森と花の国の王子

あーす。

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ゾーデドーロ(東の最果て)

昔見知ったノルデュラス公爵

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 エルデリオンは口づけられてる唇の感触に、意識を取り戻す。
既に股間に大きな男の手が入り込み…一物を握られ、先端を幾度も親指の腹で擦られて、反応しかけていた。

はっ!
と気づき、腕を下ろそうとしたけど…右手も、左手までもが上で縛られてる。

寝台に横たわっていて、頭の下にふかふかの枕。
のしかかってる男は顔の角度を変え、深く唇を重ね、舌を滑り込ませようとしていた。

エルデリオンは歯を立てようとし…途端、一物の先端を強く擦られ、感じて仰け反り、舌の侵入を許してしまった。

舌は口の中を犯すようにくねるから…エルデリオンは何とか噛みついてやろうと歯を閉じる。
がまた…一物を愛撫され、エルデリオンはまた感じてしまい…。
口を開け、身をくねらせた。

男は顔を離し、少し身を起こすと。
手の中のエルデリオンの一物をしごきながら、端正な顔を傾ける。

その整いきった優美の顔を見た時。
エルデリオンははっきり思い出した。

14になったばかりの舞踏会…。
飲み物を手渡され、話しながら飲んでる内に、体が火照って…足元がぐらつき、彼に抱き止められた…。
カーテンの陰に連れ込まれ、抱きしめられて…口づけられ…。

体が火照りきっておかしくなっていて…手で衣服の上から股間をなぜられ、凄く…興奮して。
口づけられたまま股間をさすられ、つい…もっとして欲しくって、彼の手に股間を押しつけた。
けれどのしかかる彼の肩をぐい!と引く腕が見え、その肩の向こうに、デルデロッテの冴えた美貌が見えた。
「…処分は免れないぞ」

デルデのそんな声を聞いたのは、始めて。
酷く冷静なのに…怒りを含んだ迫力ある声色。

のしかかってた彼が、デルデに振り向く。

そう、思い出した!
ノルデュラス公爵!

デルデが宮廷一の色男と注目を集める、それ以前に宮廷一と呼ばれていた、とても美しい宮廷貴公子で…確かこの後、追放になったと聞いた…。

グレイッシュの栗色の長い縮れ毛。
綺麗な鼻筋。
切れ長のブルー・グレーの瞳の…整いきった優美な美貌の公爵は、エルデリオンの一物を手の中に握り込んで可愛がり続けながら、微笑を浮かべ口開く。

「…聞きましたよ。
やはりあの男は私と同じムジナ…。
貴方を欲しくて欲しくて、眠れぬ夜を過ごした男。
…つまりいずれ私が貴方を奪うと、そう懸念し、ラステルに報告し国王に知れ…。
そして今こんな辺境に、私はくすぶってる。
けれど…」

また喉が鳴る程気持ち良く一物をしごかれ…エルデリオンは快感にさらわれかけて、睫を震わせた。
「…シャルレ・ドゼルは確かにこの地では最大の権力者の息子で、私は彼の部下。
だが小物。
安心なさい。
あんな男に貴方は渡さない…。
辱め、惨めにさせる為だけに、貴方を体を嬲ろうだなんて、とんでもない事だ…」

「…っ!」
また、感じる先端を強く擦られ、エルデリオンは首を振って乱れた。

ノルデュラス公爵は眉を寄せ、目元は悲しげに。
口元には微笑を浮かべ、囁く。
「だが残念ながら…貴方の夫となる男。
私を追放の憂き目に遭わせたデルデロッテの元に、貴方を決して返さない!
決して!
貴方は私の物。
…可愛そうに…。
あんな…乱れた男に好き放題され、快感に溺れてあの男を受け入れさせられたんでしょう?
大丈夫。
私が全部、貴方の体からあの男の痕跡を、消し去ってあげます。
私、だけを受け入れる体に…治して差し上げる」

ノルデュラス公爵はそうつぶやくと一物を放し、ズボンを強引に引き下げる。
エルデリオンは一物を放され、残念に感じ、腰を揺すって俯く。
けれど股間に滑り込む公爵の手は…もっと奥へと差し込まれ、蕾を探り当てて触れる。
その指の感触に、エルデリオンは焦った。

「……っ!止めろ!」

制止虚しく指が挿入され、奥を探って滑り込む。
深く差し込まれ、いい場所に触れると。
エルデリオンは頬を真っ赤に染め、顔を背けた。

「…思ったとおり…汚れきってる。
多分貴方は…もうここ…を」
「ゃっ!」

感じる場所を指で抉られ、激しく身をのたうたせるエルデリオンを、ノルデュラス公爵は見つめながら囁く。
「…あの男に…うんと抉られたんですね?
大層な快感でした?」
言いながら、公爵は立て続けにエルデリオンの感じる場所を指で強く、擦り上げる。
「っ!…っぅっ!…ぅっ!」

エルデリオンは擦られる度、身がかっ!と火照り始め、一物が勃ち上がり始めて、身を揺すって暴れた。

けれど公爵は容赦無く抉り続けるので、一物はあっと言う間に勃ち上がり、エルデリオンは高まりきって射精感が押し寄せ、瞳を潤ませた。
デルデロッテに散々弄られたせいか、もう…後腔を抉られたダケで…。
全身が戦慄き、たまらなく感じて…更に乳首の先端が、チリ…と痛んで、刺激が欲しくって胸をよじる。

公爵はそんなエルデリオンの様子を見つめ、呆然として囁いた。
「…?
まさか…ここも、うんと可愛がられた?」

シャツの襟から胸元に手を滑り込ませ、敏感になりきった乳首を、親指と人差し指で摘まみあげられ…瞬間股間へと刺激が走り抜け、エルデリオンは激しく首を振って仰け反った。

「…ぅ…んっ!」

「…たいそうな反応だ…。
あの男…デルデロッテは私が追放された後、私の不在を良いことに、宮廷でしたい放題してたそうですね?
それだけでは飽き足らず、貴方をこんな体にして!」

敏感になりきった乳首に、顔が近づき、吐息がかかり…。
そして唇がまったりと纏い付き、そして…吸われる。
その生々しい感触に、エルデリオンはのたうった。
「ぃ…ゃあっ!」

公爵は顔を上げると、寝台の隅から伸びるロープに括り付けられた、エルデリオンの手首に視線を向ける。
「ああ…そんなに暴れるから。
手首が縄で擦れて、真っ赤だ。
可哀想に。
大丈夫。
貴方の体が私を覚え込んで…デルデロッテをすっかり忘れた頃に、外して差し上げますから…。
ああ…今、貴方を抱いてるだなんて、夢のようだ…。
私の愛しい小鳥。
もう貴方を離しません。
あの男になど、これ以上貴方を汚させはしない!」

エルデリオンはすっかり勃ち上がった股間が辛かったけど。
公爵がデルデロッテに敵対意識を持ってる事、だけは分かった。

デルデに向ける、激しい憎悪…。

なんとか…デルデをこれ以上、公爵の嫉妬の対象に据えたくなくて…。
デルデが…最初にエウロペに挿入を許した自分に、怒り狂ってたことを思い出し、囁いてみる。

「…ちが…う…」

公爵は顔をエルデリオンに近づけ、問う。
「?何が?」

「最初…に挿入した…のは…シュテフザイン森と花の王国のエウ…ロペ…。
彼の…はとても…大きくて………。
一度で私は何度もイかされ…最後には気絶した」

エルデリオンは公爵が、真っ青な顔色で身を起こし、怒りにわなわな、震えるのを見た。
「どんな男です!
貴方から身を差し出した?
そんな事、起こりえるはずが無い!
では貴方を捕らえ…犯した?!
エウロペと言う男に、犯されたのですか?!」

エルデリオンは腕を縛って犯してる男が、どうしてそれほど怒るのか。
理解しかねた。
自分は犯しても良くて、人がすれば悪?

それでエルデリオンは否定した。
エウロペは彼とは違い、犯してなどいないのだと。

「困ってる彼に…私が迫った。
犯して欲しくて」

公爵は、衝撃を受けたように顔を揺らす。
「でもデルデロッテでしょう!
貴方の夫は!」

「…エウロペに私が振られたから。
彼は慰めてくれた」

その時、寝台に横たわる自分との間に幻のエウロペがいるかの如く、公爵は身を離す。
「…誰と…言いました?
エウ…ロペ?!
貴方は…その男に惚れてた?!
ありえない!
貴方が望んだのは、レジィリアンスでしょう?!
たいそう可憐な、金髪の美少年だと聞いた」

エルデリオンは刺激が止んで少し股間が落ち着き、冷静さを取り戻し始め…。
…けれど一体、どう説明すればいいのか。
まるで分からず、顔を背けて呟く。

「…でも。
最初に私の蕾を犯したのは、エウロペだ…。
デルデロッテじゃない」

公爵は目を見開いたまま、暫く硬直し。
次にさっ!と寝台を出ると、靴音を鳴らし、扉に駆け寄る。

その時ようやくエルデリオンは、その室内をゆっくり見回した。
緑の布地に金の刺繍入りカーテンの垂れ下がる、天蓋付きの寝台。
銀の燭台。
マホガニーの暖炉…。
深紅の絨毯。

とても優美で豪華な室内。

公爵は部下を呼び寄せると、叫んだ。
シュテフザイン森と花の王国のエウロペと言う男がどんな男か!
今直ぐ探れ!!!」

遠ざかる靴音。
バタン!
と怒りのまま、乱暴に閉じられる扉。

かっかっかっ!

公爵は戻ってくると…いつかのデルデロッテと、同じ表情をした。
自分の、大切な物を横取りされ…激しい憤怒ふんどと強烈な悔しさ…そんな表情。

「そんな男…私が忘れさせてみせる!」

さっ!と天蓋の天井の布が退き、天井一面を覆う大鏡が伺えた。

鏡の中に、寝台に横たわり拘束される自分の姿が映り込み、エルデリオンは思わず顔を背けた。
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