BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第319話  【BLACK EDGE 其の319 立ち上がれ】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第319話
 【BLACK EDGE 其の319 立ち上がれ】




「…………ま、まだだ……」



 ギアムはそれでも立ち上がろうとする。



 そんなギアムに槍を向けたレトバは



「もうやめとけ。今のお主にはこれが限界じゃ」



 と言うが、ギアムはそんなレトバの言葉なんて聞こうとしない。



 ギアムはふらふらになりながらもゆっくりと立ち上がる。そんなギアムを見たレトバはため息を吐くと、槍を引っ込めた。



「分かった。お主がやるというのなら、わしも全力を出そう」



 そう言うとレトバはギアムから距離を取るために、後ろにジャンプする。



 ギアムは落とした短剣を拾い、レトバに攻撃するために近づく。



 レトバは槍を上に掲げると、その槍を回転させ始めた。



 そしてレトバが槍を回転させると、闘技会場の外から水が集まってくる。それは水が柱のようになり渦を巻きながら、空を蛇のようにウネウネと飛んできている。



 それが五つ舞台にいるレトバの頭上に集まる。そしてその水の体積はレトバの十倍もの大きさになっていた。



 ギアムはレトバに向かって腕を後ろに伸ばしながら走る。そしてそんな走っている最中にギアムの両手の剣が炎を纏った。



 炎を纏った剣はギアムが走っていることによって、ギアムが通った後に赤い線を二本の描くようになっていく。



 レトバが集めた水は一つに集まり、一本の巨大な水の柱となった。
 そしてレトバの槍と連携して動き、それは走ってくるギアムを狙う。



 ギアムは高くジャンプすると、レトバに向かって斬りかかろうとする。



 ジャンプしたギアムに向かって、レトバの集めた水が発射される。ギアムは炎の剣を振って、それに正面から対峙した。



 水の柱と炎の剣がぶつかる。



 炎の剣は水を蒸発させて、水の柱を突っ切ろうとする。だが、水の量は多く、半分まで進んだところで、ギアムを包むようと水が変形する。



「なっ!?」



 そして全ての方向から水に押しつぶされた。



 水と水がぶつかり合い、激しい音と共に水の柱が破裂する。



 会場全体に水が飛び散る中、意識を失ったギアムが舞台の中央に落ちた。





 そして試合終了のゴングが鳴らされる。この試合の勝者はレトバ。



 槍使いの老人レトバが勝利したのであった。



 倒れたギアムの元に控え室からメリッサが駆け寄ってくる。
 メリッサがギアムを抱き抱えると、ギアムは意識を取り戻した。



「メリッサ……俺は…………そうか、すまないな…………負けちまった」




「良いよ。団長が無事なら……」








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