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接近
王子達の午後
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翌日、エウロペは早々にロットバルトに呼び出された。
森と花の王国の領土を攻めた後始末らしく、オーデ・フォール側の謝罪とも受け取れる、二領土への贈り物についての相談。
領土と王城へ届けたいとロットバルトに言われ、たくさんの果物、食物を積み込んだ荷馬車と兵士らが待つ、騎兵隊宿舎前へと足を運ぶ。
大国の騎兵隊宿舎は、王宮の北門を出た先にあって、広大な敷地に四階建ての大きな建物。
エウロペは眉も動かさなかったが、多分エルデルシュベイン大陸一、大きな宿舎だと感じた。
荷馬車の数も30台を超えていて、ロットバルトにどこへ、どの荷馬車を送ればいいのかの指示を仰がれ、荷馬車と積み荷を見て回った。
一方、オレシニォンでは。
エリューンとテリュスが共同の居間に座り、まだ起きてこない、レジィリアンスの寝室を覗ったものかどうか。
ダレながらも相談してる最中だった。
やって来たラステルに
「舞踏会の翌日は、午前様が当たり前。
お疲れも溜まっていらっしゃる事でしょうから。
ゆっくり眠らせてあげましょう」
と言われ、その後
「コック達の今月の新作の、試食をお願いします」
と、王宮内の厨房横の食堂にて、テーブルに山程乗った料理を味見する、豪勢な昼食に誘われた。
大陸各地から集められたコックらの、腕を振るった珍しい料理が、大きなテーブルいっぱいに並べられていて。
テリュスもエリューンも、手が込んで、食べた事の無い美味しい料理を、次々と味見してはコック長に感想を述べつつも、大きなテーブルの周囲を回った。
レジィリアンスは午後をとっくに過ぎた、二点鐘(午後二時)の頃ようやく目が覚めた。
暫くぼんやりしていたけれど。
はっ!と気づいて、慌てて寝台から出ようとし、躓いて転んだ。
がっつん!
両手を床に付いて、何とか顔を床に打つのは防げたけど、膝を打って。
レジィリアンスは痛みに顔をしかめながら、立ち上がる。
着たまま寝たガウンがはだけ、夕べの…エルデリオンと過ごした情事が思い浮かび、慌ててガウンの裾を直す。
昨夜…腿を掴まれ…足を開かされ、その間にエルデリオンが…。
具体的にハッキリ思い浮かぶと、羞恥に包まれ顔を下げる。
気を取り直し、必死に自制して…続き部屋の衣装部屋へと向かうと、暖炉前の椅子に、ラステルが座っていて。
顔を上げて、にっこり微笑んだ。
「お邪魔してます」
レジィリアンスはエウロペやエリューン、テリュスはどこかと尋ねると、ラステルは大きくお洒落な象牙色の箪笥へと歩きながら、どこへ行ったのかの説明をし、衣装を選び始めた。
「午後の予定の、希望はあります?
何がなさりたいとか。
どこへ出かけたいとか?」
レジィリアンスは気さくに話しかける、明るいラステルの口調に釣られ、寄って行くと
「空色の上着は、変ですか?」
と聞き、振り向いたラステルに
「変?
全然そんな事、ありませんよ!
きっと凄く、お似合いです」
と笑顔で言われ、羞恥がどこか遠くへ、消え去るのを感じ、心がうきうきして、微笑み返した。
結局昼食は衣装部屋へと運んでもらい、ここでラステルと食べる事になって、正直レジィリアンスは、エウロペ達にどんな態度を取ればいいのか分からなかったので、助かった。
ラステルは次から次々と、旅先の楽しい出来事を、はらはらどきどき、愉快に話してくれる達人で。
レジィリアンスはラステルの話に聞き入って、はしゃいだ気分で、昼食を楽しんだ。
一方、エルデリオンもほぼ二点鐘近くに目が覚め、衣装部屋の扉を開けると。
デルデロッテが既にきっちりした服装で、椅子に座って振り向いた。
「…デルデロッテ…。
来てくれたの?」
デルデロッテはエルデリオンの脳が。
レジィリアンスとの幸福で感激な情事と、二人の女性との情熱的な情事の、間を行ったり来たり思い浮かべてる様子を見、肩を竦めた。
「貴方には、ポーカーフェイスは無理ですね」
エルデリオンはその言葉を聞いて、頬染めて俯く。
「そこそこ楽しい情事なら、私もした事あるけど。
昨晩はどちらも、あり得ない体験だったから」
デルデロッテは頷く。
「では仕方無い。
ともかく、遅い昼食を取って。
その後はお嬢さん方も交えないと。
貴方はレジィリアンスと二人きりだと、きっとオタつくでしょうからね」
エルデリオンは箪笥に寄って、衣装を選びながら、デルデロッテに振り向く。
「…もしかして…お茶会に?」
デルデロッテは頷くと、部屋へ入ってきた召使いに、食事をこの部屋に運ぶよう、指示を出した。
森と花の王国の領土を攻めた後始末らしく、オーデ・フォール側の謝罪とも受け取れる、二領土への贈り物についての相談。
領土と王城へ届けたいとロットバルトに言われ、たくさんの果物、食物を積み込んだ荷馬車と兵士らが待つ、騎兵隊宿舎前へと足を運ぶ。
大国の騎兵隊宿舎は、王宮の北門を出た先にあって、広大な敷地に四階建ての大きな建物。
エウロペは眉も動かさなかったが、多分エルデルシュベイン大陸一、大きな宿舎だと感じた。
荷馬車の数も30台を超えていて、ロットバルトにどこへ、どの荷馬車を送ればいいのかの指示を仰がれ、荷馬車と積み荷を見て回った。
一方、オレシニォンでは。
エリューンとテリュスが共同の居間に座り、まだ起きてこない、レジィリアンスの寝室を覗ったものかどうか。
ダレながらも相談してる最中だった。
やって来たラステルに
「舞踏会の翌日は、午前様が当たり前。
お疲れも溜まっていらっしゃる事でしょうから。
ゆっくり眠らせてあげましょう」
と言われ、その後
「コック達の今月の新作の、試食をお願いします」
と、王宮内の厨房横の食堂にて、テーブルに山程乗った料理を味見する、豪勢な昼食に誘われた。
大陸各地から集められたコックらの、腕を振るった珍しい料理が、大きなテーブルいっぱいに並べられていて。
テリュスもエリューンも、手が込んで、食べた事の無い美味しい料理を、次々と味見してはコック長に感想を述べつつも、大きなテーブルの周囲を回った。
レジィリアンスは午後をとっくに過ぎた、二点鐘(午後二時)の頃ようやく目が覚めた。
暫くぼんやりしていたけれど。
はっ!と気づいて、慌てて寝台から出ようとし、躓いて転んだ。
がっつん!
両手を床に付いて、何とか顔を床に打つのは防げたけど、膝を打って。
レジィリアンスは痛みに顔をしかめながら、立ち上がる。
着たまま寝たガウンがはだけ、夕べの…エルデリオンと過ごした情事が思い浮かび、慌ててガウンの裾を直す。
昨夜…腿を掴まれ…足を開かされ、その間にエルデリオンが…。
具体的にハッキリ思い浮かぶと、羞恥に包まれ顔を下げる。
気を取り直し、必死に自制して…続き部屋の衣装部屋へと向かうと、暖炉前の椅子に、ラステルが座っていて。
顔を上げて、にっこり微笑んだ。
「お邪魔してます」
レジィリアンスはエウロペやエリューン、テリュスはどこかと尋ねると、ラステルは大きくお洒落な象牙色の箪笥へと歩きながら、どこへ行ったのかの説明をし、衣装を選び始めた。
「午後の予定の、希望はあります?
何がなさりたいとか。
どこへ出かけたいとか?」
レジィリアンスは気さくに話しかける、明るいラステルの口調に釣られ、寄って行くと
「空色の上着は、変ですか?」
と聞き、振り向いたラステルに
「変?
全然そんな事、ありませんよ!
きっと凄く、お似合いです」
と笑顔で言われ、羞恥がどこか遠くへ、消え去るのを感じ、心がうきうきして、微笑み返した。
結局昼食は衣装部屋へと運んでもらい、ここでラステルと食べる事になって、正直レジィリアンスは、エウロペ達にどんな態度を取ればいいのか分からなかったので、助かった。
ラステルは次から次々と、旅先の楽しい出来事を、はらはらどきどき、愉快に話してくれる達人で。
レジィリアンスはラステルの話に聞き入って、はしゃいだ気分で、昼食を楽しんだ。
一方、エルデリオンもほぼ二点鐘近くに目が覚め、衣装部屋の扉を開けると。
デルデロッテが既にきっちりした服装で、椅子に座って振り向いた。
「…デルデロッテ…。
来てくれたの?」
デルデロッテはエルデリオンの脳が。
レジィリアンスとの幸福で感激な情事と、二人の女性との情熱的な情事の、間を行ったり来たり思い浮かべてる様子を見、肩を竦めた。
「貴方には、ポーカーフェイスは無理ですね」
エルデリオンはその言葉を聞いて、頬染めて俯く。
「そこそこ楽しい情事なら、私もした事あるけど。
昨晩はどちらも、あり得ない体験だったから」
デルデロッテは頷く。
「では仕方無い。
ともかく、遅い昼食を取って。
その後はお嬢さん方も交えないと。
貴方はレジィリアンスと二人きりだと、きっとオタつくでしょうからね」
エルデリオンは箪笥に寄って、衣装を選びながら、デルデロッテに振り向く。
「…もしかして…お茶会に?」
デルデロッテは頷くと、部屋へ入ってきた召使いに、食事をこの部屋に運ぶよう、指示を出した。
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