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記憶を無くしたレジィリアンス
エウロペの調教 1
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エルデリオンの手首を握り、引いて囁く。
「君のした事をし返すのなら。
馬車でレジィは正装。
貴方にも、着替えて頂かないと」
エルデリオンは囁かれて頷く。
「…ええ。
そう致します」
エウロペが手首を放すと、エルデリオンは棚の奥。
質素な衣装箪笥の前へと、歩み寄る。
開き戸を開けると、中には侯爵がレジィに着せた、透けて恥ずかしい部分が見えてしまう衣装が幾つかあったし、革紐だけの衣装まで。
その中から、クリーム色の美しい上着とドレスシャツを、エルデリオンは引き出す。
「…ブーツはいい」
エウロペの言葉に頷き、エルデリオンは着替え始めた。
まだ大人になりきってない、線の細い体付き。
だが引き締まっていて、余分な肉はどこにも付いてない。
しなるような動作。
腰も尻もスレンダーながら引き締まり、色白な彼の裸体はすんなりして、彫刻のように美しかった。
どちらかと言えば剣士、騎士と言った体付きで。
彼が引き締まりきった体を得るため、どれだけ剣を振って鍛錬したのか。
それが伺えるような肉体に思えた。
隙無く俊敏。
その肉体が、少しずつ華美な刺繍の施された、光沢あるクリーム色の美しい衣装で隠されて行く。
手首のボタンを止めようと躊躇い、エウロペに振り向く。
エウロペは頷き、言った。
「そのままでいい」
エルデリオンは頷くと、エウロペの前にやって来る。
エウロペはエルデリオンの下がった手首を握ると、ソファに誘った。
横に腰掛けさせ、エルデリオンを見つめ、囁く。
「…最初は?
レジィに口づけた?」
エルデリオンは初めてレジィリアンスを隣に迎え、心が弾み、抑えきれない興奮に包まれた、その日のことを思い浮かべた。
こっくり頷くと、エウロペはエルデリオンの肩を抱き寄せ、振り向かせる。
エルデリオンはずっと心のどこかで恐れていた、エウロペの顔を。
こんなに間近で見た事が無かったと、その時突然気づく。
エウロペが顔を寄せて来る。
けれど…自分の時と違い、エウロペは自分に恋してない…!
ぞく!と身が総毛立ち、無意識に身が引ける。
が、エウロペの手が後頭部に当てられ、強引に口づけられた。
「ぅ…んっ!」
熱い唇…。
秘やかで野性的…。
密着する体はとても逞しくて…。
エルデリオンはその時やっぱり初めて。
大人の男に口づけられたと、気づく。
「…ん…んっ!」
思わず、声が漏れる。
どうしても…体が逃げようとしてしまう…!
エウロペの、引き締まった頬や頑健な顎の感触。
舌が滑り込んで来る…!
秘やかで強引。
舌を絡められると、その熱さに身がぞくり…!と身震った。
ざっっっ!
手首を掴まれ、ソファに押し倒され…上からのし掛かかられて口づけられると。
エルデリオンは背がソファに。
上から密着するエウロペの逞しい体に。
挟まれて逃げ場が無い事に本能的な恐怖を覚え、もがき始めた。
「んんっ…んっ!」
ぞくりとする男らしさで、エウロペは本気で、抱きにかかってる…!
のし掛かられて抱きすくめられると。
密着するエウロペの、大人の逞しい肉体を思い知らされ、身の戦慄きが止まらない…!
けれどエルデリオンはその時、分かった。
“きっとレジィリアンス殿もこんな…。
こんな風に、怖かったのだ…”
エウロペの手が、さっき着たばかりのドレスシャツの、胸元に入り込むと。
引き千切られ、一気に剥ぎ取られる。
ざっっっ!
中途に肌がさられ、胸が露出する。
途端エウロペは耳元で囁く。
ぞくりとする、威嚇するような低音で。
「…乳首は…?」
エルデリオンは涙目で、頷く。
「…ええ…!
ええ…愛撫致しました…」
途端、エウロペの顔が胸元に降りて行く。
その時エルデリオンは、無意識にのしかかるエウロペの下から逃れようと、床に僅かに付いた足に、重心かけようとした。
けれどエウロペの足が絡み、掬い上げ…。
ソファの上で、エウロペの足に押さえ付けられる。
エルデリオンはエウロペの身の下で、乱暴に手首を掴まれ、無理矢理胸に顔を埋められ、唇を乳首に当てられ、途端きつく吸い上げられて、身悶えた。
「ああっ!」
どうしても理解出来ない…!
確かに…された事は無い。
けど…抱いた女性の中で、乳首への愛撫が殆ど初めての女性が相手だった時。
彼女は幾ら乳首に触れても
最初“何も感じないわ…”と言い、次に“くすぐったい…!”
と、笑った。
どうして…初めての自分が、こんなに感じるのか…。
訳が、分からなかった。
「ああ…あっ!」
また歯で挟み込まれ、きつく吸い上げられた時。
乳首から一物の先端にまで、激しい刺激が駆け抜け、エルデリオンは身を激しく揺すっていた。
“どうして…?!”
エルデリオンは混乱していた。
だって、格闘技だって経験がある。
幾ら手首を掴まれ、足を絡められて動かせなくとも。
せめてエウロペの下からは、抜け出れるはず…!
なのに身を捩ってもエウロペはビクともせず、抑え込まれ、されるがまま愛撫を施されてる…!
エウロペは顔を上げると、エルデリオンの耳元で囁く。
「レジィの感じた感覚を…味わって頂く。
君がどう考えようが、レジィにとっては強姦…!
それが嫌なら…今直ぐ言いなさい。
“お終いにして下さい”
と。
最後のチャンスだ。
今言わなければ、この後どれだけ“止めて”と叫ぼうが…。
レジィがされたように、私は聞かず貴方を犯す…!」
エルデリオンは唇を噛んだ。
体は戦慄き続け、拒絶してるのに…!
けれど心は…。
“レジィリアンスの気持ちを知るべきだ。
それがお前の贖罪だ!”
そう、叫んでる…。
そしてエルデリオンは、心に従った。
「…私がどれほど叫んでも…貴方はすべきことをなさって下さい…」
エウロペの、短いため息が聞こえた気がした。
けれどエウロペは再び耳元で囁く。
「男の印と…蕾も、舐めた?」
エルデリオンはその時を思い出しかけ…はっ!と我に返る。
それをこれから、自分が。
エウロペにされる…!
「…ええ…。
レジィ殿をその気にさせ…そして自分が挿入出来るように…」
そう告げるエルデリオンの声は、泣き声のように震えていた。
「君のした事をし返すのなら。
馬車でレジィは正装。
貴方にも、着替えて頂かないと」
エルデリオンは囁かれて頷く。
「…ええ。
そう致します」
エウロペが手首を放すと、エルデリオンは棚の奥。
質素な衣装箪笥の前へと、歩み寄る。
開き戸を開けると、中には侯爵がレジィに着せた、透けて恥ずかしい部分が見えてしまう衣装が幾つかあったし、革紐だけの衣装まで。
その中から、クリーム色の美しい上着とドレスシャツを、エルデリオンは引き出す。
「…ブーツはいい」
エウロペの言葉に頷き、エルデリオンは着替え始めた。
まだ大人になりきってない、線の細い体付き。
だが引き締まっていて、余分な肉はどこにも付いてない。
しなるような動作。
腰も尻もスレンダーながら引き締まり、色白な彼の裸体はすんなりして、彫刻のように美しかった。
どちらかと言えば剣士、騎士と言った体付きで。
彼が引き締まりきった体を得るため、どれだけ剣を振って鍛錬したのか。
それが伺えるような肉体に思えた。
隙無く俊敏。
その肉体が、少しずつ華美な刺繍の施された、光沢あるクリーム色の美しい衣装で隠されて行く。
手首のボタンを止めようと躊躇い、エウロペに振り向く。
エウロペは頷き、言った。
「そのままでいい」
エルデリオンは頷くと、エウロペの前にやって来る。
エウロペはエルデリオンの下がった手首を握ると、ソファに誘った。
横に腰掛けさせ、エルデリオンを見つめ、囁く。
「…最初は?
レジィに口づけた?」
エルデリオンは初めてレジィリアンスを隣に迎え、心が弾み、抑えきれない興奮に包まれた、その日のことを思い浮かべた。
こっくり頷くと、エウロペはエルデリオンの肩を抱き寄せ、振り向かせる。
エルデリオンはずっと心のどこかで恐れていた、エウロペの顔を。
こんなに間近で見た事が無かったと、その時突然気づく。
エウロペが顔を寄せて来る。
けれど…自分の時と違い、エウロペは自分に恋してない…!
ぞく!と身が総毛立ち、無意識に身が引ける。
が、エウロペの手が後頭部に当てられ、強引に口づけられた。
「ぅ…んっ!」
熱い唇…。
秘やかで野性的…。
密着する体はとても逞しくて…。
エルデリオンはその時やっぱり初めて。
大人の男に口づけられたと、気づく。
「…ん…んっ!」
思わず、声が漏れる。
どうしても…体が逃げようとしてしまう…!
エウロペの、引き締まった頬や頑健な顎の感触。
舌が滑り込んで来る…!
秘やかで強引。
舌を絡められると、その熱さに身がぞくり…!と身震った。
ざっっっ!
手首を掴まれ、ソファに押し倒され…上からのし掛かかられて口づけられると。
エルデリオンは背がソファに。
上から密着するエウロペの逞しい体に。
挟まれて逃げ場が無い事に本能的な恐怖を覚え、もがき始めた。
「んんっ…んっ!」
ぞくりとする男らしさで、エウロペは本気で、抱きにかかってる…!
のし掛かられて抱きすくめられると。
密着するエウロペの、大人の逞しい肉体を思い知らされ、身の戦慄きが止まらない…!
けれどエルデリオンはその時、分かった。
“きっとレジィリアンス殿もこんな…。
こんな風に、怖かったのだ…”
エウロペの手が、さっき着たばかりのドレスシャツの、胸元に入り込むと。
引き千切られ、一気に剥ぎ取られる。
ざっっっ!
中途に肌がさられ、胸が露出する。
途端エウロペは耳元で囁く。
ぞくりとする、威嚇するような低音で。
「…乳首は…?」
エルデリオンは涙目で、頷く。
「…ええ…!
ええ…愛撫致しました…」
途端、エウロペの顔が胸元に降りて行く。
その時エルデリオンは、無意識にのしかかるエウロペの下から逃れようと、床に僅かに付いた足に、重心かけようとした。
けれどエウロペの足が絡み、掬い上げ…。
ソファの上で、エウロペの足に押さえ付けられる。
エルデリオンはエウロペの身の下で、乱暴に手首を掴まれ、無理矢理胸に顔を埋められ、唇を乳首に当てられ、途端きつく吸い上げられて、身悶えた。
「ああっ!」
どうしても理解出来ない…!
確かに…された事は無い。
けど…抱いた女性の中で、乳首への愛撫が殆ど初めての女性が相手だった時。
彼女は幾ら乳首に触れても
最初“何も感じないわ…”と言い、次に“くすぐったい…!”
と、笑った。
どうして…初めての自分が、こんなに感じるのか…。
訳が、分からなかった。
「ああ…あっ!」
また歯で挟み込まれ、きつく吸い上げられた時。
乳首から一物の先端にまで、激しい刺激が駆け抜け、エルデリオンは身を激しく揺すっていた。
“どうして…?!”
エルデリオンは混乱していた。
だって、格闘技だって経験がある。
幾ら手首を掴まれ、足を絡められて動かせなくとも。
せめてエウロペの下からは、抜け出れるはず…!
なのに身を捩ってもエウロペはビクともせず、抑え込まれ、されるがまま愛撫を施されてる…!
エウロペは顔を上げると、エルデリオンの耳元で囁く。
「レジィの感じた感覚を…味わって頂く。
君がどう考えようが、レジィにとっては強姦…!
それが嫌なら…今直ぐ言いなさい。
“お終いにして下さい”
と。
最後のチャンスだ。
今言わなければ、この後どれだけ“止めて”と叫ぼうが…。
レジィがされたように、私は聞かず貴方を犯す…!」
エルデリオンは唇を噛んだ。
体は戦慄き続け、拒絶してるのに…!
けれど心は…。
“レジィリアンスの気持ちを知るべきだ。
それがお前の贖罪だ!”
そう、叫んでる…。
そしてエルデリオンは、心に従った。
「…私がどれほど叫んでも…貴方はすべきことをなさって下さい…」
エウロペの、短いため息が聞こえた気がした。
けれどエウロペは再び耳元で囁く。
「男の印と…蕾も、舐めた?」
エルデリオンはその時を思い出しかけ…はっ!と我に返る。
それをこれから、自分が。
エウロペにされる…!
「…ええ…。
レジィ殿をその気にさせ…そして自分が挿入出来るように…」
そう告げるエルデリオンの声は、泣き声のように震えていた。
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