森と花の国の王子

あーす。

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誘拐されたレジィリアンス

レガートの依頼者

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 その時、コンコンとノックの音が響く。
黒髪の男は振り向き、扉へと歩み寄る。

扉を開け、その人物を中へと通した。

「…こんな場所へ呼び出すとは…」

縦ロールのブロンド。
青い瞳。
金に海老茶色アクセントの入った、洒落た服装。

細面の…顔立ちの整った美青年。
気取った、貴族らしいその青年は眉をしかめ、室内を見回す。
が、黒髪の男に床へと視線を促され、捕らえられて膝を付き、石の床に座り、両腕を上で拘束されたレジィリアンスを見た途端。
目を見開く。

「…良くやった!」

が、黒髪の男は小声で囁く。
「…ラステルはこちらに、かかりっきり。
人海戦術でこの辺りを探索させまくってます」

金髪の男は頷く。
「賊を雇った。
事件を起こし、ラステルの機動力を分散させる」

改めて金髪の男は、レジィをじっ…と見、目を細める。

「…これであの男に、一泡吹かせてやれる…。
それで?
ちゃんと使えるように、調教はされているのか?」

黒髪の男は苦笑する。

「残念ながら、エルデリオンは御姫様扱い。
ロクな経験が無い」

金髪の男はツン!と顔を上げる。
「それはそれで…需要はある。
が、口に入れて噛まれても困る。
私の客は、各国の大物揃い。
怪我を負ったとあらば…私の宴の評判が下がる」

黒髪の男は、頷いた。
「…せめてそれだけは、教え込みます」

金髪の縦ロールの男は、頷く。
「が、初々しさは残せ。
この間の少年のように、薬漬けで淫乱すぎても…客達は楽しめない。
で?
いつ宴を開ける?」

黒髪の男は囁く。
「貴方が通って来た通路で、いつでも運べます。
が、ラステルの部下がこうもウロついていては…。
いずれここも…突き止められかねない」

「そちらは、任せろ」

金髪の男は言って、その後レジィリアンスに、冷酷な青い瞳を投げると、呟く。
「…私を、覚えてはいまいな?
昔はシュテフザイン森と花の王国にいた。
先日の王妃の舞踏会も…私は出席していた」

レジィはそれを聞いた途端、真っ青になった。
まだうんと小さかった頃の、おぼろな記憶がよみがえったから。

自分の命を狙い続けた大公の…確か庶子。
一時、引き取ったと、大公は頻繁に城に連れて来ていて…。

凄く綺麗な少年だと…幼いレジィリアンスは思った。

金髪の男は、ふん。
と鼻を鳴らす。

「例え身分低い女中に、産ませた子だとしても。
血の繋がってる実の息子の、幼い私に。
あの男がナニをしたか、知ってるか?
散々弄んだ後、オーデ・フォール中央王国の変態公爵に私を売った。
だが公爵は…私を気に入り跡取りにした。
その公爵も、今は下半身不随。
車椅子無しでは歩けない。
それで、彼の事業は私が継いだ。
…つまり…お前のような綺麗な少年を、遊び好きな各国の身分高い男達に、提供する事業だ。
レジィリアンス。
お前はそこで、客達を満足させ…そしていざと言う時。
私の父がシュテフザイン森と花の王国の、国王となったら。
切り札として引き出し、父を国王の座から引きずり落としてやれる、大事な駒」

レジィはそれを聞き、目を見開いた。

金髪の男は、くっくっ…。
と笑う。
「我が父はお前が失踪した後、国王を追い落とし…。
念願の戴冠の日を迎え…。
その戴冠式に、お前が帰還するという寸法。
その頃お前は、男無くしてはいられない体になってる。
つまり…私の繰り人形。
私の、傀儡かいらい

レジィはその綺麗な青年の、冷酷な青い瞳を見た。

「…つまりシュテフザイン森と花の王国は、私の物」


レジィは扉が閉まり、靴音が遠ざかって行っても。

まだ青年の言葉が耳に響き続け、不安にさいなまれ身が震い、闇に閉ざされていく未来に、呆然とした。

室内に残った、真っ直ぐの黒髪の男は笑う。
「…あの男は私に大金を払う。
だから、それなりの事をしなくてはな…」

突然、男はレジィの背後に回ると、乱雑に腰のズボンを引き下げる。

そしてさわっ…と、剥き出しになった真っ白な双丘に手を這わせた後。
双丘を開き、蕾に何か、棒のようなモノを無理矢理、押し込み始めた。

「やっ!
嫌っ!
止めて…!」

布で包まれてるらしいその棒に、何か…塗られているのか。
レジィは直ぐ、体がかあっ!と熱くなり…もっと奥へと棒が捻り込まれると、感じる場所…。
エルデリオンに執拗に突かれた場所に触れた途端、身を跳ね上げた。

「いゃぁっ!!!」

「ふん…ここは、うんと可愛がられたか」

男は意地悪く、内壁を棒でぐりぐりと掻き回す。

「…っ!…っあ!ぅ…っ!!!」

レジィが身を仰け反らすと、男は嬉しそうに笑う。
やがて扉を開け、もう一人の男を迎え入れる。

男はレジィの背後に付き、双丘から突き出た棒を握った。

「噛む前に…」
黒髪の男が告げると、背後の男は頷く。

やがて黒髪の男はレジィの前に回ると、股間を開き彼の一物を取り出し、レジィの顎を上げさせた。

「…口を開けろ…。
歯を立てたりしたら…辛い事になるぞ?」

レジィが目を伏せ、蕾の奥の異物の刺激で、じんじんと身を震わせていると。
突然、無遠慮に異物が乱暴に動き出す。

「…ああっ!!!」

叫んだと同時。
黒髪の男の一物が口の中に押し込まれ、レジィは必死で首を振ろうとし…。
その途端、異物は奥深くへと、突き刺された。

「…っ!!!」

衝撃が身を駆け抜ける。
息苦しくて、口の中に押し込まれたそれを、必死で舌で押し返す。

「どヘタだな…」

黒髪の男は背後の男に合図を送る。
男は開いた片手でレジィのズボンをずり下ろし、股間を剥き出しにすると、レジィの男の印に手を添えた。

「…半勃ちだ」

「イかせるな」

背後の男はその後、立て続けに棒を動かし、レジィは口に挿入されたまま無理矢理感じさせられ、股間を勃ち上がらせた。

口から、抜いて欲しかった。
けれど口の中の男の一物は、蕾の奥を擦られ、身もがく度。
どんどん大きく…そして、固くなる…。

レジィリアンスの頬に、一筋の涙が伝い落ちた。
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