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第E1話 『大会議』
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霊能力者のレイちゃんは、ダメ、無能、役に立たない? 番外編
著者:ピラフドリア
第E1話
『大会議』
しばらく外伝を投稿します。時系列的には少し前の話などになるので、こちらもよろしくお願いします。
あるアパートの3階。そこに集まった四人と一匹はテーブルを囲む。
「これから節約大会議を始めます」
そしてこれから大事な会議が始められようとしていた。
黒猫が呆れた表情で私に聞く。
「節約大会議……って何があったんだ?」
「ここは事務所はお兄様から借りているってことは知ってるはずよね」
「ああ……あのやばい兄貴だろ」
私はテーブルの上に置かれた一枚の書類を指差した。
「これは今月の電気代、水道代諸々を含めた料金…………私はお兄様に上限金額を決められてるの……でも、今月、ちょっとオーバーしちゃった!!」
上限金額をオーバーしている。素直に謝れば許してはもらえる。しかし、これが続くと私としては申し訳ない。
「そこでみんなに節約方法を考えてもらうとにしたの」
私が伝えると楓ちゃんが困った顔をする。
「節約って言っても僕平日は夕方しかいませんし。事務所の状況分かりませんよ」
「なんでも良いのよ。改善方法を提案してくれれば」
すると、リエが手を上げた。
「エアコンを使わないってのはどうですか?」
「あなた、耐えられるの?」
「無理ですね」
私の質問にリエは即答した。
今は真夏だ。エアコンをやめたら暑さでやられてしまう。
「ちょっと良いですか」
「なに? 楓ちゃん」
「僕的には事務所寒すぎますよ。学校はもう二度くらい温度高いですけど、それでもブレザー着る人いますよ」
「私的には適応だけど」
楓ちゃんの意見に賛同してリエも立ち上がる。
「私も慣れてましたけど、レイさん冷やしすぎですよ」
「そう? 私暑いより寒い方が良いタイプだからなぁ。ま、みんながそう言うなら、少し温度上げましょうか。他には何かある?」
私が聞くと今度は黒猫が案をあげる。
「なぁ、お前が兄貴に決められた上限って一人の時の金額か?」
「そうだけど」
「なら、職員増えたこと伝えて、人数分にしてもらうか、または依頼料増やせば良いんじゃないか?」
黒猫の意見を聞いて私は納得する。
「そういえばそうね。でも、お兄様からの出費を増やすわけにもいかないし、私たちだけでどうにかしましょうか」
「じゃあ、依頼料増やすのか?」
「そうするしかなさそうね。でも、一気に上げるんじゃなくて少しだけね。実はオーバーしたって言ったけど、ほんの数百円なの、これくらいなら補えるよ」
「数百円なのかよ!! どんだけ頼ってんだよ!!」
「最初は依頼料で黒字に拾うとしてたんだけど。お兄様に赤字でも良いから料金を下げて困ってる人を助けろって言われたの」
「お前の兄貴は何を考えてるんだか…………」
著者:ピラフドリア
第E1話
『大会議』
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あるアパートの3階。そこに集まった四人と一匹はテーブルを囲む。
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「ああ……あのやばい兄貴だろ」
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「これは今月の電気代、水道代諸々を含めた料金…………私はお兄様に上限金額を決められてるの……でも、今月、ちょっとオーバーしちゃった!!」
上限金額をオーバーしている。素直に謝れば許してはもらえる。しかし、これが続くと私としては申し訳ない。
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「節約って言っても僕平日は夕方しかいませんし。事務所の状況分かりませんよ」
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すると、リエが手を上げた。
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「無理ですね」
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「私的には適応だけど」
楓ちゃんの意見に賛同してリエも立ち上がる。
「私も慣れてましたけど、レイさん冷やしすぎですよ」
「そう? 私暑いより寒い方が良いタイプだからなぁ。ま、みんながそう言うなら、少し温度上げましょうか。他には何かある?」
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「なぁ、お前が兄貴に決められた上限って一人の時の金額か?」
「そうだけど」
「なら、職員増えたこと伝えて、人数分にしてもらうか、または依頼料増やせば良いんじゃないか?」
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「そういえばそうね。でも、お兄様からの出費を増やすわけにもいかないし、私たちだけでどうにかしましょうか」
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「そうするしかなさそうね。でも、一気に上げるんじゃなくて少しだけね。実はオーバーしたって言ったけど、ほんの数百円なの、これくらいなら補えるよ」
「数百円なのかよ!! どんだけ頼ってんだよ!!」
「最初は依頼料で黒字に拾うとしてたんだけど。お兄様に赤字でも良いから料金を下げて困ってる人を助けろって言われたの」
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