どのみちヤられるならイケメン騎士がいい!

あーす。

文字の大きさ
上 下
89 / 220
リセット 4 ディングレー

リセット 4 ディングレー 10

しおりを挟む



 馬車がディングレー様の、お城の玄関に着いた時。
またレイデンが騒いでた。

“ノルンディルに挿入されたのとディングレー様♡とので!
経験値+3で現在、経験値62に上がったよ!”
賢者の声もする。
『召喚キャラ、出るからねっ!』

俺、つい剣術数値のパールが一気に四個になって、嬉しくて♡
「(よし、来いっ)」
って、叫んでしまった…。

けどね。
ディングレー様と一緒に、玄関の左右に上がる、大きくてお洒落な階段上がりきった所で召使いに。
「お客様がたったさっき、お着きで…。
応接の間にお通ししています」
と言われて。
「(召喚キャラかなっ?)」
って。
わくわくしちゃってたら。

扉開けると、ナンと、ディアヴォロス様!
「(…う…嬉しいんだけど…またコース・リセットされちゃう?!
ディングレー様とって後…)」
“後、三回で、ジュエリー・ゲット!”
「(う゛う゛う゛う゛う゛…)」

しかしディアヴォロスさんって、ディングレー様んとこのお城の、豪華な室内が似合う高貴さ!
「…ディアヴォロス…」
ディングレー様が、彼に近寄りながらそう、話しかける。
「大変だったんだって?
すまなかった…。
私がオークションに出席出来ていたら、ノルンディルはちょっかいかけて来られなかったろうに…」

ディングレー様の横に並んで、俺が見てると。
ディングレー様、口を開く。
「…しょうがない。
あんた、軍のお偉方との会議で、出られなかったんだろう?」
言って、ディングレー様は俺に振り向く。
「俺の、いとこのディアヴォロス。
左将軍してる」

ディアヴォロス様、俺に、にこっ!
って、笑ってくれる。

「(…ディアヴォロス様は知ってるけど…いとこ?!)」
そう言えば…ディアヴォロス様もディングレー様同様、王族だもんね…。
それにしてもディングレー様より、ディアヴォロス様のが、背は高い。
高貴さも、ディングレー様より格上。
…けど、ストレートと縮れ毛は違うけど…黒髪な所は一緒。
ディアヴォロス様、ディングレー様の事、弟みたいに見てる…。
「代金は私の代理でカッツェが全て、払ってるから」

ディングレー様、なんか…ディアヴォロス様の前だと、ちょっと砕けた雰囲気。
「…俺がこいつにプレゼントした宝石分も、払ってないだろうな?」
ディアヴォロス様、ちょっと苦笑する。
「…君が落札しちゃったから。
ノルンディルが取り返したくて…彼の事、拉致して交換しようとしたんだろう?
そのお詫びだと聞いたから。
私が払った」

それ聞いて。
ディングレー様、俯く。
「…あんたは悪くない。
目を離したのは俺の責任だ」
「おや。
カッツェもそう言ってた」

ディングレー様、顔を上げてディアヴォロス様を見る。
頭一つ半くらい、ディアヴォロス様のが長身だから、改めて体格で言うと、ディアヴォロス様って、オーガスタスと居た時よりも、迫力に感じる…。

けどディングレー様、流石同じ王族だけあって、態度とか威厳では…ひけを取らないと言うか…。
背は低いけど(俺よりはうんと高いけど)、格好良さは相変わらず♡

ディアヴォロス様、弟を説得するみたいに優しい声で言う。
「痛み分けだね?
で、彼が随分嫌な目に合ったって、聞いたけど」

ディングレー様、俺の事を見る。
「…大声で『腐れタケノコ!』
とかって叫ばれたから…居場所が直ぐ、解って助かった」

俺。
高貴なディアヴォロスさんの前で、思いっきり恥ずかしくて顔を下げた。
ディアヴォロス様、くすくすくすっ。
って笑ってる。

うーん、こういう所は、オーガスタスと居た時と一緒。
「嫌だったんだね?」
ディアヴォロスさんに優しく聞かれて。
俺、真っ赤だったけど。
顔上げる。
「…だって、すんごくヘタクソなんですよ!」
つい叫ぶと。
ディアヴォロス様、ますます、くすくすくすっ!
って余計に笑って。

……………ウケてる…………。

「…縛られてたって聞いたけど。
そっちのショックは、無いみたいだね?」
俺、ついディアヴォロスさんの雰囲気優しいから、話しやすくて。
言ってしまった。
「自分では解らないんですけど。
なんかそのせいで、ノルンディルだけじゃなくって、ディングレー様♡も煽っちゃったらしくて。
…ディングレー様にソノ気になられたのは…凄く、嬉しかったけど」

俯くと、ディングレー様、こほん。と咳払って。
顔上げると、頬がちょっと、赤くって。
「…一発でおっ勃つくらい、刺激的で色っぽくて可愛かった」
「(ディングレー様、王族なのに言葉悪い…)」
ちょっと惚けて見てると。
ディアヴォロスさん、また、くすくすくすっ!
って笑う。
「でも君が慰めたから、彼も元気に成ったんだろう?」
ディングレー様、ディアヴォロス様にそう言われて、頬が赤いまま、頷く。

ディアヴォロスさん、オーガスタスの時みたいに、俺に優しく微笑んでくれて。
横がオーガスタスじゃなく、ディングレー様のせいか、凄く背が高く感じるんだけど。
黒く縮れた髪が背を覆い、男らしいんだけど、凄く気品溢れる様子で…。
浮かぶような、光の加減でグレーだったり薄いブルーやグリーンに見える、神秘的な瞳を向けて、言ってくれる。
「でも…ありがとう。
君を嫌な目に合わせてしまったけれど。
あの絵画は…持ち主の貴族の元に、無事戻されて…。
あの絵を一時的に借り受けた貴族は、盗んで売り飛ばしたと言う汚名を返上出来て、投獄されずに済んだんだ。
多分、それを仕組んだのはムストレスだろうから。
証拠を隠す為にも、何としてもノルンディルに落札させたかったみたいだね」
「……………?」
俺、訳が分からず惚けてると。
「…絵画泥棒の汚名を着せられた貴族は、ムストレスにとって邪魔な男だったので…。
犯罪者にして投獄させ、権威を失墜させたかったんだよ」
俺、納得して頷いた。
「…そんな陰謀が…あの絵に隠されていたんですか!」

ディアヴォロスさん、くすっ。と笑って言う。
「私が落札したかったんだけど。
どうしても出られなくて、彼に代理を頼んだんだ。
王族だらけの場所は、彼、とても苦手なのに。
君と一緒で、随分楽しかったみたいだね?」

ディアヴォロス様に、そう言われて見つめられたディングレー様。
ちょっと頬染めたまま、顔を背けてた。

けど。
その時また。
ピロリロリ~ン!
って鳴って。

“『黄金の光竜』特殊能力、ジュエリー人化召喚、追加!”
とかって頭の中で響き渡り。
白金のジュエリーが、召喚カードに重なって消えた後、カードが白金に光輝いた。

それと共に、周囲が白くなって行く………。

「(もう?!
せ…せめて、ディングレー様と後、数回えっち…いやせめて、あと一回くらいしたい…!!!)」

けれど無情にも、ディアヴォロス様もディングレー様も…薄れて行って、周囲の景色が強制的に、変わって行った…。

「あんまりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ディングレー様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

俺、叫びながら…変わって行く景色を呆然と、見守った。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

アースルーリンドの騎士達 妖女ゼフィスの陰謀

あーす。
BL
誰もが注目する王族の美姫、タニアに惚れられた近衛新兵ギュンターだが、そんな彼を利用しようと近づいく身分低いゼフィスを振ったため、恨まれて凄腕の刺客を差し向けられる。大公家の存亡をかけた戦いが繰り広げられ、巻き込まれたギュンターは愛しのローランデと二人きりで、ゆっくり過ごせる日はやって来るのだろうか?

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...