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第40話 『覚醒の力と折り紙』
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参上! 怪盗イタッチ
第40話
『覚醒の力と折り紙』
イタッチとダッチの二人と向かい合うのは、フクロウ警部、コン刑事、シンメンタール、ラーテル、ノイシ館長達であった。
今回イタッチの狙うお宝はビッグムーンストーン。そのお宝は五人の手によって守られている。
「相棒、これからどうすんだ?」
ダッチは刀を構えながら尋ねる。すると、イタッチはニヤリと笑う。
「そんなの決まってるだろ。俺達は怪盗だ。どんな手を使ってでもお宝を盗み出す!!」
イタッチはマントの裏から折り紙を取り出した。それは表面が赤で裏面が白の折り紙。その折り紙を折ると、イタッチはあるものを作り上げた。
そしてそれを周囲にばら撒く。
ばら撒かれた折り紙は膨らんでいくと、イタッチ達と同じ大きさになる。
「あれは……」
「行け、偽イタッチ軍団!!」
折り紙で作られた偽物のイタッチが六人。フロア内に出現した。
フクロウ警部は手錠を振り回す。
「イタッチの偽物か!! だが、全員捕まえてしまえば良いだけだ!!」
そう言って突撃しようとするフクロウ警部をシンメンタールは止める。
「待ってくれ、フクロウ。乱戦になればイタッチの思う壺だ。ここは僕の作戦で動いてくれ」
「作戦……どうするつもりだ…………」
フクロウ警部が尋ねると、シンメンタールは偽物の混じるイタッチの中から、一人のイタッチを選んで指を指す。
「あれが本物のイタッチだ。僕の覚醒の残り時間は1分。それ以内に決着をつけるため、手を貸して欲しい」
シンメンタールの願いに、フクロウ警部はこくりと頷いた。
「分かった。シンメンタール、君に任せたぞ」
「ああ、任せてくれ」
作戦会議を終えたフクロウ警部は、コン刑事とラーテルに指示を出す。
「コン刑事とラーテルは俺について来い。本物のイタッチから偽物を引き離すぞ!!」
「「はい!!」」
フクロウ警部が突撃して、それに続くようにコン刑事とラーテルもイタッチ達に向かっていく。
偽イタッチとダッチを本物のイタッチから引き離すことに成功し、シンメンタールはイタッチと向かい合う。
「本物の俺を見破るとはやるな」
「僕の夢のために逮捕させてもらうよ」
「俺も夢のために、捕まるわけにはいかないんだよ」
イタッチは折り紙を折って剣を作る。
「勝負するか? 探偵」
イタッチの折り紙の剣に対抗するため、シンメンタールは帽子の中からボールペンを取り出した。
「えぇ、勝負しましょう。怪盗君」
シンメンタールはボールペンのボタンを押して、ペン先を出す。そしてそのペン先で空中に文字を書き始める。
その様子を見て、イタッチは警戒する。
「空中に字を!? まさかそのボールペン!?」
「えぇ、あなたなら分かるはずでしょう。あなたの折り紙と同じ、神器です!」
シンメンタールは空中に『走るの禁止』と書いた。すると、その字は空中に溶け出して、滲んで消えていく。
シンメンタールを警戒し、イタッチは折り紙で人型の人形を作る。そして試しに人形を走らせてみる。
すると、人形は突如動きを止めた。
「これは……」
「ペナルティだよ。これが僕の神器の力さ。一定時間、僕と対象に対してルールを与えることができる。覚醒状態の僕なら、最大三つまでのルールを付与できる。一つ目は移動制限……」
シンメンタールはさらに空中にボールペンで文字を書き始めた。
次に完成した文字は『後退禁止』。これにより後ろに下がることを禁止した。
「これで退けばペナルティを受けることになる。そして最後にっ!!
シンメンタールは最後の文字を空中に書き出した。
「武器禁止だ!!」
シンメンタールが書き終わると同時に、イタッチの剣とシンメンタールのボールペンは二人の手から弾かれるように落ちる。
ルールの効果により、武器を持つことすらも禁止されたようだ。
お互いが手ぶらになると、シンメンタールはイタッチに向かって走り出した。そしてイタッチの懐に潜り込む。
「なっ!? 走った!?」
三つのルールが嘘だったのか。それとも時間制限なのか。最初のルールであった『走るの禁止』のルールがなくなっていた。
それによりシンメンタールはペナルティを受けることなく、イタッチまで走って近づいた。
最初のルールが消えているのを予測できなかったイタッチは、完全に不意を突かれて、シンメンタールに胸ぐらを掴まれる。
シンメンタールは重心を低くすると、イタッチを持ち上げて背負い投げをした。
イタッチの身体が地面に叩きつけられる。
地面に激突したイタッチが痛みで歯を食いしばる中、シンメンタールはイタッチの腕に両足を挟み込み、関節技へと持ち込んだ。
完全に技を決められたイタッチ。
「ぐっ……」
辛そうに歯を噛み合わせる。
⭐︎⭐︎⭐︎
イタッチとシンメンタールが戦闘する中、ダッチは偽イタッチと共にフクロウ警部達と戦っていた。
コン刑事とラーテルは偽イタッチを相手して、フクロウ警部はダッチを狙う。ダッチは刀を振り下ろして、フクロウ警部に切り掛かるが、フクロウ警部は手錠の鎖を横にして刀を受け止めた。
「なにっ!?」
「ダッチ。君は俺には勝てないぞ」
「あァ、そんなことあるかよ!!」
ダッチは刀を両手で握りしめて、フクロウ警部の手錠を目掛けて振り下ろした。
今度は鎖を切断することに成功し、手錠は二つに分離する。
「どうだ、フクロウ。俺は強くなってるぞ」
「ふむ、少しずつだが、確かに成長しているようだな」
自慢げな表情のダッチだったが、ふと奥で戦うイタッチとシンメンタールの様子が目に入る。
そこではシンメンタールの関節技で押さえつけられているイタッチの姿があった。
「イタッチ!!」
第40話
『覚醒の力と折り紙』
イタッチとダッチの二人と向かい合うのは、フクロウ警部、コン刑事、シンメンタール、ラーテル、ノイシ館長達であった。
今回イタッチの狙うお宝はビッグムーンストーン。そのお宝は五人の手によって守られている。
「相棒、これからどうすんだ?」
ダッチは刀を構えながら尋ねる。すると、イタッチはニヤリと笑う。
「そんなの決まってるだろ。俺達は怪盗だ。どんな手を使ってでもお宝を盗み出す!!」
イタッチはマントの裏から折り紙を取り出した。それは表面が赤で裏面が白の折り紙。その折り紙を折ると、イタッチはあるものを作り上げた。
そしてそれを周囲にばら撒く。
ばら撒かれた折り紙は膨らんでいくと、イタッチ達と同じ大きさになる。
「あれは……」
「行け、偽イタッチ軍団!!」
折り紙で作られた偽物のイタッチが六人。フロア内に出現した。
フクロウ警部は手錠を振り回す。
「イタッチの偽物か!! だが、全員捕まえてしまえば良いだけだ!!」
そう言って突撃しようとするフクロウ警部をシンメンタールは止める。
「待ってくれ、フクロウ。乱戦になればイタッチの思う壺だ。ここは僕の作戦で動いてくれ」
「作戦……どうするつもりだ…………」
フクロウ警部が尋ねると、シンメンタールは偽物の混じるイタッチの中から、一人のイタッチを選んで指を指す。
「あれが本物のイタッチだ。僕の覚醒の残り時間は1分。それ以内に決着をつけるため、手を貸して欲しい」
シンメンタールの願いに、フクロウ警部はこくりと頷いた。
「分かった。シンメンタール、君に任せたぞ」
「ああ、任せてくれ」
作戦会議を終えたフクロウ警部は、コン刑事とラーテルに指示を出す。
「コン刑事とラーテルは俺について来い。本物のイタッチから偽物を引き離すぞ!!」
「「はい!!」」
フクロウ警部が突撃して、それに続くようにコン刑事とラーテルもイタッチ達に向かっていく。
偽イタッチとダッチを本物のイタッチから引き離すことに成功し、シンメンタールはイタッチと向かい合う。
「本物の俺を見破るとはやるな」
「僕の夢のために逮捕させてもらうよ」
「俺も夢のために、捕まるわけにはいかないんだよ」
イタッチは折り紙を折って剣を作る。
「勝負するか? 探偵」
イタッチの折り紙の剣に対抗するため、シンメンタールは帽子の中からボールペンを取り出した。
「えぇ、勝負しましょう。怪盗君」
シンメンタールはボールペンのボタンを押して、ペン先を出す。そしてそのペン先で空中に文字を書き始める。
その様子を見て、イタッチは警戒する。
「空中に字を!? まさかそのボールペン!?」
「えぇ、あなたなら分かるはずでしょう。あなたの折り紙と同じ、神器です!」
シンメンタールは空中に『走るの禁止』と書いた。すると、その字は空中に溶け出して、滲んで消えていく。
シンメンタールを警戒し、イタッチは折り紙で人型の人形を作る。そして試しに人形を走らせてみる。
すると、人形は突如動きを止めた。
「これは……」
「ペナルティだよ。これが僕の神器の力さ。一定時間、僕と対象に対してルールを与えることができる。覚醒状態の僕なら、最大三つまでのルールを付与できる。一つ目は移動制限……」
シンメンタールはさらに空中にボールペンで文字を書き始めた。
次に完成した文字は『後退禁止』。これにより後ろに下がることを禁止した。
「これで退けばペナルティを受けることになる。そして最後にっ!!
シンメンタールは最後の文字を空中に書き出した。
「武器禁止だ!!」
シンメンタールが書き終わると同時に、イタッチの剣とシンメンタールのボールペンは二人の手から弾かれるように落ちる。
ルールの効果により、武器を持つことすらも禁止されたようだ。
お互いが手ぶらになると、シンメンタールはイタッチに向かって走り出した。そしてイタッチの懐に潜り込む。
「なっ!? 走った!?」
三つのルールが嘘だったのか。それとも時間制限なのか。最初のルールであった『走るの禁止』のルールがなくなっていた。
それによりシンメンタールはペナルティを受けることなく、イタッチまで走って近づいた。
最初のルールが消えているのを予測できなかったイタッチは、完全に不意を突かれて、シンメンタールに胸ぐらを掴まれる。
シンメンタールは重心を低くすると、イタッチを持ち上げて背負い投げをした。
イタッチの身体が地面に叩きつけられる。
地面に激突したイタッチが痛みで歯を食いしばる中、シンメンタールはイタッチの腕に両足を挟み込み、関節技へと持ち込んだ。
完全に技を決められたイタッチ。
「ぐっ……」
辛そうに歯を噛み合わせる。
⭐︎⭐︎⭐︎
イタッチとシンメンタールが戦闘する中、ダッチは偽イタッチと共にフクロウ警部達と戦っていた。
コン刑事とラーテルは偽イタッチを相手して、フクロウ警部はダッチを狙う。ダッチは刀を振り下ろして、フクロウ警部に切り掛かるが、フクロウ警部は手錠の鎖を横にして刀を受け止めた。
「なにっ!?」
「ダッチ。君は俺には勝てないぞ」
「あァ、そんなことあるかよ!!」
ダッチは刀を両手で握りしめて、フクロウ警部の手錠を目掛けて振り下ろした。
今度は鎖を切断することに成功し、手錠は二つに分離する。
「どうだ、フクロウ。俺は強くなってるぞ」
「ふむ、少しずつだが、確かに成長しているようだな」
自慢げな表情のダッチだったが、ふと奥で戦うイタッチとシンメンタールの様子が目に入る。
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「イタッチ!!」
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