森と花の国の王子

あーす。

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陵辱

ラステルの機転

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 戦慄く小さな赤い唇から、喘ぎ声はひっきりなしに漏れる。
潤んだ明るい青い瞳からは、涙が頬を幾筋も伝わった。

「ゃめ…っ!あ……あっ!
…ゃめ…て!」

エルデリオンが段々突き入れる激しさを増す度、その声は高いトーンで、すすり泣くように響く。

「ぃや…ぁ…あぁっ……!
…お願…い…も…う…!やめ…ぅんっ…!」

レジィリアンスの、泣き濡れた制止の声が続く。
が。
愛おしさを抑えきれず、エルデリオンは最後激しくレジィリアンスの中を抉り、突き上げると。
レジィリアンスは声も無く、腕の中で激しくその身を痙攣させた。

エルデリオンは解き放って、しっとりとレジィリアンスの唇に、荒い息のまま唇を押しつける。

握る右手は濡れ、腕に抱くレジィリアンスはもはや放心したように、ぐったりしていた。
再びそっ…と、レジィリアンスの開かれた唇に軽く触れ、ぐったりした体を抱き寄せる。

レジィリアンスは解き放たれ、けれど最中の激しい刺激が今だ身に降りかかってるように感じ…。
エルデリオンの腕の中で、声も立てず泣いた。

もはや体中から力は抜けきり、エルデリオンに抱きすくめられても、反応すら出来ない。
蕾の奥には湿った感触が広がり、エルデリオンが引き抜いてくれるのを、待つばかり…。

けれど火照った体から、今だ熱は引いていかない。

馬車はそれでも走り続け、レジィリアンスは自分の物のように抱き寄せる、エルデリオンとまだ一緒に居続けなければならない事実に、胸が塞がれた。

やっと…そっと、エルデリオンが蕾から引き抜かれ…横に避けて、肩を抱き寄せられる。

開放感に包まれ、風が頬を。
火照った顔を。
爽やかに吹き抜けた。

けれど直ぐ、エルデリオンの唇が降って来る。
押しつけられ、重ねられたまま。
しばらくの間。

やっと放された時、まだエルデリオンの唇の感触は、唇に残ってた。

熱い…熱い唇だった。


抑えた…それでも時折鋭く響く、レジィリアンスの声を聞き続けた皆は、ロットバルトやデルデロッテでさえ。
顔を下げて耐える事態となっていた。

その時、ラステルが馬車の正面から横にずれ、そして馬車を先に行かせてロットバルトに併走する。

二人は小声で相談し、ラステルはチラ…と明るい空色の瞳を、背後のエウロペへと向けた。
エウロペはそうする気は無かった。
が、思わず殺気を向けてしまう。

はっ!と気づいて、殺気を解く。
が、ラステルはとがめるでもなく、会釈する。

エウロペは、馬の速度を落とし今度は自分の横に併走するラステルに、謝罪しようと口を開いた。
が、その前にラステルは囁く。

「予定を変更します。
もっと先の宿屋に、部屋を用意していましたが…。
急遽きゅうきょ部下を走らせたので、この後寄る、一番近い宿屋からは一般人を全て排除することが、出来ていません」

エウロペは再び眉が険しく寄り、瞳がきつくなるのを止められなかった。

“今度は寝台の上で…!
再びレジィリアンスを陵辱させる気か…?!”

が、ラステルは困った様に、頭を傾げる。

「…レジィリアンス殿には今、休養と…。
そして、貴方が必要だ」

そして説明のため、言葉を足そうか?と、エウロペの表情を確かめる。

エウロペは顔を少し下げ…けど、むっつりと口を開く。

「…エルデリオンがそれで、納得するのか?」

その声は低く、聞き耳立てるエリューンにも。
背後のテリュスにも聞こえた。

けれどラステルは、軽やかに微笑む。
「ロットバルトもデルデロッテも限界だ。
説得は、二人で十分。
貴方方とレジィリアンス殿のお世話は、私がさせて頂きますので。
後は、ロットバルトにお任せ下さい」

けれどエウロペはその言葉が、信じられないように疑り深く、探るようにラステルを見つめた。

ラステルはけれど、爽やかに微笑むと
「では私はまだ、準備がありますので」
そう告げると軽やかに手綱を握り、あっという間に駆け出し、馬車の横を通り過ぎて、元の位置。
馬車の真正面へと、戻って行く。


…間もなく、空すらさえぎ鬱蒼うっそうと茂った高い木々の、その向こう。
小さく粗末な宿屋が見えて来て、御者は道から逸れ、馬車を宿屋の方へと走らせた。

後続の侍従らは一斉に、馬車追って宿場前広場に、続々と乗り入れた。

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