
マントレンを睨みかけるんだけど。
横のソルジェニー、怒りまくってアドルフェスをすっごい目で睨んでるから。

アドルフェス、気づいて顔を、背けて…下げる。

暫くして、ギデオンとファントレイユも室内にやって来て。
ソルジェニーが、ギデオンに叫んでる。
「就任式での暴挙に対して!!!
とりあえずはあなた方に、一任するが!!!
処分が、軽すぎるようなら!!!
王室から苦情を申し立てる!!!」

その
『王室から苦情を…』
辺りで…アドルフェスの後ろ盾らしい、立派な大公が、大慌てで室内に飛び込み。
後ろ手で捕らえられてる甥を見て、真っ青に成って。
ソルジェニーの前に膝を折り。
ひれ伏さんばかりに懇願する。
「どうか…!
お怒りを収めて下さい!
甥には何か理由が…!
きっと酷い、誤解です!」

アドルフェスが、援軍を貰ったように顔を上げて、掠れた声で言う。
「失態はお詫びします。
だが我々は…そちらの…」

そう言って、ソルジェニーの横に居る俺を、チラと見て。
言葉を続けた。
「我らに無礼を働いた少年を、拉致したものと…」

言いかけた途端。
ソルジェニー、身をぶるぶると震わせて、ぴしゃり!と叫ぶ。
「失態?!
では私で無ければこの少年を!
狼藉の限りを果たした後、惨殺したのか!!!
私を王子と知らなければ!
君は私の体を好きなだけ嬲り弄び!
後、剣で滅多斬りにして殺すと!!!
確かにそう言ったぞ!!!」

その時、始めてアドルフェスが真っ青になって目を見開いてソルジェニーを見て。
ぶるぶる小刻みに震えながら、顔を下げた。

「右将軍がしないなら私が!!!
自らこの手で、処刑してやる!!!」

俺の横で…ソルジェニー、目に涙すら浮かべて…激昂してそう、叫んでる。

「どうか!!!
甥は大貴族です!!!
そのような不名誉な死刑を受ける身分では、決してありません!!!」

大公が必死になって庇い。
ギデオンが
「…王子。
私が確かにこの者に、厳重な処罰を下しますのでどうか…」
と声をかけ。

ソルジェニーはギデオンの顔を見つめ、少し眉を寄せて縋るような目を向け…。
けど顔を下げて、叫ぶ。
「地下牢へ!!!
処罰が決定するまで、出さぬように!!!」
と、怒鳴った。

アドルフェスと手下四人は、護衛の騎士らにひったてられて…部屋を出て行く。

大公は尚も甥を取りなそうと、ソルジェニーに近寄ろうとしたけど。
ギデオンが遮る。
「…王子は大変お怒りだ。
こんな…事は始めてだ。
今は何を言っても、逆効果。
君とアドルフェスの言い分は、私が聞く。
だが今夜は就任祝いのめでたい夜。
全ては明日。
これ以上は控えて、明日話合いを持つ迄、静かに謹慎していて欲しい」

と。
とても威厳に満ちた声音で、大公にきっぱりと言い切った。

ぱたん…。
扉が閉まって大公が出て行くと。
ソルジェニーは直ぐに横にいた俺に抱き付き。
きつく抱きしめて放さなくて。

俺…どう言って声かけていいのか解らず。

思わず、周囲の…マントレンやギデオン。
ファントレイユ。
その背後に遅れて来た、ヤンフェスとシャッセルの顔を、順繰りに、見回した。

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