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決着
現在の状況を確認するオーレとラステル
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銀の長い緩やかなウェーブ、ブルー・グレーの瞳の、美貌のオーレはやっと回復し始めたル・シャレファらが。
手持ちの光が尽きかけてるのを察し、光を送ってくれ始めてるのに、気づいた。
目を閉じ脳裏で見ると。
まだ全員ぐったりしてたけど。
白く細く、自分と繋がってる回路から、次々に僅かずつだけれど、光が伝い届く。
オーレは視界を一気に、部屋の周囲に向けた。
映像が浮かび始めると、脳裏でラステルを探す。
ラステルは廊下に居て、ノルデュラス公爵の説得にかかってた。
間もなく三人は室内に戻り、ノルデュラス公爵とロットバルトは元の椅子に座り。
再び酒をあおり始め、ラステルは向かいに腰掛ける。
オーレは脳裏に次々浮かぶ映像をそのまま流しながら、ラステルに言葉で告げる。
「オーデ・フォール軍が障害を排除し、続々こちらに向かい来てる。
既にミューレアン城へと、一群は到達。
彼らは次に援軍希望してるシャスレ城へ、雪崩れ込み始めてる…。
シャスレ城とミューレアン城を包囲していた敵が、包囲を解いて撤退し、続々こちらに詰めかけ始めてる。
総指揮官が消え、かなり…各々勝手に動いてるようだ。
彼らの目当ては当然、エルデリオン始め、王子達。
…敵はもはや軍として機能せず、小グループに別れ、バラバラに動き回ってる。
ある意味、脅威では無い。
が、厄介だ…」
言って、明るい栗毛で空色の瞳の、自分の言葉に表情も変えない、ラステルをじっ…と見た。
彼は頷いた後
「私の部下達から。
伝達事項を聞いて貰えると、ありがたいんですけど」
オーレは聞くなり、目を閉じる。
ラステルの回路を伝い、配下らに達する。
一人。
また一人と、気づいて振り向く。
“伝達事項は、あるか?”
彼らの脳裏にその言葉を響かせる。
すると各地に散らばってた配下らが、次々言葉を送る。
“北寄りの援軍が、妨害突破に成功!
一番近いシャスレ城へ向かい、敵の包囲を撃破しました!”
“中央付近の援軍も、障害突破!
ミューレアン城の包囲を、今現在解いています!
こちらが優勢!
道が空き次第、バルバロッサ王邸宅へ向かいます!!!”
“バルバロッサ王邸宅周囲は、まだ包囲されていません!
…が…距離を開け、取り巻き始めている!”
“東から続々と敵が集まって来ています!
出来れば…バルバロッサ王邸宅に到達する前に、阻止したい!”
ラステルは援軍がやって来る事を知り、頷く。
が、いかんせんこの邸宅の主は、バルバロッサ王。
しかも、不在。
ラステルはオーレに尋ねた。
「で、バルバロッサ王はここの状況を、知ってるのか?」
オーレは頷く。
「ザムル城を制圧され、逃げ出した敵は、こちらに向かうかも。
とは思ってる。
エウロペとラフォーレン、ゼイブンがこちらに向かってる。
王は…いざとなればザムル城からこちらに、進軍する腹づもり」
ラステルは呆けた。
「ここの指揮は、誰が?」
「副将軍、エルレド。
…眠りから覚めて、部下の采配にとっても忙しそうだから。
今は遠慮した方がいいみたい」
オーレの提言に、ラステルは頷いた。
間もなく、脳裏に褐色の肌。
真っ直ぐの黒髪にターバンを巻き、濃い青の瞳の、体格良い美丈夫で、凄く格好いいイケメンが、脳裏に浮かび上がる。
「…王の直属配下って…見た目も審査されてるのかな?」
ラステルは副将軍が、あんまり格好いいイケメンで。
つい、そう尋ねた。
オーレが脳裏でバルバロッサ王に尋ねたらしく、やっぱり忙しく地形図を見ながら作戦会議してる、真っ直ぐの金髪にターバン巻き、褐色の肌に印象的な、宝石のような青い瞳の美男王は、気づいて顔を上げ、脳裏で返答する。
“エルレドは凄くイイ男なのに、容姿を気にしない。
が、重臣の中の…顔が今一のヤツほど
『自分は凄くいい男』アピールが、激しい”
途端脳裏に、ひょうたんを思わせる顔の形。
ターバン巻いた黒い目の褐色の肌の、ひょうきんな男の顔が、浮かび上がった。
ラステルが言葉無く呆けていると。
“彼は俺の臣下の中で、一番イケメンと豪語してる”
と、バルバロッサ王は映像の主の、説明を補足した。
その後、付け足す。
“世間の評価は、彼に同意してないが”
ラステルはとうとう、ぷっ…と吹き出した。
バルバロッサ王は、ラステルを安心させるようにきっぱり言い渡す。
“そっちはエルレドに任せてある。
腕っ節が強い上、抜け目無い策士だから、安心しろ”
そのやり取りは、夢の中に居るエルデリオンとデルデロッテを除き、室内中の皆が見ていて。
グレイッシュのカールのかかったふんわりとした髪と、ブルーグレーの瞳の美麗なノルデュラス公爵は、気落ちしたように呻く。
「…エルデリオン、見てないよね?」
オーレが頷く。
茶の、肩までの短髪。
意志の強い、けれど温か味のある茶色の瞳のロットバルトは、不思議に思って尋ねた。
「エルデリオンとデルデロッテが夢の中で…シてるので、落ち込んでるのは分かるけど。
他の、どの辺で落ち込んでる?」
ノルデュラス公爵は顔を上げる。
「デルデロッテ程度なら、機会さえあれば私は勝てる。
が、エルレドだとかバルバロッサ王。
ディア…ヴォロス?
とかってアースルーリンドの左将軍みたいに、毛色の変わった珍しい、とびきりのイイ男相手だと…。
…流石の私も、自信が薄れる」
ロットバルトはもうアホらしくなって、慰めるのを放棄し、勝手に落ち込ませようと決意した。
回復し始め、跳ねた明るい栗毛、青い瞳のローフィスは寝台に横たわったまま、思った。
が、ラステルが先に思いを口にした。
「…彼らは全部味方で…。
今、イイ男比べしてる状況じゃ、無いんですけど…」
ローフィスは思わず頷いてしまい。
明るい真っ直ぐの栗毛、緑の瞳の整いきった美青年でル・シャレファのレンフは。
ソファにぐったり身を沈めたまま、脳裏で囁く。
“これだけイイ男がよりどりみどり。
俺ですら目移りするし、全部とシたいって思うから。
多分、エルデリオンもシてみたいと、思うと思うな”
言った後
“あ、バルバロッサ王とは、もうシてるか”
と呟き、ノルデュラス公爵の顔を、がっくり下げさせた。
手持ちの光が尽きかけてるのを察し、光を送ってくれ始めてるのに、気づいた。
目を閉じ脳裏で見ると。
まだ全員ぐったりしてたけど。
白く細く、自分と繋がってる回路から、次々に僅かずつだけれど、光が伝い届く。
オーレは視界を一気に、部屋の周囲に向けた。
映像が浮かび始めると、脳裏でラステルを探す。
ラステルは廊下に居て、ノルデュラス公爵の説得にかかってた。
間もなく三人は室内に戻り、ノルデュラス公爵とロットバルトは元の椅子に座り。
再び酒をあおり始め、ラステルは向かいに腰掛ける。
オーレは脳裏に次々浮かぶ映像をそのまま流しながら、ラステルに言葉で告げる。
「オーデ・フォール軍が障害を排除し、続々こちらに向かい来てる。
既にミューレアン城へと、一群は到達。
彼らは次に援軍希望してるシャスレ城へ、雪崩れ込み始めてる…。
シャスレ城とミューレアン城を包囲していた敵が、包囲を解いて撤退し、続々こちらに詰めかけ始めてる。
総指揮官が消え、かなり…各々勝手に動いてるようだ。
彼らの目当ては当然、エルデリオン始め、王子達。
…敵はもはや軍として機能せず、小グループに別れ、バラバラに動き回ってる。
ある意味、脅威では無い。
が、厄介だ…」
言って、明るい栗毛で空色の瞳の、自分の言葉に表情も変えない、ラステルをじっ…と見た。
彼は頷いた後
「私の部下達から。
伝達事項を聞いて貰えると、ありがたいんですけど」
オーレは聞くなり、目を閉じる。
ラステルの回路を伝い、配下らに達する。
一人。
また一人と、気づいて振り向く。
“伝達事項は、あるか?”
彼らの脳裏にその言葉を響かせる。
すると各地に散らばってた配下らが、次々言葉を送る。
“北寄りの援軍が、妨害突破に成功!
一番近いシャスレ城へ向かい、敵の包囲を撃破しました!”
“中央付近の援軍も、障害突破!
ミューレアン城の包囲を、今現在解いています!
こちらが優勢!
道が空き次第、バルバロッサ王邸宅へ向かいます!!!”
“バルバロッサ王邸宅周囲は、まだ包囲されていません!
…が…距離を開け、取り巻き始めている!”
“東から続々と敵が集まって来ています!
出来れば…バルバロッサ王邸宅に到達する前に、阻止したい!”
ラステルは援軍がやって来る事を知り、頷く。
が、いかんせんこの邸宅の主は、バルバロッサ王。
しかも、不在。
ラステルはオーレに尋ねた。
「で、バルバロッサ王はここの状況を、知ってるのか?」
オーレは頷く。
「ザムル城を制圧され、逃げ出した敵は、こちらに向かうかも。
とは思ってる。
エウロペとラフォーレン、ゼイブンがこちらに向かってる。
王は…いざとなればザムル城からこちらに、進軍する腹づもり」
ラステルは呆けた。
「ここの指揮は、誰が?」
「副将軍、エルレド。
…眠りから覚めて、部下の采配にとっても忙しそうだから。
今は遠慮した方がいいみたい」
オーレの提言に、ラステルは頷いた。
間もなく、脳裏に褐色の肌。
真っ直ぐの黒髪にターバンを巻き、濃い青の瞳の、体格良い美丈夫で、凄く格好いいイケメンが、脳裏に浮かび上がる。
「…王の直属配下って…見た目も審査されてるのかな?」
ラステルは副将軍が、あんまり格好いいイケメンで。
つい、そう尋ねた。
オーレが脳裏でバルバロッサ王に尋ねたらしく、やっぱり忙しく地形図を見ながら作戦会議してる、真っ直ぐの金髪にターバン巻き、褐色の肌に印象的な、宝石のような青い瞳の美男王は、気づいて顔を上げ、脳裏で返答する。
“エルレドは凄くイイ男なのに、容姿を気にしない。
が、重臣の中の…顔が今一のヤツほど
『自分は凄くいい男』アピールが、激しい”
途端脳裏に、ひょうたんを思わせる顔の形。
ターバン巻いた黒い目の褐色の肌の、ひょうきんな男の顔が、浮かび上がった。
ラステルが言葉無く呆けていると。
“彼は俺の臣下の中で、一番イケメンと豪語してる”
と、バルバロッサ王は映像の主の、説明を補足した。
その後、付け足す。
“世間の評価は、彼に同意してないが”
ラステルはとうとう、ぷっ…と吹き出した。
バルバロッサ王は、ラステルを安心させるようにきっぱり言い渡す。
“そっちはエルレドに任せてある。
腕っ節が強い上、抜け目無い策士だから、安心しろ”
そのやり取りは、夢の中に居るエルデリオンとデルデロッテを除き、室内中の皆が見ていて。
グレイッシュのカールのかかったふんわりとした髪と、ブルーグレーの瞳の美麗なノルデュラス公爵は、気落ちしたように呻く。
「…エルデリオン、見てないよね?」
オーレが頷く。
茶の、肩までの短髪。
意志の強い、けれど温か味のある茶色の瞳のロットバルトは、不思議に思って尋ねた。
「エルデリオンとデルデロッテが夢の中で…シてるので、落ち込んでるのは分かるけど。
他の、どの辺で落ち込んでる?」
ノルデュラス公爵は顔を上げる。
「デルデロッテ程度なら、機会さえあれば私は勝てる。
が、エルレドだとかバルバロッサ王。
ディア…ヴォロス?
とかってアースルーリンドの左将軍みたいに、毛色の変わった珍しい、とびきりのイイ男相手だと…。
…流石の私も、自信が薄れる」
ロットバルトはもうアホらしくなって、慰めるのを放棄し、勝手に落ち込ませようと決意した。
回復し始め、跳ねた明るい栗毛、青い瞳のローフィスは寝台に横たわったまま、思った。
が、ラステルが先に思いを口にした。
「…彼らは全部味方で…。
今、イイ男比べしてる状況じゃ、無いんですけど…」
ローフィスは思わず頷いてしまい。
明るい真っ直ぐの栗毛、緑の瞳の整いきった美青年でル・シャレファのレンフは。
ソファにぐったり身を沈めたまま、脳裏で囁く。
“これだけイイ男がよりどりみどり。
俺ですら目移りするし、全部とシたいって思うから。
多分、エルデリオンもシてみたいと、思うと思うな”
言った後
“あ、バルバロッサ王とは、もうシてるか”
と呟き、ノルデュラス公爵の顔を、がっくり下げさせた。
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