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第6話 『悪魔の湯』
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銭湯マスター
著者:ピラフドリア
第6話
『悪魔の湯』
男が振り返ると、そこには彼女の姿があった。
「どうしたの?」
男の彼女は心配そうに聞く。
男は心配させないように、笑顔を作る。
「いや、何もなかったよ」
そう言いながら、無意識で仮面を懐にしまった。
気がつくと、そこは赤く染まっていた。何があったのか。思い出せない。
ただそこには悲鳴だけがずっと頭の中をぐるぐると回っていた。
だが、自分が自分でない存在になっていく。自分が乗っ取られていく。そんな感覚が彼を襲った。
やがて、彼は警察に追われて、逃亡生活を送ることになる。
仮面を外そうとしても仮面は外れない。そして血のついたナイフを捨てることもできない。
追ってくる警察すら、切り裂き、彼は殺人鬼となった。
イモムシのような宇宙人。彼には名前はない。いや、性格には名前を捨てた。
平和な星に暮らしていた宇宙人である彼は、家族を持ち、そして平和に暮らしていた。
しかし、ある時事件が起きた。
星が襲撃されたのだ。
それは宇宙でも有名な犯罪組織。彼らは星を奪い取り、金持ちの異星人に売りつけるのだ。
彼らも抵抗をした。宇宙人で最も文明の進んだ星であった彼らには対抗手段があったのだ。
その名も、宇宙要塞カオォ。
人の顔の形をした宇宙船であり、砲弾を1万個、小型船を5船台収納可能。テレポートにより何千光年先の宇宙にも瞬時に移動することが可能であり、明細機能を使えば、敵に見つかることなく背後をとることも可能である。
伝説の兵器、星壊しにも並ぶ力があると言われる。その要塞は攻めてきた宇宙犯罪組織を一瞬にして壊滅された。
だが、彼らは平和になることはなかった。
その事件が彼らに火をつけてしまったのだ。
いつまた攻められるかわからない。ならば、こちらが先に攻めてしまえばいいのではないか。
それから彼らの侵略作戦が始まった。
次々と星を戦略して、ついにはこの地球にも侵略作戦を開始したのだ。
この宇宙人はその偵察隊。地球とはどんな星なのか、どれほどの文明を持ち、対抗してくるのか。
それを確かめに来たのだ。
その時に見つけたのが、戦闘グランプリであった。宇宙人はこの銭湯グランプリを戦闘グランプリと勘違いしてきたのだ。
この大会に出ることで、この文明の強さを知ることができる。
そして今のところの評価はそこそこ。あれだけ熱い湯船に浸かるこの星の生命体は皮膚が熱く。熱に対する耐性を持っていると、宇宙人は分析していた。
しかし、事件が起きた。
そう、気づいた時には、宇宙人はペッチャンコに潰されていたのである。
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「どうしたの?」
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男は心配させないように、笑顔を作る。
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気がつくと、そこは赤く染まっていた。何があったのか。思い出せない。
ただそこには悲鳴だけがずっと頭の中をぐるぐると回っていた。
だが、自分が自分でない存在になっていく。自分が乗っ取られていく。そんな感覚が彼を襲った。
やがて、彼は警察に追われて、逃亡生活を送ることになる。
仮面を外そうとしても仮面は外れない。そして血のついたナイフを捨てることもできない。
追ってくる警察すら、切り裂き、彼は殺人鬼となった。
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しかし、ある時事件が起きた。
星が襲撃されたのだ。
それは宇宙でも有名な犯罪組織。彼らは星を奪い取り、金持ちの異星人に売りつけるのだ。
彼らも抵抗をした。宇宙人で最も文明の進んだ星であった彼らには対抗手段があったのだ。
その名も、宇宙要塞カオォ。
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伝説の兵器、星壊しにも並ぶ力があると言われる。その要塞は攻めてきた宇宙犯罪組織を一瞬にして壊滅された。
だが、彼らは平和になることはなかった。
その事件が彼らに火をつけてしまったのだ。
いつまた攻められるかわからない。ならば、こちらが先に攻めてしまえばいいのではないか。
それから彼らの侵略作戦が始まった。
次々と星を戦略して、ついにはこの地球にも侵略作戦を開始したのだ。
この宇宙人はその偵察隊。地球とはどんな星なのか、どれほどの文明を持ち、対抗してくるのか。
それを確かめに来たのだ。
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そして今のところの評価はそこそこ。あれだけ熱い湯船に浸かるこの星の生命体は皮膚が熱く。熱に対する耐性を持っていると、宇宙人は分析していた。
しかし、事件が起きた。
そう、気づいた時には、宇宙人はペッチャンコに潰されていたのである。
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