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第188話 『ロボスとの戦闘』
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怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第188話
『ロボスとの戦闘』
ダッチに飛ばされたナイフを、イタッチが折り紙の剣で叩き落とす。
「行け、ダッチ!!」
「おう!!」
ダッチは目的の部屋へと走り出す。しかし、そこにはナイフを投げ終えたロボスが立っている。
入り口は一つしかない。ロボスの立っている扉ひとつだ。
「君を通すと思うかい?」
ロボスは両手を広げて振る。すると、不思議なことにいつも間にか両手にナイフが握られていた。
「マジックかよ!?」
両手にナイフを握りしめ、向かってくるダッチを迎え打つ体制のロボス。ダッチは刀を抜こうとしたが、後ろにいる人物の気配を感じ、刀を抜くのをやめた。
「任せるって言われたからな」
すぐにダッチはロボスの射程に入る。ロボスは両手の力を抜くと、ムチのように振り回す。
真正面から刺しにくるのではなく、ムチのように振るっているため軌道が読めない。
「ああ、お前はここまま進め」
ダッチの皮膚にロボスのナイフが触れそうになるが、その二本のナイフをたった一本の剣で弾き返す。
「怪盗君……」
「お前の相手は俺がやろう。ヒットマン」
ダッチをナイフから守ったイタッチは、すでに作ってあった折り紙の釣竿で、ロボスを引っ掛けると扉からイタッチのいる位置まで引っ張った。
扉を守るように立っていたロボスだったが、引っ張られてしまい、扉から離れる。
「っ!?」
その隙にダッチはロボスを超えて、扉の奥へと入っていった。
ダッチが部屋へ入っていき、ロボスはダッチを追おうとする。しかし、イタッチは釣竿をうまく使い、扉のドアノブに引っかけると、引っ張って扉を閉めた。
「行かせないぜ。お前の相手は俺だ」
「……怪盗君が俺の相手をするか…………。依頼では四神君の始末だったが、まぁ、俺は依頼にはそこまで執着はないしね」
ロボスはダッチを追うのをやめ、廊下でイタッチと向かい合う。
「良いよ。君なら俺に成長を与えてくれそうだ。君の相手をしてあげよう」
ロボスは両手の力を抜き、持っていたナイフを床に落とす。そして素手で構える。左手を前に出し、右手をその後ろに隠す。
「怪盗君。噂の折り紙マジック、堪能させてもらうよ」
「良いぜ。じっくり味わいな!!」
イタッチは釣竿を頭上で回転させ、縄を回すように釣竿の糸を回転させる。そして勢いをつけたところでロボスを目掛けて針を飛ばした。
スピードは十分。遠くの海面を目指して投げるような操作。
「この程度、俺なら……」
ロボスを引っ掛けようと狙った針だが、ロボスは身体を右に移動させて針を避ける。その動きは激しくなく、波に揺れる葉のように滑らかに動いた。
「簡単に避けられる」
著者:ピラフドリア
第188話
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ダッチに飛ばされたナイフを、イタッチが折り紙の剣で叩き落とす。
「行け、ダッチ!!」
「おう!!」
ダッチは目的の部屋へと走り出す。しかし、そこにはナイフを投げ終えたロボスが立っている。
入り口は一つしかない。ロボスの立っている扉ひとつだ。
「君を通すと思うかい?」
ロボスは両手を広げて振る。すると、不思議なことにいつも間にか両手にナイフが握られていた。
「マジックかよ!?」
両手にナイフを握りしめ、向かってくるダッチを迎え打つ体制のロボス。ダッチは刀を抜こうとしたが、後ろにいる人物の気配を感じ、刀を抜くのをやめた。
「任せるって言われたからな」
すぐにダッチはロボスの射程に入る。ロボスは両手の力を抜くと、ムチのように振り回す。
真正面から刺しにくるのではなく、ムチのように振るっているため軌道が読めない。
「ああ、お前はここまま進め」
ダッチの皮膚にロボスのナイフが触れそうになるが、その二本のナイフをたった一本の剣で弾き返す。
「怪盗君……」
「お前の相手は俺がやろう。ヒットマン」
ダッチをナイフから守ったイタッチは、すでに作ってあった折り紙の釣竿で、ロボスを引っ掛けると扉からイタッチのいる位置まで引っ張った。
扉を守るように立っていたロボスだったが、引っ張られてしまい、扉から離れる。
「っ!?」
その隙にダッチはロボスを超えて、扉の奥へと入っていった。
ダッチが部屋へ入っていき、ロボスはダッチを追おうとする。しかし、イタッチは釣竿をうまく使い、扉のドアノブに引っかけると、引っ張って扉を閉めた。
「行かせないぜ。お前の相手は俺だ」
「……怪盗君が俺の相手をするか…………。依頼では四神君の始末だったが、まぁ、俺は依頼にはそこまで執着はないしね」
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ロボスを引っ掛けようと狙った針だが、ロボスは身体を右に移動させて針を避ける。その動きは激しくなく、波に揺れる葉のように滑らかに動いた。
「簡単に避けられる」
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