森と花の国の王子

あーす。

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逢瀬

翌朝襲い来る羞恥

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 朝陽でエルデリオンは自然に、目が覚めるのを感じた。
ふと見ると。
横にはレジィリアンスが、頭を自分の脇に寄せ、目を閉じている姿があった。

“まだ、夢の中だろうか?”

エルデリオンは半信半疑で、朝陽の中のレジィリアンスの、金の髪を散らし目を閉じる、愛らしくも美しい寝姿を眺めた。

すると、ゆっ…くり、レジィリアンスは目を開ける。

大きな、宝石のような青い瞳が、見ている自分に注がれた時。
エルデリオンの心臓は、どくん…!と跳ねた。

「(…夢じゃ無い…!)」

レジィリアンスはまだ、ぼんやりして目を擦り…そして、周囲を見回し、エルデリオンの寝台で、彼の横に寝てると言う事。
そして乱れた服装。
更に昨夜の事を思い出し、途端かっ!と頬を真っ赤に染めた。

「あの…僕………」

熟れたような真っ赤な唇、掠れた声で告げ、エルデリオンは咄嗟、サイドテーブルに手を伸ばし、瓶を取ると身を起こしてグラスを探り、瓶の飲み物をグラスに注ぎ、横たわるレジィリアンスに差し出す。

「……………」
レジィリアンスは差し出されたグラスを、腕を付いて身を半分起こし、受け取り、口に運んだ。

こくん…と喉を鳴らし流し込んだ後、エルデリオンを見上げる。

その様子が、あんまり…可愛らしくって、エルデリオンは暫く見惚れた。
けれどぼーーーーーっとしてるレジィリアンスは、顔を下げて囁く。

「あの…昨日…僕……」

エルデリオンは肝に銘じた。
出来るだけ軽やかに。
と進言する、デルデロッテの言葉を思い出しながら。

「…ええ…。
私も、つい眠ってしまって。
ずいぶん…汚れたままで…。
あの、ここのお風呂は温泉ですから、いつでも浸かれます。
入っていらしたらどうです?
恥ずかしく無いようでしたら…私が体を、洗って差し上げましょうか?」

けれどレジィリアンスは、途端真っ赤に顔を染めるので、エルデリオンは目を見開き、呟いた。
「…お恥ずかしいご様子ですね…」

レジィリアンスはグラスを手にしたまま、こくん。と頷く。

「あの…あんな…つもりじゃ…無かったんです。
あの…でも僕…。
昨日、凄く…おかしくなってしまって…。
そのまま寝てしまって、ごめんなさい」

小さな声でそう言うものだから、エルデリオンは出来るだけ、何でも無いように告げる。
「よくある事です。
疲れますからね。
それより、ぐっすりお眠りになりましたか?」
「…はい…」

レジィリアンスは顔から火が出そうな程恥ずかしくって、グラスをエルデリオンに返し、寝台から出ようとした。
「あの、僕、自分の部屋の浴槽で浸かりますから…」
そう告げながら、いざって寝台の端まで来ると、足を付いて立とうとした途端、転んだ。

どたっ!

エルデリオンが素早く寝台から飛び降り、床に転げたレジィリアンスの腕を取る。
「…大丈夫ですか?」

レジィリアンスはズボンがずり下がり、股間がまるっと、はだけてるのに、その時ようやく気づいた。

…それに胸元のシャツも乱れ、乳首が露出しているのにも気づくと、昨夜エルデリオンにさんざ、舌で舐められた感触が蘇り、真っ赤になって俯く。

その様子が、あまりにも初々しい色香を放ち、いたいけなのに艶やかで、エルデリオンは再び見惚れた。
レジィリアンスは恥ずかしくって、顔が上げられず、横のエルデリオンに囁いた。
「あの…。
一人で大丈夫です」

エルデリオンは見惚れて呆けていたけれど、気づいて尋ねる。
「でも、あの…。
そのご様子で、ご自身で衣服を直せますか?
せめて立ち上がる、手助けをさせて下さい」

レジィリアンスは確かに、ここまでズボンがずり下がっていては、ずり上げるどころか、立ち上がるのですら苦労する。
と分かって、頷く。

エルデリオンに腕を支えられ、立ち上がって寝台に腰を下ろす。
けれどその途端、蕾の奥に、エルデリオンの太くて固いものを挿入された感触が、生々しく蘇った。

それに股間の前後が、湿ってる…。

レジィリアンスは恥ずかしげに、必死に腰を浮かせ、ズボンを引き上げようとした。
けれど…。
その時、足首に軽い痛みが走る。

「…っ!」

エルデリオンは気づいて屈み、レジィリアンスの足首を見た。
少し、赤くなっていた。

「…薬草を…。
あの、着るのでは無く、逆に脱いでしまわれて、ガウンを着た方が…。
今、お持ち致しますから」

レジィリアンスはエルデリオンの言うとおりだと分かって、じっとしていた。

ガウンを手渡され、羽織る。
そして足を動かし、腿に絡まるズボンを、下にずり下げる。

エルデリオンも下から引き、ズボンは足先に落ちた。

「今、薬草を」

エルデリオンはそう告げると、続き部屋の扉を開けた。

けれど衣装部屋の暖炉前の椅子に、デルデロッテとロットバルトが腰掛けていて、揃って振り向くものだから。

エルデリオンは目を、見開いた。
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