森と花の国の王子

あーす。

文字の大きさ
上 下
230 / 418
エルデリオンの辛い毎日

困窮するエウロペの救い手

しおりを挟む
 正直言って、エウロペの方が。
実は進退窮まってた。

それでも息を吐き、そっ…と動いて引く。
意を決し、裂けないよう少し進むのが精一杯。

「あっ!!!…っぅうっ!!!」

とうとうエルデリオンが、激しい声を上げて身をのたうたせた。
一気に勃ち上がったエルデリオンの一物は、再び放って萎えている。

エウロペも方も…裂けず出し入れするのは、到底無理だと悟る。

なにより自身の一物が。
これ以上埋め込ませていると、激しい痛みに襲われそうになり…。
とうとうゆっくり…裂けないよう引き抜くので精一杯。

抜く時、一瞬押し…そしてそろそろと引き抜いて行った。

が、僅か押しただけで。
エルデリオンは再び一気に股間を反り返らせる。

「…っくっ!!!」

首振ってその刺激に耐えてる。

エウロペが、裂けないよう細心の注意を払い、ゆっくり引き抜いて行く課程で。
エルデリオンの一物は数度、ピン!と上向いては下がり、上向いては下がって…。

すっかり引き抜いた時。
再び放って萎えていく。

引き抜ききった後。
肩で息をしたのはエウロペの方。

エルデリオンは放心状態で、手足の先から、全身から。
緊張が解けたように、力を抜ききっているから。
目を開けて気絶してないか?
とエウロペはエルデリオンを伺う。

エルデリオンは顔を近づけてくるエウロペに振り向く。
凄まじい苦行に、ヘイゼルの瞳を潤ませながら、なおもせがむ。

「…どう…か…。
私をめちゃめちゃに…あの…方がされたように………」

そしてとうとう、瞳から涙を頬に伝わせる。

結局、降参したのはエウロペの方。

「…昼食がまだだ。
食事を取った後、また来るから。
今は貴方も少し体を休め、食事を取るべきだ」

言った後、わざと意地悪な物言いをした。

「…ちゃんと食べてくれないと…反応が悪くて楽しめない」

エルデリオンは嗜虐を与えるには、相応ふさわしくないと言われ、顔を小刻みに震わせ、瞳をうるませて唇を噛む。

「…ちゃんと食事を取って…。
貴方に楽しんで頂けるよう…務めます」

エウロペは頷く。
「食事を取ったら、また来る」

それだけ言うと、素っ気無く手足の枷を外し、さっさとその場を立ち上がる。

戸口で振り向くと、言い捨てた。

「食後、蕾に薬草を挿入れて休んでおきなさい」

解放されたエルデリオンは寝台に横たわったまま。
微かに、頷いた。

今度、だかだかと足早にエルデリオンの部屋を出、廊下を進んでラステルの部屋の扉を叩いたのは、エウロペの方。

が、扉を開けたのは別人。
「すみません。
ラステル殿はもう出られました。
大物の名が上がり…その、捕り物の指揮に…」

エウロペは頷くと、廊下を進み、王子居室の一角を出、王宮内の豪華な正面階段を降りて行った。


トラーテルに戻ると、中はすっかり静か。
居間のテーブルに、デルデロッテとテリュスがガウン羽織り、向かい合って腰掛け、果実酒をあおってた。

テリュスが振り向く。
「…エウロペ、あんたの分、ちゃんと残し……どした?」

デルデロッテも、苦渋のエウロペの表情に気づく。
が、顔を上げたエウロペは、いつもの信頼感溢れる男に戻る。

「エリューンとレジィは?」
「主寝室で、ぶっ倒れて寝てる…。
まさか大公が…王が負傷してるのいい事に、とうとう反乱起こした…とか?」

テリュスに問われ、エウロペはラステルからの報告を思い浮かべる。
「いや。
幸い、この国から幾度も、大量の物資を送られ。
最初は王子を奪った賄賂だ。
と受け取らなかった者まで、今は花嫁としてでは無く、王妃の客人待遇だと知れ渡り…。
喜んで受け取ってる。
この国でしか取れない食材から、この国が他国から輸入してる珍しい果物まで、皆気に入って。
わざわざ買う者まで現れ、国民は王子が女扱いされる陵辱を、され続けていないと知って、ほっと胸をなで下ろしてる」

テリュスは笑顔を見せた。
後、呆け
「じゃなんで。
悩んでる?」

エウロペは苦笑した。
その後、デルデロッテをチラ…と見る。
ラステルの
“困ったら、デルデに相談を”
と言う助言を思い出して。

間もなく、ロットバルトが玄関開けて姿を見せる。
「今朝あんな風だったので、気になって」

エウロペは背後に振り向く。
が、どうしても気になって、デルデロッテに視線を戻した。

「私にお話があるご様子。
どこで話します?」
察しのいいデルデにそう申し出られ、エウロペは頷くと、廊下の先、空いてる南側の部屋に首振る。

立ち上がるデルデロッテと入れ替わりに、ロットバルトが椅子に座り、テリュスに尋ねる。
「…どうです?
その後…。
実は王妃様に、どんなご様子かお聞きするまで、顔を出してはいけませんと言い渡されて。
その…今朝の様子では…報告すると心配される」

テリュスは笑顔で請け負った。
「さっき池で、水かけっこをレジィと…エリューンとデルデロッテも一緒に、一戦交えたところです。
私はエリューンの助っ人で……」

エウロペはその声を聞きながら、元のテリュスの部屋。
一番南の空き部屋の扉を開け、デルデロッテを通す。

中の、炊かれてない暖炉の前の椅子に腰掛けると、デルデロッテは向かいに腰掛けた。

「…で?」

聞かれるが、デルデロッテが持って来た、ハムやチーズ、野菜が挟まったバンズの入った籠を手渡され、エウロペは返答せず、目を見開く。

デルデは笑顔で“取れ“と言うように差し出して言った。
「まだでしょう?
昼食」
「我が国では昼はほとんど取らないので。
耐えられるが…」

デルデは笑顔を消して
「では…」
と素っ気無く籠を下げるので。
下げる隙に、エウロペは素早く一個取って、口に運んだ。

デルデは再び笑顔を浮かべ、サイドテーブルに乗った瓶のコルクを歯で開け、グラスを取って注ぐと、エウロペに差し出し、自分のグラスにも注いだ。

エウロペがバンズを食べ終わった頃。
「…まさか貴方が情事の相談?
レジィ殿でしたら…一番嫌な記憶を塗り替えましたので」
と、デルデロッテは笑顔で報告する。

エウロペは果実酒のグラスを口に運びながら、尋ねた。
「どんな?」
「口は男の一物で塞がれ、背後から挿入されたって言う…。
叫び、取り乱す程の、例の記憶ですよ」

エウロペが目を見開くので、デルデは説明を続けた。
「口でエリューンのを。
背後からは私が挿入した」

エウロペはびっくりした。
「…エリューンのは…口に挿入れたのか?」

デルデは頷く。
「私みたいな大きめのは、まだ怖がってるけど。
慣れ親しんだエリューンのは、大事で怖くも汚くも無いそうだ」

エウロペは感心して、濃い栗毛で濃紺の瞳の、美丈夫を見つめた。

「で?
そっちは?」

いつもの…少し、からかうような悪戯っぽい表情で、デルデロッテに尋ねられ…。
エウロペは、重い口を開いた。


説明し始めると、余裕だったデルデロッテの表情は、どんどんキツくなる。

とうとう、エウロペは聞いた。
「私に…怒ってる?」
「怒ってるが、貴方にでは無い。
それで?」

続きを促され、エウロペは今日の昼の話をした。

「…それで…実際、私の方が…いや彼も大変だったとは思う。
が、とても挿入れておけなくて…」

デルデは真顔だったけど。
とうとう、ぷっ!と吹き出す。

その後、くすくすくす…と肩揺らして笑い始めるので、エウロペは憮然とした。
「おかしいか?」
「貴方の持ちモノが、おっきいとはレジィから聞いたが…。
まさかそんな…!
いやだって!
エルデリオンは自分を、酷い目に遭わせてと頼んでるのに!
酷い目に遭ってるの、貴方の方じゃありませんか!」

そしてとうとう、くくくくくっ!と頭を下げて笑い続ける。

「勝手に笑ってろ!」

エウロペにふてたように言い捨てられ、デルデはもっと、笑い転げた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

王太子が護衛に組み敷かれるのは日常

ミクリ21 (新)
BL
王太子が護衛に抱かれる話。

王と宰相は妻達黙認の秘密の関係

ミクリ21 (新)
BL
王と宰相は、妻も子もいるけど秘密の関係。 でも妻達は黙認している。 だって妻達は………。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...