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第4話 【盗賊のプハッー!! 其の4】
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せかへい 外伝26
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第4話
【盗賊のプハッー!! 其の4】
屋敷の宝物庫にたどり着いた三人であったが、そこにラピッドと名乗る男が現れた。
「何の用だ? お前もこの宝を狙う輩か?」
ミニバンが聞くとラピッドは首振る。
「うーむ。私は君たちみたいなチンケな盗賊とは違う。私はこの屋敷の主からこの宝物子を守るように言われているのさ」
そう言うとラピッドは髪をばさっとさせた。そしてカッコつける。
だが、このラピッドは騎士や冒険者という感じではない。裏世界での剣士だ。
剣術や服装からもそうだが、アプーとミニバンはこの男を見たことがある。
それは王国にある手配書だ。
このラピッドは騎士殺しの罪で追われている。しかし、なぜそんな男がこの屋敷の宝物庫を守っているのか……。
グラニットはラピッドに短剣を向けた。
「やはりこの宝は奴らと繋がりがあるんだな」
ラピッドはグラニットの言葉を聞き、グラニットの持つ水晶を見た。
「ほう、その水晶を狙っていたか……。そしてその水晶の価値を知っているとは…………」
ラピッドは剣を握り直す。
「まぁ、良い。どちらにしろ。どんな侵入者でも始末する。それが俺の仕事だ」
ラピッドはグラニットに斬りかかる。そのスピードは早く。目で追うのがやっとのスピードだ。
グラニットはラピッドの剣を受け止める。短剣であるのにそれでラピッドの剣を止められるグラニットの腕はかなりのものだ。
「ほほぉ、やりますなぁ」
ラピッドはそう言いながらグラニットに剣を振り続ける。グラニットはどうにか防いでいるが、ギリギリの状態だ。
「グラニット!!」
ミニバンとアプーも短剣を抜くと、ラピッドの背後に回り込んだ。
「お前ら……」
「プハッー! 俺たちも加勢するぜ」
ミニバンとアプーも戦闘に参加する。
「三人とは卑怯な……」
グラニットだけを相手しているだけなら、圧倒していたラピッドであったが、三人を同時に相手にするのは辛いらしく、距離を取った。
「プハッー、卑怯ねぇ、盗賊は卑怯な行為をしてこそだぜ」
ラピッドは最初に二人を始末できなかったのが、ここに来て状況を悪くした。しかし、あることに気づいた。
「お前ら、その女の正体を知っているのか……」
ラピッドはミニバンとアプーにそう告げる。
グラニットはその水晶の正体について知っている。ならば、この二人はその仲間なのか、そう最初は考えていた。
しかし、この二人は水晶の話をしている時、知っている様子はなかった。
「その女はなぁ」
ラピッドが言いかけた時、
「言うな!!」
ミニバンとアプーが同時に叫んだ。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第4話
【盗賊のプハッー!! 其の4】
屋敷の宝物庫にたどり着いた三人であったが、そこにラピッドと名乗る男が現れた。
「何の用だ? お前もこの宝を狙う輩か?」
ミニバンが聞くとラピッドは首振る。
「うーむ。私は君たちみたいなチンケな盗賊とは違う。私はこの屋敷の主からこの宝物子を守るように言われているのさ」
そう言うとラピッドは髪をばさっとさせた。そしてカッコつける。
だが、このラピッドは騎士や冒険者という感じではない。裏世界での剣士だ。
剣術や服装からもそうだが、アプーとミニバンはこの男を見たことがある。
それは王国にある手配書だ。
このラピッドは騎士殺しの罪で追われている。しかし、なぜそんな男がこの屋敷の宝物庫を守っているのか……。
グラニットはラピッドに短剣を向けた。
「やはりこの宝は奴らと繋がりがあるんだな」
ラピッドはグラニットの言葉を聞き、グラニットの持つ水晶を見た。
「ほう、その水晶を狙っていたか……。そしてその水晶の価値を知っているとは…………」
ラピッドは剣を握り直す。
「まぁ、良い。どちらにしろ。どんな侵入者でも始末する。それが俺の仕事だ」
ラピッドはグラニットに斬りかかる。そのスピードは早く。目で追うのがやっとのスピードだ。
グラニットはラピッドの剣を受け止める。短剣であるのにそれでラピッドの剣を止められるグラニットの腕はかなりのものだ。
「ほほぉ、やりますなぁ」
ラピッドはそう言いながらグラニットに剣を振り続ける。グラニットはどうにか防いでいるが、ギリギリの状態だ。
「グラニット!!」
ミニバンとアプーも短剣を抜くと、ラピッドの背後に回り込んだ。
「お前ら……」
「プハッー! 俺たちも加勢するぜ」
ミニバンとアプーも戦闘に参加する。
「三人とは卑怯な……」
グラニットだけを相手しているだけなら、圧倒していたラピッドであったが、三人を同時に相手にするのは辛いらしく、距離を取った。
「プハッー、卑怯ねぇ、盗賊は卑怯な行為をしてこそだぜ」
ラピッドは最初に二人を始末できなかったのが、ここに来て状況を悪くした。しかし、あることに気づいた。
「お前ら、その女の正体を知っているのか……」
ラピッドはミニバンとアプーにそう告げる。
グラニットはその水晶の正体について知っている。ならば、この二人はその仲間なのか、そう最初は考えていた。
しかし、この二人は水晶の話をしている時、知っている様子はなかった。
「その女はなぁ」
ラピッドが言いかけた時、
「言うな!!」
ミニバンとアプーが同時に叫んだ。
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