森と花の国の王子

あーす。

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記憶を無くしたレジィリアンス

コルテラフォール侯爵の休暇 2

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 レジィは体が総毛立ち、何か…とても嫌な何かを思い出しかけ、ぽろぽろと涙をこぼす。
コルテラフォール侯爵は気づくと、頭を押さえていた手を放し、顔を覗き込んだ。

ため息を吐くと、レジィの脇に手を入れて抱き起こし、泣いてるレジィに囁く。
「…そんなに…嫌だった?」

レジィは、こくん。
と頷く。

「…でも、記憶が無いんだろう?」

尋ねられても、レジィはどう言えばいいか分からず、頬に涙を伝わせて泣き続ける。

「…おいで」

コルテラフォール侯爵に肩を抱かれ、一緒に寝台のクッションに背を沈ませる。

「…口に入れた事、ナイの?」

レジィはしゃくりながら答えた。
「ヒック…ヒッ…ク…わかん…ない…」

侯爵は困惑して、尋ねた。
「…でも、凄く嫌だった?」
レジィは頷く。
「…僕…どうして覚えてないの?」

コルテラフォール侯爵は、暫く言い淀んだ。
「私の経験から言うと…思い出したくない事があると。
一時的に、覚えてなくなるらしい」

レジィは肩を抱く、侯爵を見上げた。
温もりは温かく、少し優しい感じもした。

顔を傾け見つめられると。
男らしい甘いマスクで、ちょっとどきっ!って、した。

コルテラフォール侯爵は、子供みたいに悪戯っぽく尋ねる。
「ちょっと…試して、いい?
嫌なら…私を押して良いから」
「?」

レジィが見つめていると…侯爵の、整った顔が近づいて来て…顔が傾き、気づいたら…キス、されていた。

柔らかい、唇の感触…。

「…ん…っ…」

だんだん…のしかかられて、クッションに背を、押しつけられた。

唇を少し離し、侯爵が尋ねる。
「これは…嫌じゃないんだ」

レジィは頷こうとし、けれどまた唇を押しつけられ、黙った。
ゆっくり…唇を割って、舌が入り込んで来る。
性急で無く、ゆっくり…口の中でくねる。

それもさ程…嫌じゃ無かった。

レジィはさっきの…顔を股間に押しつけられそうになった時の。
飛び上がる程の恐怖は、何だったのか…。

そう、自問した。

けれど突然胸に手が這い、乳首を抓り上げられる。

「んんっ…!」

のしかかるコルテラフォール侯爵の、身の下でくねる。

唇が離れたかと思うと、また顔を胸に倒され…。
乳首に吐息がかかった時。
もうナニされるか分かって、レジィは身もがいた。
「ダメっ…っあ!」

舌で敏感な先端をざらりと舐められると、男の印の先端が濡れて来る。

侯爵の手が、今度は股間に滑り、勃ち上がり始める、男の印に触れる。

手で確かめると、顔を上げてレジィを見つめた。
「君を仕込んだ男は…乳首を可愛がると、感じるようにしたんだな?」

問われてると、分かってたけど…。
男の印を大きな手で握り込まれ、先端を親指の腹でこすられると。
気持ち良くなってたまらなくて、喉が鳴る。

くすっ。
と、コルテラフォール侯爵は笑った。
「ここ…触られるの、好きなんだ」

言われても…レジィはそうなのか。
記憶がおぼろだったから、返事出来なかった。

コルテラフォール侯爵の顔が、首筋に倒れ込み…口づけながらまた、胸に降りて行く。
手でずっと、男の印を甘やかすように握りながら。

「あ…っ…あんっ!」

また、今度は反対側の乳首を吸われ、レジィは甘やかに仰け反る。

身の下の金髪の美少年は、腰を揺するようにいざらせるから。
コルテラフォール侯爵はつい、レジィの腿を持ち上げ、足を開かせ。
自分の…勃って来た股間を押しつける。

かっ!と、抱いてるレジィの体が火照る。
自分の欲情にも火が付いたように感じ、侯爵は腰を数度、双丘の間に擦りつけ、一気に勃たせると。
さっき指で探った、蕾に先端をめり込ませた。

もう…拒絶されるかと思ったけど。
レジィは両腕を首に、巻き付けて来るから…。

侯爵はそのまま奥へと、猛った自身を滑り込ませた。

「あっ…!」

甘やかな呻き声。

ついゆっくり、入り口近くを数度擦り上げ、その奥まで一気に刺し貫いた。

「ああ…っん!」

いっそうしがみついて、腕の中でくねる。

侯爵は煽られ切って、思い切り腰を引き、突き上げ始めた。

「あ…あっ!ああっ!
あ…んっ……!」

抱きすくめられて貫かれてると…レジィは誰かの顔を、思い出す。

さらりとした、明るい栗毛。
時折りこちらに視線を向ける、けぶるようなヘイゼルの瞳…。

とても…色白で、優しい感じがするのに…けど、こんな時はとても情熱的で………。

ふ…と、侯爵を見る。

“…違う…。
この人じゃない。
………誰?”

けど。
侯爵が、激しく抉り始めるから。
レジィはきつく彼の首に抱きついて、身をくねらせまくった。

男の印が興奮を示し、辛いほど。
なのに…何かに押しとどめられて、イけない…。

根元に付けられた、太い金のリングが思い浮かび、レジィは懇願した。

「外…して!
お願い、外して……!」

侯爵の手が、レジィの股間を探る。
指の先で留め具を押すと、リングは二つに割れて外れた。
と同時に思いっきり突き上げられ、レジィは泣き濡れて、侯爵の腕の中で仰け反った。

「ぁあっ…!」

侯爵はレジィの男の印に触れていた手が、濡れているのを感じた。
が、抱きつかれ、色っぽく喘がれ、煽られまくって。

自分も一気に興奮して放ってしまったので。
軽くレジィの唇にキスすると、身を起こし、サイドテーブルの上の布で手を拭い、ため息を吐いた。

「…なるほど。
正統派な抱き方なら…こんな、感じてくれるんだ」

けれどレジィにとっては、条件反射。

また、コルテラフォール侯爵に顔を見つめられ、キスされたけど…。
顔を上げた侯爵の顔に、透けて別の人物の顔が思い浮かぶ。

もっと…細面で、若くて…。
綺麗で、時折り強引で。
…けれど、優しい人。

その時、突然。
明るく鋭く、強い輝きを放つ明るい緑の瞳の人の、顔がくっきり。
脳裏に思い浮かんだ。

強烈な光と共に。

明るい、真ん中分けの、肩まである栗毛。
額も…高い頬骨も鼻も、しっかりした顎も…。
ゴツくは感じないけど、とても男らしく見える。

彼はきつい表情をしていた。

そして次に、とても悲しそうに自分を見つめていた。
途端、レジィは目頭が熱くなって、焦った。

“…どうして…?!”

気づいたら、頬に涙が伝っていた。

「思い出した?」
侯爵の声。

けれど…顔は浮かぶけど。

彼の名前も…誰なのかも分からなくて、レジィは悲しくて、首を横に振って泣き続けた。
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