BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第203話  【BLACK EDGE 其の203 箒の武人】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第203話
 【BLACK EDGE 其の203 箒の武人】




 ブラッドは腹を押さえながらも立ち上がった。ロジョンは箒を回転させながらブラッドが立ち上がるのを待っている。



「今、トドメを指すチャンスだろ…………」



「必要ありません。赤崎博士には実験終了まで誰も入れるなどの命令です。あなたを殺す命令は受けてません」



「舐めやがって…………」



 ブラッドは呼吸を整えると、拳を握りもう一度構えた。さっきは焦って攻撃を仕掛けたため、すぐに反撃を食らってしまった。



 ロジョンはそんな焦った状態で勝てる相手ではない。



 ブラッドはゆっくりと足を滑らせながらロジョンに近づく。そしてブラッドは拳を前に突き出し、ロジョンを殴ろうとする。



 しかし、ブラッドの拳が届くよりも早くロジョンの箒がブラッドの腹に当たる。今度は突きではなく右から左に振られた箒がブラッドに当たり、そのまま壁まで吹っ飛んだ。



 壁に吹っ飛んだブラッドは壁にめり込む。だが、すぐに立ち上がり、再びロジョンに向かって走り出した。



 今度はブラッドはロジョンに近づくと、スライディングして姿勢を低くすると足元を狙う。蹴りでロジョンの脚を狙うが、ロジョンは飛び上がると空中で箒を振って、ゴミを飛ばすようにブラッドを吹っ飛ばした。



「ぐっ……」



 ブラッドは地面を転がる。



 ブラッドは止まると立ち上がる。ロジョンはさっきいた場所から一歩も動いていない。



 ロジョンの目的は時間稼ぎ。赤崎の実験が終わるまで中に入れないのが目的だ。



 ブラッドの足止めはするが、ブラッドを積極的には攻撃してこない。だが、それでもブラッドは全くロジョンに手が出せない。



「…………強すぎるだろ」



 予想以上にロジョンが強い。もしかしたら赤崎以上かもしれない。



 こうなったら奥の手を使いたいが、今力を使うのはなるべく避けたいところだ。
 まだ奥には赤崎がいる。だとしたら動けなくなる可能性のある技は使いたくはない。



 どうにかしてロジョンを倒さなければ…………。



 可能性があるとしたらロジョンがブラッドに積極的に攻撃してくることがないことだ。時間稼ぎが目的であるとして、ブラッドを殺すような攻撃はしてはいない。



 だとしたら、そこをどうにか利用できれば良いのだが…………。



 ブラッドはロジョンをどうにかする方法はないかと考える。



「…………そうするしかないか」



 そしてある方法を思いついた。



 ブラッドは拳を握って構える。






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