FUCK LIFE !!

週刊 なかのや

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9話 ラーメンとロリ

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2人はまたもや梯子を降りる。

山田は思う…通常マンホール下の下水はガス溜りが多く、酸素濃度が低いのだが息苦しさを感じないのはマイルド自身と山田に酸素の膜のような物を魔術で作ってくれているのかと。

でも全然そんなことなく、下に降りてみると水1滴落ちてない四方の壁がレンガの部屋。

マイルドが何も言わずに壁へと突っ込むと目の前から消え、突然姿が消えたかと思ったがヌッと壁から顔だけ出して「着いてこい」と言う。

「おいおいこれ、俺ハリーポ○ターで見たことあんぞ」
「駅のやつ!!」

と言って山田が通り抜けると目の前にはショッピングモール出入り口のようなガラスの自動ドア。
その先にある自動販売機前でカフェオレを飲むマイルドの更に奥、扉から入った廊下の突き当たり、何故か仁王立ちで天井を見上げている金髪メッシュの入った黒髪ベースの男が此方に背を向けている。
山田はカフェオレ中毒者に問う。

「此処って何の施設?」
「あと奥にいる奴、誰?」

「此処は【国際連合魔術機関イージス】の南端、本部から離れた研究施設の1部だな」
「魔術式について聞きたがっていた気がするが生憎時間が無い…簡単に言えば俺の使う魔術【Bullet】等の魔術を扱う為の何て言えばいいんだ?プログラム?のような物だ」

「なるほど?で、あの天井のシミ数えてる奴は誰?」

「あの奥にいる男の壁を突き当たり左に魔術式を身体情報から簡単に導き出して、次いでに魔術式も渡される部屋があるから先にそこへ行っててくれ」
「奥の男は上司が言ってた新人だろう。名前は知らない」

「南端?から本部はもっと奥か…」
「新人…なら話し掛けるのはマイルドだな、俺が言いくるめて無理矢理行かせてやろう」

「いや俺が話すよ、強制されるのは嫌なんだ」
「そこの君、、?」

マイルドが仁王立ちしている男に話し掛けると男はゆっくりと此方に振り返る。
2人が目に入った男は眼鏡を真っ白にしながら挨拶をした。

「あ、こんばんわ。ちょっと今食事中なんで名前だけですけど、新人の中村 斗猛矢(なかむら ともや)です」
「好きな俳優と同じ名前で光栄だなぁ」

と2人の前で立ったまま、鳳凰の意匠が入った丼鉢のラーメンをズルルルと啜り続けている。

「何故ラーメン…」
「マイルドといい、魔術師にはヤバい奴しか居ないのか…」

「俺は普通だ。どちらかと言えば山田の方がヤバいだろ、論争厨探偵って…。」
「あとそこの中村何とか、お前はマナー違反だ!音を立てるな!!」

「日本語で話せ外国人!!」
「ラーメン最高!」

「日本語で話してるわ!!」
「あと俺はイギリスと日本のハーフだ覚えておけ非常識金髪メッシュ!!」
「山田、お前に任せる。俺は好かん」

「新人に新人押し付けてんじゃねえよ」
「俺は言われた通り魔術式貰ってくるから、マイルドは中村君とよろしくねーん」

「クソだ。」
「おい、中村なんとか。お前は俺と資料室に向かうぞ」
「聞いて…」

「ん~~」ズルッズルルル

「無いよね。」
「魔術式って誰でも使えるものなのかな」

「行ってきマース」と山田は1人魔術適正検査室へと向かう。

扉を開く先には人間から身体情報を読み取り、その人間の魔力量と質、戦闘スタイルからそれぞれに見合う魔術式を導き出せる電話ボックスような1人しか入れない大型の箱が壁にズラっと並んでいる。

此処で入手できる魔術式は山田が予測で話していた通り、スタンダードな物が用意されているようで箱の横にあるチラシには見た感じ、20個くらい魔術名が記載されている中に【Bullet】と書かれてあるので此処に来て山田はマイルドが使う魔術がスタンダードな物だと知った。

「俺もバレッド使いてえな」

山田が箱に入る前、少し部屋を見回すと壁に血痕を見付けた。

「んもう、嫌な予感しかしない」

そのまま視線を落とすと、足元に人間の首の無い死体が転がっており壁についた血はこの者の血飛沫だと知った。

更に、壁の外側で巨大な虫が歩くようなカサカサ音が壁越しに、いや耳の中に直接聴こえて凄くゾワゾワする。

「うわぁぁあああ!!」

山田はパニック状態になり今にも此処から逃げ出そうとするようになった。

「俺探偵なのに!!殺人事件でよくしたいみてるのにぐああ”ムシ虫むし、お"ぇええ”」
「涙が、涙が止まらない…誰か!!誰かぁああ!!」

聞いたことも無い大きさの虫が不気味に蠢く音が不安を煽り、吐き気と眩暈を発症。
この激しい不安を抱えてはマトモではいられず、今すぐにでもこの部屋から出ようと走り出す。
次の瞬間、山田の眼前に見たことの無い者が何処からともなく突然現れた。

「あれ?君見た事ない顔だね、新人かな?」

パニック状態に陥った山田がその者を視界に捉えると圧倒的な存在感や清楚ロリっ子感に目を奪われ、ほんの少しだけ時間が止まったように感じた。

足元まで伸びる白の長髪とその隙間から見えるピンク色のメッシュ。
服装は純白のローブに、純銀の装飾が神聖な神を信仰する聖職者のように感じる。
だが、身長が低く着ているローブの袖からは手先が出るくらいで、子供のような身長…山田は推定身長130cmと考える。
手足と童顔から大体年齢は8歳から12歳だろう、と山田は感じるが容赦の無いの美少女顔に顔を直視する事は出来ず、しっかりと確認することは出来ない。

「ねぇ、新人君は誰とここに来たのかな?」

「ぐぎゃぁあああ”あ”」

でも、狂気に陥った山田は正気からすぐ現実へ呼び戻された。
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