森と花の国の王子

あーす。

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陵辱

濃厚なるその口づけ

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 初めて会った、あの時。
木漏れ日の中だった。

面前めんぜんに立たれ顔を寄せられ…まさか息切れで苦しい唇を、塞がれようとは思ってなかった…。

唇はやわらかく熱かった。
でも逃げる事もかなわず、隅々までその熱い唇に覆われて口付けされ…。
女の子に間違われた事が、ひどくみじめで恥ずかしかった。

母に似た容姿は、自分ではいとう気は、ない。
けれど女の子のような弱々しい外観に、王位継承者として国を委ねようとしている臣下達の、いぶかる視線にぶつかると、途端にたじろいでしまう。

…でもエウロペは
『容姿など関係ない。
貴方がどれだけ、民の為に努力出来るかですよ』
そう優しくさとしてくれた。

でもそんな矢先、牡鹿のような若々しく立派な青年に、女の子に間違われて易々と唇を奪われてしまった事は、エウロペの言葉を否定するかのような出来事。

“…この方エルデリオンはもう僕を、男の子と知ってる。
知っているはずなのに…!”

やがてエルデリオンの力強い手が腰に周り…抱き寄せらる。
その熱い腕の中で逃げ場を無くす感覚に、たちまちレジィリアンスに怯えが走る。

唇は更に深く、重なって来る。
「う…んっ……!」
外そうと頭を振るが、エルデリオンの唇は追ってくる。

もがき始めるレジィリアンスの華奢な体を、逃がすまいとエルデリオンは腕に力を込める。

やがて熱に浮かされたように、更にその甘い唇の感触を味わおうと、エルデリオンは舌を差し入れ、ゆっくりレジィの唇を舐めた。
腕の中でレジィリアンスの体がびくん!と、大きく跳ねる。

“舌を使う口づけなど…このお方にはまだ、まるで経験が無いのだ…”

エルデリオンはそれが、自分でも意外なほど嬉しくて…ついレジィリアンスの口の中に、再び舌を少し差し入れた。

「…っ!」
レジィリアンスは突然の熱い、ぬめった感触に驚き、小さなその手で必死に、覆い被さろうとするエルデリオンの胸を押し返す。

がその舌先は、閉じたレジィの唇を割って、強引に押し入って来た。
拒めないレジィリアンスは泣きそうになって、必死に頭を振る。
だがエルデリオンのしなやかで強い腕は、さらにきつく華奢な体を抱き寄せる。

腕の中できつく抱きすくめられ、レジィリアンスは必死になった。
激しく頭を左右に振り、ようやく外れた唇に。
ほっ…と息を付く間もなく、エルデリオンはのし掛かるように覆い被さって来る。

「…いや!」

エルデリオンの体が密着し、恐怖を感じたレジィリアンスは横に逃げようとし、けれどエルデリオンの腕に阻まれる。

衣服を通してエルデリオンの体が熱く。
ひどく肉感的に感じ、レジィリアンスは正気を無くしそうなほど狼狽うろたえた。
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