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邪悪なる一族ドラコニアン
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その時突如空間に、夜空の中、大量の…浮かぶ発光した船が映し出され、クリーム色の惑星に降り立ち、まだ未開の…地に暮らす人々は空から降って来る船を仰ぎ見、石つぶてを投げる者。
ひれ伏すもの…。
その地の人々は赤い肌をしていて、人間とはかなり風貌が違ってた。
けれどまた別の惑星に降り立つ船団。
更に違った、真っ黒な姿をした人々は、恐怖に逃げ惑う。
が、降り立つ異形の生物の、放つ光に行く手を阻まれ…。
やがて彼らは支配され、空から降り立つ異形の者に従うしか無くなり、幾人かは…異形の者の、食事にされた。
それは恐ろしく無残な光景だった。
生きたまま、むさぼり食われる異形の人々…。
が、ディングレーとギュンターは眉を寄せただけ。
アシュターは気づいて囁く。
“貴方方の地にも、このような残虐な者が?”
レオールが、理解を促す簡潔な説明をする。
“今は別空間に閉じ込めましたが…。
我ら一族の追放者が異形となり果て、彼らの土地、アースルーリンドに住む人々をかつて襲い、貪り喰らったのです”
アシュターはそれを聞くと俯き、皆に囁く。
“今はもう、それは無いのですね…。
幸運なことです。
奴らはもっと…酷くなる。
ドラコニアンらはたくさんの未開の地を侵略したものの…どの地の生き物も、地球の人間の血程、大きな能力をドラコニアンらにもたらさなかった。
それで彼らは、地球に戻ったのです”
アシュターがそう告げた途端、空間に青い球体の惑星が映し出された。
“しかし地球は今や雑菌だらけ。
ドラコニアンらは身を守る宇宙服無しには、とても過ごせない土地になっていた。
彼らは期待を込めて今や原始人に戻った人間を捕らえ…食した。
確かに、能力は他の種族を餌にするより、強くなった。
が…味は最悪…。
彼らは地球中を探し回った。
昔の…文明の末裔ら…。
もっと知能の高い者らが居ないかと。
けれどその頃にはアトランティスの末裔らも、ムーの末裔らもが…別の空間に逃げ場を作り、ドラコニアンには可視出来ない存在となっていて…。
捕えることが出来ない。
それで彼らはタイムワープし、これ程衰退する以前の地球に、再び降り立ったのです”
ディングレーがこっそり、ギュンターに尋ねる。
「タイムワープって…何だ?」
ギュンターは眉間を寄せる。
「お前が知らないのに、俺に分かるか?」
二人はオーガスタスを見た。
が、オーガスタスも首を横に振る。
ディアヴォロスが口を開きかけた。
がその前に、レオールが心話で二人に説明する。
“過去に飛んで、貴方の子供時代に行くことですよ”
“そんな事、出来るのか?”
ディングレーの内心の疑問が周囲に響き渡り、次にギュンターの
“能力者だぞ?
ナンでもアリだ”
の返答に、ディングレーは納得して頷いてた。
“どうぞ、先を続けて”
ディアヴォロスに促され、アシュターは頷く。
“ムーやアトランティスの末裔らが…かつての繁栄を忘れかけ、土着の未開人らと共に暮らしている時代。
その時代には、後世ほどの雑菌は無かったはずなのに。
それでもドラコニアンらは、大気に漂う何かに体調が阻害されることに気づく。
色々な防護服を試し、一番効果の高い服を身につけ、人間を捕らえて食した。
…素晴らしい味だった。
更に能力も、格段と上がった。
それで彼らは…この地で人間牧場を作る事を決めた。
が、それは困難続きでした”
皆が理由を知りたいと思い、一斉にアシュターを見る。
アシュターは囁き続けた。
“ドラコニアンを苛むのは、人間が放つ光。
その光の波動が、ドラコニアンの体調を阻害した。
がしかし”
皆いっそうその後に興味を引かれ、アシュターの次の言葉を待つ。
“…その光を身に保つ人間こそが、ドラコニアンらにとって、非常な美味であり、素晴らしい能力をもたらす”
今度はギュンターがこっそり、ディングレーに話しかける。
「デンツの実のようなもんか?
毒入りで舌がピリピリするが、それが癖になって…食べすぎると、死ぬ」
ディングレーが思いっきり、眉を寄せた。
「俺はアレが嫌いだ。
どうして食べたいか、もうそこから理解出来ない」
ディアヴォロスがくすくす笑いだし、オーガスタスは頭を掻く。
「ドラコニアンとかいう異形の気持ち、ディングレーには絶対理解出来ないな」
ディングレーは顔を上げて言い放った。
「そんなヤツらの気持ちが分からなくて、御の字だぜ!」
茶々入れて話が途切れたのに気づき、赤毛のオーガスタスがアシュターに首を振る。
「だがドラコニアンとかは、それを食べようと突き進んだんだな?」
アシュターは頷く。
“彼らは色々試した。
小さな村を対象に、彼らから光を消す処方を施し…。
けれど光が消えると、味は途端落ち、得られる力も落ちる。
光は彼らが信じる信仰から来ている事も、突き止めた。
つまり光満ちる集落ほど、美味しい獲物が多く居た。
が、彼らは防護服を着けていても、とても長く居られないほどの…皮膚が焼けるような苦痛を感じる。
それで奴らは…獲物を束ね、収穫できる、人間と自分らの混血を作り出した。
が、それは酷い不出来で…”
その時、銀色の扉が突然開いて、小柄な…まるでカメレオンのような大きな目の、エメラルドグリーンの肌をした者が、銀色の服を着て、入って来た。
ギュンターとディングレーはその異形の姿に、目を見開いたけど。
アシュターは笑顔で迎え入れる。
“彼はウーラン星の爬虫類型の一族です。
非常に冷静で知能が高い”
カメレオンは丁寧に首を振って頷いた後、皆に向き直る。
“聞こえていましたよ。
ドラコニアンの話ですね。
奴らは我が一族の血を手に入れ…悪徳商人からね。
宇宙には売れればナンでも売ると言う、タチの悪い商人もいる。
ともかくドラコニアンが我らの血を、その混血に入れ込んだおかけで。
獰猛ながら非常に狡猾で利口な、ドラコニアンよりも小柄なレプティリアンと言う新たな種族が、生まれてしまった”
ギュンターはその小柄で明るいエメラルドグリーンの肌をした、珍しい生き物に思わず尋ねた。
「ドラコニアンって、デカいのか?」
彼はしたり顔で首を振る。
“ええ、貴方よりはうんとデカい。
彼…”
人間の中で一番背の高い、オーガスタスに首振って促し、言葉を続ける。
“…の、三倍くらいある”
皆が頭の中でオーガスタス(2m10㎝)を三人縦に並べた後、頷いた。
「それは、デカい」(ディングレー)
「確かにデカいな」(ギュンター)
その時初めて、カメレオンはアシュターに尋ねる。
“彼ら、心話は出来ない?
発音した言葉じゃなく思念波で、一応言ってる事は理解出来るけど…”
アシュターはレオールに振り向く。
レオールはカメレオンに、困惑気味に囁いた。
“彼ら、心話は不慣れなので”
けれどカメレオンは言い返した。
“言葉で発音する言語は、皆もの凄く違ってるから、互いに絶対理解出来ないし、体得に時間がかかる。
心話なら…どれだけ互いの言語が違っていても、意思の疎通が出来るのに”
“ブー垂れられてるぞ…”
ディングレーがこっそりギュンターを見つめ、内心を囁きかけ、ギュンターはそんなディングレーに言い返す。
“あいつら、そっちの言葉の方が、良く通じるんだぜ?”
言われてディングレーは、内心の呟きをぐっ、と堪えた後。
「隠しておきたい思惑の方が、通じるのか?
不便、極まりないな」
と、思いっきり顔を下げ、呻いた。
ひれ伏すもの…。
その地の人々は赤い肌をしていて、人間とはかなり風貌が違ってた。
けれどまた別の惑星に降り立つ船団。
更に違った、真っ黒な姿をした人々は、恐怖に逃げ惑う。
が、降り立つ異形の生物の、放つ光に行く手を阻まれ…。
やがて彼らは支配され、空から降り立つ異形の者に従うしか無くなり、幾人かは…異形の者の、食事にされた。
それは恐ろしく無残な光景だった。
生きたまま、むさぼり食われる異形の人々…。
が、ディングレーとギュンターは眉を寄せただけ。
アシュターは気づいて囁く。
“貴方方の地にも、このような残虐な者が?”
レオールが、理解を促す簡潔な説明をする。
“今は別空間に閉じ込めましたが…。
我ら一族の追放者が異形となり果て、彼らの土地、アースルーリンドに住む人々をかつて襲い、貪り喰らったのです”
アシュターはそれを聞くと俯き、皆に囁く。
“今はもう、それは無いのですね…。
幸運なことです。
奴らはもっと…酷くなる。
ドラコニアンらはたくさんの未開の地を侵略したものの…どの地の生き物も、地球の人間の血程、大きな能力をドラコニアンらにもたらさなかった。
それで彼らは、地球に戻ったのです”
アシュターがそう告げた途端、空間に青い球体の惑星が映し出された。
“しかし地球は今や雑菌だらけ。
ドラコニアンらは身を守る宇宙服無しには、とても過ごせない土地になっていた。
彼らは期待を込めて今や原始人に戻った人間を捕らえ…食した。
確かに、能力は他の種族を餌にするより、強くなった。
が…味は最悪…。
彼らは地球中を探し回った。
昔の…文明の末裔ら…。
もっと知能の高い者らが居ないかと。
けれどその頃にはアトランティスの末裔らも、ムーの末裔らもが…別の空間に逃げ場を作り、ドラコニアンには可視出来ない存在となっていて…。
捕えることが出来ない。
それで彼らはタイムワープし、これ程衰退する以前の地球に、再び降り立ったのです”
ディングレーがこっそり、ギュンターに尋ねる。
「タイムワープって…何だ?」
ギュンターは眉間を寄せる。
「お前が知らないのに、俺に分かるか?」
二人はオーガスタスを見た。
が、オーガスタスも首を横に振る。
ディアヴォロスが口を開きかけた。
がその前に、レオールが心話で二人に説明する。
“過去に飛んで、貴方の子供時代に行くことですよ”
“そんな事、出来るのか?”
ディングレーの内心の疑問が周囲に響き渡り、次にギュンターの
“能力者だぞ?
ナンでもアリだ”
の返答に、ディングレーは納得して頷いてた。
“どうぞ、先を続けて”
ディアヴォロスに促され、アシュターは頷く。
“ムーやアトランティスの末裔らが…かつての繁栄を忘れかけ、土着の未開人らと共に暮らしている時代。
その時代には、後世ほどの雑菌は無かったはずなのに。
それでもドラコニアンらは、大気に漂う何かに体調が阻害されることに気づく。
色々な防護服を試し、一番効果の高い服を身につけ、人間を捕らえて食した。
…素晴らしい味だった。
更に能力も、格段と上がった。
それで彼らは…この地で人間牧場を作る事を決めた。
が、それは困難続きでした”
皆が理由を知りたいと思い、一斉にアシュターを見る。
アシュターは囁き続けた。
“ドラコニアンを苛むのは、人間が放つ光。
その光の波動が、ドラコニアンの体調を阻害した。
がしかし”
皆いっそうその後に興味を引かれ、アシュターの次の言葉を待つ。
“…その光を身に保つ人間こそが、ドラコニアンらにとって、非常な美味であり、素晴らしい能力をもたらす”
今度はギュンターがこっそり、ディングレーに話しかける。
「デンツの実のようなもんか?
毒入りで舌がピリピリするが、それが癖になって…食べすぎると、死ぬ」
ディングレーが思いっきり、眉を寄せた。
「俺はアレが嫌いだ。
どうして食べたいか、もうそこから理解出来ない」
ディアヴォロスがくすくす笑いだし、オーガスタスは頭を掻く。
「ドラコニアンとかいう異形の気持ち、ディングレーには絶対理解出来ないな」
ディングレーは顔を上げて言い放った。
「そんなヤツらの気持ちが分からなくて、御の字だぜ!」
茶々入れて話が途切れたのに気づき、赤毛のオーガスタスがアシュターに首を振る。
「だがドラコニアンとかは、それを食べようと突き進んだんだな?」
アシュターは頷く。
“彼らは色々試した。
小さな村を対象に、彼らから光を消す処方を施し…。
けれど光が消えると、味は途端落ち、得られる力も落ちる。
光は彼らが信じる信仰から来ている事も、突き止めた。
つまり光満ちる集落ほど、美味しい獲物が多く居た。
が、彼らは防護服を着けていても、とても長く居られないほどの…皮膚が焼けるような苦痛を感じる。
それで奴らは…獲物を束ね、収穫できる、人間と自分らの混血を作り出した。
が、それは酷い不出来で…”
その時、銀色の扉が突然開いて、小柄な…まるでカメレオンのような大きな目の、エメラルドグリーンの肌をした者が、銀色の服を着て、入って来た。
ギュンターとディングレーはその異形の姿に、目を見開いたけど。
アシュターは笑顔で迎え入れる。
“彼はウーラン星の爬虫類型の一族です。
非常に冷静で知能が高い”
カメレオンは丁寧に首を振って頷いた後、皆に向き直る。
“聞こえていましたよ。
ドラコニアンの話ですね。
奴らは我が一族の血を手に入れ…悪徳商人からね。
宇宙には売れればナンでも売ると言う、タチの悪い商人もいる。
ともかくドラコニアンが我らの血を、その混血に入れ込んだおかけで。
獰猛ながら非常に狡猾で利口な、ドラコニアンよりも小柄なレプティリアンと言う新たな種族が、生まれてしまった”
ギュンターはその小柄で明るいエメラルドグリーンの肌をした、珍しい生き物に思わず尋ねた。
「ドラコニアンって、デカいのか?」
彼はしたり顔で首を振る。
“ええ、貴方よりはうんとデカい。
彼…”
人間の中で一番背の高い、オーガスタスに首振って促し、言葉を続ける。
“…の、三倍くらいある”
皆が頭の中でオーガスタス(2m10㎝)を三人縦に並べた後、頷いた。
「それは、デカい」(ディングレー)
「確かにデカいな」(ギュンター)
その時初めて、カメレオンはアシュターに尋ねる。
“彼ら、心話は出来ない?
発音した言葉じゃなく思念波で、一応言ってる事は理解出来るけど…”
アシュターはレオールに振り向く。
レオールはカメレオンに、困惑気味に囁いた。
“彼ら、心話は不慣れなので”
けれどカメレオンは言い返した。
“言葉で発音する言語は、皆もの凄く違ってるから、互いに絶対理解出来ないし、体得に時間がかかる。
心話なら…どれだけ互いの言語が違っていても、意思の疎通が出来るのに”
“ブー垂れられてるぞ…”
ディングレーがこっそりギュンターを見つめ、内心を囁きかけ、ギュンターはそんなディングレーに言い返す。
“あいつら、そっちの言葉の方が、良く通じるんだぜ?”
言われてディングレーは、内心の呟きをぐっ、と堪えた後。
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