157 / 352
第155話 【BLACK EDGE 其の155 赤崎】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第155話
【BLACK EDGE 其の155 赤崎】
「よく来たな。君たち!!」
埃が舞う中、奥に人影が現れる。その声とシルエットは男。そして埃が地面に落ちて視界が晴れると、そこに現れたのは白衣を着た黒髪の男だった。
「……お前が赤崎博士か……」
赤崎は身体を動かして白衣を靡かせる。そして腕を組んで二人のことを見下ろした。
「そうだとも私が赤崎 圭一郎……。ようこそ、私のラボへ……ブラッド、そしてフェア」
フェアは立ち上がると、赤崎を睨みつける。
「子供達はどこなの!!」
それを聞いた赤崎はニヤリと口角が上がる。だが、答えることがない。
「答えて!!」
そう言って今にも飛びかかりそうなフェアを止めるようにブラッドが前に立つ。
「…………俺たちをここに連れて来た目的は何だ……」
ブラッドが聞くと、赤崎は二人に背を向ける。そして二人とは目を合わせずに喋り出した。
「私はある男を超えたいんだ…………。しかし、今となってはその夢は叶わない。……私はこちらの世界に来てしまったから……」
赤崎は歩き出す。ゆっくりと前進する。
部屋は狭く宿の部屋と同じ程度の空間だ。そんな空間の中、赤崎の前に広がっているのは、明るい光を放つ細く四角いもの。それはモニターだ。そしてそこには様々なものが映し出されている。ほとんどのものはブラッド達には理解できない。だが、一つだけわかるものが映し出されていた。
「……だが、この世界に来たことで私は強力な存在を見つけた……そう、それこそが…………」
赤崎は身体を回転させて二人の方を振り向く。
「君たち、龍だ!!」
そして赤崎は不敵に笑い出した。
ブラッドはフェアを守るように近づける。
「目的は龍の力か…………」
ブラッドの言葉に赤崎は答える。
「その通り、私は君たちを待っていた。そのためにグリモワールを出し抜いて、あの子供達を連れて来た」
「本当にあの子達はここにいるの!?」
フェアが心配そうに叫ぶと、ロジョンは身体は動かさず腕だけを動かして後ろのモニターを操作する。そして操作が終わると身体を退けて画面を見せた。
「ああ、いるとも……」
「っ!?」
そこに移されたのはベッドの上で寝させられている子供達の姿だ。
だが、誰一人起きておらず、寝返りをうったりはしているが、大きな動きはない。
「…………何をしたの……?」
フェアは赤崎を睨む。すると赤崎は楽しそうに答えた。
「少し実験に付き合ってもらっただけさ」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第155話
【BLACK EDGE 其の155 赤崎】
「よく来たな。君たち!!」
埃が舞う中、奥に人影が現れる。その声とシルエットは男。そして埃が地面に落ちて視界が晴れると、そこに現れたのは白衣を着た黒髪の男だった。
「……お前が赤崎博士か……」
赤崎は身体を動かして白衣を靡かせる。そして腕を組んで二人のことを見下ろした。
「そうだとも私が赤崎 圭一郎……。ようこそ、私のラボへ……ブラッド、そしてフェア」
フェアは立ち上がると、赤崎を睨みつける。
「子供達はどこなの!!」
それを聞いた赤崎はニヤリと口角が上がる。だが、答えることがない。
「答えて!!」
そう言って今にも飛びかかりそうなフェアを止めるようにブラッドが前に立つ。
「…………俺たちをここに連れて来た目的は何だ……」
ブラッドが聞くと、赤崎は二人に背を向ける。そして二人とは目を合わせずに喋り出した。
「私はある男を超えたいんだ…………。しかし、今となってはその夢は叶わない。……私はこちらの世界に来てしまったから……」
赤崎は歩き出す。ゆっくりと前進する。
部屋は狭く宿の部屋と同じ程度の空間だ。そんな空間の中、赤崎の前に広がっているのは、明るい光を放つ細く四角いもの。それはモニターだ。そしてそこには様々なものが映し出されている。ほとんどのものはブラッド達には理解できない。だが、一つだけわかるものが映し出されていた。
「……だが、この世界に来たことで私は強力な存在を見つけた……そう、それこそが…………」
赤崎は身体を回転させて二人の方を振り向く。
「君たち、龍だ!!」
そして赤崎は不敵に笑い出した。
ブラッドはフェアを守るように近づける。
「目的は龍の力か…………」
ブラッドの言葉に赤崎は答える。
「その通り、私は君たちを待っていた。そのためにグリモワールを出し抜いて、あの子供達を連れて来た」
「本当にあの子達はここにいるの!?」
フェアが心配そうに叫ぶと、ロジョンは身体は動かさず腕だけを動かして後ろのモニターを操作する。そして操作が終わると身体を退けて画面を見せた。
「ああ、いるとも……」
「っ!?」
そこに移されたのはベッドの上で寝させられている子供達の姿だ。
だが、誰一人起きておらず、寝返りをうったりはしているが、大きな動きはない。
「…………何をしたの……?」
フェアは赤崎を睨む。すると赤崎は楽しそうに答えた。
「少し実験に付き合ってもらっただけさ」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説


せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる