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シュミレイション 8

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 8を差してみると、俺ってば木陰から、原っぱを覗き見してる。
見ると、周囲が木に囲まれた真ん中の、開けた草原に、見目麗しく格好いい男達が。
8人程。

どっかの軍なのか、皆一様に隊服らしい、紺色の上着に黒ブーツ。
軍人騎士らしく、背も高く顔も良く、みんな強くて頼もしそうで、格好いい。

数人は上着で脱いで、シャツ姿。
草の上に紺色の上着が脱ぎ捨てられている。

中央に戯れで剣を交えてる二人。
「で、ナニが必殺技なんだ?」
一人が剣を構え、剣先をくるくる回して問う。
相手は、しゃきっ!と立つと、剣を背後に。
そして突然斬りかかる!

周囲、皆笑う。
「確かに、どっから出て来るか解らなくて、ふいは突けるが!」
「戦ってる間に、出せるのかその技!」

斬りかかられた相手は、最初は途惑って防戦一方だったけど、次第に姿勢を取り戻して鋭い突き!

かん!
斬りかかった男の手から、剣が飛ぶ。
わぁっ!

「隙付いて、相手が崩れてる間に決められなきゃ、ダメだな!」
「必殺技じゃないぞ!そんなん!」

木の陰で覗いてる俺の背後。
通りかかった中年の、農民風夫婦がその騒ぎを見る。

「近衛の騎士らじゃないか…」
旦那が言うと、ぷっくり太ったおばちゃんが呟く。
「こんなとこに大勢。
若い娘が見たら、キャーキャー騒ぐね」
旦那が吐息洩らす。
「あんなにいい男揃いじゃ無理無いな。
だが近衛の男は男女構わず手を出す、不摂生な遊び人ばかりだ。
一生懸命取り入っても、遊ばれて捨てられるのがオチだろうよ」
が。
おばちゃんは騎士らに頬染めて見惚れる。
「…けどねぇ…。
例え遊ばれても…あんないい男相手なら…。
一度でいいから、抱かれてみたいねぇ…」

俺が見てると。
旦那は無言でスタスタと先を行き、おばちゃんは気づいて叫ぶ。
「待ってよ、あんた!
あんたがどうとか、言っちゃいないだろ?!」

俺が騎士らに視線戻すと。
おばちゃんの叫びで、近衛の騎士らは一斉に、木陰から覗いてる、俺を見てる。

様々な髪色の。
雄々しい系から端正甘いマスク系。
野性派系。
綺麗俺様系。
冷静美男系。

よりどりみどりのいい男が、揃って。
誰もが騎士を名乗るだけ合って、体格が良くて長身。
みんな、顔がいいダケで無くて、格好イイ。

「……………(どうしよう………)」

揃って見られて、俺は目を見開き、見つめ返したまま。
って言うのも、ここの誰かに弟子入りしたら、確実に剣が強くなる。
そう思って、覗いていたんだね。
俺ってば。

レイデンが、よりどりみどりいい男ハーレムに、にんまり笑ってる俺を見る。
賢者が溜息交じりに言う。
『解ってないわね』
レイデンも言う。
「近衛騎士って精鋭部隊だしモテまくるし英雄視されてるから。
多少無茶してもお咎めナシの、結構タチ悪い奴らなんだよ?
凄く誠実なヤツもタマにいるけど。
大抵は、遊びたい放題」

「…………………」
ここで初めて、俺ってば危機感を感じた。
「つまり…」
言いかけた時。
栗毛の甘いマスク、爽やか系美男が、やって来て腕を掴む。
「…こんな所で覗き見か?」

背後で皆が叫ぶ。
「連れて来いよ!」
「食指の動く、凄い美少年だ」
「俺達に、集団で可愛がって貰いたいんだろう?!」

それを聞いて貞操の危機を感じた俺。
「あ…あの、すいませんでした!
俺もう、行きますから!」

叫んで、掴まれた腕を引き抜こうとした時。
横に黒髪一見冷静系、野性派美男がやって来て。
挟まれて逃げ場無く、俺ってば原っぱに連行される。

背は高いし力は強くて、抵抗はまるで無駄。
でも騎士らは笑って
「誰が一番だ?!」
「初物か?」
「挿入済みかによるだろう?」

そう言って…俺ってば、栗毛に両腕掴まれ、背後から黒髪に…例によってペロン…と尻をめくられ、指を…。
「やっ!あ…!」

恥ずかしくて痛そうに、顔歪めてたんだろう。

「…初物だな」
冷静系濃い栗毛の美男が呟く。
「初物なら、俺だな!」
金髪に近い栗毛が寄って来る。
「お前が?
血をだらだら流させるのが、オチだろう?!」
「血塗れの後は、勘弁だ」

冗談じゃない。
俺ってば…集団に…例え良い男だろうが…輪姦されるの?!

「俺に任せろ」
黒髪の…ぞくりとする鋭い雰囲気の、いい男が寄って来る。
「スターグ!
傷付けたら一週間、俺らの酒代はお前持ちだ!」
「(体育系のノリで、盛り上がってんじゃないよ!)」


「…………………」
その騒ぎ見て呆れまくり、沈黙してる俺に、賢者が。
『でしょ?』
レイデンも。
「だから言ったのに。
美男に囲まれ、チヤホヤされると思った?」

俺は、がっくり…と首垂れる。そうこうしてる内に、背後から腰を掴まれ。
俺ってば、さっさと挿入されてたりする。
両腕は、俺を連行した栗毛が前で掴んだまま。

どっちを蹴ろうか。
なんて考えてる間に蹴ってれば…。
俺は奥まで捻り込まれる、前に、腕を掴む前の男を蹴った!

…かわされた………。

「イキがいいな!」

笑われて、終わり。
ダテに騎士は、してないってコトね………。
「っ!」
一気に、奥まで捻り込まれ、俺ってば仰け反る。
途端、周囲で囃し立て、笑ってた男がしーーーーーーーん。

え?
痛苦しい中、横を見ると全員が…。
ごくり。と生唾とか、飲み込んでるじゃありませんか!

「なんか、すっごいマズい雰囲気…」
「…だね」
『間違いなくね』

レイデンと賢者に言われて、俺ってば言葉飲み込み見入ってしまった。

「色っぺー」
「俺、ビンビンになって来た…」
「俺も」

そんな囁きが聞こえる中、がんがん突かれて…けど、最初ちょっと痛かったけど…的確に、イイ場所を擦られて体が火照り始める。
「あっ…!」
数度目。
とうとう俺ってば、感じた声を上げてしまい…歓声が。

「スターグのヤツ!」
「初物、感じさせてやがるぜ!」
「っきしょう!
この、テク持ち男!」

どんどん変になって、腰がくねってたまらなくなり…とうとう前が少しずつ…興奮で勃って来る。
「やっ!あっ!」
全員に、ギンギンに見られる中。
羞恥に染まりながら犯され、イかされてる俺。

ぐぐっ!と押し込まれた後、突いてたスターグはぐっ。と腰を痙攣させて、中で放って引き抜いていく。
「こいつ、完全にイかせたヤツに全員で酒奢ってやろうぜ!」

「二番手は?」
「俺だ」

栗毛の、チャーミングな笑顔の、甘いマスクのいい男が寄って来る。
「酒は俺が、頂きだぜ!」

おうっ!

俺ってば、犯されたケツ丸出しのまま…またもや後ろから…。
「ああっ!」

次の男も、うまい。
くねるように…挿入されて、奥が疼いて腰が震え始め、膝の力が抜けてくる。
「やんっ!あ…んっ!」

もう、誰の目にも明らかな程、俺ってば感じまくってる。

俺は見ていて思わず呟く。
「…これ、割とイイかも。
痛くない初めてって…3の他、ここぐらい?」
「…6の乳首攻めも、犯されてないよ?」
レイデンに言われて、金の鷹顔を見る。
「あれ、結構切ないよ?
塗り薬のせいか、感度半端無いし。
ふっ。てされただけで感じてるのに、摘ままれたり吸われたりしたらもう悲惨な程感じてたじゃん」

賢者も同意する。
『…まあ、そうね』

けど。周囲に
「賭けてるんだ!
イったかどうか、ちゃんと見せろよ!」

栗毛の男は突くのを止めて、前にかろうじてかかって隠されていた布を、ペロン!と下げ…。
俺の…彼らからしたら、とてもちっちゃく幼いタケノコが…丸出しに。

「…可愛いじゃないか」
「嬲って遊びたい大きさだな!」

とかって言われ、すんごく、恥ずかしくって真っ赤になってると、栗毛はまた、突いて来る。

「ラウリッツ!七部勃ちだぞ!」
「挿入経験無くて、尻だけでイかせるって、難度高いぞ!」

ラウリッツって栗毛は、どんどん突く速さを増す。
その都度、腰にうねるような感覚が、前のタケノコを突き上げ…俺ってば、更に興奮を増して、上向きにさせてる。

「上がってきたぜ!」
「あと少しっ!」

俺は恥ずかしくって、仰け反りながら叫ぶ。
「やっ!
あんっ!
ああっ!」

ラウリッツが最後、ぐぅん!と抉りきった時。
俺は放った!と思った。
が、放ったのはラウリッツで俺は…九分勃ち?

ラウリッツが放って引き抜くと
あーあ!
と声が揃う。

「刺激が、足りないんじゃ無いのか?」
「だな。
胸が感じるとか?」

二人ぐらい、立ち上がって寄って来る。
俺、もう腕掴まれたまま、恥ずかしい部分丸出しで俯いてた。

「どれ…」
言われて、胸のシャツを強引にはだけられ、無造作に乳首を掴まれ、ぐりぐり捻られる。
最初、痛かったのに…。
「やっ!
やっ!やぁっ!」
「御姫様は、ここがいいみたいだぜ?」
「(違う!)あんっ!」

きつく摘ままれ、けど感じて仰け反ってしまった………。
「倒せ」
「可愛がってやろうぜ…」

俺は引き倒され、草の上に背を押しつけられ、足を持ち上げられて挿入。
両横から男達が胸に屈み込んで、両側から乳首を吸われて暴れまくる。

けど、直ぐ突き上げられて、身を反り返す!
何てこった。
上手いのは最初の二人だけ。
こいつってば、がんがん粗雑に刺し貫くだけの、テク無し!
「っ!」
痛みを感じて暴れまくってるのに、腕は掴まれ、乳首は吸われ、終いに顔の真上に股間。
「お口が寂しそうだな?」

口の中には押し込まれ…。
四人の男に組み敷かれて、暴れ回ってる。
二回挿入された後だったので、裂けずに済んだけど…。

俺のタケノコはテク無しのせいで、萎む。
けどもう、男達はみんなケダモノになっていて、構っちゃいない。

腕を掴まれ、引き起こされたかと思うと、後ろから抱き寄せられて、タケノコの真上に座らされ…ぐぐぐぐぐっ!と俺の体重で、咥え込みながら沈められて、必死で腕をバタつから、立ち上がろうと試みる。

そうこうしてる間に前に立つ男に頭掴まれ、口にも挿入されちゃって…。

見ている男らはもう、ぎんぎんで、次は俺だと待ち構えてる。

金髪の美少年が、草の上に腰下ろした男の前に座らされ、前から口に、男のタケノコを挿入され…。
辱められ犯されてる姿は、男達をその気にさせまくってる!

「これってさ!これってさ!
全員に犯されないと助け手来ないのっ?!」

賢者とレイデンが、木陰を指差す。

来た!
一人の濃紺の近衛隊服着た救世主が!

が、見てる方の俺は、呆然…。

グレーがかったくねる長髪栗毛。
美貌。としか形容が無いような、美麗な人形のような顔立ち。
瞳はきらりと光る、宝石のようなブルー・グレー。

背は、この連中よりかは少し低い程度。
が、どう見ても…この、体格いい男達よりは…軟弱というか…。
ヤワそうに見えると言うか…。

「…ファントレイユ隊長…」

一人が、彼に気づいて呟く。
が、俺に群がり興奮しきった男達は
「さっさとイけ!」
「次は俺だ!」
と我先に…。
興奮しきった野獣状態。

「…隊長…なんだろうけど、大丈夫なの?」
俺が聞くと、レイデンは呟く。
「一応、隊長だし」
『見てれば?
顔だけ見てると確かに、軟弱そうに見えても仕方無いかもだけど』
賢者にまで言われて、俺、それでも不安…。

が、美麗な顔が冷たく変わる。冷ややかな瞳を投げて、呟く。
「何してる!」

腹の底に響く声でそう言った時。
野獣と化した騎士どもは、全員振り向く。

皆が動きを止めて固まってくれた時。
俺は本当に、ほっとした。

「外見ヤワそうでも、実行力在る隊長なんだ」

が、テク有りのスターグとラウリッツが寄って行く。

「ヤサ男さん…」
ラウリッツが笑って言う。
「…隊長。
今は軍務抜きですよ。
多勢に無勢って、解ってますか?」
スターグってば、凄い無礼な、偉そうな態度。

スターグの言葉で、男達ははっ!と我に帰る。
全員が
「(こっちのが、人数多い)」
と気づいたみたいに。

「でもさぁ。
体格こいつらのが、明らかにいいじゃん。
殴り合いになったら、間違いなくボコられちゃうよ?
この助け手」
俺がそう言っても、レイデンも賢者も無言。
「?」

ファントレイユと呼ばれた美貌の軟弱そうに見える騎士は、部下?のスターグに偉そうに言われても、ジロリ…!と冷たいブルー・グレーの瞳を投げる、頼もしさ!

「(もしかして、強いのか?!
剣とか、めちゃめちゃ?!)」

俺は動きを止めた、野獣から近衛の騎士に戻りつつある男達の中で、期待に胸躍らせた。

その!美貌の騎士が俺を見る。
衣服を乱し、恥ずかしい部分丸出しで、まだ挿入されたままの、涙目の俺を。

「…どう見ても、嫌がってるし良くない様子に見える。
君らみたいなテクナシが、よってたかって犯したら、された側がどう感じるか、解ってるか?!
近衛の男はカオと体だけ!
エッチのテクはまるで無いから、力尽くで犯さないとデキない、でくの坊集団だと!
そんな評判をどうしても、立てたいのか?!」

男達は、シン…とする。

ラウリッツが、にじり寄る。
「テクナシかどうか、彼に聞いてみろよ」
スターグも凄む。
「少なくとも俺の時は!ちゃんと感じてたぜ!!!」

俺の周囲の男らがどよめく。
「スターグ!」
「この裏切り者!」

ファントレイユ隊長はジロリ。と騒ぐ男達を見る。
「だってどう見ても、イイように見えない。
君ら、そんだけ人数居るのに、たった一人の美少年も良く出来ない、図体だけデカいテクなしか?!」

俺は気づいた。
俺を取り囲んでる男らは、傷付いてる。
“テクなし”の言葉に。

ファントレイユ隊長は、まだ、叩き込む。
「ジェンカ!
一回で二度イかせる。
は大ほら吹きだな!
サリエット!
俺が抱いた女(少年)は、全員した後、二度目をせがむ?!
この、身の程知らずが!」

周囲の男のカオが…どんどん下がって…地面向き始める。

「どっからどうしたら、そんな嘘が言えるかな?!
君らの話が本当なら!
今頃この美少年は!
ヨダレ垂らしまくって、蕩けまくってるはずだ!
だが見ろ!
彼は泣いてる!
しかも、嫌がって暴れてたじゃ無いか!
これだけ人数が居るのに!
たったの一人も彼を絶頂に導けないのか!!!」

全員が項垂れきる中。
スターグだけが、憮然。と言った。

「初物なんだぜ?
それでケツだけてイかせられるのは、相当なテクありか、持久戦に長けた男だ」
ラウリッツも言う。
「あんたそう言うんなら、イかせられるんだろうな?!」

ファントレイユ隊長は、美麗な顔の眉しかめ、ジロリ。とラウリッツを見る。
「…そんな簡単なことも、出来ないのか?
…出来ないのに無謀にも、挑もうとしたのか?
ただ、お前達がしたい放題、犯してるだけじゃないか!
近衛の男はテクが無いから、力尽くで犯すしか脳のナイ、テク無し集団と!
世間の人に笑いのタネ撒いて、近衛騎士の評判落とすのが、そんなに楽しいか!」

ついには、ラウリッツもスターグも、決まり悪げにファントレイユ隊長から目を反らした。

「お前ら全員、娼館に出向いて、テクありのお姉様方にもう一度、指南を乞うて出直して来い!」

言って、ファントレイユ隊長は今や、すっかり固まり、彫像集団となった、野獣、もとい、自信をすっかり無くした近衛騎士の間をすり抜け、俺の元に、やって来る。

「ウチの男達が、大変失礼した」

もう、うっとり見惚れる美貌の微笑。
俺に突き刺した、ままの男に怒鳴る。
「さっさとその、役立たずを出したまえ!」

男は慌てて引き抜いて、恐ろしい化け物から遠ざかるように、這い逃げた。

「あんな…ただの棒にも劣るモノを入れられて…可哀想に…」

“棒にも劣るモノ”で、全員が、さっきの活気と盛り上がりは何だったんだ。
って位、深く、深く俯いてる。

ラウリッツとスターグが、振り向いて怒鳴る。
「あんたなら、イかせられるんだろうな!」
「証明しろよ!
クチだけで無く!」

ファントレイユ隊長ってば、振り向いて怒鳴る。
「ああ!君らの不始末の尻拭いだろうが、仕方無い!
近衛のテク無し集団と!
私まで一括りにされちゃ、かなわないからな!」

彫像達は…動き出す。
顔を、もっと下げていって。

「…さあ…」
ファントレイユ隊長の、胸に抱き止められる。
華やかで…軽やかな感じがした。

「本当に、あんな“腐れ棒”を差し込まれて…不快な思いをさせて、すまない」

彫像群は、もっと顔が下がった。

腕に抱かれ、ふわっ!と柔らかな、いい香りのする髪が頬に触れた途端。
唇が重なる。
軽い…甘い、キス…。

うっとりしてると、柔らかく抱き止められたまま…ファントレイユ隊長の腰が密着し始める。
「(…どきどき、するんですけど…)」

さっきまで、犯されて泣いてたのに…。
胸は高鳴るし、ファントレイユ隊長の、上着の下の肉体の感触は、引き締まりきっていて…。

また…甘いキス。
「んっ…」

うっとり…してる間に、挿入されてた。
ぐぃん!って突かれると…。
「ああ…んっ!」
腰が疼きまくってタケノコがダイレクトに…快感に正直に、上を向く。

「…ああ…ここが、気持ちいいんだね?」
優しく言われ、頷くと、また…。
ぐぃんっ!て突かれると、快感に腰が痺れる。

「あっ…イイ…」
「そうみたいだね。
“最悪テク無し、でくの坊”のお詫びに、うんと気持ち良くするから…」
そう言われて頬に口付けられる。

痺れそうな甘いキス…。
更にぐぃん!って突かれると…もう蕩けそう。

「ああん♡」
俺ってばもう、とろとろ…。
溶けるかも。

そして後数度。
突かれた・だけ。
で、俺ってば、あんまり気持ち良くって、解き放ってた。

ファントレイユ隊長は素晴らしい美貌で、にっこり微笑む。
「良かった?」
俺は、感激して叫ぶ。
「ありがとうございます!」

彫像集団は、固まったまま。

ファントレイユ隊長は、振り向いて怒鳴る。
「ちゃんと、お詫びしたまえ!
二度と、“テクナシの腐れ棒”は貴方に挿入しませんと!」

男達は…プライドが許さないんだろう…。
彫像のまま、動かない。

「いいから、行きたまえ!
私がようく、謝っておく!
ついでに近衛騎士の、テク無しぶりを広めないよう!
私が懇願しておく!
肝に銘じて、二度とその“腐れ棒”を、初めての相手に使ったりしないように!
多少ヘタクソでも許してくれる、経験豊富な娼婦のお姉さん限定に使いたまえ!」

「……………美麗な顔なのに…」
俺が呟く。
レイデンが頷き倒す。
「とうがらし千倍の、言葉のきつさだよね」
賢者が言った。
『一万倍じゃない?
あいつら当分、自信無くして勃起不全になるかも』

その後を見ると、男達はお通夜のように、木立の中へ消えて行った。

俺は、うっとりするような華やかな美貌の騎士に囁く。
「剣が…強くなりたくて…騎士達を見ていたら、こんな事になって…」
「ああ…。
剣術なら、あいつらももう少しは、マシかもしれないが…。
能なしテク無し体力馬鹿集団だし、配慮の欠片も無い。
剣を習いたいなら…私が教えようか?」
「ありがとうございます!」

「めでたし。だね」
レイデンに言われ、俺は頷く。
「最初、どうなるコトかと思ったけど…。
あんな、彼よりデカくて強そうな男達が揃って…項垂れて帰って行くなんて、思わなかった」

賢者もレイデンも、頷き倒してた。



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