どのみちヤられるならイケメン騎士がいい!

あーす。

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ゲームクリア・トライ 2

ゲームクリア・トライ 2 の12

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 ギュンターの数値、現在10…。
オーガスタスだけが43で、2しか減ってない…。

けど俺の剣術数値…13………。

その時、残ったノルンディルの目が赤く光って。
突然ぐんぐん背が伸びて巨大化すると。
足元にいたラルファツォルを掴み、デカい口に持って行って、がしっ!
って………食いちぎってる…………。

「シュールだな…」
オーガスタス、表情も変えずにそう言うと。
俺が抱きついてるギュンター、ちょっと気持ち悪そうに表情崩しながら、頷く。
「…ラルファツォルの分の力を、補充してるんだろうが…」
俺、ギュンターの言いたかったセリフを言ってみた。
「…別に、喰わなくても…?」
ギュンター、無言で頷く。

けどさ。
それでもギュンター、鋭い紫の瞳を、巨大化したノルンディルに向けてて。
相変わらずの、見惚れる美貌のまま。

美男…って…こんな気持ち悪い物見ても、美男のままなんだ。
と変に感心するんだけど。

言ってる場合じゃ無い!
ずんっ!
って…こっち寄って来るっ!

オーガスタス、自分の三倍ぐらいデカいノルンディル見て。
「…あいつに喰われたら、残存数値、一発で消えるな」

俺、それ聞いてレイデンに叫ぶ。
「(宝石箱に戻っちゃうだけ?!
オーガスタスの宝石自身が、消えちゃわないっ?!)」
賢者が直ぐ叫ぶ。
『あれは全部、視覚的ハッタリよ!』
“あっちも残りのパワーで、三人も倒せないから!
出来るだけエグい虚像使って、脅してるだけっ!”

「(でもあんなデカいのに、どうやって戦えば良いの?!
腕輪のゼイブン、使い果たす?!)」

『賭けね!
腕輪一発で殺れるかは!』

その時、巨人の大きな手が急襲するっ!!!
掴もうと横上から来るのを、ギュンター、俺抱いたまま、岩の上を避けまくるっ!
岩と岩の間を俊敏に飛ぶギュンターは、ヒョウのようにしなやかっ!

オーガスタスがその間に、巨大ノルンディルの背後の、高い岩に駆け上る。
ギュンターを追いかけて手を伸ばす、巨大ノルンディルの、背に飛び乗ってるっ!

俺。
巨大ノルンディルに思いっきり、ビビってたので。
オーガスタスの勇姿を見て、惚けた。

巨大な手を避けて、ギュンターがまた、俺抱きかかえたまま岩間を飛ぶっ!
オーガスタス、巨大ノルンディルのデカい襟首掴んで、一気に肩に両足引っかけ、首に両腕巻き付けて…デカい首を、締め始める!

ギュンター、俺抱いたまま足を止めて…。
オーガスタスに首絞められてる、巨人を見上げてる。

「(…オーガスタスもギュンターも、凄いっ!)」
巨大ノルンディル、首を絞められ…必死で手を、首に回すんだけど…オーガスタスの腕。
デカくて太い首に喰い込んでるし、巨人の指にはオーガスタスの腕って、細すぎて逆に掴めないっ!
しかも剥がそうと、指をオーガスタスの腕に擦りつけようとする度。
オーガスタス、もっと喰い込む程にきつく締め上げるから…。
巨大ノルンディル、苦しがって手を離す。

けどもう片手を、首の後ろで首締めてるオーガスタスの上体を掴もうと、伸ばすっ!

「…っ!ヤバい…」
ギュンターの呟きを聞いて…俺、とうとうゼイブン腕輪、巨人に向けて叫んだ。

「エレーメージェバイト・インベケイション!!!」

腕輪から白い光線が飛んだかと思うと。
巨人ノルンディルの、肩から胸にかけて、白く石膏化して。
腕も、肘まで石化してるから、それ以上は、動かせないっ!

左腕だけが上がったままだったから。
巨大な指が動いて、なんとか首の後ろのオーガスタスを、掴もうと…。
オーガスタスの直ぐ横で、三本の巨大な指が、動いてるっ!

オーガスタス、鞘から剣を抜き去ると。
思いっきり振り上げて、巨人ノルンディルの、首の後ろから突き刺すっ!

ずしっ!

ビィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

意味不明な叫び声を上げて…巨人ノルンディルがぐらつき始め…前屈みで膝を折って、崩れる。

ずんっ!!!

オーガスタス、ひらりとノルンディルの首から飛び降り。

巻き添え喰らうまいと避ける、ギュンターの横に来る。

ゥオオオォォォォォォォォォォォンンンン!!!

声がして。
ヒビが入って、岩が崩れるみたいに粉々に崩れ去る巨人ノルンディルの中から、黒い人影が。

出て来た黒い影のようなバケモノ。
顔に出来た赤い亀裂、どんどん下に伸びていきながらも、呻いてる…。

“次のステージは私よりもっと強い敵が、お前らを駆逐する!!!
必ずな!!!”

俺、ギュンターの体温感じながらもその言葉に、思い切りビビるんだけど。
横で、オーガスタスが言った。
「四の五の言わずに、とっととオサラバしろ。
未練がましいヤツだな」

ギュンターと俺が、思わずオーガスタスに振り向くと。
オーガスタス、肩竦める。
「…往生際が悪いと思うだろう?
お前らだって」

ギュンター、躊躇いながら頷いて。
声、掠れさせていった。
「そうは思うが。
思ってても、口に出す余裕は無い」

オーガスタスが俺を見るから。
俺も思わずギュンターに同意だと示す為に、頷いた。

また、周囲があっと言う間に変わり…。
俺とギュンターは
「身も蓋もないな」
と言うオーガスタスの、ぼやきを聞いた。
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