25 / 59
第25話 『革命の演説』
しおりを挟む
参上! 怪盗イタッチ
第25話
『革命の演説』
全ては一人の男から始まった。
男の名は麗音(レオン)。戦時中の国に生まれた彼にとっては、戦争こそが日常であった。
武器を手にして、戦果を上げ、彼は戦争の中でのし上がっていった。だが、ある日戦争が終わった。
祖国であった国は勝利はしたものの、平和な日々がやってくれば、かつての英雄は犯罪者へと変わった。
数々の戦場で名を残した彼は、上官であった老兵に連れられて国外逃亡。その後、亡命を繰り返しながら、同じような仲間を集めていった。
そうしてジャスミンは結成された。
⭐︎⭐︎⭐︎
「警部、エレベーターを動かします!」
無線でネコ刑事の声を聞いたフクロウ警部は、エレベーターに乗り込む。
エレベーターが動き出すと、フクロウ警部は帽子を深く被った。
「良くやった。ネコ刑事、コン刑事……後は俺に任せろ」
エレベーターが21階に到着する。
ここから上の階に行くためには、フロアの反対側まで行く必要がある。そのため、21階、22階、23階を順番に進み、やっと目的地の24階に辿り着く。
フクロウ警部がエレベーターから降りると、そこは赤い絨毯に、壁には西洋風の模様が描かれた豪華な廊下だった。20階以下とは明らかに作り込みが違う。
さらに壁には一定間隔に額縁が飾られており、麗音の写真が飾られていた。
「よっぽど自分が好きみたいだな」
フクロウ警部は廊下を歩き出す。廊下は四角形のドーナツ型であり、二つの路に分かれている。フクロウ警部は左を選んで進んでいき、反対側にある何事もなく、エレベーターの見える位置に辿り着いた。このままエレベーターに乗れれば良いのだが、エレベーターの前にフードを被った動物が立ち塞がっている。
どうやらジャスミンの一員のようだ。フードの動物はフクロウ警部に気づくと、フクロウ警部に身体を向ける。
「コソ泥を待っとんたんじゃが……刑事さんが来よったか」
フードの動物はそう言いながら、フードを脱ぎ捨てる。フードの中から現れたのは雄馬。片足がなく、杖をついている。
フクロウ警部は彼の顔を見て、資料のことを思い出した。
「ジャスミンの構成員の一人、クボサか……」
「ほぉ、よく調べておられるな。刑事さん」
クボサ。ジャスミンの構成員の一人だ。海外での逃走で、足を怪我している。
「君も指名手配されている。捕まってもらうぞ」
フクロウ警部は手錠を取り出して、クボサと向き合う。クボサはやれやれと首を振ると、ポケットの中からハンドガンを取り出した。
「ワシも歳をとった。このままここにいても、麗音に消される運命だろう。だが、ここまで来てしまったからにはやるしかない時もある」
クボサはフクロウ警部に銃口を向ける。
「恨むならワシを恨め、刑事さん……」
銃声と共に弾丸が発射される。火薬の匂いが廊下に広がり、弾丸がフクロウ警部に接触しそうになった時。
弾丸はフクロウ警部の前で弾かれた。弾丸を防いだのは一本の刀。
「よぉ、フクロウ」
弾丸からフクロウ警部を守ったのは、ダッチであった。
「ダッチか。俺を守ったつもりか?」
「まぁな、アンタがやられちゃ、イタッチも張り合いがなさそうなんでな」
「ふん……。あのくらい避けられたわい。っと、お前がいるということはイタッチも来てるんだな」
フクロウ警部の言葉にダッチはニヤリと笑うと、
「ああ、もうすでに上の階にいるぜ」
「そうか。先にお前を捕まえても良いが、イタッチを優先するとしよう。それからテロリストもダッチ、君も逮捕だ」
「やれるものならやってみな」
ダッチは刀をクボサの方へ向ける。
「相棒が捕まればの話だがな。俺は相棒にお前を通すように言われてここに残った。先に行きな、フクロウ」
「言われなくてもそうするさ」
フクロウ警部はクボサの守るエレベーターへと走る。クボサはハンドガンでフクロウ警部を遠ざけようとするが、ダッチが妨害をしてきた。
ダッチが刀を持って向かってきたため、クボサはダッチに銃口を向ける。クボサが発砲し、ダッチが刀で防いでいる間に、フクロウ警部はエレベーターに乗って、上の階へと登っていった。
「邪魔はさせない」
「やるな、若ウサギ」
クボサとダッチは睨み合う。膠着した状態が続くかと思われたが、クボサは銃口を下げる。
「刑事さんにもコソ泥にも逃げられた……わしがもっと働ければ、何か変わっていただろうか」
⭐︎⭐︎⭐︎
22階には犬の兵隊が倒れていた。どうやら先に到着したイタッチが倒したものらしい。
フクロウ警部は犬の兵隊達の上を通り、エレベーターに乗り込んで23階へと上がった。
23階はまたしても部屋の雰囲気が変わる。そこは辺り一面が水槽に囲まれたフロアであり、水槽の中では幾多もの魚が泳いでいた。
そしてそんな青い部屋の奥には、倒れている青い豚とその横で剣を握るイタッチがいた。
「イタッチ!!」
「フクロウ警部か、遅かったな」
フクロウ警部はイタッチの元へと駆け寄る。そして倒れている豚の顔を確認した。
「コイツはジャスミンの幹部の一人、スーラーか」
スーラー。麗音に仕える部下の一人で、演説を得意としている。彼の演説により、ジャスミンに所属した者も多く、ジャスミンがここまで大きくなったのは彼の功績ともいえよう。
フクロウ警部は倒れているスーラーに手錠をはめる。
「スーラーは全国指名手配犯だ。イタッチ、今捕まれば、スーラー逮捕の協力ってことで刑を軽くしてやっても良いぜ」
目を細めてニヤリとイタッチを睨むフクロウ警部。イタッチは折り紙の剣を元の折り紙に戻すと、奥にあるエレベーターへも歩き出した。
「刑が軽くなろうがどうだろうが、俺が捕まるかよ」
「ま、だろうな」
フクロウ警部はイタッチの後ろを歩く。本来ならこのまま後ろから飛びついて、捕まえたいところだが我慢をする。
「俺を捕まえなくて良いのか?」
「まずは麗音だ。お前達が潰しあってくれれば良かったんだがな。早く着きすぎちまった」
「ふ……予定通りだろう」
イタッチとフクロウ警部はエレベーターに乗り込んで、24階へと登った。
エレベーターが止まり、扉が開くとそこは荒れた廃墟のビルのような内装になっていた。
実際に荒れているわけではない、デザインでそのような見た目にしているのだ。
ヒビの入った剥き出しのコンクリートの柱、釘の抜けた壁、壊れた扉。そんな部屋の奥に赤い豚が立っていた。
組織のトップとは思えない貧相な服装。タンクトップにバンダナを巻き、前線で戦う兵士のような格好をしていた。
「来てくれたようだな。怪盗イタッチ、フクロウ警部……」
豚が二人の姿を見て、嬉しそうに微笑む。そんな豚の様子を見て、イタッチは呟く。
「変わってないな」
彼こそが麗音。テロリスト集団のジャスミンのリーダーであり、各国から指名手配されている凶悪犯だ。
イタッチとフクロウ警部は並んで、麗音と向かい合った。麗音は二人を見ながら、イタッチに言葉を返す。
「いや、変わったさ。もう4年も経った」
麗音とイタッチ、フクロウ警部が出会うのは初めてではない。
麗音は懐かしむように、バンダナを取り、目の前で広げる。バンダナをつけていた頭部には、酷い火傷の痕がある。
「君達二人が俺の仲間を奪った。あの時のことを俺は決して忘れはしない」
麗音は二人を鋭い目つきで睨む。そんな麗音をイタッチは睨み返した。
「逆恨みはやめろ。お前は見限られたんだ」
「お前達二人が現れなければ、そうはならなかった……」
麗音は背負っていたライフルを取り出す。
「お前達のせいで俺の計画は出遅れた……。だが、ついに計画は目前まで迫った。だからここでお前達に復讐をし、計画の終わりの祝いとしよう」
第25話
『革命の演説』
全ては一人の男から始まった。
男の名は麗音(レオン)。戦時中の国に生まれた彼にとっては、戦争こそが日常であった。
武器を手にして、戦果を上げ、彼は戦争の中でのし上がっていった。だが、ある日戦争が終わった。
祖国であった国は勝利はしたものの、平和な日々がやってくれば、かつての英雄は犯罪者へと変わった。
数々の戦場で名を残した彼は、上官であった老兵に連れられて国外逃亡。その後、亡命を繰り返しながら、同じような仲間を集めていった。
そうしてジャスミンは結成された。
⭐︎⭐︎⭐︎
「警部、エレベーターを動かします!」
無線でネコ刑事の声を聞いたフクロウ警部は、エレベーターに乗り込む。
エレベーターが動き出すと、フクロウ警部は帽子を深く被った。
「良くやった。ネコ刑事、コン刑事……後は俺に任せろ」
エレベーターが21階に到着する。
ここから上の階に行くためには、フロアの反対側まで行く必要がある。そのため、21階、22階、23階を順番に進み、やっと目的地の24階に辿り着く。
フクロウ警部がエレベーターから降りると、そこは赤い絨毯に、壁には西洋風の模様が描かれた豪華な廊下だった。20階以下とは明らかに作り込みが違う。
さらに壁には一定間隔に額縁が飾られており、麗音の写真が飾られていた。
「よっぽど自分が好きみたいだな」
フクロウ警部は廊下を歩き出す。廊下は四角形のドーナツ型であり、二つの路に分かれている。フクロウ警部は左を選んで進んでいき、反対側にある何事もなく、エレベーターの見える位置に辿り着いた。このままエレベーターに乗れれば良いのだが、エレベーターの前にフードを被った動物が立ち塞がっている。
どうやらジャスミンの一員のようだ。フードの動物はフクロウ警部に気づくと、フクロウ警部に身体を向ける。
「コソ泥を待っとんたんじゃが……刑事さんが来よったか」
フードの動物はそう言いながら、フードを脱ぎ捨てる。フードの中から現れたのは雄馬。片足がなく、杖をついている。
フクロウ警部は彼の顔を見て、資料のことを思い出した。
「ジャスミンの構成員の一人、クボサか……」
「ほぉ、よく調べておられるな。刑事さん」
クボサ。ジャスミンの構成員の一人だ。海外での逃走で、足を怪我している。
「君も指名手配されている。捕まってもらうぞ」
フクロウ警部は手錠を取り出して、クボサと向き合う。クボサはやれやれと首を振ると、ポケットの中からハンドガンを取り出した。
「ワシも歳をとった。このままここにいても、麗音に消される運命だろう。だが、ここまで来てしまったからにはやるしかない時もある」
クボサはフクロウ警部に銃口を向ける。
「恨むならワシを恨め、刑事さん……」
銃声と共に弾丸が発射される。火薬の匂いが廊下に広がり、弾丸がフクロウ警部に接触しそうになった時。
弾丸はフクロウ警部の前で弾かれた。弾丸を防いだのは一本の刀。
「よぉ、フクロウ」
弾丸からフクロウ警部を守ったのは、ダッチであった。
「ダッチか。俺を守ったつもりか?」
「まぁな、アンタがやられちゃ、イタッチも張り合いがなさそうなんでな」
「ふん……。あのくらい避けられたわい。っと、お前がいるということはイタッチも来てるんだな」
フクロウ警部の言葉にダッチはニヤリと笑うと、
「ああ、もうすでに上の階にいるぜ」
「そうか。先にお前を捕まえても良いが、イタッチを優先するとしよう。それからテロリストもダッチ、君も逮捕だ」
「やれるものならやってみな」
ダッチは刀をクボサの方へ向ける。
「相棒が捕まればの話だがな。俺は相棒にお前を通すように言われてここに残った。先に行きな、フクロウ」
「言われなくてもそうするさ」
フクロウ警部はクボサの守るエレベーターへと走る。クボサはハンドガンでフクロウ警部を遠ざけようとするが、ダッチが妨害をしてきた。
ダッチが刀を持って向かってきたため、クボサはダッチに銃口を向ける。クボサが発砲し、ダッチが刀で防いでいる間に、フクロウ警部はエレベーターに乗って、上の階へと登っていった。
「邪魔はさせない」
「やるな、若ウサギ」
クボサとダッチは睨み合う。膠着した状態が続くかと思われたが、クボサは銃口を下げる。
「刑事さんにもコソ泥にも逃げられた……わしがもっと働ければ、何か変わっていただろうか」
⭐︎⭐︎⭐︎
22階には犬の兵隊が倒れていた。どうやら先に到着したイタッチが倒したものらしい。
フクロウ警部は犬の兵隊達の上を通り、エレベーターに乗り込んで23階へと上がった。
23階はまたしても部屋の雰囲気が変わる。そこは辺り一面が水槽に囲まれたフロアであり、水槽の中では幾多もの魚が泳いでいた。
そしてそんな青い部屋の奥には、倒れている青い豚とその横で剣を握るイタッチがいた。
「イタッチ!!」
「フクロウ警部か、遅かったな」
フクロウ警部はイタッチの元へと駆け寄る。そして倒れている豚の顔を確認した。
「コイツはジャスミンの幹部の一人、スーラーか」
スーラー。麗音に仕える部下の一人で、演説を得意としている。彼の演説により、ジャスミンに所属した者も多く、ジャスミンがここまで大きくなったのは彼の功績ともいえよう。
フクロウ警部は倒れているスーラーに手錠をはめる。
「スーラーは全国指名手配犯だ。イタッチ、今捕まれば、スーラー逮捕の協力ってことで刑を軽くしてやっても良いぜ」
目を細めてニヤリとイタッチを睨むフクロウ警部。イタッチは折り紙の剣を元の折り紙に戻すと、奥にあるエレベーターへも歩き出した。
「刑が軽くなろうがどうだろうが、俺が捕まるかよ」
「ま、だろうな」
フクロウ警部はイタッチの後ろを歩く。本来ならこのまま後ろから飛びついて、捕まえたいところだが我慢をする。
「俺を捕まえなくて良いのか?」
「まずは麗音だ。お前達が潰しあってくれれば良かったんだがな。早く着きすぎちまった」
「ふ……予定通りだろう」
イタッチとフクロウ警部はエレベーターに乗り込んで、24階へと登った。
エレベーターが止まり、扉が開くとそこは荒れた廃墟のビルのような内装になっていた。
実際に荒れているわけではない、デザインでそのような見た目にしているのだ。
ヒビの入った剥き出しのコンクリートの柱、釘の抜けた壁、壊れた扉。そんな部屋の奥に赤い豚が立っていた。
組織のトップとは思えない貧相な服装。タンクトップにバンダナを巻き、前線で戦う兵士のような格好をしていた。
「来てくれたようだな。怪盗イタッチ、フクロウ警部……」
豚が二人の姿を見て、嬉しそうに微笑む。そんな豚の様子を見て、イタッチは呟く。
「変わってないな」
彼こそが麗音。テロリスト集団のジャスミンのリーダーであり、各国から指名手配されている凶悪犯だ。
イタッチとフクロウ警部は並んで、麗音と向かい合った。麗音は二人を見ながら、イタッチに言葉を返す。
「いや、変わったさ。もう4年も経った」
麗音とイタッチ、フクロウ警部が出会うのは初めてではない。
麗音は懐かしむように、バンダナを取り、目の前で広げる。バンダナをつけていた頭部には、酷い火傷の痕がある。
「君達二人が俺の仲間を奪った。あの時のことを俺は決して忘れはしない」
麗音は二人を鋭い目つきで睨む。そんな麗音をイタッチは睨み返した。
「逆恨みはやめろ。お前は見限られたんだ」
「お前達二人が現れなければ、そうはならなかった……」
麗音は背負っていたライフルを取り出す。
「お前達のせいで俺の計画は出遅れた……。だが、ついに計画は目前まで迫った。だからここでお前達に復讐をし、計画の終わりの祝いとしよう」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
⭐︎登録お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐︎登録して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
がらくた屋 ふしぎ堂のヒミツ
三柴 ヲト
児童書・童話
『がらくた屋ふしぎ堂』
――それは、ちょっと変わった不思議なお店。
おもちゃ、駄菓子、古本、文房具、骨董品……。子どもが気になるものはなんでもそろっていて、店主であるミチばあちゃんが不在の時は、太った変な招き猫〝にゃすけ〟が代わりに商品を案内してくれる。
ミチばあちゃんの孫である小学6年生の風間吏斗(かざまりと)は、わくわく探しのため毎日のように『ふしぎ堂』へ通う。
お店に並んだ商品の中には、普通のがらくたに混じって『神商品(アイテム)』と呼ばれるレアなお宝もたくさん隠されていて、悪戯好きのリトはクラスメイトの男友達・ルカを巻き込んで、神商品を使ってはおかしな事件を起こしたり、逆にみんなの困りごとを解決したり、毎日を刺激的に楽しく過ごす。
そんなある日のこと、リトとルカのクラスメイトであるお金持ちのお嬢様アンが行方不明になるという騒ぎが起こる。
彼女の足取りを追うリトは、やがてふしぎ堂の裏庭にある『蔵』に隠された〝ヒミツの扉〟に辿り着くのだが、扉の向こう側には『異世界』や過去未来の『時空を超えた世界』が広がっていて――⁉︎
いたずら好きのリト、心優しい少年ルカ、いじっぱりなお嬢様アンの三人組が織りなす、事件、ふしぎ、夢、冒険、恋、わくわく、どきどきが全部詰まった、少年少女向けの現代和風ファンタジー。
猫のバブーシュカ~しましましっぽ彗星の夜に~
catpaw
児童書・童話
猫の女の子バブーシュカは自然豊かなセント・ポピー村にあるタンジェリン夫妻の家で幸せに暮らしていました。しかしある事から、自分は夫妻にもう必要とされてないのだと思い、家出を決意します。家に閉じ込められたバブーシュカは彗星に願いをかけて家から飛び出しましたが、思わぬ世界へと迷い込みます。服を着て後ろ足で立って歩き、まるで人間のように暮らす猫たち。人間は見当たりません。王族・貴族・平民。猫が身分階級を持つ社会に突然放り込まれ、『おまえは何者だ』と問われるバブーシュカ。--バブーシュカの波乱に満ちた物語が始まります。
案ずるよりもオニが易し
茅の樹
児童書・童話
森で暮らす者たちは、厳しい冬の食べ物もなくなってしまいました。
春はすぐそこですが、まだまだ食べ物は手に入りにくいです。
ところがオニの所には、見たこともないような食べ物がたくさんあるという。
お母さんオコジョがいつも言っている「言う事を聞かないとオニがくるよ」と言う、あの「オニ」の事です。
オコジョの坊やは「オニ退治にいくんだ」と意気揚々に家を出て行きます。
オコジョの坊やは罠に掛かってしまいます。しかし、それを助けてくれたのが「オニ」でした。
オニと触れあい、聞いていたのと違う「オニ」を知ります。
本当の「オニ」に触れて、「オニ」知る事でオコジョの坊やも少しだけ成長したようです。
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミでヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる