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第82話 【BLACK EDGE 其の82 時空間ゲート】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第82話
【BLACK EDGE 其の82 時空間ゲート】
プロタゴニストの森を出発する前に、ブラッドはリナリアと二人になると、今回の騒動について聞いた。
二人になったリナリアはブラッドの姿に変身する。しかし、そんなことは関係なしに、ブラッドは聞いた。
「それでブルーバードの目的はなんだったんだ? 今回は追い払えた。しばらくは奴らは来ないだろうが……。原因を無くせたわけじゃない。また来る可能性もある」
それを聞いたリナリアはブラッドの顔を見た。そして本気で心配してくれているブラッドに感謝すると、
「…………これはこの森の秘密にも関わる」
プロタゴニストの森は不思議な森だ。植物が鏡のような性質を持っている。しかし、正確には鏡ではない。鏡以上の性質を持っているのだ。
光だけでは無く、どんなものですら反射する。それはこの世の物質じゃなかったとしても、その効果は例外じゃない。
「プロタゴニストの森には特殊な植物がある。それが…………」
そう言うとリナリアは花畑にある一本の木を見た。
「あれがか?」
「……そう、あれはこの世に二つと存在しない不思議な鏡。あれに映されたものはこの世への存在が確定する」
「ん? どういうことだ?」
ブラッドにはリナリアの言っていることが理解できなかった。この世への存在が確定する。何を言っているのだろうか。
「この森の他の植物はこの世に無いものは映せない」
それは当然のことだ。あらゆるものを反射するとしても、存在しないものを反射することはできない。
それは存在しないからだ。存在しないものを反射して映すことなんてできないのだ。だが、それを可能にするのがあの鏡だと言う。
「つまりはあれはこの世に存在しないものを映せて、実体化させられるっていうのか?」
「そういうこと…………」
「俄には信じられないが……」
するとリナリアは姿をうねうねと変形させる。しかし、大きく体が変化するわけではない。
今はブラッドの身体が気持ち悪いくらい波打ってる状態だ。人の姿でそんな動きをしないでほしい。
「…………私もあの鏡で映された存在」
それを聞いたブラッドは驚く。だが、それと同時になぜか納得もできる。
このリナリアの能力は不思議な力だ。龍と力でも魔術でもない。そんな力を目前にしたのなら、そういうことを言われても理解するしかない。
「だが、なぜそれをブルーバードが狙うことになる?」
「彼らの目的は空間に穴をあけること。そのためにあの鏡を使おうとしている」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第82話
【BLACK EDGE 其の82 時空間ゲート】
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「それでブルーバードの目的はなんだったんだ? 今回は追い払えた。しばらくは奴らは来ないだろうが……。原因を無くせたわけじゃない。また来る可能性もある」
それを聞いたリナリアはブラッドの顔を見た。そして本気で心配してくれているブラッドに感謝すると、
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光だけでは無く、どんなものですら反射する。それはこの世の物質じゃなかったとしても、その効果は例外じゃない。
「プロタゴニストの森には特殊な植物がある。それが…………」
そう言うとリナリアは花畑にある一本の木を見た。
「あれがか?」
「……そう、あれはこの世に二つと存在しない不思議な鏡。あれに映されたものはこの世への存在が確定する」
「ん? どういうことだ?」
ブラッドにはリナリアの言っていることが理解できなかった。この世への存在が確定する。何を言っているのだろうか。
「この森の他の植物はこの世に無いものは映せない」
それは当然のことだ。あらゆるものを反射するとしても、存在しないものを反射することはできない。
それは存在しないからだ。存在しないものを反射して映すことなんてできないのだ。だが、それを可能にするのがあの鏡だと言う。
「つまりはあれはこの世に存在しないものを映せて、実体化させられるっていうのか?」
「そういうこと…………」
「俄には信じられないが……」
するとリナリアは姿をうねうねと変形させる。しかし、大きく体が変化するわけではない。
今はブラッドの身体が気持ち悪いくらい波打ってる状態だ。人の姿でそんな動きをしないでほしい。
「…………私もあの鏡で映された存在」
それを聞いたブラッドは驚く。だが、それと同時になぜか納得もできる。
このリナリアの能力は不思議な力だ。龍と力でも魔術でもない。そんな力を目前にしたのなら、そういうことを言われても理解するしかない。
「だが、なぜそれをブルーバードが狙うことになる?」
「彼らの目的は空間に穴をあけること。そのためにあの鏡を使おうとしている」
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