105 / 105
第E16話 『霊能力者は今日も働く』
しおりを挟む
霊能力者のレイちゃんは、ダメ、無能、役に立たない?
著者:ピラフドリア
第E16話
『霊能力者は今日も働く』
「そうなんです……。それで依頼をお願いしたくて」
パーマ頭の奥さんが私の向かいの席に座り、事情を説明する。私は頷くと、
「分かりました。お任せください!! その問題、私が解決してみせましょう!!」
こうして依頼を引き受けることになった。
依頼人が帰宅し、残った私にリエがふわふわと浮いて近づいてくる。
「私、キッチンにいたので聞いてなかったんですけど、どんな依頼だったんですか?」
「地区のゴミ捨て場に幽霊が出るんだって。それで自治体の代表の人が依頼に来たのよ」
「ゴミ捨て場に幽霊ですか……。どんな幽霊だかは聞いたんですか?」
「話だと、身体が縦長だったっとは言ってたね。まぁ、今夜にでも行ってみましょうか!!」
それから楓ちゃんが部活が終わり帰ってくるのを待ち、私達は三人は例のゴミ捨て場へ向かった。
「タカヒロさんは来ませんでしたね」
リエが事務所の方を振り向きながら呟く。
「そうね~。ミーちゃんが寝たいって言ってるからって言ってたけど。本当かしら……」
タカヒロさんはミーちゃんが眠たいようで行けないと言っていた。しかし、実際のところは本人が寝たいだけじゃないだろうか。
そうこうしているうちに私達は例のゴミ捨て場に到着する。
「さて、ここで幽霊が出てくるみたいだけど。本当かしら」
待っていると、しばらくしてゴミ捨て場に縦長の影が現れる。
「現れましたよ!!」
「二人とも僕の後ろに隠れてください!!」
リエが叫び、楓ちゃんが私達を守ろうと前に出て臨戦体制になる。
そんな中、例の幽霊の姿がくっくりと見えてきた。
「「「ペットボトル!?」」」
そこにはペットボトルに顔がついた幽霊がいた。
「なんですかあなた方は……」
「あなた……幽霊なんですか?」
「私の姿が見えているんですね。いかにも私は幽霊です」
ペットボトルの幽霊は腕を組み、私達と向かい合う。
「なんでそんな姿に?」
「それが……。巨大なペットボトルを飲もうとしたら身体がハマってしまい、抜けなくなって……。そのまま私は……」
「どんな状況よ!!」
ふざけた状況だが、そんな状況の幽霊をリエが解説する。
「おそらく死因としてペットボトルが思念として付いてきてしまったんですね」
「そんなことがあるのね……」
ペットボトルは頭を下げる。
「どうか、私をペットボトルから解放してください!!」
そう願い出るペットボトル。私達三人はそれぞれを見て頷くと、
「当然助けますよ。私達はそのために来たんです」
「ペットボトルから抜け出せれば、未練も無くなるはずですよ」
こうして三人で協力して、この幽霊をペットボトルから解放した。そうすると幽霊は天へと昇って消えていったのであった。
著者:ピラフドリア
第E16話
『霊能力者は今日も働く』
「そうなんです……。それで依頼をお願いしたくて」
パーマ頭の奥さんが私の向かいの席に座り、事情を説明する。私は頷くと、
「分かりました。お任せください!! その問題、私が解決してみせましょう!!」
こうして依頼を引き受けることになった。
依頼人が帰宅し、残った私にリエがふわふわと浮いて近づいてくる。
「私、キッチンにいたので聞いてなかったんですけど、どんな依頼だったんですか?」
「地区のゴミ捨て場に幽霊が出るんだって。それで自治体の代表の人が依頼に来たのよ」
「ゴミ捨て場に幽霊ですか……。どんな幽霊だかは聞いたんですか?」
「話だと、身体が縦長だったっとは言ってたね。まぁ、今夜にでも行ってみましょうか!!」
それから楓ちゃんが部活が終わり帰ってくるのを待ち、私達は三人は例のゴミ捨て場へ向かった。
「タカヒロさんは来ませんでしたね」
リエが事務所の方を振り向きながら呟く。
「そうね~。ミーちゃんが寝たいって言ってるからって言ってたけど。本当かしら……」
タカヒロさんはミーちゃんが眠たいようで行けないと言っていた。しかし、実際のところは本人が寝たいだけじゃないだろうか。
そうこうしているうちに私達は例のゴミ捨て場に到着する。
「さて、ここで幽霊が出てくるみたいだけど。本当かしら」
待っていると、しばらくしてゴミ捨て場に縦長の影が現れる。
「現れましたよ!!」
「二人とも僕の後ろに隠れてください!!」
リエが叫び、楓ちゃんが私達を守ろうと前に出て臨戦体制になる。
そんな中、例の幽霊の姿がくっくりと見えてきた。
「「「ペットボトル!?」」」
そこにはペットボトルに顔がついた幽霊がいた。
「なんですかあなた方は……」
「あなた……幽霊なんですか?」
「私の姿が見えているんですね。いかにも私は幽霊です」
ペットボトルの幽霊は腕を組み、私達と向かい合う。
「なんでそんな姿に?」
「それが……。巨大なペットボトルを飲もうとしたら身体がハマってしまい、抜けなくなって……。そのまま私は……」
「どんな状況よ!!」
ふざけた状況だが、そんな状況の幽霊をリエが解説する。
「おそらく死因としてペットボトルが思念として付いてきてしまったんですね」
「そんなことがあるのね……」
ペットボトルは頭を下げる。
「どうか、私をペットボトルから解放してください!!」
そう願い出るペットボトル。私達三人はそれぞれを見て頷くと、
「当然助けますよ。私達はそのために来たんです」
「ペットボトルから抜け出せれば、未練も無くなるはずですよ」
こうして三人で協力して、この幽霊をペットボトルから解放した。そうすると幽霊は天へと昇って消えていったのであった。
0
お気に入りに追加
7
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです
ほむらさん
ファンタジー
どうやら、人は死ぬと【転生ルーレット】で来世を決めるらしい。
知ったのはもちろん自分が死んで最後の大勝負を挑むことになったからだ。
虫や動物で埋め尽くされた非常に危険なルーレット。
その一発勝負で、幸運にも『ショタ召喚士』を的中させることに成功する。
―――しかし問題はその後だった。
あの野郎、5歳児を原っぱにポイ捨てしやがった!
召喚士うんぬんの前に、まずは一人で異世界を生き抜かねばならなくなったのです。
異世界言語翻訳?そんなもん無い!!
召喚魔法?誰も使い方を教えてくれないからさっぱりわからん!
でも絶体絶命な状況の中、召喚魔法を使うことに成功する。
・・・うん。この召喚魔法の使い方って、たぶん普通と違うよね?
※この物語は基本的にほのぼのしていますが、いきなり激しい戦闘が始まったりもします。
※主人公は自分のことを『慎重な男』と思ってるみたいですが、かなり無茶するタイプです。
※なぜか異世界で家庭用ゲーム機『ファミファミ』で遊んだりもします。
※誤字・脱字、あとルビをミスっていたら、報告してもらえるとすごく助かります。
※登場人物紹介は別ページにあります。『ほむらさん』をクリック!
※毎日が明るくて楽しくてほっこりしたい方向けです。是非読んでみてください!
クーヤ「かわいい召喚獣をいっぱい集めるよ!」
@カクヨム・なろう・ノベルアップ+にも投稿してます。
☆祝・100万文字(400話)達成! 皆様に心よりの感謝を!
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
かなざくらの古屋敷
中岡いち
ホラー
『 99.9%幽霊なんか信じていない。だからこそ見える真実がある。 』
幼い頃から霊感体質だった萌江は、その力に人生を翻弄されて生きてきた。その結果として辿り着いた考えは、同じ霊感体質でパートナーの咲恵を驚かせる。
総てを心霊現象で片付けるのを嫌う萌江は、山の中の古い家に一人で暮らしながら、咲恵と共に裏の仕事として「心霊相談」を解決していく。
やがて心霊現象や呪いと思われていた現象の裏に潜む歴史の流れが、萌江の持つ水晶〝火の玉〟に導かれるように二人の過去に絡みつき、真実を紐解いていく。それは二人にしか出来ない解決の仕方だった。
しかしその歴史に触れることが正しい事なのか間違っている事なのかも分からないまま、しだいに二人も苦しんでいく。
やがて辿り着くのは、萌江の血筋に関係する歴史だった。
稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜
撫羽
ファンタジー
ある邸で秘密の会議が開かれていた。
そこに出席している3歳児、王弟殿下の一人息子。実は前世を覚えていた。しかもやり直しの生だった!?
どうしてちびっ子が秘密の会議に出席するような事になっているのか? 何があったのか?
それは生後半年の頃に遡る。
『ばぶぁッ!』と元気な声で目覚めた赤ん坊。
おかしいぞ。確かに俺は刺されて死んだ筈だ。
なのに、目が覚めたら見覚えのある部屋だった。両親が心配そうに見ている。
しかも若い。え? どうなってんだ?
体を起こすと、嫌でも目に入る自分のポヨンとした赤ちゃん体型。マジかよ!?
神がいるなら、0歳児スタートはやめてほしかった。
何故だか分からないけど、人生をやり直す事になった。実は将来、大賢者に選ばれ魔族討伐に出る筈だ。だが、それは避けないといけない。
何故ならそこで、俺は殺されたからだ。
ならば、大賢者に選ばれなければいいじゃん!と、小さな使い魔と一緒に奮闘する。
でも、それなら魔族の問題はどうするんだ?
それも解決してやろうではないか!
小さな胸を張って、根拠もないのに自信満々だ。
今回は初めての0歳児スタートです。
小さな賢者が自分の家族と、大好きな婚約者を守る為に奮闘します。
今度こそ、殺されずに生き残れるのか!?
とは言うものの、全然ハードな内容ではありません。
今回も癒しをお届けできればと思います。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。
剣士に扮した男爵令嬢は、幽居の公子の自由を願う
石月 和花
ファンタジー
両親が亡くなって男爵家を叔父に乗っ取られた令嬢のアンナは、騎士だった父から受けた手解きのお陰で、剣を手に取り冒険者として日銭を稼ぎながら弟を育てていた。
そんなある日、ひょんな事から訳ありそうな冒険者ルーフェスと知り合ったのだった。
アンナは、いつも自分の事を助けてくれるルーフェスに、段々と心が惹かれていったが、彼女にはその想いを素直に認められなかった。
何故ならアンナの目標は、叔父に乗っ取られた男爵位を取り返して身分を回復し、弟に爵位を継がせる事だったから。この願いが叶うと、冒険者のルーフェスとは会えなくなるのだ。
貴族の身分を取り戻したい気持ちと、冒険者としてルーフェスの隣に居たい気持ちの間で悩み葛藤するそんな中で、アンナはルーフェスの重大な秘密を知ってしまうのであった……
##
ファンタジー小説大賞にエントリーしています。気に入って頂けましたら、応援よろしくお願いします!
##
この話は、別タイトルで小説家になろうでも掲載しています。
おおぅ、神よ……ここからってマジですか?
夢限
ファンタジー
俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。
人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。
そんな俺は、突如病に倒れ死亡。
次に気が付いたときそこには神様がいた。
どうやら、異世界転生ができるらしい。
よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。
……なんて、思っていた時が、ありました。
なんで、奴隷スタートなんだよ。
最底辺過ぎる。
そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。
それは、新たな俺には名前がない。
そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。
それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。
まぁ、いろいろやってみようと思う。
これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる