346 / 418
ゾーデドーロ(東の最果て)
頼りになるのか分からない助っ人
しおりを挟む
ついにローフィスが部屋に戻って来ると、服を脱ぎ始める。
ローフィスの腕を掴んでたロットバルトは、それを見て焦りきった。
エディエルゼはギュンターの腕を掴んでたけど、掴んでないもう片手で、ギュンターも衣服をはだけ始めるのを見て、目を見開く。
自分の手が勝手に動くのに焦りまくったギュンターは、ラウールを睨めつける。
「てめぇ!!!
妄想止めろ!!!」
ラウールはこの騒ぎに、棒立ちしてたけど。
目を見開いて、人差し指で自分を指す。
「…私の…せい?!」
けどギュンターが胸の衣服を引き、胸をはだけさせてる間に、デュバッセン大公がオーガスタスの股間目指して突進する。
あわやと言うところで、ロットバルトがデュバッセン大公の背の衣服を掴み止めた。
“助かった”
オーガスタスが心話で告げると、ロットバルトも心話で呻いた。
“人身御供で、見捨てたと言われちゃ…。
助けるしか無いでしょう?!”
けど口に出して呻く。
「…重い…」
ローフィスはとうとう上半身裸。
更にベルトに手をかけつつも、必死に抗おうと顔を歪めてる。
それを見たオーガスタスは、必死に呪縛から逃れようと、体を動かし始めた。
その時、一瞬ワーキュラスの光に包まれたように…暖かく感じた後、一気に体が動き始め、心話で叫ぶ。
“助かった!”
立ち上がると直ぐ、レジィの両腕を必死に引いてるエリューンの横に割り込み、力尽くでエウロペの腕を掴み、立たせた。
腕伝いにワーキュラスの光が流れたのか。
エウロペも指先を少しずつ、動かし始める。
ローフィスは必死に、ベルトを外すまいと自分の勝手に動く手と格闘していた。
が突然ミラーシェンを押し退け、ギュンターを振り向かせて抱きつく自分に焦る。
“…ギャァアアアアアァァァァ…”
ローフィスの悲鳴を聞いて、ギュンターが心話で怒鳴った。
“自分で抱きついといて、叫ぶな!!!”
けどギュンターの顔が、下がり始め…。
ローフィスは顔を上げて傾け、キスの体勢に入って…。
焦りきるローフィスが、怒鳴りつけた。
“オーガスタス!!!
何とかしてくれ!!!
俺は死んでもギュンターとキスするのは嫌だ!!!”
ローフィスの叫びを聞いて、ギュンターは呻く。
“キス程度で喚くかな…。
挿入されたら喚けよ”
けどオーガスタスは、エウロペが少し動き始めた頃。
またピタリ!とそこで、動かなくなって沈黙した。
デルデは必死に、エルデリオンに抱きつく公爵とエルデリオンの間に割って入る。
すると公爵は、デルデの両腕を掴んで顔を近づけた。
“退け!!!
お前とキスなんか、絶対しないぞ!!!”
公爵は心話でデルデに怒鳴る。
が、デルデは言葉で怒鳴り返した。
「エルデリオンにさせるぐらいなら!!!
私がされた方がマシだ!!!」
デルデと顔が、どんどん近づき、今度は公爵が
“ギィエエエェェェェェェェ!!!”
と心話で叫んだ。
オーガスタスが、ワーキュラスに怒鳴る。
“頼むからもっと光を送って呪縛を解いてくれ!!!”
けれどディアヴォロス左将軍の声が響き渡る。
“ワーキュラスは加減が苦手だ。
これ以上したら、君らは全員気絶する。
敵が迫ってるのに…いつ起きるか分からないようなショックを与える訳にはいかない!!!”
オーガスタスが、けど怒鳴りつける。
“こんな状態じゃ、敵が来ても戦えないぞ!!!”
その時、ディアヴォロスの、ほっとした声が届いた。
“助っ人が到着した。
直、シュアンの呪縛は解ける”
オーガスタスより先に、ローフィスが心話で叫んだ。
“ホントか?!”
全員、空中から突然現れる人外の魔法使いの到着を待って、周囲をキョロキョロ見回す中。
デルデは必死に、キスしようとする公爵の顔を両手を押し退け、阻止していた。
エリューンとテリュスは、立ち上がったエウロペの腰に抱きつこうとするレジィの腕を両側から引き、エルデリオンはデルデの背に抱きつく。
ロットバルトは、掴んだデュバッセン大公の背の衣服がどんどん伸び、大公の衣服がはだけていくのを見た。
大公はオーガスタスの元へ行こうと、背の衣服を引かれながらも、前進し続ける。
エディエルゼは今度はギュンターを背後から抱きついて引き、ミラーシェンとラウールはローフィスに抱きつくと、必死にキスを阻止しようと力を込めて踏ん張っていた。
バタン!!!
扉が開く音がし
「こっちです!!!」
と召使いに叫ばれ、部屋にスフォルツァとラフォーレンが現れる。
全員、目を見開いて二人を見た。
明るいウェーブのかかった、艶やかな背まである栗毛。
ヘイゼル瞳の粋な貴公子、の筈のスフォルツァと。
真っ直ぐのグレーがかった明るい栗色長髪、グレーの瞳の優しげなラフォーレン…は、くたびれきってやっと辿り着いたように扉に手をかけ、二人共が息切れしていた。
二人は間の腕を後ろに引いていて、一気に引き寄せ、真ん中に居たゼイブンを部屋に引き入れる。
次にローフィスの
“助っ人って、ゼイブン…?
最悪…”
と呻く声が不吉に皆の脳裏に響き渡る。
スフォルツァはそれでもきついヘイゼルの瞳を皆に向け、報告した。
「…近道を光に守護され敵と遭遇せず、一気に駆け抜けてきました!!!
後続の騎士らを置き去りにして!!!
ゼイブン、あんた状況、分かってるんだろう?!」
スフォルツァに怒鳴りつけられ、ゼイブンは項垂れて呻く。
「…折角…豪勢な城で、ご馳走と美女に囲まれて天国だったのに…」
チラ…と顔を上げ、室内で神聖神殿隊騎士か神聖騎士を期待してた皆に視線向け
「…綺麗どころも、居るには居るが…」
エディエルゼの、胸と股間を見、また顔を下げる。
「ペッタンコで、更に…男………」
エディエルゼは真っ赤になって、ゼイブンを睨み付けた。
「贅沢言ってるな!!!
さっさとシュアンをなんとかしろ!!!」
オーガスタスに怒鳴りつけられ、ゼイブンはものすごーーーく気乗りしない表情で、呪文を唱え始める。
心話で
“この為、だけに呼ばれたなんて…不毛すぎる…”
と文句垂れ、オーガスタスに
“この後、城に攻め込む敵と戦う、最高に楽しい大イベントも待ってるぞ!!!”
と怒鳴られ、もっと顔を下げ、叫んだ。
「アダルジェンサル!!!」
ピキ…ピキピキ…と…。
空間の何かが…剥がれるような、折れるような音と共に。
エウロペは自分の指が、少しずつ動き始めてほっとし、オーガスタスも足を持ち上げられるのを確認した。
公爵は
「助かった…」
とそれ以上デルデロッテに迫らなくなった自分に安堵し、ローフィスも顔を下げてため息を吐き、ギュンターは棒立ちになると
「…たかがキス程度で、あそこまで嫌がるか?」
と目前のローフィスにぼやいた。
デュバッセン大公だけが尚もオーガスタスに前進し、ロットバルトが泣きそうに成って叫ぶ。
「こっちは、解けてない!!!」
スフォルツァとラフォーレンは同時にロットバルトを見つめ。
やっぱり二人同時に、真ん中に居るゼイブンを見ると。
ゼイブンは呻いた。
「呪縛は解けてる。
それは彼の自由意思」
デュバッセン大公はピタリ!と動きを止め、ロットバルトは呆れて大公の背を見た。
「…つまり操られてる、フリをして、この期に及んでオーガスタス殿を襲おうと…」
しかし大公は、突然真っ直ぐ立つと、背を引かれて乱れた胸元をすまし顔で直し
「ラステル殿を、手伝わなくては」
と真顔を作って威厳を保ちながら、ラフォーレンの横をすましきって通り過ぎた後。
脱兎の如く、廊下を走り去った。
レジィは
「もう離して。
痛いから」
と呟き、エリューンとテリュスは、はっ!として、ほぼ同時に手を放す。
エルデリオンは抱きついてたデルデが、微笑を浮かべて振り向き
「そのままで構いませんから」
と言うのを聞くと、頬を赤らめた。
ローフィスは床に脱ぎ捨てた、上着とシャツを屈んで拾う。
「礼は?!」
とゼイブンに怒鳴られ、ジロリ…とゼイブンを見た。
「俺、どれだけお前、助けたっけ?
で、お前俺に、礼なんて言ったか?!
今まで一度も、聞いた覚えが無いぞ?!」
ゼイブンは頷くと
「どうして脱いでる?」
と聞く。
その時、一斉に心話が鳴り響いた。
“聞くな!!!”
“聞かないでくれ!!!”
“聞こうとするな!!!”
ゼイブンは室内の、自分を睨み付ける男達を見た後。
つかつか部屋へ入って来、どかっ!!!とソファに腰かけ
「ああ、疲れた」
とだれきった。
スフォルツァとラフォーレンは膝に手を付いてその場で背を屈め、ラフォーレンが呻く。
「疲れたの、こっちですよ…」
スフォルツァは歯を剥いて、ゼイブンを睨み付けて怒鳴った。
「ダダこねまくって、ちっとも腰を上げない!!!
悪餓鬼より始末、悪かったぞ!!!」
ローフィスはシャツを着ながら
「それが、ゼイブンだ」
と告げ、オーガスタスもが言った。
「…この城にとびきりの美女がいると言えば、ヨダレ垂らして飛んで来たのにな」
スフォルツァとラフォーレンは顔を見合わせる。
ラフォーレンが、スフォルツァに呻いた。
「私達の苦労って…なんだったんでしょう?」
スフォルツァは
「次回は、その手を使おう………。
…次が、無い事を祈るが」
とダレきって、呟いた。
ローフィスの腕を掴んでたロットバルトは、それを見て焦りきった。
エディエルゼはギュンターの腕を掴んでたけど、掴んでないもう片手で、ギュンターも衣服をはだけ始めるのを見て、目を見開く。
自分の手が勝手に動くのに焦りまくったギュンターは、ラウールを睨めつける。
「てめぇ!!!
妄想止めろ!!!」
ラウールはこの騒ぎに、棒立ちしてたけど。
目を見開いて、人差し指で自分を指す。
「…私の…せい?!」
けどギュンターが胸の衣服を引き、胸をはだけさせてる間に、デュバッセン大公がオーガスタスの股間目指して突進する。
あわやと言うところで、ロットバルトがデュバッセン大公の背の衣服を掴み止めた。
“助かった”
オーガスタスが心話で告げると、ロットバルトも心話で呻いた。
“人身御供で、見捨てたと言われちゃ…。
助けるしか無いでしょう?!”
けど口に出して呻く。
「…重い…」
ローフィスはとうとう上半身裸。
更にベルトに手をかけつつも、必死に抗おうと顔を歪めてる。
それを見たオーガスタスは、必死に呪縛から逃れようと、体を動かし始めた。
その時、一瞬ワーキュラスの光に包まれたように…暖かく感じた後、一気に体が動き始め、心話で叫ぶ。
“助かった!”
立ち上がると直ぐ、レジィの両腕を必死に引いてるエリューンの横に割り込み、力尽くでエウロペの腕を掴み、立たせた。
腕伝いにワーキュラスの光が流れたのか。
エウロペも指先を少しずつ、動かし始める。
ローフィスは必死に、ベルトを外すまいと自分の勝手に動く手と格闘していた。
が突然ミラーシェンを押し退け、ギュンターを振り向かせて抱きつく自分に焦る。
“…ギャァアアアアアァァァァ…”
ローフィスの悲鳴を聞いて、ギュンターが心話で怒鳴った。
“自分で抱きついといて、叫ぶな!!!”
けどギュンターの顔が、下がり始め…。
ローフィスは顔を上げて傾け、キスの体勢に入って…。
焦りきるローフィスが、怒鳴りつけた。
“オーガスタス!!!
何とかしてくれ!!!
俺は死んでもギュンターとキスするのは嫌だ!!!”
ローフィスの叫びを聞いて、ギュンターは呻く。
“キス程度で喚くかな…。
挿入されたら喚けよ”
けどオーガスタスは、エウロペが少し動き始めた頃。
またピタリ!とそこで、動かなくなって沈黙した。
デルデは必死に、エルデリオンに抱きつく公爵とエルデリオンの間に割って入る。
すると公爵は、デルデの両腕を掴んで顔を近づけた。
“退け!!!
お前とキスなんか、絶対しないぞ!!!”
公爵は心話でデルデに怒鳴る。
が、デルデは言葉で怒鳴り返した。
「エルデリオンにさせるぐらいなら!!!
私がされた方がマシだ!!!」
デルデと顔が、どんどん近づき、今度は公爵が
“ギィエエエェェェェェェェ!!!”
と心話で叫んだ。
オーガスタスが、ワーキュラスに怒鳴る。
“頼むからもっと光を送って呪縛を解いてくれ!!!”
けれどディアヴォロス左将軍の声が響き渡る。
“ワーキュラスは加減が苦手だ。
これ以上したら、君らは全員気絶する。
敵が迫ってるのに…いつ起きるか分からないようなショックを与える訳にはいかない!!!”
オーガスタスが、けど怒鳴りつける。
“こんな状態じゃ、敵が来ても戦えないぞ!!!”
その時、ディアヴォロスの、ほっとした声が届いた。
“助っ人が到着した。
直、シュアンの呪縛は解ける”
オーガスタスより先に、ローフィスが心話で叫んだ。
“ホントか?!”
全員、空中から突然現れる人外の魔法使いの到着を待って、周囲をキョロキョロ見回す中。
デルデは必死に、キスしようとする公爵の顔を両手を押し退け、阻止していた。
エリューンとテリュスは、立ち上がったエウロペの腰に抱きつこうとするレジィの腕を両側から引き、エルデリオンはデルデの背に抱きつく。
ロットバルトは、掴んだデュバッセン大公の背の衣服がどんどん伸び、大公の衣服がはだけていくのを見た。
大公はオーガスタスの元へ行こうと、背の衣服を引かれながらも、前進し続ける。
エディエルゼは今度はギュンターを背後から抱きついて引き、ミラーシェンとラウールはローフィスに抱きつくと、必死にキスを阻止しようと力を込めて踏ん張っていた。
バタン!!!
扉が開く音がし
「こっちです!!!」
と召使いに叫ばれ、部屋にスフォルツァとラフォーレンが現れる。
全員、目を見開いて二人を見た。
明るいウェーブのかかった、艶やかな背まである栗毛。
ヘイゼル瞳の粋な貴公子、の筈のスフォルツァと。
真っ直ぐのグレーがかった明るい栗色長髪、グレーの瞳の優しげなラフォーレン…は、くたびれきってやっと辿り着いたように扉に手をかけ、二人共が息切れしていた。
二人は間の腕を後ろに引いていて、一気に引き寄せ、真ん中に居たゼイブンを部屋に引き入れる。
次にローフィスの
“助っ人って、ゼイブン…?
最悪…”
と呻く声が不吉に皆の脳裏に響き渡る。
スフォルツァはそれでもきついヘイゼルの瞳を皆に向け、報告した。
「…近道を光に守護され敵と遭遇せず、一気に駆け抜けてきました!!!
後続の騎士らを置き去りにして!!!
ゼイブン、あんた状況、分かってるんだろう?!」
スフォルツァに怒鳴りつけられ、ゼイブンは項垂れて呻く。
「…折角…豪勢な城で、ご馳走と美女に囲まれて天国だったのに…」
チラ…と顔を上げ、室内で神聖神殿隊騎士か神聖騎士を期待してた皆に視線向け
「…綺麗どころも、居るには居るが…」
エディエルゼの、胸と股間を見、また顔を下げる。
「ペッタンコで、更に…男………」
エディエルゼは真っ赤になって、ゼイブンを睨み付けた。
「贅沢言ってるな!!!
さっさとシュアンをなんとかしろ!!!」
オーガスタスに怒鳴りつけられ、ゼイブンはものすごーーーく気乗りしない表情で、呪文を唱え始める。
心話で
“この為、だけに呼ばれたなんて…不毛すぎる…”
と文句垂れ、オーガスタスに
“この後、城に攻め込む敵と戦う、最高に楽しい大イベントも待ってるぞ!!!”
と怒鳴られ、もっと顔を下げ、叫んだ。
「アダルジェンサル!!!」
ピキ…ピキピキ…と…。
空間の何かが…剥がれるような、折れるような音と共に。
エウロペは自分の指が、少しずつ動き始めてほっとし、オーガスタスも足を持ち上げられるのを確認した。
公爵は
「助かった…」
とそれ以上デルデロッテに迫らなくなった自分に安堵し、ローフィスも顔を下げてため息を吐き、ギュンターは棒立ちになると
「…たかがキス程度で、あそこまで嫌がるか?」
と目前のローフィスにぼやいた。
デュバッセン大公だけが尚もオーガスタスに前進し、ロットバルトが泣きそうに成って叫ぶ。
「こっちは、解けてない!!!」
スフォルツァとラフォーレンは同時にロットバルトを見つめ。
やっぱり二人同時に、真ん中に居るゼイブンを見ると。
ゼイブンは呻いた。
「呪縛は解けてる。
それは彼の自由意思」
デュバッセン大公はピタリ!と動きを止め、ロットバルトは呆れて大公の背を見た。
「…つまり操られてる、フリをして、この期に及んでオーガスタス殿を襲おうと…」
しかし大公は、突然真っ直ぐ立つと、背を引かれて乱れた胸元をすまし顔で直し
「ラステル殿を、手伝わなくては」
と真顔を作って威厳を保ちながら、ラフォーレンの横をすましきって通り過ぎた後。
脱兎の如く、廊下を走り去った。
レジィは
「もう離して。
痛いから」
と呟き、エリューンとテリュスは、はっ!として、ほぼ同時に手を放す。
エルデリオンは抱きついてたデルデが、微笑を浮かべて振り向き
「そのままで構いませんから」
と言うのを聞くと、頬を赤らめた。
ローフィスは床に脱ぎ捨てた、上着とシャツを屈んで拾う。
「礼は?!」
とゼイブンに怒鳴られ、ジロリ…とゼイブンを見た。
「俺、どれだけお前、助けたっけ?
で、お前俺に、礼なんて言ったか?!
今まで一度も、聞いた覚えが無いぞ?!」
ゼイブンは頷くと
「どうして脱いでる?」
と聞く。
その時、一斉に心話が鳴り響いた。
“聞くな!!!”
“聞かないでくれ!!!”
“聞こうとするな!!!”
ゼイブンは室内の、自分を睨み付ける男達を見た後。
つかつか部屋へ入って来、どかっ!!!とソファに腰かけ
「ああ、疲れた」
とだれきった。
スフォルツァとラフォーレンは膝に手を付いてその場で背を屈め、ラフォーレンが呻く。
「疲れたの、こっちですよ…」
スフォルツァは歯を剥いて、ゼイブンを睨み付けて怒鳴った。
「ダダこねまくって、ちっとも腰を上げない!!!
悪餓鬼より始末、悪かったぞ!!!」
ローフィスはシャツを着ながら
「それが、ゼイブンだ」
と告げ、オーガスタスもが言った。
「…この城にとびきりの美女がいると言えば、ヨダレ垂らして飛んで来たのにな」
スフォルツァとラフォーレンは顔を見合わせる。
ラフォーレンが、スフォルツァに呻いた。
「私達の苦労って…なんだったんでしょう?」
スフォルツァは
「次回は、その手を使おう………。
…次が、無い事を祈るが」
とダレきって、呟いた。
0
お気に入りに追加
288
あなたにおすすめの小説






ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる