BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
上 下
185 / 348

 第183話  【BLACK EDGE 其の183 衝撃の膝枕】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第183話
 【BLACK EDGE 其の183 衝撃の膝枕】




 ブラッドが目を開けると目の前に褐色肌の女性がいた。下から見上げているような状況で、顔の全体ははっきりとは見えない。
 だが、それでも分かることがある。その女性は美しい。風が吹くと白い髪がサラサラと靡いている。



 風を煽られた髪を触った女性はふと下を見た。そしてブラッドと目があった。



 女性が見た時、ブラッドは思い出す。その女のことを…………。



 プロタゴニストの森で緑髪の少女を操り、森を荒らしていたクレインという女性だ。



 ブラッドは口を閉じるのを忘れて、目を見開いて驚く。だが、驚いているのはブラッドだけではない。



 クレインもブラッドが起きたことに気づくと、口を開いて驚いたあと、徐々に顔を赤めていく。



「お前は!!」



 ブラッドは思わず立ち上がる。すると、ブラッドと頭がクレインの頭にぶつかり、二人は頭を抑えて地面を転がった。



「痛ってーなぁ!! 何しやかんだ!! 黒龍の適応者!!」



「それはこっちのセリフだ!! なんでお前が…………あんなことしてんだよ!!」



 ブラッドが目覚めるとクレインに膝枕されていた。敵である女性に突然そんなことされたら恐怖でしかない。



 クレインは顔を赤くして怒る。



「しょーがねぇじゃねぇか!! そうしないと傷を治せないんだよ!!」



「傷を直せないだぁ!? ………………え、傷?」



 ブラッドは自分の体を見る。まだ肩などにあとは残っているが、傷が治っていた。



「まさか……お前が…………嘘だろ」



「嘘じゃねぇよ!! …………感謝しやがれってんだ!!」



 クレインはブラッドに目を合わせずにそう怒鳴る。



 周りを見渡すとそこはカメリアと王都を繋ぐ道から少し外れた森林。太陽の光が差し込む暖かい場所だ。



 近くにはシャドーが倒れており、傷は治っているが寝ているようだ。仮面とフードが外れているため、素顔が気になるが今は見ないであげよう。



「ふふふ、俺にも感謝するんだな!」



 そしてもう一人。赤毛の少女が偉そうに威張っていた。



「俺がいなければ、お前らは今頃死んでいたかもな!!」



 そんな威張っているクロウの頭をクレインが叩く。叩かれたクロウは痛そうに頭を摩った。



「何すんだよ!!」



「こいつら担いだのは私だし、治したもの私だ!! お前は殆ど何もしてないだろ!!」



 なぜ、クレインとクロウが一緒にいるのか。そしてなぜ助けてくれたのか、気になることは沢山ある。



 だが、それよりも先に。



「なぁ、フェア達は無事か?」






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...